切ちゃんとフシちゃん   作:クロトダン

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「このガラルの地に新たな英雄伝説を作る男。その名は……



 ドクタァァァァァァ…………ウェェェルゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!


 もし、ウェル博士が剣盾にいたら……と妄想してみたら意外と違和感がないなーと思いました。
 違和感がないウェル博士がすごいのか違和感を感じなくなった自分が感覚が鈍いのかわかりませんが、本編をどうぞ。


 ※半分寝ぼけながら書いたので文章がおかしくなってると思います。後々直しますが、もし見つけたら教えてくれると助かります。


切ちゃんママと甘えん坊フシちゃん

 前回の簡単なあらすじ、切歌が蹴りあげた(正確にはひっくり返った時に舞った)モンスターボールがフシちゃんに当たり、モンスターボールの中に入ってしまった。

 

 

――三人称視点――

 

 

 フシちゃんがモンスターボールに収納された報告を受け、捜索していた装者達が司令室に集まりモンスターボールを調べているエルフナインからの報告を待っている中、難しい顔をした切歌がフシちゃんの身を案じていた。

 

「うう~~っ!」

 

「大丈夫だよ切ちゃん。今エルフナインが調べてくれてるから」

 

「でもデスヨ!アタシのせいでフシちゃんが閉じ込められたのデス!もしそれが原因でフシちゃんの身に何かあったら心配デス!」

 

「落ち着きなさい切歌」

 

 やりきれない気持ちを調に伝えるとそれを見守っていたマリアが彼女に声をかけた。

 

「でもマリア…!」

 

「切歌、貴女が何かをしようとしても、この状況は変わらないわ。今はフシちゃんを出す方法を調べているエルフナインを信じて待ちましょう。ね?」

 

「……そうですね。ありがとうデス、マリア」

 

「ええ」

 

 マリアの言葉に頷いた切歌は笑みを彼女に向け、彼女の笑みを見たマリアも笑みを浮かべて切歌の頭を撫でた。

 

 

 

 

「お待たせしました!」

 

 それから数十分が経ち、モンスターボールを調べていたエルフナインが件のボールをその手に持って司令室に入ってきた。

 

「エルフナイン!フシちゃんをボールから出す方法が解ったのデスか!」

 

「はい。それについて皆さんに報告があります」

 

 エルフナインの姿を見た切歌は真っ先に彼女に駆け寄り、フシちゃんを出せる方法を聞き出そうとするがそれの前にエルフナインの口からモンスターボールについての調査結果が告げられた。

 

「ボクの推測ですが、このボールはフシちゃんのような生物を保護する為に造られたのではないかと思われます」

 

「保護する為……それは本当なのか?エルフナイン君」

 

「はい。おそらくですが、このボールは本来はフシちゃんのような生物を保護する目的に造られ、ボールの中に格納し手軽に持ち運べるようにしたのではないかと思われます。そして、フシちゃんが中に入ったボールを調べるとボールからフシちゃんの生体反応が発せられてました」

 

「それってつまり…ボールに入っていてもフシちゃんの命に何の影響もなく、一緒にいられやすくなるってこと?」

 

「そういうことです」

 

 一通りエルフナインからの解説を聞いた後、装者達を代表して響が質問するその問いにエルフナインが頷き、それを見た装者達は安堵の表情を浮かべ喜びあい、特に閉じ込めてしまった当事者である切歌は安心したのか思わず座り込みそうになったが、両隣に立っていた調とマリアが彼女を支えてあげた。

 

「ん?ちょっとまて、ソイツが無事なのは解ってもそのボールから出す方法はどうするんだ?」

 

 一人早くその疑問を口にしたクリスの言葉に装者達も気付き、彼女達の視線が一斉にエルフナインに集まった。

 

「はい。他にも解ったことを解説したいのですが、まずはボクの仮説を実践したいと思います。切歌さんちょっとこちらに来てもらえませんか?」

 

「?いいデスよ」

 

 装者達の視線に物怖じせず、エルフナインはモンスターボールを手に持ちながら切歌を空いた手で手招きするとそれを見た切歌は首を傾げつつエルフナインの側に近寄った。

 

「では切歌さん。ボクが合図したらボールを上に投げてみてください」

 

「ほえ?どういう事デスか?」

 

 切歌が側まで近寄ったのを確認したエルフナインは切歌にフシちゃんが入ったモンスターボールを切歌に渡した後、彼女から数歩後ろに下がりながらボールを投げるように指示送るとそれを聞いた切歌は(ハテナ)と首を傾げる。

 そんな彼女にエルフナインはその理由を説明した。

 

「ボクの仮説が正しければ、そのボールは生物を収納するために造られたのなら、それとは逆に生物を外に出す事が出来る筈です」

 

 エルフナインのその仮説は大きく的を得ていた。

 

 彼女の言う通り、モンスターボールはボール中央ののボタンを一度押すと縮小状態から手の平サイズに大きくなり、その状態でポケモンを出したい方向へボールを投げるとポケモンが出ることができる。他にも手に持ったままボールを開けてポケモンを出す事も可能である。

 何の事前情報もない状態でここまでたどり着くとは……さすがはエルフナイン、素晴らしい洞察力だ。

 

「なるほど!それなら早速やってみるデス!出てくるデスヨ……フシちゃーんッ!」

 

 その説明を聞いた切歌は頷いた後、右腕をグルグル回してモンスターボールを上に放り投げた。

 切歌の手により放り投げられたモンスターボールが数mまで上がるとボールが上下に開き、光が切歌の目の前の床に降り注いだ。

 

「……ダーネ?」

 

 しばらくして光が治まると切歌の目の前に先ほどボールに収納されたフシちゃんが不思議そうに首を傾げながらその姿を現した。

 

「フシちゃん!」

 

「ダネ?ダネダネ!」

 

 姿を現したフシちゃんを見た切歌は名前を呼びながらその小さな体を抱きしめようとフシちゃんの下へ駆け寄り、切歌の姿を見たフシちゃんも笑顔を浮かべて切歌の下へ駆け寄り彼女に抱きしめられた。

 

「ごめんねフシちゃん!狭い所に閉じ込めちゃって!怖かったデスか!?」

 

「ダネ?ダーネ、ダネダネフシー!」

 

 切歌は事故とはいえモンスターボールに閉じ込めてしまったことを謝罪するが、当のフシちゃんは全然違うよと言わんばかりに短い前足を振りながら鳴き声を出した。

 

「……もしかして意外と快適だったのかな?」

 

「ダネ!ダネフッシー!」

 

 フシちゃんの体全体を使ったジェスチャーを見た未来が口にすると正解と喜びながら大きく鳴いた。

 

「エルフナインの仮説はある意味当たっていたみたいだな」

 

「そうね。あの様子ならボールの中に入れておけば安心して学校に行けるかもしれないけど……甘えん坊を直さなきゃ大きくなった時大変かもしれないわね」

 

「うーん……あ!こういうのはどうかな?」

 

 翼とマリアが喜びあっている切歌達を眺めながら今後の事を話しているとそれを聞いた響が思い付いた内容をみんなに伝えた。

 

 

 

 

 

――三日後――

 

 

「はい。フシちゃん私達からプレゼントだよ」

 

「寂しい時はこれを持っておけばアタシが側にいると感じるれるデスヨ」

 

「ダネ?……ダネッ!ダネダネ、ダネダネフシー!」

 

 調と切歌がフシちゃんに渡した物を見たフシちゃんは何なのか首を傾げ、ジーッと観察したが直ぐに笑顔になり、背中から出した蔓を伸ばして渡された物――切歌を模した小さなぬいぐるみを持って喜んだ。

 

 響が出した案というのは切歌を模したぬいぐるみを送れば安心するのではないかと事だった。

 動物は嗅ぎ慣れた匂いや見覚えがある物を見ると本能的に落ち着く事がある。ポケモンであるフシちゃんにも通じるかどうか不安だったが、どうやら大丈夫のようだ。

 

「気に入ってくれてよかったね切ちゃん」

 

「はいデス。フシちゃんが喜んでくれて嬉しいデス!ね?フシちゃん」

 

「ダネ!」

 

 

――三人称視点、終了――

 

 

 

 名前:フシギダネ

 

 NN:フシちゃん

 

 タイプ:草、毒

 

 親:キリカ(暁 切歌)

 

 持ち物:切歌のぬいぐるみ

 ・効果:切歌を 模した ぬいぐるみ。持たせると 安心して 落ち着く ようだ。

 




 うーん、さすがに御都合主義過ぎたかな?
 どうもクロトダンです。
 アニポケでついにキバナが出て来ましたね。剣盾の序盤にもあったあのバトルを観れて嬉しかったです!後、ソニアかわいい。

 次回はフシちゃんが持つ能力を調べる話になります。ポケモンの能力を知った装者達はどんな反応をするのか楽しみにしてください。

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