僕らのヒーローアカデミア Are you hero ? NO! I am devil Summoner 作:ルルー
原作:僕のヒーローアカデミア
タグ:R-15 オリ主 残酷な描写 クロスオーバー 真・女神転生 僕らのヒーローアカデミア キャラ崩壊 デビルサマナー
ヒーローと呼ばれる者たちとヴィランと呼ばれる者が雌雄を決する時代の裏でも彼らは”いた”
忘れるな、世界はいつだって薄氷の上にあるということを
人生とはガチャである。
親ガチャ、環境ガチャ、国ガチャ、出会いガチャ。
言い出せばきりがないが、この世すべてはガチャ……つまり人生は運がすべてだと言えるだろう。
運がいいから、いい暮らしができて。
運が悪いから、いい暮らしができない。
『個性』と呼ばれる能力を持った高レアのやつらが世に多くいるのだとしても、自身が低ランク以下の『無個性』と呼ばれる存在だとしても。
それは、ただ運が悪かっただけ…
「ふーん、じゃあ運が良かった方がうれしかった?」
子供のような、からからとした声が耳に囁いた。
「それは……」
黒。
絵具をすべてかき混ぜて書かれたように黒い空、廃墟と化したマンション群。
地面には、何日も放置され腐った肉がこびりついた人間の物と思える死体が無数に転がっており、鼻が曲がるような不快な腐臭を放っている。
そんな無残に転がる死体を踏まないようにしながら走る学生服を着た少年の姿があった。
「はぁ……はぁ……大丈夫! 絶対大丈夫だから!」
少年、緑谷出久は、にっこりと笑顔を浮かべて方に背負った少女に語り掛けた。
背負われた少女の表情は暗い恐怖の色に染まっていて、プルプルと体を震わせている。
「きっと、もうすぐヒーローがやってきて助けてくれる! それまで頑張るんだ!」
ヒーロー。
出久にとって人生の希望の光。
様々な凶悪な
その者たちがやってくればこんな異常事態など容易く踏破し、自分たちを救い出してくれるだろう。
だが
「どうやって?」
少女の小さな口から震えた声がこぼれる。
「どうやってここへたすけにきてくれるの?」
「そっそれは……」
「あの
黒い穴。
それはここに出久たちがやってくる数十分前、出久が学校からの帰宅中のことだった。
いつもであれば普通の下校時間、だが今回は普通ではなかった。
「おかあさーん! どこー!?」
帰路の途中、出久は母を呼びながらきょろきょろと周りを見回していたこの少女を見つけた。
母親とはぐれてしまったのだろうか? 出久はそう思い近くまで行って少女に声をかけようとした瞬間だった。
「え?」
少女の足元に、突如として黒い穴が開いたのだ。
あれは? 空間系の『個性』かなにかなのか? 疑問はつかなかったが、出久は
自身の危険? 自分が行って何になるというのか? まずはヒーローに助けを呼ぶべきではないのか? そのような思考が頭を走るが体は動き、少女が落ちた穴へと落ちていったのだった。
「空間を作り出す個性? それと別の場所に転移させる『個性』もしそうならこの空間に入るための入り口と出口が必要になるだけどそれをすぐにヒーローが見つけ出してくれるだろうか?ぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ……」
今まで起こったことと、自身の知る様々な個性を頭の中に照らし合わせながら口に手を当て脱出の手段を考えていたその時だった。
「こっちへ!」
瞬間、出久は少女を自身の下へ抱き寄せいつでも逃げ出せるように準備をすると、パキリパキリ、段々と近づいてくる音の方向へ視線を向けた。
10秒? それとも1分ほどだろうか、本来であれば大した時間でもないが、今この瞬間だけは一時間のように出久は感じていた。
そして音が、その正体を現した。
「ヒィ!?」
少女の悲鳴があたりに響いた。
「なんだ……こいつらは……?」
でっぷり膨らんだ腹、今にも折れそうな程に細い腕、両耳に中華系のお札を付けた存在が二人の前に現れた。
「「「「「ゲゲゲゲゲゲゲゲ!」」」」」
出久もそして少女も、様々な『個性』を持った存在をよく目にする。
だがしかし、こいつらは何だ? 『個性』を持った人間なのか? 否、絶対に違うと逃げろと叫ぶ本能がそれを否定する。
「くるな!」
出久が、少女の盾になるように前に出る。
その体は震えており、頼りない体はさらに頼りなく見える。
「え?」
「僕がこいつらを何とかする! だから早く逃げて!」
出久は少女に叫ぶ。
「でっでも……」
「いいから早く!」
「う、うん!」
出久の身を案じながらも、少女は何とか立ち上がり逃げ出した。
(ちゃんと逃げてここから出られればいいけど……!)
少女が助かることを願いながら、出久は歪に笑う怪物と相対する。
「こい怪物! ここから先は一歩も行かせないぞ!」
不慣れなファイティングポーズをとりながら出久はそう叫ぶ、この世界の住人であればほとんどが持っている『個性』呼ばれる特殊な能力を使わずに。
「『個性』が無くたって……僕が何とかしなくちゃ……」
緑谷出久は『無個性』である。
この世界の住人でも稀な、『個性』を持たずに生まれた人間であった。
「うおおおおおおおおおおおお!」
そんな彼が、こぶしを握り締めこの怪物に突貫すればどうなるであろうか、答えは単純明快。
「ぐはっ」
一撃を軽く交わされ、細い腕とは思えない膂力を持って怪物が出久を殴り飛ばされるのは当然であった
(やっぱり……『個性』が無いと……ダメなのかな……)
もうろうとする意識の中、思うのは逃げた少女の無事と、
そんな出久に下劣な笑いを浮かべながら怪物が迫る。
このままでは緑谷出久という少年は、どことも知れない異界で無残にも殺されてしまうだろう。
四肢を引きちぎられ臓物をぶちまけて、この怪物の胃の中に頬り込まれてしまう……
だがしかし。
そのようなことは起きることはなかった。
(え?)
意識が消える瞬間、出久は明らかにこの場所には不相応なものを見た。
(ひ……と……?)
大きく白いライオンのような獣。
白い槍と鎧を纏った美青年。
緑色をした人形。
鋼で出来た天使。
羽の生えた小人。
そして、刀を携えた一人の少年の姿。
出久の視界が暗転する。
「お……にい……おにいち……おにいちゃん!」
「はっ!?」
少女の声で、出久は目を覚ました。
消毒液の匂いが鼻を刺し、口の中が鉄の味に満たされ、体全身に痛みが走る。
それでも、出久は生きていた、
「よかったぁ……おにいちゃんがいきてて」
「僕……いったいどうして……?」
「おにいちゃんとわたしはようせいとお兄さんにたすけてくれたんだよ!」
お兄さん? ヒーローではないのか、それどころかどうやってあの空間にやってくることができたのだろうか? 出久の頭に様々な疑問が浮かんでいく。
少女の話によれば、小さな妖精を連れた学生服少年が自分たちを助けてくれたのだという。
出久を治療した救急車もその少年の手によるものだった。
「彼は一体……? それにあの怪物は何だったんだろう……」
その日、出久と少女は病院へと運ばれ警察の事情聴取を受けることになった。
出久はしばらく入院することになり、やってきた母親を大いに泣かせることになったが無事その日を終えることができた。
正体不明の彼は何者だったのだろうか。
その答えは出せそうにもなかったがいえることが一つだけあった。
あの時、あの場所に、さっそうと現れた彼はまさしく
「相変わらず運がなかったね
出久が入院する病院の近くにあるビルの屋上。
そこに、一人の少年と妖精がいた。
「帰る途中で異界に飲み込まれる二人を見つけちゃうだなんて」
妖精は少年を子好きながら笑いながらそういった。
「ただ働きはいやだってのに……」
「でもそういう割には結構ノリノリだったじゃん、なに、知り合いだったの?」
「いいや? 他人も他人赤の他人」
「じゃあどうして助けたの?」
「それは……」
「それは?」
「「体が勝手に動いたというかなんというか」」
「なにそれー」
「うるさいなぁ……それもこれも普段からやってくる不幸が悪い、だってほっといたら後味が悪い展開になって帰ってくるんだぞ? ならもう動くしかないだろう?」
「ふうん? なら
「いや別に? 運が悪かったからお前たちと会えたわけだし」
少年は、ポケットから携帯端末を取り出し起動する。
画面に様々なアプリケーションが表示されるが一つだけ、ドットで書かれた青い帽子をかぶった初老の男性の顔のアプリがあった。
「運が悪かったから、運が良かったんだよ」
そのアプリケーションの名は――悪魔召喚プログラム
これは、『個性』と呼ばれる能力が一般となったヒーロー飽和社会の日本。
世間でいうところの『無個性』の青年が、