実に面倒な戦いだった

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英雄の勝利

比企谷八幡は腰から青竜刀を引き抜いた。

ブンと横に一閃。

宇宙にも関わらず謎の衝撃波が発生し、シェーンコップ率いる艦隊は爆散した。

 

「つまらない、この程度か。

ほら、オマケだ」

 

返す刀を更に振り上げる。

再び衝撃波が奔り、ついでとばかりにロイエンタールの艦隊も宇宙の屑と消えた。

 

鞘に刀を納めた八幡は溜息を付いた。

異世界からの破壊者比企谷八幡を倒す為に、帝国と同盟が手を組んだが、それでも勝負には程遠かった。

 

何せ、銀河英雄伝説の全戦力が来たとしても、八幡が本気を出せば終わる。

裏をかかれて仮に追い詰められても、変身形態を残している八幡にはまだ余裕がある。

そしてそもそもヤンとラインハルトを足しても、八幡の頭脳には及ばず、八幡が裏をかくことが出来ても、八幡が裏をかかれることはない。

救いは、八幡は裏をかいたことが無い正々堂々とした男であることだろう。

 

「『銀河英雄伝説』世界もこの程度か」

 

いくつもの世界を破壊して、失われた己の世界を復活させようとする、孤独な英雄八幡。

神の魂を宿した代償に、彼の元の世界は飽和して消え去った。

彼は作業のように手を叩いた。

すると、ミュラーとミッターマイヤーの旗艦同士が高速で引き合って衝突し、更に重爆発を起こした。

 

ヤンもラインハルトも完全にブチギレて叫び出したが、相手が八幡ではどうしようもない。

…仮に冷静であっても八幡の知略に敵うはずも無かった。

癇癪を起こしたヤンとラインハルトは、フレデリカとヒルデガルドからペロペロキャンディを渡されてしゃぶった。

そして中に仕込まれた睡眠薬で眠った。

 

トリューニヒトはこのままでは世界が壊されると慄き、フレデリカとヒルデガルドに頼み込み、ヤンとラインハルトを騙し討ちにして眠らせ、地球教の総大主教に売り渡した。

何故か?

─────この世界を救う為だ。

 

八幡と戦っているのは帝国と同盟だけではない。

地球教もまた、八幡と戦っていた。

この世界の一員として!!

 

総大主教は本当に奇跡を起こせる。

昔の地球があった頃に存在したとされる、奇跡を起こせるのだ。

総大主教はレベル4のラインハルトとヤンを生贄にして、レベル8のルドルフを召喚しようとした。

しかし、ルドルフは実はレベル12であり、生贄は3人必要だった。

故に総大主教自身が生贄となった。

何故か?

 

─────この世界を救う為だ。

 

「ほう、ようやく俺と戦える人間が来たか?」

「我が名はルドルフ。この世界を守る最後の盾にして矛なり」

 

互いにそれ以上の言葉は要らなかった。

銀河英雄伝説の始まりを作ったルドルフは、この世界を救う為に。

比企谷八幡は、元の世界を取り戻す為に。

 

そのどちらも、愛の為に戦っていた。

余波でいくつか同盟領が消え去った。

余波でいくつか帝国領が消え去った。

 

 

「ルドルフ、良い戦いだった(・・・)

「無念、この世界を愛していたぞ」

 

ルドルフの心臓を八幡の腕が穿いていた。

 

そして、この世界を壊そうとして、やめた。

 

「ルドルフ、お前が愛したこの世界、お前の僅かな寿命が消えるまでは残すとしよう。強敵の視界に悲劇を映したくない」

「…感謝する、真の英雄よ」

 

 

その二十分後、銀河英雄伝説の世界は崩壊した。

そして八幡は次の世界へと向かった──────




もしかしたら続くかもしれない

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