出撃準備を整えたブリュンヒルトは自身が最も信頼する親友バルバロッサとの別れの挨拶をしようとしていた
※擬人化注意です。苦手な方はご注意ください。
拙い文章ですが、どうかよろしくお願いします。
銀河帝国首都星オーディンにある軍用宇宙港は幻想的な風景に包まれていた。
それは、ハイテク機構で構成された様々な港湾設備の光や照明が出港のために海水で満たされた空間を淡く照らしていた。
その中にある出港ベイと埠頭を結ぶ連絡橋の上で、光に照らされ、ゆらゆらと揺れる水面を眺めている少女がいた。
見た目はまだ15くらいにも見える美しい金髪の少女で、水面で反射する淡い光に照らされ、哀愁のある顔つきで水面をずっと眺めている。
その横顔はともすれば天使と見間違いそうなほど美しく、情景も相まって幻想的なものだった。
その金髪の少女にもう1人の少女が近づいていった。灼熱の如き赤髪を持つ少女だ。歳は金髪の少女とそんなに離れていないが、その年頃に反して成人男性並みの身長があり、全身を覆う軍服の上からでもわかるほどの鍛えられた体躯を持っていた。
金髪の少女が地上に舞い降りた天使だとすれば、赤髪の少女は鍛え抜かれた屈強な騎士というべきであった。
しかし、その顔つきは暴力性の欠片も感じられないほどの穏やかなもので彼女の素性を全く知らない者からすれば人当たりの良い親切な子、と見るであろうその少女はもちろん、金髪の少女もまた、"軍人"さらに言えば数千年前から存在し、今では戦争の最重要兵器とされる"艦娘"であった。
しかも、ただの艦娘ではなく両名共に数個の艦隊を率いる艦隊旗艦娘であった。
そんな2人であるが、親友同士で幼なじみ。そして、軍に入ってからはお互いを常に信頼し合っていたかけがえの無い友であった。
作戦の都合上、しばらくの間会えなくなる2人はここで出撃前の最後の別れをしようとしていた。
「暫くの間お別れだな」
「はい」
赤髪の少女は短く答えた。
「お前にはいつも世話をかける。今回も大変な任務を押し付けてすまんな」
「まさか。貴女のご命令とあらば私はハイネセンにも出撃いたしますよ」
軽く冗談を言いながら赤髪の少女は微笑んだ。その表情は穏やかで遠い昔の思い出に浸っているようにも見えた。
「そうか…そうだな」
金髪の少女もつられて笑みをこぼした。このような純粋な笑顔を見せるのは赤髪の少女以外にはいない。
赤髪の少女はそれをよくわかっているから、金髪の少女が見せる笑顔がより一層輝いて見えた。
金髪の少女は宇宙港のホール型の大きな天窓から見える星空を見つめながら呟いた。
「もうすぐ…もうすぐで宇宙は私たちのものになる」
それはあの日からの誓い。2人が今まで邁進してきた道を歩むきっかけとなったあの事件。
その後の2人の運命を決めたあの日以来、一日足りとも忘れなかった約束。
「はい。ブリュンヒルトさま」
力強く頷き、自分よりも小さな親友を見つめた。
ブリュンヒルトはゆっくりと振り向くと、彼女に腰を屈めるよう促した。
「バルバロッサ」
優しくその名を呼ぶとバルバロッサの額にそっと口づけをした。
昔から彼女は別れを告げる時は決まってそうしていた。
額への口づけ。それは相手を愛しいと思う証。
少し頬を赤らめたバルバロッサが立ち上がるとブリュンヒルトは自信に満ちた表情をしていた。
「私は宇宙を手に入れられると思う?」
自信が溢れつつも、慈愛に満ちた眼差しでバルバロッサを見つめる。
その相変わらずの眼光に気圧されることなく、力強くバルバロッサは答える。
「ブリュンヒルトさま以外の何者にそれが叶いましょうか」
返答に満足したのか、あるいはそれを待っていたのか。
ブリュンヒルトは顔をほころばせながらバルバロッサに手を差し出した。
「また会う日まで」
「ご武運を」
ブリュンヒルトとバルバロッサは固い握手を交わしながら、お決まりの文句で別れを告げた。
それは端からみれば物足りないと言われそうだが、2人にはそれだけで十分伝えたいことは伝えた。
2人は踵を返しそれぞれの出港ベイへ向かった。
その日、首都星では白と赤の彗星が宇宙へ飛び立った。
2つの軌跡は最初、別れを惜しむように飛んでいたが、やがて離れていき、それぞれの艦隊へと合流していった。
帝国歴488年4月6日。賊軍討伐のため、出撃したブリュンヒルトとバルバロッサ。しかし、これは後に起こる悲劇の始まりでもあった。
深夜テンションで書いたので誤字あるかもです。
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