魔神「ドラゴンボールの世界に転生を望む、と? よかろう、きさまを……ッパにしてやろう。あははは」

 転生を望む人物は気がつけばカッパになっていた。

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『ナッパ』じゃなくて『カッパ』!?

 

 

 とある人物がドラゴンボールの世界に転生することを望んだ。

 

 暇を持て余せた魔神は願いを叶えた。

 

 

──いいだろう。お前を……ッパにしてやろう。あははは……。

 

 

 よく聞き取れなかったが魔神に望みを言った人物は驚愕した。「ナッパ」だと!? ……と。

 

 

 それから手続きを終了させて転生を果たした後、その人物は己の姿を見て絶望した。

 

 

 小動物のような、つぶらな瞳。

 

 水掻きのついた細い手足。

 

 緑色の肌。

 

 頭には皿。

 

 背中には甲羅。

 

 

ナッパじゃなくてカッパじゃねえか!?」

 

 

 地球とは違う水の豊富な惑星にて、カッパに転生したその人物は頭を抱えた。ちなみにメスである。

 

 

 それから数年後。

 

 

 カッパがいる惑星にフリーザ軍が襲来。その惑星の原住民であるカッパたちは応戦。防衛軍を指揮するのはあのメスカッパである。非道なフリーザ軍にカッパは激怒、赤いオーラを纏って次々と撃破していく。ザーボンさんにドドリアさん、ギニュー特戦隊も彼女一人で撃破、さらにフリーザ軍を壊滅させてみせた。これにはフリーザ様もびっくり、興味を持ったフリーザ様がお気に入りの乗り物に乗って直々にやって来た。

 

 

「ほう、戦闘力18万ですか、素晴らしい。どうです? 私の部下になってみませんか?」

 

「カーパ、カパカパ、カッパッパー」

 

「喋れない振りをしてもムダですよ? あなたたちが日本語を話せるのは知っているのですから」

 

「……この惑星に手を出さないというなら部下になろうッパ」

 

「よい判断です」

 

 

 日本語という単語にフリーザ軍はおろか周囲のカッパたちは困惑したが、その後、何事もなかったかのようにメスカッパはフリーザ軍に加入。めきめきと頭角を現せ、気がつけばフリーザ様の側近の座に就いた。その数年後にフリーザによるサイヤ人虐殺計画が始まった。その計画の最終段階でカッパは惑星ベジータにてバーダックと出会う。

 

 

「フリーザの右腕のカッパか!?」

 

「カパカパ。その様子だと他のサイヤ人は信じなかったみたいだなッパ、フリーザによるサイヤ人虐殺を……。今ならフリーザに気づかれることなく家族を連れて逃亡できるッパよ?」

 

「おれがフリーザを倒せばすむことだ!!」

 

 

 宇宙へと飛んでいくバーダック。カッパはバーダックの妻であるギネとともに見送る。

 

 

 フリーザが乗っている宇宙船を目指して一直線に空を駆けるバーダック。有象無象に沸いてくるフリーザ軍の兵士を蹴散らしながらもバーダックはフリーザと対面を果たしてみせた。

 

 

 フリーザに向かって投げ放たれたバーダックのエネルギー弾。しかし、渾身の力を込めたその一撃はフリーザが生み出した巨大なエネルギー弾にあっけなく飲み込まれてしまい、フリーザ軍を巻き添え、バーダックを押しながら、惑星ベジータに向かって落下していった。

 

 

「……お前ほどの男をこの場で死なすのは、見るに忍びないッパ」

 

 

 戦闘服がぼろぼろに朽ちていき、自分の息子の未来を幻視するバーダック。彼は自分の背後から聞こえるカッパの声に思わず後ろを振り向く。そこには腕を組んで仁王立ちするカッパの姿があった。カッパはバーダックの肩を掴むとその場から消え失せた。

 

 

「ほーっほっほっほ!! きれいな花火ですよー!!」

 

 

 惑星ベジータの消滅を見届けるフリーザの哄笑が響く。

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

「……ここは?」

 

「地球だカパ。いずれ、お前の子がここに来るだろうッパ」

 

 

 腰に布切れを巻いただけのバーダック。傍らにはギネがおり、心配そうにバーダックを見ていた。

 

 

「これ以上ここに留まるとフリーザに怪しまれるッパ。悪いがここで別れさせてもらうカパ」

 

 

 言って額に二本の指を当てるとカッパの姿がぶれて二人の前から消失、フリーザの宇宙船に現れる。カッパの目の前には心底愉快そうに笑みを浮かべる、お気に入りの乗り物に乗ったフリーザ様。

 

 

「ほーっほっほっほ。どこに行ってたんですか? カッパさん? まさかと思いますがサイヤ人を逃していたんじゃないでしょうね?」

 

「破壊神ビルスを敵に回すようなことをするつもりはないッパ。知り合いのサイヤ人に別れの挨拶をすましに行っただけだカパ」

 

「ふうむ、なるほど。あなたがなぜ破壊神を知っているのか知りませんが、あれの脅威を知っているならば、おバカなことはしないでしょう。今後も期待していますよ? それでですが……」

 

 

 フリーザ様はカッパにサイヤ人の王子であるベジータを保護したことを言い、カッパにベジータの監視を命じた。カッパはこれを承諾。カッパはこれ幸いとベジータを始め、生き残っているサイヤ人に教育を施すことにした。その傍ら瞬間移動で地球にいるバーダックたちに顔を出して彼らの様子を窺う。

 

 

 飛ばし子として飛ばされたカカロットは無事にバーダックの下に着き、すくすくと育ち、バーダックと一緒に亀仙人──無天老師から武道を学ぶ。

 

 

 そんな彼らの姿を見てカッパは内心、収拾がつかなくなった、やべぇ……と戦々恐々しながらも、まあ、なるようになるだろ。……と気楽に考え、後先を考えずに行動する。

 

 

 その結果。

 

 

 ナメック星、激闘編。

 

 

 完全体のフリーザ様。フリーザ様と対面するのはカカロット、悟飯、ベジータにちょっと老けたバーダック、さらにターレスとブロリーがいて、全員がもれなくスーパーサイヤ人化していた。

 

 

「ちくしょう! ちくしょう! ちくしょう!」

 

 

 憤怒の表情のフリーザ様、思わず悪態を吐く。そんなフリーザ様にカッパは申し訳なさそうに片手で詫びを入れる。

 

 

「すまんッパ。正直やり過ぎたッパ。ゴメン」

 

 

 間もなくしてフリーザ様は文字通り塵一つ残さず消滅、ひとまず宇宙は平和になったとさ。めでたし、めでたし。

 

  




ざわ…( ´・ω・)にゃもし。ざわ…

■ナッパとカッパって似ているよね。それで出来上がったのが今回のお話よ。
■あと勢いで書いた。
■他にも

「バーダック家、長男ターレス」
 あの顔で血縁関係者じゃないって無理があるでしょ。
 フリーザに従いつつも地球と宇宙を行ったり来たりするターレスのお話。

「紅魔館なレッドリボン軍」
 幻想郷への移転が失敗したレミリアたちは暇潰しに移転先であるドラゴンボール世界にあるレッドリボン軍を乗っ取った。

「東方不敗なサイヤ人」
 惑星ベジータにあの人が爆誕、未来を変えるために… バーダックたちを地球に送り込み、一人でフリーザに立ち向かい、勝っちゃった。

 ……があったが選ばれたのはカッパでした。


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