少年エルフが前衛で戦いながら支援をするのは間違っているだろうか   作:さすらいの旅人

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コッソリ更新しました。

今回はダンメモの冒険譚 「妖精輪舞曲」です。


ダンメモ編 少年エルフ、王族妖精と精霊郷へ向かう①

 【アポロン・ファミリア】との戦争遊戯(ウォーゲーム)が終わって数日経ち、俺――リヴァンはソロでダンジョン探索をしていた。

 

 いつもならベルと一緒に探索してるけど、【ヘスティア・ファミリア】が今も引越し準備をしていて探索出来ない。関わっていた俺も手伝おうかと言ったけど、ヘスティア様から丁重に断られてしまった。『戦争遊戯(ウォーゲーム)で色々助けられたから充分だよ』と。

 

 向こうの主神にああ言われてしまっては引き下がるしかなかったので、レフィ姉さんに会おうとするも、こっちも空振りだった。以前会ったフィルヴィスと言う女性エルフと一緒に探索してるとか。

 

 友達(ベル)従姉(レフィ姉さん)を探索に誘えない以上、ソロで探索するのは仕方が無いと言えよう。他にもアイズやティオナさんなら一緒に同行してくれるかもしれないけど、流石に第一級冒険者と同行するのは気が引けるので声は掛けていない。因みにリヴェリアも同様に。

 

 今日の探索では中層まで進んだ。携帯端末でダンジョン内部の地図を登録してあるから、一人で18階層へ行くのは容易い。だけどそれを団長のナァーザさんが知ったら理不尽な命令を出されるかもしれないので、敢えてやらずに13階層で留まる事にした。

 

 上層と違って中層のモンスターの出現頻度は高かったが、あくまでそれだけだ。数は多くても簡単に倒せる為、単なる俺の経験値と魔石を与えてくれるだけの獲物(カモ)に過ぎなかった。

 

 大量に倒し続けた事もあって、電子アイテムパックには多くの魔石やドロップアイテムを得られた。それらを一気に売れば多くのヴァリスを稼ぐ事が出来るから、ナァーザさんも流石に文句は言わないだろう。

 

 

 

 

「さて、ミィシャさんは……」

 

 ダンジョンから帰還した俺は、担当アドバイザーのミィシャさんに報告しようとギルド本部に辿り着いた。

 

 いつもいる筈の受付には彼女がおらず、目の前にはベルの担当アドバイザーのエイナさんがいる。同時に【ロキ・ファミリア】のリヴェリアもいて、何やら二人で話している様子だ。

 

 

「問題、大有りだ!」

 

 

 直後、エイナさんとリヴェリアの会話に第三者が抗議するように割り込んできた。

 

 二人に割って入ってきたのは、でっぷりと太った体格の男性エルフだった。

 

 聞いた話によると、アレがギルドの最高権力者であるギルド長を務める男――ロイマン・マルディール。かなりの傲岸不遜で、ミィシャさんも含めた多くのギルド職員も反感や苦手意識を持っているとか。加えてギルドの主神ウラノスからギルド長に任命されてる事もあって非常に有能で、職員達は余り強く出れないらしい。

 

 もし此処がオラクル船団だったら、あのギルド長は間違いなくクビを宣告されるだろう。如何に有能な人物であっても、平然と人を見下していたら大問題だ。もしもクーナさんがいたら、色々と証拠を掴んでから言い逃れが出来ない状況を作るだろう。

 

「この時期の『精霊郷』には、高貴なエルフ達が集まると聞く! そのような場所に、王族(ハイエルフ)とはいえ、お前が一人で訪れるなど!」

 

「それがどうした? お前に何か迷惑が掛かるのか?」

 

 リヴェリアは友好的に接していたエイナさんと違って、ギルド長相手では如何にも事務的な感じに変わった。ここまで差があると言う事は、彼女も余り好いてない同胞だと言うのがよく分かる。

 

「オラリオの礼節を疑われるであろう! 王族(ハイエルフ)が遠出するのに、都市は従者を雇う金も無いのかと!」

 

「そ、そんなこと思われるでしょうか……? 話が飛躍してるような……」

 

「黙れ! これだから物を知らない者は困る! 少しは対面と言う物を弁えろ!」

 

(ああ、成程)

 

 エイナさんの発言にギルド長は嘆くように言い返した。

 

 一応だが、俺はあの男の言いたい事を一通り理解している。

 

 王族(ハイエルフ)のリヴェリアはエルフの中でVIPな存在。そんな彼女をオラリオが何もせずに見送ったなどと周囲、と言うよりエルフ達が知ったら間違いなく問題視するだろう。そしてその矛先がオラリオの最高権力者に向け、そして糾弾するだろう。恐らくギルド長はそれを一番恐れている筈。

 

「ふむ、そうだな。では私が、お前の同行者を見繕ってやろう」

 

「なに……?」

 

「ああ、名案ではないか! 私の眼鏡に叶う者ならば恥を晒す必要もない」

 

 ギルド長は如何にも自分が王族(ハイエルフ)の為にやっているとアピールしていた。確かにそう言った事をすれば、エルフ達から反感を買われたりしないだろう。

 

 俺が呆れるように見ている中、話はもう既にリヴェリアに同行者を付ける事が決定になっている。

 

 しかし、予想外な事態が起きてしまう。受付嬢のエイナさんがお出かけ用と思わしき衣装を身に纏って、リヴェリアのお供をすると言い出した。

 

 それを見たギルド長がエイナさんの言動に呆れるだけでなく、挙句の果てには、リヴェリアに提案を飲まなければ彼女の首を切ると脅す始末だった。これが元六芒均衡のマリアさんだったら、得物の長槍(パルチザン)を全力で投げて「おっと手が滑った」と言いながら逆に脅してるかもしれない。

 

 結局のところ、人質を取られてしまったリヴェリアは吞むしかなかった。それを聞いたギルド長はしてやったりと高らかに笑いながら、冒険者依頼(クエスト)の準備に取り掛かろうと去って行く。

 

 ああやって権力を盾にする男は、いずれ何かしらの事態が起きた際、その報いを受ける事になるだろう。

 

 涙を浮かべているエイナさんにリヴェリアが宥めている中、俺は内心気の毒に思いながらも、敢えて何も知らないように振舞いながら声を掛けようとする。

 

「あの、何かあったんですか?」

 

「ん? お前は……」

 

「あ、リヴァン君」

 

 俺が声を掛けるとリヴェリアとエイナさんが振り向いた。

 

 すると、リヴェリアが何か思いついたような表情になる。

 

「丁度良い時に来てくれた。リヴァン、急ですまないが私の供をしてくれないか?」

 

「は?」

 

 いきなりの事に俺は戸惑うしかなかった。

 

 一体誰が予想出来るだろうか。リヴェリアが『精霊郷』と言う地へ向かう際、俺を供として連れて行くなど。




ちょっと無理がある内容かもしれませんが、此方ではリヴェリアとリヴァンの二人だけで精霊郷へ行く事になります。

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