中学二年で死ぬから美少女とフラグ立てたらTSした原作主人公だった件について 作:re:753
まず一言、アスカルートは徹頭徹尾バッドエンドルートです。
四年前のあの諦めないシンジがみたい人は即刻ブラウザバックしてください。
ちなみにプロット自体は四年前から考えてますので、合わない人はほんと合わない無理しないで。
マジでほんへが気合と勇気と勢いなら、こっちは旧劇場版準拠のくっそ暗いエヴァなので逃げてどうぞ。
美少女とフラグが立たずに家族が死んだらバッドエンドルートだった件
光が一筋伸びる、地上の戦力を消滅させながら立ち上がる紫色と赤い羽根の影、エヴァ初号機だった。
「ッ……」
探す、探す、きっとあの子なら大丈夫、きっと、そんな甘い考えがレイの脳裏をよぎり、ボトリと音を立てて眼の前に何かが落ちた。
「あっ……」
空気が抜けるような声しか出せない。
だってそうだろう、眼の前のこれがそうであると信じたくない。
ズタボロにされた胴体に、脳漿や何かがこぼれ落ちた頭、あんなにも立派な赤がどす黒く染まっている姿が――――弐号機であっていいはずがない。
「あっ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
獣のような叫び声があたりに響き渡る。
その声を聞くこともなく、一人の少年の死体が崩落した天上から空を見上げていた。
三上シンジ、別の可能性ではエヴァのパイロットでもあった少年は、愛する少女を守れず、一人寂しく死んでいた。
始まりから話そう、どうしてそうなったのか、どういうことになったのか。
これは救いも、慈悲も、気合も、勇気もなく、ただただ流れに流された少年の物語だ。
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――――どうして夏しかないの???
そう質問した俺に、両親は困ったような表情を見せて、ただ微笑むだけだった。
俺は俗に言う前世の記憶を持った転生者である。
そう気づいたのは一週間前、40℃近い高熱を出して病院に搬送されたときである。
ただ思い出せたのは自分には前世があること、そしてとあるアニメの記憶とほんの少しの知識、それだけだった。
チート能力や何か特別な力があるわけじゃないのは残念だった。
念の為の検査などして、ようやく家に帰ってきたとき、この世界でそういえば冬がないことに気づいた。
記憶が正しければここは日本だ、そして日本には四季があるはずだ、そんな真っ当な質問をしたはずなのに両親は答えてくれなかった。
だが、答えられるはずもなかったと知るのはそう遠い未来の話ではなかった。
たまたまテレビを見ていたときに、その文字が出てきた瞬間、俺は食べていたアイスをボトリと落として、テレビの画面に食いついた。
『セカンドインパクトの謎! 解き明かされる真実』
セカンドインパクト、この言葉を知らないアニメオタクが居たとしたら、モグリかニュービーというしか無い。
新世紀エヴァンゲリオン、俺が唯一前世から持ち込めたアニメの一つであり、前世での放送後のアニメ作品全般に影響を与えたと言っても過言ではない名作であり怪作だ。
作品の紹介は省くが、俺はこの事実に絶望した。
アニメ作品の世界に来たら喜ぶだろうって? 最終的にLCLという水みたいなもんに分解されるか、よくてニアサードインパクトの余波食らって死ぬのかどっちかしか選べない世界だと言ったら羨ましいか? ん?
とりあえずモブには厳しい世界観であるとだけ言っておく。
当然、この事実を知った俺はあまりのショックに気絶し、またもや病院に担ぎ込まれることとなり、そしてこれが最大の過ちであった。
結論から言えば、このせいで母親が死んだ。
よくある話だ、見舞いに来ようとした母親が、スピードを誤った車にぶつけられた、らしい。
らしい、というのは俺が全てを知ったのは母親が火葬されて、骨と灰と小さな箱になったときに家に帰ってきたときだ。
「シンジくん、これからは僕と君の二人で生きていくんだ」
泣きはらした目で、俺を見る父親。
だけど見えてしまったのだ、寡黙だったがどこか優しかった父親の目に、どことなく影が落ちたのを。
数日もすると父親は家を空けるようになった。
出張に行くというが、そうではないのだと気付けないほど、俺は鈍感でもなかったが、母親が死んだという事実が受け入れずに部屋の隅でぼーっとすることが多くなった。
自分のせいで母親が死んだ。明るく、肝っ玉がデカく殺しても死ななそうな母親だったが、それでも死ぬのだ。
「……やっぱ、シンジくんって強かったんだな」
エヴァの知識で、見る碇シンジという人間は常に逃げようとしていたが最終的には立ち向かった。
だが、俺にはそんな勇気を持てなかった。
十四歳で死ぬという絶望感もあったのだろう。
誰かに縋って虚勢を貼ればまだどうにかなったのかもしれない、だがそんな
俺のせいだ、俺が熱を出さなければ、前世なんて物に覚醒しなければ、母親は死なずに済んだのだ。
エヴァの知識なんてものを思い出さずに、ただ安寧に時を重ねて言えば少なくとも母親は、あんな死に方をすることはなかったのだ。
俺の、せいだッ。
「ッ……」
そう思ってしまったからか、俺は外を出るのを怖がった。
暗い部屋で一人で過ごし、父親が帰ってきても無視をし、自分の殻に引き籠もった。
父親もそんな俺を見限ったのか、何も言うことはなく、いやあえて言うならお金だけは置いてってくれた。
出前を頼むことは出来たが、味はしなかった。
ただ生きるために食べる、食事はいつしかそうした無感情のものとなった。
「シンジくん、ここから引っ越そうか」
そう光がない目でこちらを見る父親に、頷きもせず、俺は俯く。
怖い、誰かに触れるのが、誰かに関わるのが怖い、また俺のせいで誰かが死ぬのが怖いのだ。
あれよ、あれよと言う間に父親は準備を進めた。
住み慣れた町から離れる際、クラスメイトたちが見送りに来たが揃って微妙な顔をしていた。
当たり前だ、突然学校に来なくなり、誰かが来ても居留守を決め込んでいたのだ。誰も俺のことを惜しんではくれないだろう。
そうして発車する直前、見慣れない黒髪の少女が見ていた。
……そういえば転校生が来るとか言ってたなと思う、俺はその子に一瞥する。
どこかで見たような顔だったが、どこだったか忘れた。
「……さようなら」
「……」
でも何故か放っておけないような気がしたが、今更だった。
今更、どうあがいても俺と碇レイの接点はここで決定的な決別を図ったのだった。
「さぁ、シンジくん、行こうかドイツに」
「……は?」
久々に親子の会話をした、いや親子の会話という程ではないが、そんな父親の言葉に、俺はひどく驚いた。
ドイツ、エヴァ世界では重要な要素がある国だった。
俺の推し、惣流・アスカ・ラングレーがいる場所。
だがそんなことは今の俺にとってどうでもよかった。
そもそも会ったところで何があるってわけでもない、いや接点もないだろう。
それに、この世界が旧劇か新劇なのかわからないが、もしも旧劇なら――――。
「ウッ……」
「吐くならトイレに行きなよ」
口元を抑えて、胃液を押し止める。
脳裏に蘇った凄惨なアレをなるべく思い出さないようにする。
地獄か? 地獄なんだろう、なんのために転生したんだ? 苦しむためか? それともよくある二次創作のように救えというのか?
「バカ、言うなよ……俺は」
――――母親を死なせた親不孝者なんだよ。
****
シンシンと雪が降り積もる銀世界。
小さな子どもが二人、駆け出していた。
「ま、待ってよ」
「遅い遅い!」
満面の笑みを浮かべる少女に、ひーひーと苦しそうに息を吐く少年は手を伸ばす。
少女はその手を拒絶することなく掴み取る。
が、バランスを崩して二人とも雪の中へ倒れ込む。
「わっ!?」
「ひゃあ!?」
もつれながら倒れ込み、抱き合うと二人からは笑い声が生まれた。
微笑ましい光景だ。
銀世界を縁取る空や空間が真っ赤でなければと付くが。
「……ねえ、ここにずっといましょうよ」
少女がその顔に似合わない魔性の表情をする。
安心しきった顔で、少年の胸へとすり寄る。
「ここには怖いことはないの、私が周りを気にしなくていいし、あんたも怖がらずにすむ、二人っきりの場所」
頭上に体が白い少女が笑っていた。
馬鹿にはしていない、むしろ全てを受け入れる菩薩のような表情で二人にそっと手を伸ばす。
少年は少女を抱きしめて、久しく感じていなかった幸福に包まれる。
ここには人と人を遮る
裸のまま、誰も彼とも繋がれて、それでいて心地よさを感じられる幸福な空間。
ここにいればいい、誰かがそう呟く。
このまま二人で暮らせば幸せよと誰かが呟く。
あなたはそれでいいのと――――母親の声がした。
「イヤだよ」
バキリと空間に罅が入った。
◯アスカIFルートの分岐について
レイと出会う前に母親が死ぬとルート分岐、ちなみに母親が死んでもレイと出会うと覚悟完了するので、ほんへでアスカがシンジが守る対象は誰でも良かったというが、正確には(守る対象は誰でも)良かったが、(覚悟完了するには)レイしかいないというトラップがある。
父親はマダオと同類になり、シンジの精神はメタメタにへし折れている。
精神の強度的にはほんへとなんにも変わりはないが、レイという守る存在がいないため、ほんへの勢いはない。ただ本質はほんへと変わりはないのできっかけさえアレば、ほんへと似たようなことはする。
なお母親の死は父親の過去が追いかけてきて、よっしゃ殺したろ!! で成功しちゃったせい、ほんへでは全て防いでいたが、IFルートに救いはないね!
ほんへ完結後、ifストーリーやその後の話とか見たい?
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いいゾ~これ(両方ともIKEA)
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(ifストーリーだけ)INしてください?
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(その後の話だけ)はい、よういスタート
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どうしてやる必要あるんですか?(現場猫)