気づいたら幽霊が家に住み着いていたけど、ホラーは苦手なので全力でラブコメしたいと思います。   作:葵 悠静

1 / 147
超不定期更新で行き当たりばったりのラブコメを書きます。 

どうなっていくのかは作者自身も分かりません。

温かい目でお読みいただけるとありがたいです。よろしくおねがいします。


第一章 幽霊との遭遇
1話 霊感はありません。……多分


 始めに言っておこう。

 俺こと九条聡独身(恋人募集中)には霊感はない。

 

 ガタッ!

 

 生まれてこの方24年、幽霊なんてものは見たことがないし、何かの視線を感じるーだとか、急に体が乗っ取られてわけわからない行動をしちゃったーなんてことはまったくない。

 

 普通に朝起きて9時に会社に出勤して事務仕事をこなし、定時には帰る。

 そんな日本中どこにでもいる普通の生活を送っている社会人だ。

 

 バタン!

 

 えー、大学に進学すると同時に一人暮らしを始めた。

 一人暮らしを始めて早6年目。もう一人で生活するのには慣れっこだ。

 もちろん一人暮らしを始めたばかりのころはあまりの解放感にいろいろと羽目を外したものだが、今はそんなこともない。

 2DK3.5万円という田舎ならではの、好物件安家賃の素晴らしいアパートに住んでいる。

 もちろん周りには何もない。コンビニまで車で15分、スーパーとなれば30分、最寄りの駅は1時間だ。

 毎日がドライブ気分だ。素晴らしいだろ?

 

 ガチャガチャガチャ

 

 ……えっと……ただ一つネックなのは一人暮らしにしてはこの家は広すぎるってことだな。

 借りた当初は恋人作って同棲するにはちょうどいいだろう!とか考えてたわけだけど……そもそも恋人ってどう作るんでしたっけ?誰か俺に教えてくれませんかね。

 

ガチャガチャガチャ……バタン!

 

「あーもううるせええ!!」

 

 現実逃避終了。

 

 俺は自室のスライド式の扉を思いっきり開けると、音がする方へと目を向ける。

 さっきまでうるさいくらいにガチャガチャなっていた扉は今は何の音もしない。

 動く気配すらない。

 

 当然だ。なぜなら俺は独り暮らしだ。

 この家で扉を開ける人間はこの俺しかいない。

 俺が触ってもいないのに、ドアノブがガチャガチャ音を鳴らすはずもないし、ましてや扉がいきなり開くはずがない。

 

 でも聞いてほしい。自室に戻りながら、今の状況の理解を拒もうとしている俺自身の心へと語りかける。

 最近明らかにおかしいだろ?

 

 自室でネットサーフィンしていたら、隣のダイニングキッチンから物音がするし、確認してみたらテーブルの上に寝かして置いていた少年雑誌がなぜか立てられてたりする。

 家に帰ってくるなり、消臭剤を振りまいた直後のにおいが玄関に漂っていたりもする。

 それにテレビゲームをしているときはやたらと、寒気がするし寝転んでると背中が重くなったりしてくる。

 

 でも俺は幽霊なんて信じない。これはきっとよくあることなのだ。

 消臭剤を振りまいたにおいも朝の出かける前に使っていたものが残っていたのかもしれないし、テーブルの上の少年雑誌も寝ぼけている間に縦向きにしたのかもしれない。

 

 きっとこれは独り暮らしを長く続けたゆえの、自由を得続けてしまったが故の代償なのだ。

 何が言いたいのかわからなくなってきたが、とにかく俺はポルターガイストとか幽霊とかそういった類のものは信じないし、俺に霊感は一切ない!

 

ガチャガチャガチャ……バタン! シュッシュッ

 

……多分。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。