気づいたら幽霊が家に住み着いていたけど、ホラーは苦手なので全力でラブコメしたいと思います。   作:葵 悠静

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119話 顔が整っていれば多少のマイナスポイントなんてギャップ萌えでプラスポイントになるんですよね!!

『荷物全部置いてきちゃった。送っといて』

 

 スマホに届いた一通の通知。

 それを見るなりポケットから取り出したスマホをもう一度ポケットの中に押し戻した。

 

 結局あの後さっそうと帰っていった妹を追うようにして俺たちも変えることにしたんだけど、さすがにびしょびしょの状態で帰るわけにはいかないので、近場の服屋で服を買って帰ることにした。

 

 ほんと意味わかんない出費だよね。

 というかあんな場所に服屋があるのって、そういう客を狙って建ててるんだろうか。

 

 その割には全身びしょびしょで海水をまだ滴らせていた俺にはびっくりしているようだったけど。

 

 ほんと失礼な話だよ。俺だって濡れたくて濡れたわけじゃないんだから。

 激しい戦いの果てにやむを得ず、ああなってしまった。

 いうなれば名誉の負傷だよ? 迷惑そうにするんじゃなくて尊敬してくれてもいいんだよ?

 

 そして電車に乗るなり寝てしまったレイをおぶるような形で、そのまま家に帰ってきた。

 まああれだけはしゃいでいれば疲れるだろうな。

 

 初めての連続だっただろうし、あの崩れてしまった世界遺産を作るために使った謎パワーも体力使うぽいしなあ。

 

 そして家に帰りなり図ったかのように届いたチャット。

 それがさっきの一文である。

 

 そうだよな。うすうす気づいてはいたけど、あいつ荷物なんて持たずに身銭一つで本当に帰ったんだもんな。

 

 俺妹のこと賢いと思ってたけど、実はバカなのかもしれない。

 いやバカじゃなかったとしてもかっこつけたがりなのかもしれない。

 

 そういえばここに来た時も四天王ごっことかしてたし、もしかして遅れてやってきた厨二病なのか?

 お兄ちゃんを厨二病の世界に巻き込むのは勘弁してほしいんだけど。

 

 そのうち悪の組織がーとかって言いだして、俺のところに住み着いたりしないよね。

 ほんと勘弁してね。大人の俺じゃ付き合いきれないから。

 

「おーい着いたぞー」

 

 妹をどう現実の世界に引き戻せるか考えながら、背中で眠りこけているレイの身体を揺らす。

 まあ一度眠りについたレイはなかなか起きないことで有名なんですけどね。

 

 あまりしつこくして機嫌を悪くされて、また距離が開いてしまうのは嫌だしこのまま部屋まで連れていくか。

 

 部屋の扉を開けると、秋の夜風にしては冷たすぎる風が全身に襲い掛かる。

 真夏の冷房が十分に効いている部屋くらいの涼しさが充満している。

 

 この部屋で一週間過ごした妹もすごいけど、それ以上に中止すべき光景が目の前に広がっていた。

 

 ……ちょっと散らかりすぎじゃないですかね。

 

 そこはまるで強盗でも入った後のような散らかりようだった。

 服は散乱しているわ、化粧道具らしきものも床に落ちてるし、キャリーケースの中が空っぽになるのを見る限り、中のものをすべて外に出して、彼女はそのまま帰っていったらしい。

 

 これ見るまで忘れてたけど、そういえば妹は片付けが大の苦手だったな。

 もうここまでくると片付けが苦手っていうよりは、散らかすのが得意って説明したほうがしっくりくるまであるけど。

 

 レイを背中におぶりながらため息をつき、片づけを始める。

 なんというか俺の周りにいる女性陣は世話が焼けるというか。

 

 突然来たと思ったら突然帰っていった妹。

 嵐のようにって表現がよくあるけど、まさしく嵐のごとく自らの私物を人の家で荒らしていって、そのまま放置して帰っていった。

 

 ただまあレイとぎくしゃくしていたところを海に行くという提案をもって、元に戻してくれたってこともあるし、今回は大目に見てやることにしよう。

 

 なんて心の広い兄なのか。

 妹はこんな兄を持ったことを生涯誇りに思えばいいと思うよ。

 

 あいつが今どこで何をやってるのかは知らないけど、俺たちは何か自分ではどうしようもなくなった時に無理やり頼り頼られるくらいがちょうどいい兄妹なんだろう。

 

 ……あれどこで何をやっているのか知らないっていうので大事なことに気づいたんだけど、妹の現在の住所知らないから送ろうにも送り返しようがないよね?

 

 あいつ本当に勢いとノリだけで帰っていったんだな。

 今の今まで気づかなかった俺も俺だけど、やっぱりあいつの方がバカなんじゃないかな。

 

 そんな風に頭の中で妹のことを馬鹿にしながら片づけを着々と進めていった。

 下着とかそういうの諸々あったけど、やっぱり何の感情の変化もなかった。

 

 まあ当然なんですけど。

 いまさらそれを確認したところでっていう感じではあるんですけど。

 

 

 結局俺がベッドに入ることができたのは、日付も変わり夜も深くなってきたころだった。

 

 いくら何でも散らかしすぎ……。

 せめてもの抵抗として荷物は実家に送り返すことにしよう。

 




これにて妹襲来編終了となります。
自分の気持ちを自覚した幽霊と相変わらず多方面に振り回されっぱなしな主人公。
これから二人はどうなっていくのかお楽しみに……。
次章は旅行編に突入します。新たな出会いもあるかも……?

いつも読んでくださりありがとうございます。ここまで続けられているのも皆様のおかげです。
これからも気長に緩くお付き合いいただけると幸いです。

よろしければ評価や感想、気軽にお寄せください。
全て全身全霊で受け止める所存です!
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