気づいたら幽霊が家に住み着いていたけど、ホラーは苦手なので全力でラブコメしたいと思います。   作:葵 悠静

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第五章 幽霊とお出かけ
47話 今は過去の繰り返しってよく言うじゃないですか。それですよ、それ。


 俺はレイと一緒にコンビニに行ったことを今激しく後悔していた。

 その場のテンションで行動してしまうからこういうことになってしまうのだ。

 

 これは俺の悪い癖であり、別に直そうとも思わないけど痛い目に遭うたびに俺ってやつは……と考える部分。

 

 ブーーー

 

 そういうことってよくあるよね。

 

 で、今俺が後悔している理由である物が俺の手の中に握られている紙に書かれているのだが、もう一度それによく目を通す。

 

『今日の欲しいものリスト』くるくる巻かれてたアイス。くるくる巻かれてた黄色のケーキ。

 

 ブーーブーー

 

 ……今日はどうやらくるくる巻かれているものをご所望らしい。

 

 しかし9月に入り気温もさがってきたというのに、レイはまだアイスを食べるつもりらしい。

 まあ家の中で食べるのであれば季節なんて関係ないし、おいしいものはいつだっておいしいんだけど、彼女の体は冷えないのだろうか。

 

 レイとコンビニに行って花火を楽しんだあの日以来、いつの間にかこの『ほしいものリスト』が作られていて、コンビニで目に入ったのであろうレイの食べたいものがリクエストされるようになった。

 

 これまではあくまで俺が食べたいものを買ってきて、それをレイが食べているだけだった。

 それだけならまだ勝手に食べられている、仕方ないな。で済ませられたから、俺の財布に優しくない行為だとしても何となくそれを許すことができた。

 

 許せる理由が自分でもどうかなと思うけども、それでも俺はそれで納得することができていたんだ。

 

 でもこうなってしまうと話が変わってくる。

 

 俺がレイの食べたいものを買ってきて、それをレイが与えられて食べる。

 それでは、それでは……レイが俺のヒモになってしまうじゃないか!

 

 ブーー

 

 それはレイの教育に非常によくない。このままレイがこの行為に慣れてしまうと、彼女はずっと誰かから何かを与えられないと行動できない残念な子に成長してしまう。

 

 そうなると働くこともできず、一生俺のヒモとして生活していくしか方法がなくなってしまう。

 

 それはそれで俺としては特に問題ないし、それでレイがずっとここにいるのであればいいとは思うんだけど……そもそも幽霊が働けるような職場なんて俺は聞いたことがないんだけど、そんなところあるんだろうか?

 

 ……いや、もしかしたら俺が知らないだけで貞子さんとかトイレの花子さんとかももしかしたらシフト制で働いているのかもしれない。

 

 残業時間を使って井戸やらテレビから飛び出しているのかもしれない。

 残業しなくていいからおとなしくしていてほしいところではあるけれど。

 

 ブッブーー

 

 ともかく! 俺はよくてもこのままではレイのためにならない。

 そういう考えに至った俺は今日、レイに文句を言いに行くことにした。

 

 断じて昨日までちゃんと前日に『ほしいものリスト』を確認していて、ちゃんと次の日にそれを買っていたけれど、今日はたまたま見るの忘れて買い忘れてて、家を出て買いに行くのがめんどくさいから怒るのではない!

 

 これはちゃんとレイのためを思っての行動なんだ。

 

 

「レイ―、いるかー? いるよなあ? 入るぞー」

 

 俺はレイの部屋になっている一室の扉をノックして彼女の返事を待つことなくその扉を開ける。

 

 扉の先には部屋の隅で体育座りをしながら、手に持った漫画で顔半分を隠しながら、睨むような視線でこちらを見つめてくるレイの姿があった。

 

 俺はそんな予想外な彼女の反応に思わず足を止めてたじろいでしまう。

 

 ブーー

 

 俺のポケットに入ったスマホから出るバイブ音だけが、その部屋に響いていた。

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