このすば!この微笑ましい双子に幸運を   作:先導

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この迷宮の主に安らぎを!

今日も今日とて、賑やかな雰囲気の冒険者ギルド。そんな賑やかとは似つかわしくない雰囲気をカズマたちから漂わせていた。借金のせいでお金もない、まともな食事もありつけないため、カズマたちはお腹を空かせている。そんな状況で、カズマが口を開く。

 

「・・・明日はダンジョンに行きます」

 

「嫌です」

 

「行きます」

 

カズマの提案にめぐみんは真っ先に拒否ったがカズマの意志は固い。

 

「嫌です嫌です!!」

 

「行きます、行きます!!」

 

「だって、ダンジョンなんて私の存在価値皆無じゃないですか!!爆裂魔法なんて使えないし、私もうただの一般人!!」

 

「お前を仲間にするとき、荷物持ちでも何でもするって言ったのを覚えてるか?」

 

「あう・・・」

 

カズマに痛いところを突かれて、駄々をこねてためぐみんは押し黙ってしまう。

 

「私はダンジョン探索は望むところではあるけど・・・」

 

「つーかなんで今なのよ?ダクネスが帰ってきてからじゃダメなのかしら?」

 

「ああ、あいつがいても戦力には数えないから外す」

 

ダクネスがいようがいまいが彼女をダンジョン探索には連れていかないように決めているカズマ。

 

「いいか!!俺たちの借金は今や国家予算並みだ!!このままだと飢えて死ぬんだよ!!」

 

「ええ!!?私、牛乳パックの仕事の単価を上げてるのに!!?野菜のたたき売りもあまり休まずに行ってるのに!!?」

 

「そんな内職やバイトで小銭を稼いでも追い付かないって言ってるんだよ!!」

 

ひもじい状況下を打破するためにカズマはあるクエストの用紙をアクアたちに見せる。そこに書いてあるのはダンジョン探索の依頼だ。

 

「初心者用クエスト・・・キールのダンジョン?」

 

「さんざん探索されたところじゃないですか」

 

「そんなところに今さら行ったって意味ないと思うけど?」

 

依頼書に書かれてるダンジョン、キールのダンジョンの調査にどうして今更といったような顔つきになるアクアたち。そんな疑問にルナが説明に入る。

 

「実はですね・・・偶然新しい通路が発見されまして・・・これから大々的に調査クエストの案内を出すところだったのですが・・・」

 

「俺から頼んで特別に斡旋してもらった」

 

「なので、まだ他の冒険者には伝わっていませんので」

 

「なるほど・・・未調査のエリアならまだお宝が残ってる可能性があるわけだね。これは私の能力フル活用できそうな予感!」

 

「お宝!!?」

 

未調査のエリアの依頼はカズマが斡旋したことにより他の冒険者には伝わっておらず、それを利用してお宝があるかもという可能性を考えて受けたものらしい。ティアは自分の能力を発揮できることに嬉々しており、アクアはお宝に過剰に反応している。もちろん、いい意味で。

 

「なんだ!!?おいおい儲け話かよ!!俺にも混ぜろよ!!」

 

そこへ偶然近くを通りかかったダストが話に乗っかろうとしている。報酬金を山分けしたくないカズマは、あるものを使って黙らせる。

 

「きわめて深刻な話なんだ。お前を、巻き込みたくはない」

 

カズマが取り出したものは、例のサキュバスの店の割引券である。

 

「これ・・・割引が今夜までのやつじゃないか・・・!」

 

「大事に使ってくれ・・・」

 

「任せろ・・・」

 

割引券を受け取ったダストはかなり浮かれた様子でギルドから立ち去り、さっそくサキュバスの店へと向かう。それを見送ったカズマは敬礼し、アクアたちはジト目で見つめるのであった。

 

「そ・・・それでは、危険度がわからないので気を付けてくださいね」

 

一部邪魔が入ったものの、ルナの一通りの説明が終わり、カズマたちは明日に備えて準備を始めるのであった。

 

 

ーこ!!!のすばー

 

 

『探索クエスト!!

キールダンジョンの新しく発見されたルートを調査せよ!!

難易度不明』

 

翌日、ギルドから少し距離が離れたキールのダンジョンの入り口にまで辿り着いたカズマは中に入るための準備をしている。

 

「初心者用ダンジョンのくせに変に遠いなんて生意気ね!」

 

「これだけ人里離れていれば、撃ち放題ですね」

 

「地下に入るんだ。撃つなよ」

 

カズマがめぐみんに注意をしているが、めぐみんはもう撃つ姿勢に入っている。何とかギリギリ間にあったようだ。

 

「・・・昔の国最高と言われたアークウィザードが作ったダンジョンかぁ・・・。そいつはこんな迷宮に立てこもっていったい何をしてるんだろうね?」

 

「さあね。昔の奴の考えてることなんて、わかったもんじゃないわ」

 

「準備できたぞー。いくぞお前ら」

 

「あ、はーい」

 

「わかったわ」

 

このキールのダンジョンの考察をしている双子にカズマが呼び出す。

 

「こっから先は俺たち3人で行くから、お前らはここで待っててくれ」

 

アクアたちにそう言って、カズマは双子を連れてキールのダンジョンの中へと入っていく。ダンジョンの中はちょっと入っただけでも暗く、ほとんどのものが見えない場所だ。

 

「・・・なぁお前ら、俺はミミィから教えてもらった千里眼のおかげでバッチリ見えてるが・・・こんなくらい中でも見えてるのか?」

 

「シーフはね、普通の奴よりも目がいいのよ。この程度の暗さなんて、何の障害にもならないわ」

 

「ほら見てよあそこ、あそこに空の宝箱があるでしょ?」

 

「本当だ・・・バッチリ見えてるみたいだな・・・」

 

カズマはミミィに教えてもらった千里眼のおかげでちゃんと見えてるし、双子はシーフという職業柄、目もかなりいいようで、暗い中でもちゃんと見えているようだ。

 

「・・・で?あんたは何しに来たのよ?」

 

「あれ?見えてる?私のことちゃんと見えてる?」

 

「はぁ・・・アクア・・・」

 

どういうわけか待ってろと言っているにも関わらずついてきているアクアにカズマたちは本当にうんざりしたような顔になっている。

 

「見えてんだよ。お前俺の話をちゃんと聞いてたか?お前一緒にいても何も見えてないだろ?」

 

「ふふん、カズマ、私が誰だか忘れてない?アークプリーストとは仮の姿・・・双子とめぐみんとダクネスは頑なに信じようとしないけど・・・カズマなら知ってるでしょ?ほら、私の職業を言ってみて?」

 

「「「借金の神様」」」

 

「ちっがうわよ!!水よ水!!水の神様でしょ!!なんで双子は信じようとしないの!!?」

 

「「はいはい、女神様女神様」」

 

3人の扱いにアクアは怒っているが、双子は軽く流している。

 

「腹立つ~!いい?私は仮にも女神なのよ?地上に降りて力は弱まってはいても、神様らしい力の1つ2つ、ちゃんと残ってるのよ!!全てを見通すことはできなくても、こんな暗闇くらいちょろいわよ!!」

 

「・・・確かに見えてはいるみたいだけど・・・」

 

「正直、邪魔以外の何ものでもないわね」

 

この暗闇でもアクアはちゃんと見えてはいるみたいだが、カズマたちは不安しかない。

 

「それに、ダンジョンにはね、アンデッドがいるものなのよ。そしてアンデッドは生者の生命力を目印にやってくる・・・つまり、アンデッドモンスターには潜伏スキルは通用しないのよ。なら!この私がついてってあげるしかないじゃないの!!」

 

「ああ、いらないわよ。だって私、対アンデッド用の短剣で倒せるから」

 

「戦闘能力的にはお姉ちゃん1人でも十分だから、ほら、アクアは帰って帰って」

 

アクアは意地でも残ろうとそう言ってるが、アカメは対アンデッド用の短剣を持ってるため、アクアは不要だという双子。それにはアクアはかっこよく決めたのにと言わんばかりにぷるぷると涙を溢れさせている。

 

「お、お願いよおおおおおおおお!!!私も連れていってよぉ!!!私、頑張るから!!!今回一生懸命頑張るからあああああああああ!!!」

 

「だああ!!もうくっつくな鬱陶しい!!!ぶっ刺すわよ!!!」

 

「わかったわかった!!連れていってやるから大人しくしてくれ!!」

 

最終的にはアクアが泣きついてきたから、仕方なくカズマはアクアを連れていくことにする。それにはアクアはさっきまで泣いてたのに嘘のように元気になる。

 

「・・・ねぇ、この先不安しかないんだけど・・・」

 

「奇遇だなティア。俺もだ」

 

やはりアクアが一緒にいるのは不安でしかないようで、カズマたちは渋い顔をしている。

 

「はぁ・・・不安だけど行くしかないわね」

 

「敵感知スキルは常につけておくね」

 

「ああ、頼むよ」

 

「おったからおったから~♪」

 

カズマたちはとにかく地図を頼りにして未知のルートが発見されたルートを歩いていく。

 

 

ーこのすば!ー

 

 

ティアの敵感知スキルのおかげでモンスターと遭遇することなく、目的である未知のルートの石造りの隠し扉まで辿り着いた。少しだけ出張っている石を押すことによって、未知のルートの扉が開く。

 

「この先のようね、未知の領域は」

 

「うーん・・・ここまでと比べてやっぱり敵の数が多いなぁ・・・」

 

「でもその分、お宝ざっくざくじゃない?」

 

「そうあってもらわないと困る。よし、行くぞ」

 

若干の怖さは感じられるが、それでもカズマたちはお宝のために奥へと進んでいくのであった。地下に降りるたびに、モンスターのうめき声が聞こえてきており、カズマとアクアは少しビビっている。

 

「・・・ねぇ、私の曇りなき眼にはカズマがおどおどしながら降りていく姿がばっちり見えてるんですけど」

 

「こっちだってお前が物音するたびにいちいちビクついてるお前の情けない姿がちゃんと見えてるよ」

 

「て、ティア、私は走って逃げられるから、モンスター感知したら言ってね?」

 

「アクア、絶対1人で逃げるつもりでしょ?そうはいかないんだからね」

 

「そうよ。だからこそ、私が今何を考えてるか教えてあげましょうか?どうしたらあんたをこのダンジョンに1人置いていけるのかというのを真剣に考えてるわ」

 

アカメが言い放った言葉にアクアが固まり、短い沈黙になった。

 

「・・・や、やだ~、アカメさんってば冗談ばっかりー、クスクスー」

 

「バカねー、アクアー。私が今割とガチで本気で言ってるってことが、もう長い付き合いになるんだしわかるでしょー?」

 

「いや、こいつの場合、嘘かどうかもわからないんだが・・・どうなんだ?」

 

「これ結構本気で言ってるね。お姉ちゃんなら絶対にやりかねないよこれ」

 

「そういうあんただって、万が一になったらこの場の全員を置いていくでしょ?それぐらいわかるわよ」

 

「あ、バレた?いやー、まいったねー」

 

「・・・さすがは双子、お互いのことをよく理解してらっしゃる・・・」

 

そんな話をしている間に、ティアの敵感知反応に変化が起きる。

 

「!今敵モンスターがこっちに向かってきているよ」

 

「ああ・・・俺の敵感知スキルにもたった今反応してる」

 

ティアとカズマの言葉によってアカメは2人の前に出て出てくるであろう敵を迎え撃とうとする。カズマはアクアに逃げるように手でジェスチャーする。

 

「何々?この私に指芸披露?ちょっと明かりつけなさいよ!影でキツネやウサギなんてぬるい奴じゃなく、機動要塞デストロイヤーを見せてあげるわ!!」

 

「違うわーーー!!敵が来てるから逃げようってジェスチャーしたんだよ!!」

 

しかしアクアには全く伝わっておらず、的外れな発言をする。そうしている間にもモンスターはカズマたちに近づいてきた。

 

「キシャ―――――!!!!」

 

「「ぎゃあああああああああ!!??」」

 

近づいてきた悪魔のようなモンスターに襲われそうになり、カズマとアクアは悲鳴を上げる。

 

「バインド!」

 

「キシャ⁉」

 

「死ね」

 

ザシュ!

 

「キシャ――――――!!??」

 

そんな中で双子は臆することなく、互いのコンビネーションを活かし、悪魔モンスターを瞬殺する。

 

「た、助かったぁ・・・」

 

「う、うぅ・・・2人とも・・・ありがとぅ・・・ありがとうねぇ~・・・うわああああ!」

 

ビビっていたカズマはもう心臓バクバクで、アクアはもう泣きじゃくっていた。

 

「たく、情けないわね。こんなザコごときに」

 

「そうは言われたって・・・結局なんなんだこいつ?俺の千里眼で形はわかっても、姿まではわからないぞ?」

 

「ああ、そいつ、グレムリンっていう下級の悪魔だよ。ダンジョンに入るとね、こういう下級悪魔が湧くものなの。経験上から断言できるね」

 

「ぐす・・・この姿形、間違いなくグレムリンね・・・」

 

下級の悪魔、グレムリンについて話していると、カズマは少しあることに気づく。

 

「なぁアクア、お前って、この暗闇の中でもバッチリ見えちゃう?」

 

「?昼間と変わらないくらいには」

 

どうもアクアはこの暗闇でも昼と同じくらいに見えてるらしく、それを知ったカズマは双子に聞こえないようにこそこそとアクアに話しかけてきた。

 

「な、なぁ・・・それって・・・馬小屋生活で夜中俺が毎晩こそこそしてたってことは・・・」

 

「?何も見てないわよ。ごそごそ音がしだしたら反対向いて寝るようにしてたから」

 

「・・・ありがとうございます、アクア様・・・」

 

馬小屋生活の中で何かをやっていたカズマは、アクアのその一言で顔をほんのり赤らめながらそう言い放った。

 

「いったい何の話をしてるのよ?」

 

「そんなことより早く行こうよ。お宝探すんでしょ?」

 

「あ、ああ・・・」

 

双子に急かされ、カズマたちはダンジョンの奥をさらに進んでいく。奥に進むたびに、モンスターのうめき声がよく聞こえてきたり、禍々しいエリアを通り抜けたりとしたが、調査は滞りなく順調に進んでいる。

 

「ふう・・・だいぶいい感じにマッピングできたね」

 

「これだけ調査すれば、きっと報酬だけでもいい値になるはずよ」

 

「でもまだお宝は見つけれてないんだよなー・・・て、ん?何か踏んで・・・」

 

カズマは何かを踏み、何かと思って足元を見る。そこにあったのは、白骨化した冒険者の亡骸だった。

 

「ふわーーーーー!!??」

 

「落ち着きなさい。冒険者の亡骸よ」

 

「あ、な、なんだ・・・ビックリした・・・」

 

「ここまで辿り着いた人もいたんだ・・・この先に何が・・・」

 

「3人とも、ちょっと待っててね」

 

冒険者の亡骸を見てこの先に何があるのか考察していると、アクアが亡骸に近づき、そっと手をかざす。

 

「志半ばで息絶えた迷える魂よ・・・さあ、安らかに眠りなさい」

 

アクアは浄化魔法を使って、冒険者の亡骸の魂を浄化させていった。その姿はまさに、女神そのものであった。普段のアクアでは見たことがないその姿に双子は目をぱちくりさせる。それはカズマも同じである。

 

「これでもう大丈夫」

 

「アクア、今日のお前・・・」

 

3人がアクアの認識を改めようと思った時・・・

 

「カズマってば、ふわーっはないわよ、強がっていた人がふわーって超ウケるんですけどー!プークスクス!」

 

「あ、やっぱ普通のアクアだ」

 

「うん、やっぱ女神はありえないわね」

 

(こいつ本当に置き去りにしてやろうか・・・!!)

 

カズマの悲鳴を聞いてクスクスと笑ってる姿を見て、やっぱり女神だと信じることができない双子。カズマは笑われて、心の奥底から怒りが湧いてくる。まぁ、それは置いておいて、カズマたちはダンジョン探索を再開し、何かお宝がないか探し回っている。が、目新しいものはなかった。

 

「ちぇ、ろくなものがないな」

 

「ねえカズマ・・・」

 

「はい、カズマだが?」

 

「そのセリフ、私、コソ泥の気分になってきたんだけど・・・」

 

「おい言うなよ、俺もそんな気分で後ろめたいんだ・・・」

 

「そう言ってる時点であんた盗賊に向いてないわよ」

 

「盗賊としての能力はあっても、そんな気分じゃやっていけないしね」

 

「さすが盗賊団・・・お前らが言うと重みがあるな・・・いや、別に盗賊になる気はないが・・・」

 

ダンジョンの中には普通の部屋らしきエリアもあるので、コソ泥気分になっているカズマとアクア。そう話していると、アクアは部屋の隅っこに目立った宝箱がある。

 

「ちょっと!宝よ宝!宝箱よ!やったわね!!」

 

「おい待て!!こんないかにもな宝箱、絶対何かあるだろ!!」

 

「カズマ、それ当たってる。私の敵感知スキルが、この宝箱に反応してる」

 

「こういう宝箱に反応してるのはたいていね・・・いるものなのよ・・・奴が」

 

アカメは宝箱に向かってその辺の石ころを投げつけた。そして・・・その瞬間・・・

 

バクンッ!!!!ゴリゴリゴリゴリ!!!

 

「「ひいいいいいいいいい!!!???」」

 

宝箱の背後から牙が現れ、放たれた石ころをゴリゴリとかみ砕いた。牙は嚙み終えたら宝箱を吐き出し、再び姿を消した。

 

「き、気持ち悪!!!」

 

「今のはね、ダンジョンもどきって言ってね、ああやって宝箱なんかに擬態して、冒険者を捕食しようとする狡猾なモンスターなの」

 

「だから言ってたでしょ?ダンジョンもどきには注意しろって。場合によっては人間に擬態をしてモンスターを捕食するのよ」

 

「も、モンスターまで!!?たち悪いな!!」

 

宝箱に擬態してるモンスター、ダンジョンもどきの解説を聞いて、カズマはダンジョン内でも生存競争が成り立っており、この世界の世知辛さを改めて認識した。

 

 

ーこのすば!ー

 

 

奥に進むにつれて、ダンジョン内のアンデッドモンスターが現れ、カズマたちを襲っていった。

 

「この暗くて冷たいダンジョンに彷徨い続ける魂たちよ・・・安らかに眠りなさい。ターンアンデッド!!」

 

そんなアンデッドモンスターたちをアクアの浄化魔法で大量に浄化していった。そんなアクアの姿は、まさしくどこに出しても恥ずかしくない立派な女神である。ターンアンデッドの連発、たまに花鳥風月、そしてとどめにゴッドブローで辺り一帯のアンデッドモンスターは全て浄化しきった。

 

「いや助かったよ。あれだけの数、いくら双子でもさばききれないはずだからな」

 

「あら?私の評価がようやく真っ当になってきた?もっと敬ってもいいのよー?」

 

「それがなかったら素直に褒めてやったのにね・・・」

 

「仕方ないよ、アクアだもん」

 

カズマが褒めたことによって、アクアはすぐに調子に乗る。双子は素直に褒めることができないでいた。

 

「ほらほら2人とも~・・・もっと敬ってもいいのよ~?」

 

「「つーん」」

 

「・・・むぅ~・・・なんでよ~・・・」

 

意地でも褒めようとしない双子にアクアはほんのりと涙目である。

 

「・・・だいたいおかしいのよこのダンジョン。いくら何でもこのアンデッドの数は多すぎよ」

 

「そうだね・・・。これまでもダンジョン探索してきたけど、こんな事例は初めてだよ」

 

「やっぱお前らもおかしいと思ったか。こんなの、アークプリーストじゃなかったら攻略なんて・・・」

 

「待って!まだその辺にアンデッド臭がするわね・・・」

 

アンデッドの多さに違和感を感じていると、アクアがまだアンデッドの気配を感じ取ったのか、すんすんと匂いを嗅ぎまわってアンデッドを探す。だが目新しいアンデッドはいなかった。

 

「何もないじゃないか」

 

「おかしいわね・・・確かに匂うんだけど・・・」

 

アクアがアンデッドを探していると、突如として壁が扉のように一部消えて、1つの部屋が見えてきた。その際に背もたれしてたアクアが転んで頭を打ったが。

 

「そこにアークプリーストがいるのか?」

 

部屋が現れると同時に、奥から男の声が聞こえてきた。奥には、ローブを身に纏った、肉が腐敗したアンデッドがいた。

 

「私の名はキール・・・このダンジョンを造り、貴族の令嬢をさらっていった悪い魔法使いさ・・・」

 

キールはカズマたちを見るやいなや、自分がこのダンジョンを造った経緯を語った。

 

 

ーKONOSUBAー

 

 

国最高と言われたアークウィザード、大魔術師キール・・・そうなる前のキールはたまたま散歩をしていた貴族の令嬢に一目惚れをしたのだ。だが、そんな恋が実らないことを知っていたキールは魔法の修行に没頭し、持てる魔術を惜しまなく使い、国のために貢献したのだ。その実績の積み重ねが、多くの人間に称えられ、宴が催された。そこで王が言う・・・その功績を報いるため、どんなものでも1つだけ叶えようと言ったのだ。そしてキールはこう言った・・・

 

『この世にたった1つ、どうしても叶わなかった望みがあります。それは・・・虐げられる愛する人が、幸せになってくれることです』

 

その虐げられている愛する人というのが、キールが一目惚れした貴族の令嬢なのだ。貴族の令嬢は親のご機嫌取りのために王の妾として差し出された身で、王には可愛がられず、正室や他の妾ともうまくいかない。そんなところに、キールの望みが出てきたというわけだ。いらないのだったら私にくれ、というように・・・

 

「・・・そう言って私は貴族の令嬢を攫ったのだよーん!」

 

キールはかなり自慢げで陽気な表情をしている。

 

「えっと、つまり、キールさんは悪い魔法使いじゃなくて、いい魔法使いだってことですか?」

 

経緯を聞いたティアはキールが悪い魔法使いでないことを理解し、一応の確認を取る。後ろではカズマが腕を組んで話を聞いており、アクアは今にも浄化しようとしているが、アカメにヘッドロックかけられて、苦しそうにしている。

 

「だったってことだなー!で、その攫ったお嬢様にプロポーズしたら、2つ返事でオッケーをもらってな、お嬢様と愛の逃避行をしながらドンパーティをやったわけだ!いやー、あれは楽しかったなぁ・・・」

 

嬉々と語るキールの顔には懐かしさがこみ上げている。

 

「おっと、ちなみその攫ったお嬢様というのが、そこにいるお方だよ」

 

部屋のベッドに横たわっているのは、もうボロボロになってはいるが、いかにも高価そうな貴族の服を着込んだ白骨化した亡骸だ。この亡骸が、キールが攫った貴族の令嬢であり、キールの妻でもある。

 

「どうだ?鎖骨のラインが美しいだろう?」

 

「・・・どうしたもんだこれ?」

 

「で、アクア、その死体からなんか反応ある?」

 

アカメのヘッドロックから解放され、アクアは令嬢の亡骸を確認する。

 

「お嬢様は安らかに成仏してるわよ」

 

「つまりは何の未練もないってこと?」

 

「でしょうね」

 

「・・・で、だ。ちょっと頼みがあってね」

 

「頼み?」

 

カズマたちはキールからの頼みに耳を傾ける。

 

「私を浄化してくれないか?彼女はそれができるほどの力を持ったプリーストなのだろう?」

 

キールのこの頼みをカズマたちは了承をする。キールを浄化するために、アクアはそのための準備を行う。

 

「しっかし、お嬢様を守るために、人であることをやめるとはね・・・」

 

「深手を負ったにも関わらず、愛する人のためにリッチーになった、かぁ・・・かっこいいな」

 

貴族の令嬢に深い愛を捧げ、人をやめ、リッチーになったキールを、双子は尊敬に値している。それはカズマも同じである。

 

「さ、準備オッケーよ」

 

「いやはや助かるよ。アンデッドが自殺するなんてシュールなことできないのでね、じっと朽ち果てるのを待っていたらとてつもない神聖の力を感じ、思わず私も永い眠りから覚めたってものさ、カカカ・・・」

 

準備が整え、キールは目を閉じ、アクアは慈愛に満ちた表情をして、キールの浄化を開始する。

 

「神の理を捨て、自らリッチーとなったアークウィザードキール・・・水の女神アクアの名において、あなたの罪を許します」

 

「・・・ねえ、こいつ本当にアクア?別人とかじゃないの?」

 

「気持ち悪い・・・本当に気持ち悪いよ・・・」

 

「言うな・・・俺も同じ気持ちだ・・・」

 

普段から見ないアクアの姿の連発に双子は本気で寒気を感じている。カズマも若干ながら引いたような顔になっている。

 

「目が覚めると、エリスという不自然に胸が膨らんだ女神がいるでしょう。例え年が離れていても、それが男女の仲でなく、どんな形でもいいというなら、彼女に言いなさい・・・お嬢様に会いたいと。彼女は、その望みを叶えてくれるわ」

 

「感謝します・・・」

 

「セイクリッド・ターンアンデッド」

 

アクアがセイクリッド・ターンアンデッドを唱えると、アクアが描いた魔法陣が輝き、キールは光に包まれる。

 

(妻よ・・・今行く・・・)

 

キールは光に包まれ、天へと召されていった。お嬢様の亡骸も、キールの浄化と共に、天へと召されていった。その場には、カズマたちと、キールがお礼として残していった宝だけが残された。

 

「・・・さて、帰るか」

 

カズマたちは清々しい気持ちになりながら、部屋から出るのであった。

 

 

ーこのすばー

 

 

お宝をたくさん手に入れることができたカズマたちはのんびりとダンジョンの出口へと向かっていく。そんな中で、アカメが首をうんうんと捻っている。

 

「うーん・・・」

 

「どうしたの?お姉ちゃん」

 

「いや・・・あのリッチー、気になることを言ってたわよね?とてつもない神聖な力を感じて目覚めたって」

 

「それがどうしたの?」

 

「まさかとは思うけど、この異常にアンデッドがわんさか出てきたりしたのって、こいつがいるせいじゃないわよね?」

 

「!!!!」

 

アカメの口から出てきた疑問にアクアは固まってしまった。

 

「・・・そ、そそそそ、そんなー・・・ことは・・・ない・・・と・・・思うわ・・・」

 

「「「・・・・・・」」」

 

どうやら図星らしい。やたらとアンデッドが出会うのはやっぱりアクアのせいらしく、それを知った3人はアクアから素早く距離を取る。

 

「・・・そういえば、前にデュラハンが攻めてきた時もアクア、手下のアンデッドにたかられてたよね」

 

「ね、ねぇ・・・3人とも・・・なんでそんなに距離を取るの?いつモンスターが襲ってきてもいいように、私たち、もうちょっと近くにいるべきじゃないかしら?」

 

「「「・・・・・・」」」

 

アクアは一緒にいるように何とか説得しようとしているが、3人は聞く耳持たず、その場を去ろうとする。だがアクアは逃すまいとカズマを止めている。

 

「私だけこんなところに置いていこうとしたって、そうはいかないわよ!!アンデッドを倒せる私がいなかったらカズマじゃ倒せないじゃない!!」

 

「おい離せ!!お前がいなくたってなぁ、双子が・・・て、ああ!!!おいお前ら!!俺を置いていこうとするなぁ!!」

 

「「・・・・・・さらば!!」」

 

「いやーーーーー!!行かないでーーーー!!!」

 

足止めを食らわされたカズマを置いて、双子はそそくさとカズマとアクアを置いてダンジョンの出口へ向かって走っていく。それにはカズマは悲痛な叫びをあげる。

 

「お、お願いよ~~!!置いていこうとしないで~~!!」

 

「ああ、もう!!だからお前がそのアンデッドを呼び寄せてんだろ!!だったら離れた方がいいに決まってる!!」

 

「ダメよ!!他のモンスターだっているんだから1人にしないでぇ!!!」

 

『ふしゃあああああああ!!!!』

 

揉めている間にも大量のモンスターの声が聞こえてきた。カズマが千里眼で先を見てみると、グレムリンだけでなく、アンデッドモンスターがわんさかと迫ってきている。

 

「・・・潜伏」

 

アクアがモンスターの声に注意が逸れたのを狙ってカズマは潜伏スキルで姿を消した。

 

「!!?待って!!ちょっとカズマ!!ねぇ、何1人で潜伏してるの!!?ねぇ・・・嘘でしょ?悪い冗談はやめてよね?ねぇ・・・ごめん!ごめんなさい!!私が悪かったわ!!悪かったから私にも潜伏スキル使ってよ・・・ごめんなさいカズマ!!ねえ、カズマ様!!」

 

必死になって出てくるよう懇願しているアクアだが、カズマは全く姿を現さなかった。その間にもモンスターはアクアに迫ってきた。

 

「あああああああああ!!!あああああああああああ!!!!」

 

モンスターに迫られ、アクアは必死になってモンスターから逃げながらダンジョンの出口へと向かって走っていく。カズマもモンスターが出ない道を通りながら出口へと向かうのであった。

 

 

ーこのすばーーーーー!!!!ー

 

 

出口に到着し、ようやく双子とアクアに合流できたカズマ。出口にはめぐみんが待っていたが、めぐみんは疲れ切ってる3人と泣きわめいているアクアを見てあきれ顔だ。

 

「・・・何があったか聞いてもいいですか?」

 

「うえええええん!!カズマが・・・カズマがぁ・・・!!」

 

「俺のせいにするなよ!!お前がアンデッドを集められる体質が悪いんだろうがぁ!!!」

 

「だってだって!!私が神々しくて生命力に溢れてるのは生まれつきなんだからしょうがないじゃない!!」

 

「そのせいで私たちが大大大大迷惑してるっていってるの!!!だいたい、アクアが神々しい!!?何言ってるの!!?アクシズ教徒を味方する邪神め!!!アクアなんかカズマみたいなヒキニートみたいに品格が下がればいいんだ!!」

 

「おい、さりげなく俺をディスるな。後、ヒキニートじゃないから」

 

アンデッドを呼び寄せる体質のせいで大変お怒りのティアはアクアを罵る。その際にカズマもディスられているが。

 

「うあああああああ!!!ティアが言っちゃいけないことを言ったぁ!!そんなことしたら、世界中に散らばる敬虔なアクシズ教徒たちがどれだけ嘆き悲しむか!!」

 

「こいつ、ちっとも反省してないわね!!あんたなんて堕ちるところまで堕ちればいいわ!!そうしたらあんたもあのリッチーのような純粋さが手に入るかもよ!!!」

 

「何ですって!!私がアンデッドなんかになんで・・・」

 

「見習えっつってんのよこの!!」

 

「ぐえええええええ!!謝る!!謝りますから・・・ヘッドロックはもう・・・やめて・・・」

 

双子の言い分にアクアは突っかかろうとしたが、アカメのヘッドロックによって再び黙らせたのであった。なんやかんやあったが、とりあえずはクエスト達成である。

 

『探索クエスト!!

キールダンジョンの新しく発見されたルートを調査せよ!!

成果:キールダンジョン、調査完了!!

スペシャルボーナス:キールの宝!!』

 

 

ーこのすば!!ー

 

 

カズマたちはクエスト達成の報告を行い、手に入った一部の報酬で1日の豪勢な食事にありつくのであった。残った報酬金とキールの宝もある。

 

「いやー、騙されたと思っても行ってみるものですねー!」

 

「今回は私のおかげで大成功だったわね!!取り分は9分の1でいいわよね!!」

 

「ヴァーカ!!あんたのせいで散々だったんだから0に決まってんでしょうが!!」

 

「そうだそうだ!!これは全部借金に当てるんだろうが!!」

 

「その通り!!私たちの死刑免除がかかってるんだから!」

 

めぐみん以外はシュワシュワを飲んでわいわいと騒いでいる。

 

「でも、今日はおかわりしてもいいわよね?すみませーん!!おかわりじゃんじゃん持ってきてーー!!」

 

「私は、入り口で待っていただけなので、いささか気が引けるのですが、いただきま・・・」

 

「お子様にははやーーーい!!」

 

「めぐみんの分は私がいただきまーーす!!!」

 

「ああああああ!!ティア、ずるいですよーーー!!」

 

ティアがめぐみんの分のシュワシュワを取り上げて、自分の分と合わせて一気に飲み干した。

 

「もうバイトとかやってらんないわよ!やっぱクエストだわ!!花鳥風月~♪」

 

「おおお!!出たーーー!!」

 

アクアたちの盛り上がりに合わせて、他の冒険者たちもわいわいと騒いでいる。調子に乗ったアクアを見て、ルナは苦笑いだ。

 

「お姉さん、今回はお姉さんのおかげで助かりました。これ、僕からの奢りです。ぜひとも、飲んでください(イケボ)」

 

「は、はい・・・」

 

カズマはルナにお礼としてかっこつけながら1杯をルナに渡す。ルナは苦笑いながらも受け取る。

 

「何!!?奢り!!?おーい、みんなーーー!!今日はカズマが奢ってくれるってよーーー!!」

 

「おおおお!!さすがカズマ!!いざって時気前がいいぜ!!」

 

「マジ、カズマさんだぜ!!」

 

『カズマ!!カズマ!!カズマ!!』

 

そこへダストが便乗して、全冒険者に奢るという話になってきた。その様子にカズマはふっと笑い、思い切る。

 

「よーーし!!お前らーーーー!!飲め飲めーーー!!」

 

これによって冒険者ギルド内では一種の宴になったのである。

 

「カズマ!!あれやってくれよーー!!」

 

「あー?しょうがねーなあああああ!!んぅふふふふう・・・んふふふふふぅ・・・」

 

冒険者の悪ノリでカズマは例のスティールの態勢に入り、手をいやらしくくねらせる。

 

『ス・ティ―ル!!ス・ティ―ル!!ス・ティ―ル!!』

 

「スティ――――ル!!」

 

カズマは相手をランダムに選んでスティールを発動させる。

 

「カズマ君の奢りだって・・・!!?」

 

そこで間が悪く、クリスがギルドに入ってきた。入ってきたタイミングでスティールの光が発し、光が収まると、カズマの手元には例の如く、白くて小さなリボンがついた布切れ・・・すなわちパンツが握られていた。しかもこのパンツ・・・クリスのものである。

 

『おおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』

 

「いやあああああああああああああ!!!!!パンツ返してえええええええええ!!!!!」

 

『ヒャッハーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!』

 

それによってカズマを含めた男たちは激しく興奮しており、クリスは涙目である。

 

「スティール!!スティール!!俺もスティールできるんだぜぇ~!」

 

これに乗じてダストは他のウェイトレスからパンツを脱がそうとスカートに触れている。それによって当然ながら他のウェイトレスにボコボコにされるダスト。

 

「はぁ~、何やってるんだろうね・・・」

 

「ティア~・・・手が止まってるわよ!!このまま私だけ、記録更新するわよ!!」

 

「あ、ずるい!!負けてたまるかーー!!」

 

ティアがこの光景に呆れている間にアカメは数多くのシュワシュワを飲んでいる。ティアも負けじとシュワシュワを飲んでいく。

 

「あ、あのぅ・・・」

 

「ん?ミミィ、来てたんだ」

 

そんな双子の元に申し訳なさそうにやってきたミミィ。

 

「アカメちゃんに呼ばれて来たんだけど・・・いったいこれは・・・」

 

「ちょうどいいところに来たわねぇ~、ネガウサ~!!」

 

「アカメちゃ・・・う・・・お酒くさい・・・!!」

 

アカメはミミィに絡んできて、ミミィはアカメの酒臭さに顔を歪めている。

 

「今日は~・・・私の奢りよ~。遠慮せずにぐぐいっと飲みなさいな~」

 

「ええ!!??い、いや、こんな私みたいなゴミ虫に悪いよ!!それに私はお酒は苦手・・・」

 

「いいから飲め!!」

 

「んんんんーーー!!!??」

 

ミミィはお酒を遠慮しようとしたが、アカメが無理やり酒瓶を口に突っ込ませてシュワシュワを飲ませる。

 

「あららら・・・大丈夫?変になったりは・・・」

 

「・・・ふえぇ・・・」

 

シュワシュワを飲んだミミィは頬を赤らめて、目元に涙をにじませる。

 

「み、ミミィさん?」

 

「どうせ・・・私なんて・・・そこら辺に生えてる雑草でしかないの・・・でもね・・・そんな雑草でも・・・必死に生きてるの・・・なのに・・・どうして私はそれに報われないのおおおおおおうわああああああああん!!!」

 

「ミミィ!!?もしかして、もうお酒に酔ったの!!?早!!!」

 

どうやらミミィは少量のお酒でもすぐに酔っぱらうようで、持ち前のネガティヴ思考と合わせてなおたちが悪くなっており、泣きながらティアに絡んできた。

 

「慰めてぇ~・・・エイミー・・・慰めてよぉ~・・・」

 

「エイミーって誰!!?誰かと勘違いしてない!!?」

 

「エイミぃ~・・・うわああああああん!!」

 

「ひゃはははははー!!気分最高よーーー!!はははははは!!!」

 

ティアをエイミーなる獣人と勘違いして絡んでくるミミィをよそに、アカメは最高にハイな状態になって騒いでいる。

 

「全く・・・」

 

カズマと双子の状態を見て少しあきれているめぐみん。そこへ・・・

 

「め、めぐみん!!」

 

ゆんゆんが大量のシュワシュワを持ってやってきた。今日もめぐみんと絡む気らしい。

 

「こ、こんなところで奇遇ね!!ちょうどよかったわ!!今日はこれで勝負よ!!」

 

「は、はわ~~~!!」

 

ゆんゆんの持ってきたシュワシュワを見て、めぐみんはきらきらと目を輝かせている。

 

「いいでしょう!!受けてたちま・・・」

 

「ダメ――――!!!ミーアにはまだ早いよおおおおおおお!!!」

 

「だからぁ!!ミーアって誰さ!!?あ、めぐみんとゆんゆんはダメ!!」

 

「ガキンチョはガキンチョらしく、ジュースでも飲んでなさ―――い!!」

 

「ガーターベルトおおおおおおお!!!」

 

「「ああああああ!!」」

 

酔っ払いミミィ、ミミィに参っているティア、酔っ払いアカメ、そして吹っ飛ばされたダストによってシュワシュワ早飲み勝負はお預けになっためぐみんとゆんゆん。

 

「今日は朝まで飲むわよーーーー!!」

 

『おおおおおおお!!』

 

この冒険者ギルドの大騒ぎぶりは文字通り、朝まで続くのであった。借金も全く減らないし、双子の容疑も全く晴れていない状況でも、これぞまさしく、冒険者らしいといえよう。・・・しかし、その大騒ぎの最中・・・

 

「おえええ~・・・」

 

アクアが気分が悪くなり、ギルドの外でアクアはリバースする。

 

(・・・何やってんだ俺・・・このままじゃダメだぁ!!)

 

ダメダメなアクアをさすっているカズマは、このままではダメだと深い後悔に陥ったのである。




唸れ嵐!響け雷!世界を震わせ、全てを薙ぎ払う!
その一撃に敵はなく、花は咲き、蝶は舞い踊り、祖父のりうまちは治り、死者は目を覚まし、あなたは感動の涙を流す。
さあ!一家に一発、爆裂魔法をあなたに!!

注意:用途を守りましょう・。なるべく人や家に向けないようにしましょう。
安全は場所で、保護者のいるところで撃ちましょう。
1日1発が限度です。

爆裂魔法の効能より

今日の爆裂魔法

カズマ、めぐみん、アカメ「ばっくれっつばっくれっつらんらんらーん♪」

容疑者の身ではあるが、この3人の日課は今もなお続いていた。それは雨の日も・・・雪の日も・・・穏やかな昼のひと時にも・・・それは続いていた。

めぐみん「エクスプロージョン!!!!」

アカメ「ほぉ・・・これは・・・」

めぐみん「はぅ・・・どうですか?この綺麗な虹・・・120点」

アカメ「いや、もはやそれさえも超えるほどの爆裂だわ・・・150点は・・・て、カズマ、どうしたのよ?」

カズマ(・・・何やってんだ俺・・・このままじゃダメだ・・・!!)

次回、この貴族の令嬢に良縁を!
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