このすば!この微笑ましい双子に幸運を   作:先導

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どうも始めまして。

最近このすばに再びハマりだして書いてみたくなったので書いてみました。

この作品はこのすばシナリオにオリジナルキャラを入れてみた感じになっています。面白くできているか、特有のキャラクターの残念さが出ているかどうかものすごく不安ですが、こっちでも頑張りたいと思います。

最初はこれを入れて2話くらい原作前を描いて、その後に本編を書こうと思います。

後後書きにたーまに次回予告的なものを書いたりするので、そっちもよければ読んでみてください。


プロローグ
この微笑ましい双子に幸運を!


砂漠都市アヌビス・・・そこは灼熱の街と呼ばれており、そこに住む人々は砂漠の地獄のような暑さをもろともせず、砂漠にしか手に入らない珍しい品物を他の街に輸出したり、街に訪れた観光客に売ったりして、街に繁栄をもたらしている。しかしながら、その中には、あくどいやり方でお金を貪ろうとする行商人や貴族たちも少なからずいる。そのため、街の経済も中々安定しないのも事実である。

 

そんなアヌビスの街の夜中、あくどい貴族の屋敷に忍び寄る影あり。その影の数、およそ2人。

 

1人は身軽そうな左右非対称の赤色の装束を着込み、短い赤い髪を持った少女。

 

もう1人はその少女と全く同じ顔で、左右非対称の青色の装束で短い青い髪を持った少女。

 

この2人の少女は隠れるような形で屋敷の外壁に張り付きながら、屋敷の門まで近づいていく。青い少女はスキル、『施錠』を使って扉の鍵を開けて屋敷に侵入する。侵入した2人はスキル、『潜伏』を利用して、誰にも見つからずに屋敷の奥へと進んでいく。奥へ進んでいくと、屋敷の主らしき人物が呑気にすやすやと眠っている。その横には厳重そうにされている宝箱がある。

 

そして青い少女が施錠を使って宝箱を開ける。宝箱には大量のお金が入っていた。それを見て赤い少女は袋の中にお金を全て入れる。お金を袋に詰め終えた2人はそれを持って部屋の窓を開ける。

 

「ん・・・んん・・・?」

 

寝ていた屋敷の主がようやく目が覚まし、いち早く空になった宝箱と、屋敷から出ようとする2人の姿を視認した。

 

「んなぁ!!?ど、泥棒!!」

 

主の驚きとは対照的に2人はいたって冷静だ。

 

「あら?私たちが泥棒なら、あなたはなんなのかしら?」

 

「汚いやり方でお金をむしり取ったり、悪徳商人と結託して相手を地のどん底まで陥れる・・・そんな相手に、泥棒なんて言われる筋合いはないよ!」

 

「そういうこと。だいたいあんたみたいな【ピーーッ】で【ズギャギャン!】なドクズなスケベおやじに更正の機会を与えてやってるのよ。むしろ、命を取らないでやってるだけありがたいと思いなさい」

 

「これに懲りたら、あくどいやり方はやめて、地道に働いて、お金を稼いでね」

 

「キーーッ!!誰がスケベおやじじゃ!!泥棒のお前らに言われたくはないわい!!」

 

主は文句を言い続けるが2人はどこ吹く風だ。

 

「覚えておきなさい。悪行を働く場所に、私たちは現れるわ」

 

「私たちはウェーブ盗賊団!不届き者に、更正の機会を与える、善良なる盗賊集団だよ!」

 

2人はそれだけを言い残してこの屋敷の外へと出ていった。屋敷から主の声がキーキーと響いている。2人が出ていくと同時に、屋敷に潜入していた他の盗賊団があくどいやり方で手に入れたお金を全て持って屋敷から逃走していく。

 

「後は、このスケベおやじに騙された連中に金を返せば、今回の任務は完了ね」

 

「これでまともな人に生まれ変わってるといいね」

 

「それはあくまであのスケベおやじ次第よ」

 

「そうだね。さあ、早く終わらせて帰ろうよ。夜の砂漠は冷えるからね」

 

盗賊団は屋敷の主に騙された人たちの家に赴き、盗んできたお金を、取られた金額分置いていった。彼女たちは、ウェーブ盗賊団。不正で得たを全お金て奪い取り、その者に一からの更生を促す者たち。そして、人々に、安寧をもたらす者たちである。

 

 

ーこのすば!-

 

 

常夏の神殿の遠く離れ、砂場にウェーブ盗賊団のアジトが埋もれている。このウェーブ盗賊団のアジトは裏は悪徳者から騙し取られた者の盗みを行ってはいるが、表では冒険者ギルドとしても活動も行っている。そんな盗賊団のアジトで、屋敷の主の一件の一仕事を終えたメンバーたちは皆、晩酌でワイワイと騒いでいる。

 

「・・・金が、欲しいわね・・・」

 

そんな中で、赤い髪の少女、アカメがキンキンに冷えたシュワシュワを飲みながらそんなことを呟く。

 

「また言ってるよ・・・さっきもらったばっかでしょ?」

 

アカメの愚痴に青い髪の少女、ティアはやれやれと呆れて同じくキンキンに冷えたシュワシュワを飲む。

 

「あんなちんけな金じゃいくらあっても足りないわよ。あんたならそこのところ、妹ならわかるでしょ?」

 

「仕方ないじゃん。あんなに人がいたら、支払われる報酬だって限られるんだから」

 

会話、そして髪色と胸以外は見た目が全て同じであることからわかるように、アカメとティアは双子の姉妹なのだ。姉がアカメで妹がティアといった感じだ。

 

「全く・・・これだから毒舌欲張りお姉ちゃんは・・・」

 

「は?聞き捨てならないわね、この腹黒ドクズ妹が」

 

「お?」

 

お互いの発した言葉にアカメとティアは互いに火花をバチバチと散らしている。この2人は双子だからといって別段仲がいいわけではない。というよりむしろ・・・

 

「前にクエストに出てた時なんて、互いに協力しようって言ったくせにいざ危険が迫ったら真っ先に逃げたくせに。これを腹黒ドクズと言わず何なのよ」

 

「そういうお姉ちゃんだって、その毒舌でいろんな人に喧嘩を吹っ掛けてたりして、私に迷惑をかけてるでしょ?身に覚えがないのに・・・」

 

「私の名前で勝手にわけわからない会員のメンバー登録をするような奴にいい薬でしょ?」

 

「私の名前を使ったせいで私が変な人に追われてるの、知らないとは言わせないよ?」

 

「あ?」

 

「は?」

 

このように仲が悪く、いつも口喧嘩が絶えない。しかもそのほとんどが双子を利用した責任転換によるものである。もちろん、個々の能力面でもそうだが。そういうこともあって盗賊団のメンバーたちはこの双子のことを・・・

 

「おー、またやってるな、あの問題児姉妹」

 

「今日はどっちに賭ける?」

 

「アカメに1票賭けるぜ」

 

「いや、今日はティアが勝ちだと思う。ティアに1票!」

 

「いやいや、今回は誰かに止められる!俺の勘がそう告げてる!」

 

問題児と評して、この喧嘩を利用した賭けを催している。もはや娯楽として扱っている分あたり、これがいつも通りの光景である。

 

「お、いたいた。おい、そこの問題児姉妹」

 

「「あ?」」

 

喧嘩している最中に盗賊団の頭の男、ネクサスの発言に双子は頭に向かって睨みをきかせる。その様子に一部の人間は第3者が止めたことに歓声を上げた者がいる。

 

「ちょいと話したいことがあるんだけど・・・ちょっと来てくれ。というかさっさと来い。拒否権はない」

 

「・・・仕方ないわね。ティア、一時中断よ」

 

「・・・仕方ないなぁ。お頭の話だもんね」

 

頭であるネクサスの話ということもあって、断るわけにも・・・というかどうやら選択肢がないらしいので仕方なくネクサスについていく双子。

 

「それでお頭、私たちに何か用なの?」

 

「用があるなら今のうちにキリキリ吐きなさい」

 

「妹はともかく、何で姉はそう上から目線なんだよ。別にいいが・・・」

 

ネクサスはこほんと咳払いをして、気を取り直して双子に視線を向け・・・

 

「お前らは明日、このアジトから出ていってもらうから」

 

と、そう言ってのけた。

 

「「・・・はあああああああああ!!?」」

 

その知らせに双子は目を見開かせて驚愕する。

 

「今のうちに荷物・・・」

 

「ちょ・・・ちょっと待って!お姉ちゃんはともかく、何で私がここから出なくちゃいけないの⁉️」

 

「そうよ!ティアはともかく、私が出ていかないといけないってどういうことよ!納得できないわ!」

 

「は?」

 

「あ?」

 

「おう、お前らやめろ。話は最後まで聞け」

 

話に納得のいっていない双子はネクサスに突っかかってきたが互いの発言でその矛先が双子に変わる。その様子を止めるネクサス。

 

「すまん、言葉が足りなかったな。正しく言えば転勤だ」

 

「「転勤?」」

 

転勤・・・つまりはこの砂漠地帯の本部から別の街にある支部に配属されるということだ。このウェーブ盗賊団は砂漠の他にも様々な場所に別の拠点が多数存在している。

 

「転勤先は始まりの街、アクセル。お前らはそこのアクセル支部で活動を開始してもらうぜ。住む場所は俺の知り合いの伝手があってな。住む場所が決まるまでそこに居候させてもらうことになってる。まぁ、そこに行ってもやることは変わらねぇ。本業をやるなり冒険者ギルドに行って仕事をするなり、好きにしてくれ」

 

「「ちょっと待った」」

 

話を続けるネクサスに双子はまだ納得がいっていないのか口を挟んできた。

 

「・・・なんだよ。まだ何か納得いかない点が?」

 

「転勤は別にいいわ。でも、アクセルって始まりの街でしょ?ティアはともかく、なんでベテランの私がそんな初心者の街に行かなくちゃいけないわけ?」

 

「そうだよ!お姉ちゃんはまだわかるよ?でもなんでステータスが高い私がそんな所に行かないといけないの?」

 

「黙れなさいこの攻撃無能の妹シーフ。誰のおかげでレベルがあげれてると思ってるのよ?」

 

「うるさいよこの盗賊技能皆無の姉シーフ。短剣スキルだけをあげちゃってさ。おかしくない?」

 

「やっかましいわ!!!!俺から言わせればどっちもどっちじゃい!!!!」

 

また口喧嘩を始めた双子の姉妹をいい加減煩わしく感じたネクサスは怒声を上げる。

 

「まずアカメ!!お前は確かに戦闘面で言えば非常に優秀だ!だが盗賊行為は皆無と言っていいほどにダメすぎる!前の仕事で無策に敵モンスターに突っ込みやがって!お前は戦闘マシンかなんかか!!?」

 

「攻撃こそがシーフに必要・・・」

 

「それは聞き飽きたわ!!次にティア!!お前の盗賊技能は仕事の方面でも、ダンジョン探索にも非常に向いている!だがお前の戦闘能力はハッキリ言ってゴミ以下だ!!役に立つと言えば精々バインドで敵の動きを止めるだけ!バカにしてんのか!!?」

 

「だって、探索こそがシーフにとって1番・・・」

 

「1番の問題は・・・お前らの実力は双子の息がぴったり合ってないと全く発揮しない。そうなったらお前らは無能、いわばお荷物に近い状態になるということだぁ!!本当・・・なんだこれ⁉ただでさえ個人で仕事は無理なのに喧嘩で息が合わないお前らがベテランだと⁉お前らを1つにまとめる俺らの苦労をなんだと思ってやがる!!謝れよ!お前らのおかげで苦労してる全員に謝れ!!」

 

「「ご、ごめん・・・」」

 

今までの苦労が爆発するかのようにネクサスは顔を真っ赤にしながら声を張り上げている。その勢いに双子は思わず謝罪の言葉を口にする。

 

「はぁ・・・なぁ問題児姉妹よ。お前らは確かにステータス面で言えば非常に優秀だ。なのにいつも無駄な空回り。いつも俺たちを見守って下さる女神エリス様がかわいそうと思わんのか?」

 

「「私たち、エリス教徒じゃないし」」

 

「いやまぁそうなんだが・・・せめて気持ち・・・」

 

「「当然、アクシズ教徒でもない」」

 

「やめろ・・・おぞましい名を口にするんじゃない。てかお前らはなんでそういう時だけ息ぴったりなんだよ」

 

双子が口にしたエリス教徒とは幸運を司る女神、エリスを御神体にした宗教であり、人々からの信仰が非常に高い。その証拠にこの世界のお金の単位はエリスと名がつくほどだ。

 

一方のアクシズ教徒とは水を司る女神アクアを御神体にした宗教なのだが、エリス教徒と比べればその信仰は少ない。その理由はアクシズ教徒は変人ばかりが集まる噂されており、現にアクシズ教徒の奇行に人々は頭を抱えているからだ。ちなみにネクサスはエリス教徒であるが、双子はそのどちらも入信していない。

 

「まぁなんにせよ、今のお前らに必要なのは戦闘能力でも盗賊技能でもない。環境の対応能力だ。初心者の街で初心に戻って自分を見つめ直すんだな」

 

「はーい・・・わかりましたよー・・・」

 

「お頭もついていってもいいのよ」

 

「俺は子分を甘やかさない、そういう男だ」

 

ネクサスはそう言いながら双子に手を振ってその場を去っていく。取り残された双子は何とも言えない感情を意味もなくお互いにぶつけるように睨みつけてる。そうしてると話を聞いてた先輩盗賊団員(冒険者)たちが声をかけてきた。

 

「気にすんなよ。ボスはああ見えてもお前らを気にかけてんだよ」

 

「そうそう、可愛い子には旅をさせよっていうでしょ?」

 

「そうかなー?」

 

「そうは思わないけど」

 

先輩盗賊団の言葉にあまり賛同していない双子。

 

「それに、むしろよかったんじゃない?」

 

「「何が?」」

 

「だってお前ら、この砂漠地帯から出たこと、1度もないだろ?」

 

その言葉に双子は少し目を見開かせる。それもそのはず、先輩盗賊団の言うとおり、双子は仕事は砂漠地帯しか受けておらず、この砂漠から出たことは1度もない。ゆえに双子は砂漠の外の世界のことは本で知っていても、その目で見たことはないのだから。

 

「外の世界はいいぞ~?砂漠にはない珍しいもんはいっぱいあるし、飯もうまい、夢もロマンも、外の世界には腐るほどあって素晴らしいぜ」

 

「それに、団長はあなたたちに外の世界を知ってもらいたいから、あなたたちでもやっていける、アクセルの街を転属先に選んだんじゃない?」

 

双子は少し考えた。なんだかんだ言いながらも双子は何度もネクサスにはお世話になりっぱなしだった。それに自分たちが盗賊団員としてやっていけてるのも、自分たちが生きていられてる(・・・・・・・・・・・・・)のも、全てネクサスのおかげだ。それに外の世界はずっと見てはみたいとは思った。初心者の街とはいえ、外の世界を知るには絶好の機会だと考えた。ネクサスの厚意と、知的好奇心によって、このチャンスは逃すまいと思った。

 

「うん・・・そうだよね。お頭は私たちのことを気にかけてくれてたもんね。ここで断ったら、それこそお頭に申し訳ないもんね!」

 

「ティア?」

 

「よーし、そうと決まったらさっそく準備しなくちゃ!それじゃお姉ちゃん、先に部屋に戻って準備してるね!じゃあねー」

 

「ティア⁉」

 

ティアはルンルンしながら自分たちの部屋へと戻っていく。アカメは急に様変わりしたティアを見て唖然としている。

 

「で?アカメはどうするの?どっちかが1人残っても仕事には全く役に立たないと思うけど?」

 

「べ、別に行かないとは言ってないわよ。・・・まぁ、外の世界には興味あるし・・・いい機会だとは・・・思ってるわ・・・」

 

一応はティアと同じ考えなのか、アカメはほんの少し頬を赤らめて髪をくりくりといじっている。

 

「お、出たな、ツンデレめ」

 

「それ以上口にするとあんたの【ピーッ】を【ドオオオオオオオン】するわよ。それも、ぐちゃぐちゃにね」

 

「やめて!!俺の心が壊れちゃう!!」

 

「ふん・・・。まぁ、そのアクセルとやらでそれなりに楽しんでこようかしらね。私も部屋に戻って準備してくるわ」

 

アカメは鼻を鳴らしながら自分の部屋へと戻っていく。その様子に先輩盗賊団はくすりと笑いを浮かべている。

 

「本当に、アカメは素直じゃないんだから」

 

「全くだ。ま、頑張れよ、でこぼこ姉妹」

 

 

ーこのすば!ー

 

 

部屋に戻った双子は明日アクセルの街へと行くための準備を進めている。ティアは外の世界を見るのが楽しみなのか荷物を多めに入れ、アカメは必要最低限のものを入れている。

 

「・・・相変わらず単純ね、あんたは。遊びに行くわけじゃないのよ」

 

「わかってるよ!でも、砂漠には見たことがないものがいっぱい見れるかもしれないよ?ワクワクしない方が無理だよ」

 

「まぁ、それはわかるけど」

 

「それに・・・外の世界を回ったらもしかしたら・・・お母さんに会えるかもしれないよ!」

 

「・・・・・・・・・そうね」

 

ティアは世界のどこかにいるかもしれない母の存在に会えるかもという期待を抱いているが、アカメはそうでもない。むしろ会いたいとは全く真逆。アカメはその母親に捨てられたとずっと思いこんでる。そのため母親の存在を酷く憎んでおり、会いたいとは全く思わない。今現在のアカメの性格はその反動によるものなのかもしれない。

 

「・・・まぁ、どっちにしろ、明日朝すぐに出るから、さっさと寝なさいよ。私はもう寝るわ」

 

「うん。もう少し準備したら寝るよ」

 

「そう」

 

ティアはまだ荷物を整理し、アカメはすぐに眠ろうとベッドに潜り込む。

 

「・・・ティア」

 

「なにー?」

 

「この先何があるかは知らないけど・・・あんたは、何があっても、私が守ってあげるわ」

 

「お姉ちゃん・・・」

 

毎回喧嘩しているとしても、なんだかんだ言ってたった1人の家族。アカメは姉としての使命感をティアに伝えた。

 

「・・・急に何言ってるの?ハッキリ言って気持ち悪いよ?」

 

「うるさいわね。私だって気持ち悪いって思ってるわよ。もう寝る」

 

せっかくの思いを無下にするようなティアの発言にアカメは寝返る。

 

「お姉ちゃん」

 

「何?」

 

「私だって守られてばかりじゃないよ?私だってお姉ちゃんを守ってあげるからね」

 

「・・・・・・」

 

ティアもアカメと同じ考えなのか妹としてそう伝えた。

 

「・・・戦闘力ゴミカスのあんたが何言ってんのよ。寝言は寝ていいなさい」

 

「ひどっ!まぁ・・・事実だけど・・・もう!いいよ!さっさと寝ちゃえ!」

 

アカメのあんまりな言い方にティアは怒ってそっぽを向く。

 

「・・・ティア」

 

「・・・何?」

 

「・・・ありがと。おやすみ」

 

「・・・うん。おやすみ」

 

アカメは伝えたいことを伝えてそのまま眠りだす。ティアも早く準備を済ませてからベッドに入り、そのまま就寝する。

 

 

ーこのすば~-

 

 

翌日の朝一、盗賊団アジトの門の前、双子はモンスターの一種、走り鷹鳶の馬車に乗り込み、盗賊団員からの見送りを受けていた。

 

「これ、私の作ったお守りだよ。2人分あるから使って」

 

「俺は爆発ポーションをやるよ。いざって時に使ってくれ」

 

「俺はジャイアント・サンドワームを使ったミミズカツを作ったぜ。食べてくれよな」

 

「僕の家宝の鉛筆をあげるよ」

 

「俺は究極の笑いネタ帳」

 

「私は・・・」

 

「ありがとうね!」

 

「大事に使うわ」

 

双子は見送りの品を団員全員から受け取っている。双子のパーティには入りたがらないが、それ以外では結構愛されているようだ。そしてもらった品物を双子は途中でほとんどのものを捨てるとは誰も想像はしなかった。

 

「最後に俺からはお前らに先代団長のマフラーをくれてやるよ」

 

「わあ・・・ありがとう!」

 

「へぇ・・・結構いいじゃない」

 

「気にすんな。数だけは腐るほどあるからな」

 

ネクサスは先代の団長のマフラー(数は結構ある)を双子に渡した。双子にはかなり好印象のようだ。

 

「外の世界はどんな光景が広がるんだろう?楽しみ!」

 

「まだ言ってるの?気持ちはわかるけど、もっと緊張感を持ちなさい」

 

「その通りだ」

 

未だに浮かれてるティアにアカメが指摘すると、ネクサスはそれに同意した。

 

「世間では俺たちを正義の盗賊団と謳っているが、政府ではそうはいかない。一応被害者たちが自由に暮らせるために悪人から盗みをやってるが俺たちのやってることは所詮偽善だ。ここにいる全員、捕まって裁きを受けてもおかしくない。お前らも盗賊団でやっていきたいなら・・・」

 

「盗賊団であることをしゃべるな、でしょ?わかってるよ。私だってウェーブ盗賊団の一員なんだから!」

 

「ま、私も盗賊団ならではの誇りはきちんと守るつもりよ」

 

「・・・わかってるならいいさ」

 

双子・・・特にアカメの性格を考えると変な不安は覚えるが、一応は・・・というより無理やり納得するネクサス。

 

「・・・スティーヴ、後は任せたぞ。無事にこいつらをアクセルまで送って行けよ」

 

「へへ、任せてくだせぇリーダー。仕事はきっちりこなしてみせますぜ!・・・こいつらといると不安っすけど」

 

「本音出てるぞ、お前」

 

ネクサスはコホンと咳ばらいをし、双子に視線を向ける。

 

「頑張って来いよ、お前ら。お前たちに、女神エリス様のご加護があらんことをってな」

 

『あらんことを!』

 

盗賊団員たちに見送られながら、団員スティーヴは双子を乗せた走り鷹鳶の馬車を走らせ、アクセルへ向かって砂漠を走るのだった。

 

 

ーこのすば!-

 

 

馬車に揺られながら双子たちは砂漠のいつもの光景を見ながら自分たちの使用する武器、アカメは短剣、ティアはロープの手入れをしている。その際に双子はミミズカツを食べたり、団員からもらった餞別品(ゴミ)を捨てたりしている。

 

「おーい、なんか後ろでごそごそ聞こえるんだけど、何やってんだ?」

 

「何って・・・武器の手入れー」

 

「後、ゴミの処理よ」

 

「ゴミって・・・まさか餞別品を捨ててるんじゃないだろうな?」

 

「何言ってるのよ。捨ててるわけないじゃない」(大嘘)

 

「んー!」(口封じされてる)

 

「本当か?アカメは大ウソつきだからなぁ・・・平然と嘘をつくし・・・どこまでが嘘でどこまでが本当か全然わかんねぇし・・・」

 

ゴゴゴゴ・・・

 

スティーヴがアカメを疑っていると突如砂場がうごめき始めた。

 

「これは・・・」

 

「おいでなすったわね」

 

「おいおいマジかよ・・・こいつは・・・」

 

ザバアアアアンッ!!

 

「----・・・」

 

盛り上がった砂から出てきたのは、馬車より巨大な大きさを持った巨大ミミズ、砂漠地帯によく現れるモンスター、ジャイアント・サンドワームだ。

 

「くそっ!こいつらが現れない道を通ったのに・・・はぐれワームか⁉ついてねぇ!逃げるぞ!」

 

ジャイアント・サンドワームが現れたことにより、スティーヴは何とか迂回しようと考えるが・・・

 

「迂回なんてしてたら追いつかれて食べられちゃうよ!ここは・・・」

 

「ええ。戦うしかないわね。行くわよ、ティア」

 

「うん!やろう、お姉ちゃん!」

 

「あ!ちょっと待てお前らぁ!!」

 

その前に双子が馬車から降りて現れたサンドワームを迎えうつ。双子が現れたところでサンドワームは大きな口を開け、双子を丸のみにしようとする。

 

「あぶねぇ!!」

 

「まずは砂に潜れなくするわよ。ティア!」

 

「わかってる!バインド!!」

 

アカメの指示に従い、ティアは盗賊の継承スキル、バインドを使う。ティアから放たれたロープはサンドワームを縛り上げ、身動きを取れなくさせる。

 

「今だよ、お姉ちゃん!!」

 

「任せなさい」

 

身動きを取れなくなったサンドワームにアカメが目にも止まらない素早さで近づき、短剣を取り出し、攻撃スキルを発動させる。

 

「ダブルアタック!!」

 

ズババッ!!

 

「------ッ!!!」

 

アカメはサンドワームに短剣による斬撃を2回繰り出す。サンドワームはその攻撃によって苦痛に歪んだ声を上げ、バインドから抜け出そうと力を力ませる。

 

「させない!バインド!」

 

そこにすかさずティアがバインドを発動させて締め付けを強くさせる。そしてアカメは短剣にスキルによって雷を纏わせる。

 

「サンダーエッジ!!」

 

ドオオオンッ!!

 

「----------ッ!!!!」

 

「おお!すげぇ!!体力が高いはずのサンドワームがもう弱ってきてる!!」

 

雷の刃にサンドワームはさらに苦痛を上げる。盗賊の上級職、シーフは本来近接戦闘の職業に比べればその攻撃力はかなり低い。だがアカメの場合はソードマスターなどに負け劣らないほどの攻撃性能を誇っている。それに加えてティアのサポート能力は盗賊より早く、より的確だ。もちろん、戦闘面でなく、ダンジョン探索も、2人が協力し合えば右に出る者はいない。この2人の姉妹による息の合ったコンビネーションはまさに無敵を誇る。・・・そう、息が合えば、だが。

 

「----!!!」

 

「やばい!最後の悪あがきだ!」

 

サンドワームは悪あがきするかのようにバインドを食い破り、双子を飲み込もうと迫る。

 

「まずい!バインドが間に合わない!散開しろ!!」

 

「「了解!」」

 

スティーヴの指示に従い、双子は散開する・・・

 

 

・・・ことはなく、どういうわけか逃げる方向が同じで散開ができておらず、サンドワームはそんな2人を追いかけている。

 

「おいぃ!!?何やってんだ!!?散開しろっつってんだろ!!?」

 

「「あ?」」

 

同じ方向に逃げていることに気づいた双子はお互いに睨みつける。

 

「何やってるのよ。散開しろって、聞いてなかった?」

 

「お姉ちゃんが私と同じとこに逃げてるだけでしょ!」

 

「は?あんたがついてきてるだけでしょ?いいからどきなさい」

 

「ああどきますとも!どいてやりますよ!」

 

言い合いをしながら双子はまたも散開する・・・ことはなくまたも逃げ道が同じでまたもいがみ合う。

 

「お姉ちゃん!やっぱついてきてるでしょ!」

 

「バカ言わないでよ。あんたが勝手に私と同じ場所を走ってるだけよ」

 

「あー!!お姉ちゃん、私の言葉真似しないでよ!!」

 

「してないわよ。そっちが私の真似をしてるだけでしょ。気持ち悪い」

 

「なんなの⁉」

 

「何よ」

 

「だー!!お前らこんな時にいがみ合うな!!」

 

いがみ合いがヒートアップし、ついに双子はお互いを決別するような行動に出る。

 

「もういいよ!勝手にすれば!!」

 

「ええ、勝手にやらせてもらうわ」

 

「おいバカやめろお前らーーーー!!!」

 

決別するように双子は互いに離れ、息がバラバラの動きを始める。

 

「ここで一気に仕留めさせてもらうわよ。いじっても面白くないクソミミズ」

 

「私だって、1人でモンスターを仕留められるってとこ見せてやる!」

 

「サンダーエッジ!!」

 

「バインド!!」

 

全く息が合ってないタイミングでお互いの得意スキルでサンドワームを仕留めようとする。アカメのサンダーエッジがサンドワームに当たる直前・・・ティアのバインドがアカメを締め付ける。

 

「ふぎゅっ⁉」

 

「「あ・・・」」

 

バインドによって縛られたアカメは重力に従いそのまま落ちていく・・・サンドワームの口めがけて。

 

お・・・覚えてなさいよこのクソビッチのドクズ・・・

 

パクッ、ゴクンッ

 

サンドワームは落ちてきたアカメを口に入れ、そのまま丸のみにする。そして矛先はすぐにティアに向ける。ティアはそれに冷や汗が大量に出始める。

 

「あー・・・えっと・・・サンドワームさん?さっきのは言葉のあやというかなんというか・・・。あなた様をここまで痛めつけたのは我が姉のせいで・・・」

 

「・・・・・・」

 

「い、いやいやいやいやサンドワーム様!!?た、食べるなら私じゃなくてあそこにいるスティーヴさんをお願いします!!私なんて食べてもおいしくないですよ!!?」

 

「おい!!!お前仲間を平然に差し出すとかどういう神経してんだ!!!頭おかしいんじゃないか!!?姉が姉なら妹も妹だな!!!」

 

ティアはサンドワームに食われないようにいろいろ必死だが相手はモンスター・・・聞く耳を持つはずがない。

 

「さ、サンドワーム様!!!せ、せめて優しく!!!丸のみはやめて優しくおいしく食べ・・・」

 

パクッ、ゴクンッ

 

必死の説得も空しく、サンドワームに丸のみにされるティア。

 

「お・・・お前らあああああああ!!!!食われてんじゃねえええええええ!!!!」

 

スティーヴは食われた双子にツッコミを入れながら双子救出のために両手剣をサンドワームに振るった。

 

 

ーこのすばぁ!!!-

 

 

サンドワームを倒し、何とか双子を救出に成功したスティーヴはアクセルへ向けて再び馬車を走らせる、が・・・

 

「うええぇ・・・マジで臭ぇ・・・唾液の匂いがプンプンする・・・」

 

「「・・・ふん!」」

 

双子に塗れているサンドワームの粘液のあまりの臭さに顔を歪めている。粘液塗れの双子は未だに仲直りができておらず、顔を互いにそっぽを向いている。

 

「おええぇぇ・・・このままじゃ吐いちまう・・・。仕方ねぇ・・・一旦常夏の神殿のオアシスを使うか・・・」

 

スティーヴは急遽予定を変更し、常夏の神殿へ向かい、そこにあるオアシスで休憩することになった。スティーヴは双子にバスタオルを渡し、オアシスに行くように急かさせる。

 

「俺はここでサンドワームの肉を調理しとくから、お前らはさっさと臭いを落とせ。鼻がひん曲がっていけねぇ・・・」

 

スティーヴに急かされた双子は互いを睨みあいながらオアシスへと向かっていった。残ったスティーヴは手に入れたサンドワームの肉を取りに馬車の中に入る・・・が、すぐに顔を歪ませる。理由は2人がついた粘液の匂いが馬車に染みついてるからだ。

 

「おえ・・・せっかく新調した馬車なのに・・・先に消臭ポーションでも撒いとくか」

 

スティーヴは馬車の消臭を行ってる間、双子は水着でオアシスの水で身体についた粘液を洗い落としてからオアシスに入る。2人の関係はまだ険悪だ。

 

「・・・ティア。私を縛り上げたの、許さないわよ」

 

「まだ言ってるの?何ともまぁ器の小さいお姉ちゃんだこと。これだから」

 

「あ?」

 

「あ、そっか!胸が小さいから、そーんなに器が小さいんだねー?何ともかわいそうにねー?」

 

ムカッ!

 

「私の場合、そんな脂肪の塊、欲しくもなんともないわ。・・・そういえば、前に太ったとかどうとかほざいてたわよね?いい機会だからフードファイターにジョブチェンジしたらどう?」

 

ムカッ!

 

「ちょっと食べすぎただけですー!フードファイターになんてなりませんー!お姉ちゃんだって、そんなんだから男の子に寄り付かないんじゃないのー?寂しがり屋さん?」

 

「そんなくだらないことで話を掘り下げようだなんて、あんたもまだまだ、お子ちゃま・・・いや、赤ん坊同然ね」

 

・・・・・・

 

ブチィッ!!×2

 

「このクソビッチがぁ!!何よこの無駄に出来上がった脂肪はぁ!!あんたなんてシェフに調理されて人肉になる方がお似合いだわ!!」

 

「ならお姉ちゃんは痩せ細った身体に相応しく、絶食して干上がらせて、だーれにも見つけられないようになる方がみんなのためだよ!!」

 

いがみ合いがヒートアップし、ついには取っ組み合いの喧嘩を始めてしまう。だが傍から見れば、ただじゃれあっているようにも見える。その様子は馬車の方でも聞こえているようだ。

 

「オアシスで起こる美女2人のキャットファイト・・・そそるな・・・帰ったらサキュバスの店で注文するか・・・ぐへへへ・・・」

 

オアシスで繰り広げられてるキャットファイトにスティーヴは妄想を膨らませ、浮ついた表情を見せている。

 

 

ーでゅふ・・・このすばぁ・・・w-

 

 

オアシスできれいになり、昼食も食べ終えたところで一行は再び馬車を走らせ、アクセルの街へと急ぐ。双子はというと、オアシスの件でまたかなり拗れてしまい、互いに距離を取っている。馬車の中にこもり切っており、外の景色を見る様子はない。

 

「よーし!砂漠を越えたぞー!外の景色を見てみろよ!」

 

スティーヴの一声に双子は馬車から顔を出し、外の光景を覗く。

 

「!わあぁ・・・」

 

「へぇ・・・」

 

双子の視界に映ったのは、砂漠とは違った美しい大自然の光景だ。地面に草木は生えており、辺りには木が数えきれないほどあり、砂漠には生息しないモンスターや野菜が飛び回っている。普通の人にはこれが当たり前でも、砂漠を出たことがなかった双子には感動的なのだ。この感動は本で見ただけでは味わえない。

 

「すごい・・・すごいよ!お姉ちゃん!これが・・・砂漠の外の世界なんだ!」

 

「そうね。さすがの私も、これは想像以上だわ」

 

「ははは、そうだろうそうだろう!これが外の世界だ」

 

繰り広げられる光景を見て、双子はいつの間にかよりが戻っている。この双子はいつもこうなのだ。喧嘩していても、時間が経ったり、きっかけがあればすぐにいつも通りに戻る。なのでいくら喧嘩していたとしても、盗賊団にとっては双子の喧嘩は些細なことなのだ。

 

「・・・ん?なんか焦げ臭いな・・・。お前ら、なんか変なもん持ってきてないか?」

 

すると馬車から何か焦げた匂いが漂ってきて、スティーヴは顔をしかめた。双子もそれに気づいたのか自分たちの荷物を調べる。すると、残った餞別品の中から何やら煙が出ていた。

 

「何これ?」

 

「何かしら?」

 

気になって煙の元を取り出してみる。その正体は餞別品の1つ、爆発ポーションだった。ポーションは怪しく赤く光っている。

 

「これは・・・レントンがくれた爆発ポーションね」

 

「え・・・レントンが・・・くれたポーション・・・?」

 

盗賊団員レントンはクリエイターという職業がら、何かしらの発明品を作るのが趣味なのだが、その趣味が人に多大な迷惑をかけることでも有名だ。この爆発ポーションもその1つである。ゆえに双子は嫌な予感がひしひしと感じ取っている。

 

「お姉ちゃん、このポーションの説明書とかない?探してみて」

 

「もしかして・・・これかしら」

 

いやな予感がしてアカメは手に持ったポーションの取扱説明書を確認する。内容は・・・

 

『注意、このポーションは特別製です。これに変なものを近づけないでください。特に消臭ポーションは撒かないでください。ポーションの成分が刺激し、1時間後に爆発を引き起こします』

 

この説明書を見て双子は顔を青ざめ、互いに顔を見つめる。そしてすぐにポーションを投げ捨て、馬車から出る。

 

「スティーヴーーーー!!!逃げてーーーー!!!」

 

「レントンのポーションが爆発するわーーー!!!」

 

「何いいいいい!!?レントンのだとお!!?」

 

双子の叫び声を聞いてスティーヴも顔を青ざめて馬車から急いで離れていく。3人が馬車から離れた瞬間・・・

 

ドガアアアアアアアアアアン!!!

 

「クエエエエエエエ!!!??」

 

爆発ポーションは馬車は木っ端微塵に爆発してしまった。爆発の近くにいた走り鷹鳶はそれらを恐れて一目散へと大自然へと走り出してしまう。

 

「あああああああああああああ!!!!俺の・・・俺の馬車がああああああああああ!!!!俺の走り鷹鳶があああああああああ!!!!レントンの野郎ううううううううううう!!!!変なもん持たせんなって言っただろうがああああああああああ!!!!」

 

新しく買って大事に使おうと決意していた馬車がこうもあっさりと早くにオジャンになってしまってスティーヴは血涙を流している。

 

「危なかったね、お姉ちゃん」

 

「はぁ、先が思いやられるわね」

 

双子はというと実にのんきなものである。

 

「さて、こんなとこにいないで、さっさと行きましょう」

 

「そうだね、一分一秒の時間も惜しいもんね」

 

「ちょ、ちょっと待てお前ら!俺の馬車に労りの言葉はないのか⁉というか、どうやってアクセルまで・・・」

 

「どうやってって・・・」

 

「歩いてに決まってるじゃない常識的に考えて」

 

双子のその言葉を聞いて、スティーヴは絶望に染まった顔つきになった。そして盗賊団本部にいるレントンには多額の借金が背負わされるとは夢にも思わないのであった。

 

 

ーえぐぅ・・・このすばぁ・・・-

 

 

爆発ポーションのせいで歩いてアクセルへ向かう羽目になった3人。厄介ごとに巻き込まれたスティーヴは一刻も早くアヌビスに帰りたい気持ちでいっぱいになっている。そして、長い時間をかけて歩いていると、ティアが元気いっぱいに走り出した。

 

「お姉ちゃーん!スティーヴー!見えてきたよー!」

 

「やれやれ・・・やっと着いた・・・」

 

「ここが例の?」

 

「そうだ・・・ここが冒険者の始まりの街・・・アクセルだ・・・」

 

そう・・・ティアが走り出した理由は目的の街の門の前まで辿り着いたからだ。こここそが、冒険者のはじまりの大地と呼ばわれる街・・・アクセルだ。

 

「はぁ~・・・やっと着いたか・・・」

 

「うーん・・・アヌビスの街と比べると普通だね」

 

「そりゃそうでしょ。初心者の街だもの」

 

やっとたどり着いたアクセルの街を見て、双子はそう発した。スティーヴはやっと仕事が終わったことに安堵を覚える。

 

「おーい!こっちだよー!」

 

ふと自分たちを呼ぶ声が聞こえてきたので3人はそちらに視線を向ける。そこにいたのは双子と同じくらいの軽装で頬に傷跡が残っている短い銀髪の美少女だった。

 

「予定よりずいぶん遅かったね、スティーヴさん。目が死んでるけど・・・何かあった?」

 

「気にすんなクリス・・・予定外の連発が起きただけだ・・・」

 

「あ、あははは・・・大変だったみたいだね」

 

銀髪の少女はスティーヴの苦労を察してか、苦笑を浮かべる。そしてすぐに双子に視線を向ける。

 

「さて、君たちがアクセル支部に転属になった双子さんだね?確か、姉のアカメに、妹のティア」

 

「うん!よろしく!」

 

「あんたがこのアクセル支部のマスター?」

 

「あー、違う違う。私はウェーブ盗賊団ってわけじゃないんだ。ただ本物のマスターはクエストに出かけちゃってて・・・それで私がネクサスさんに頼まれて迎えに来たってわけ」

 

銀髪の少女は苦笑しながら頬をかいている。ネクサスに頼まれたという部分を聞いて双子はネクサスにたいして意外と顔が広い?と考えた。

 

「私はクリス。見ての通り盗賊だよ。同じ盗賊職同士、よろしくね」

 

銀髪の少女、クリスは双子に手を差し伸べる。アカメはよろしくの意味を込めてティアの分も一緒に握手で返す。

 

この瞬間より、双子はアクセルの街の一員となったのだった。




次回予告的なもの

アカメです。お頭に定時報告です。

ついにアクセルの街へと到着いたしました。砂漠では見たこともないものがいっぱいでとても新鮮です。
ここでも人々が困っていれば、すぐにでも盗賊団の仕事に入ります。やる気はあります。ティアと一緒にうまくやってみせます。
え?ティアとはどうかですか?もちろん仲睦まじく、いつまでも仲良しです。あまりの仲良しっぷりに周りからちやほやされるくらいです。
嘘じゃありませんよ?本当ですからね?

報告書作成者、アカメ

頭の一言:バレバレな嘘をつくんじゃない。

次回、この貧乏店主に居候姉妹を!
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