このすば!この微笑ましい双子に幸運を   作:先導

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ついに・・・ようやっとここまで来た・・・。最初のオリジナル章の完結が!これでようやく、次の章に進められる・・・!来年の4月には3期が始まるし、できるならそれまでに次章を書きあげたいな。

さて、今回の話で今年のことすばの投稿は最後となります。

よいお年を!

あ、後、次章の予告があります。


このお邪魔虫に天誅を!

アヌビスの記念祭の最中に侵入してきた虫型モンスターの大群によって、街中は大混乱に陥っている。冒険者ギルドの広間には何人かの冒険者とアカメたちも集まっていた。

 

「おんどりゃあああああああ!!!どこの誰じゃ楽しみを奪いやがった奴はあああああああああ!!!」

 

さらにティアとのお楽しみ展開を邪魔をされて完全にブチギレているカズマとティアもやってきた。どうやら2人は潜伏スキルでどうにかモンスターに見つからずに辿り着いたようだ。

 

「やっと来たわねあんたたち。街中が今大変な状況よ」

 

「お待ちしておりましたカズマさん。さっそくですが、状況を説明させていただきます」

 

カズマが来たことによって、カテジナはさっそく現在街の状況を説明する。

 

「あなたも見た通り、街に大量の虫型モンスターが発生し、街を蹂躙していらっしゃいます。ネクサス様を含め、多くの冒険者たちがモンスターの駆除にあたっておりますが、未だに増幅しており、手に負えない状況にあります。そこであなたたちに折り入ってお願いがあります。私たちがモンスターの相手をしている間、あなたたちにはモンスターの発生源を絶ち、事の発端である犯人を倒してもらいたいのです」

 

「犯人って・・・もう裏切り者は捕まえたはずじゃ・・・」

 

「違う!!私じゃありませぇん!!」

 

カズマの言葉を否定したのは簀巻きの状態で逆さに吊るされているフォステスであった。

 

「あ!!お前!!」

 

「というか、私今日大変だったんですからな!旧アジトが崩れたと思ったら周辺にモンスターが集まって・・・そいつらから逃げてたらバーバラに捕まってこんな姿にされたんですから!!」

 

「どうやら、どこかのバカが旧アジトに爆裂魔法を放ったことで地下の牢屋が壊れ、この不埒者が脱走したようなのです」

 

(あー・・・)

 

カテジナの説明した旧アジトにカズマは心当たりがありまくった。そう、めぐみんの爆裂魔法で壊れたあの砂の砦こそが、ウェーブ盗賊団の旧アジトなのだから。アカメたちは爆裂魔法を放っためぐみんをじーっと見つめているが、めぐみんは知らんぷりするかのようにそっぽを向いている。

 

「話を信じるならば、どうやら裏切り者はフォステスだけではないようなのです。そうですね?」

 

「私が奴に持ちかけられたのはネクサス殿を嵌める計画だけ!こんなことは知らされていません!!本当です!!信じてください!!」

 

「まともな情報がない今、彼を信じるしかありません。モンスターの発生源はどうやら闘技場のようです。これは私からの正式な依頼とさせていただきます。闘技場へ赴き、真犯人の野望を打ち砕き、このアヌビスの街を救ってください!」

 

カテジナは真剣さを込めた表情でカズマに頭を下げて、街の救済を依頼した。

 

「カズマカズマ、今回私はお役に立ちそうにないので、ここで待機してますね。というか、魔力切れです」

 

「じゃあ私も今回役に立ちそうにないから・・・」

 

本日爆裂魔法を撃っためぐみんはともかく、どさくさに紛れてギルドで待機を宣言するアクアであるが・・・

 

「お前は一緒に来るんだよぉ!!!」

 

「いやああああああああ!!!」

 

楽をすることを許さないカズマはアクアの手を掴み、無理やり外に連れ出した。こうして、モンスターの発生源である闘技場に向かうのは、カズマ、ダクネス、双子、マホ、リュドミラ・・・そして嫌がるアクアとなったのであった。

 

 

ーこのすば!ー

 

 

『緊急クエスト!!

虫型モンスターの発生を阻止せよ!!』

 

「ぬあああああああああああ!!!おっおっおっおおおおおおおお!!」

 

ギルドの外へ出て、虫型モンスターの発生元である闘技場へと向かうカズマたちは現在走り鷹鳶の馬車に乗り込み、追いかけてくる虫型モンスター・・・クワガタ型モンスター、陸上クワガタ、カブト型モンスター、どすこいカブトの大群から逃げている。・・・縄に縛られているダクネスを引きずった状態で。

 

「アレクサンダー!前方にまた虫よ!避けなさい!」

 

「ピィーヒョロロロー!!」

 

「ぬああああ!!いいぞ・・・いいぞカズマ!!この引きずられて行くこの感覚・・・!また味わってみたいと思っていたところだ!そして虫共に追いつかれ・・・恥辱にあああああああ!!」

 

「・・・おい」

 

「カズマ・・・?」

 

アレクサンダーの馬車を運転するアカメが別ルートを使って前方の虫モンスターを躱す。そんな中引きずられている最中のダクネスは喜び、さらにはあらぬ妄想をして、さらなる興奮を覚えている。馬車に乗り込んでいる女性陣は全員カズマを軽蔑するかのように見つめている。

 

「しょ、しょうがねぇだろ!!虫の群れに突っ込んでいったあいつを引っ張るにはこうするしかないんだって!!」

 

「物は言いようだな」

 

「理解不能」

 

必死に弁明するカズマだが、女性陣の視線は冷たいままだ。そもそもなぜこうなっているのかというと、虫型モンスターがついにギルドにまで来たところ、ひとまず近くにあった馬車で虫型モンスターを引き離すという作戦をカズマが立てた。ところが、無策なダクネスが虫型モンスターの群れに突っ込んでいったために、それを引き留めるためカズマがティアにバインドを指示。これで縄に縛られた状態になったダクネスを馬車に括り付けて馬車を発車。そして今に至るというわけだ。

 

「ティア!!虫共は引き離せた!!?」

 

「ダメ!!クワガタに追いつかれる!!」

 

さすがにアレクサンダーだけでは限界があるのか、追いかけてくる陸上クワガタは馬車に追いつかれようとしている。

 

「ボトムレス・スワンプ!!」

 

ここでマホがボトムレス・スワンプで汚れ切った沼を出現させ、陸上クワガタの進行を妨げる。追いかけてくる陸上クワガタの一部は沼に嵌まり、残りの陸上クワガタは進路を妨げられ、動きを止めた。

 

「ナイスだマホ!」

 

「気を抜くなよ!まだ上にどすこいカブトが追いかけてきてる!」

 

マホの言うとおり、空にはどすこいカブトが飛んで追いかけている。ただ陸上クワガタと比べて動きが鈍いため、未だに馬車に追いつけていない。とはいえ、追いつかれるのも時間の問題だ。

 

「カズマ、私が一掃を提案します」

 

「で、できるのか⁉」

 

「・・・目標、どすこいカブト」

 

リュドミラは両手で気を凝縮し、狙いをどすこいカブトの群れに向ける。

 

『どすこーーーーーい!!!!』

 

どすこいカブトは奇妙な掛け声を出して馬車に突っ込んできて。そして、リュドミラは気を凝縮させた両手を前方に突きつけ・・・

 

「発射」

 

ドオオオオオオオオン!!!!

 

「おおおおおおおおお!!?」

 

強大な気功波を放った。あまりの強大さにカズマたちは驚愕。この気功波によってどすこいカブトは全て討伐された。

 

「全滅を確認」

 

「す・・・すげぇ・・・かめ○め波みたいだ・・・」

 

「さすがは竜人・・・お見事としか言いようがねぇ・・・建物を吹っ飛ばしたこと以外はな」

 

凄まじい威力の気功波は称賛すべきものだが、これによって街の建物が一部吹っ飛んだため素直に喜べない気持ちでいっぱいだ。

 

(・・・あれも・・・俺らの責任になるんだろうなぁ・・・)

 

建物を壊したのは自分たちの責任になるのではという考えにカズマは気分が沈んでいく。

 

「もうすぐで闘技場に着くわよ!」

 

「ダクネス!もうちょっと頑張って!後でアクアがヒールをかけてくれるからー!」

 

「お、お構いなくー!」

 

カズマたちが奮闘している間にも、闘技場が見えてきて、もうすぐで辿り着こうとしている。

 

「ちょおおっと待ったあああああああ!!!」

 

すると、前方に何者かが降り立ち、衝突によって土煙を発する。土煙が晴れると、そこには人型の虫モンスターが立ちふさがっている。先ほどの虫の大群とは格が違うのは見てわかる。

 

「ここから先には一歩も通さねぇ!!あのお方のためにも、貴様ら人間共は皆殺しだ!!アヌビスも、この砂漠も壊し、崩壊記念日を作ってやるぜええええええええ!!!」

 

人型虫モンスターはここは絶対に通すまいと意気揚々に叫び、羽を動かし、嫌な羽音を発する。

 

「邪魔よ!!!」

 

ドゴーーーン!!

 

「あーーーーれーーーーーー!!!!」

 

だがそんなことはアカメはお構いなしにアレクサンダーに指示を出し、そのまま突っ込んで人型虫モンスターを轢き飛ばす。吹っ飛ばされた人型虫モンスターは星となった。

 

「あれ?今何か轢いた?」

 

「気のせいよ」

 

「いや、さっき邪魔よって・・・」

 

「気のせいよ」

 

『・・・・・・』

 

さっき轢き飛ばしたことを追求しようとするも、アカメは気のせいの一点張りで詳しいことを知ることはできなかったカズマたちであった。

 

 

ー気のせいよー

 

 

闘技場に着いたはいいものの、闘技場内にはまぁいるわいるわ虫モンスターの大群が。とはいえ、狭い通路で大群と戦うなど自殺行為もいいところだし、建物にも被害が及びかねない。なのでカズマたちは潜伏スキルで身を隠し、虫の大群を避けながら発生場所を探し出す。奥へと進んでいくと、1匹、また1匹の虫モンスターが倉庫から出てきた。

 

「どうやら、あそこから出てきてるみたいだな」

 

発生元がわかるや否や、カズマたちは虫モンスターが1匹出たタイミングで倉庫を覗き見る。倉庫の中心にはいくつかの荷物に隠れるように魔法陣が張られていた。

 

「なんだあの魔法陣は?」

 

ガタガタガタ!

 

じっくりと魔法陣を観察して見ると、荷物の1つがガタガタと揺れ出し、そして何かが箱を突き破るように現れる。現れたのはどすこいカブトだった。どすこいカブトが破った穴を通じて、他の虫型モンスターが現れ、外へと出ていった。破った箱には他にも虫の卵の殻と虫の抜け殻がいくつもあった。

 

「なるほどな。この魔法陣が虫型モンスターの成長と卵の孵化を速めてたってわけか」

 

「となると、ここがモンスターの発生場所で間違いないな」

 

「俺たちが運んでた花火玉と一緒に紛れてたってことか!」

 

「荷物の中に一緒に卵を入れるなんてこと、団員じゃなければ無理よ」

 

「てことはやっぱりフォステスの他にも裏切り者が・・・」

 

あの魔法陣が卵の孵化、幼虫の成長を速めていたということを理解し、ここがモンスター発生場であると断言できると同時に、団の中にまだ裏切り者が潜んでいたことの証明となった。

 

「とはいえ、どうすんだこれ?」

 

「魔法陣を潰せばいいじゃねぇか。日に日に人間が成長するように、モンスターだって成長にはかなりの時間が必要だからな。これさえ潰せば後はどうとでもなる」

 

「そうと決まれば話は早いわ!ちゃちゃっと荷物どかして、魔法陣を潰しちゃいましょ!」

 

「あ、おい!余計なことは・・・」

 

問題解決の光明を見出したアクアは考えなしに魔法陣の上にある箱を1つ持ち上げようとした時・・・

 

ビュンッ!

 

「ひゃあああああああ!!!」

 

何もないのに荷物が浮いたと思い、不審に思ったどすこいカブトが突っ込んできた。アクアは躱すことはできたが、箱は貫かれ、手放されたことで地面に衝突。箱から衝撃を受けた花火玉が転がってそして・・・白く輝きだす。

 

『あ・・・』

 

 

ーパーーーーン!!!ー

 

 

あの衝撃によって花火玉の火薬が着火し、凄まじい爆発を引き起こした。これによって他の花火玉も連動するように爆発した。花火玉の爆発でカズマたちはすぐ先にある闘技場の中心まで吹っ飛ばされた。これで魔法陣は潰れたが・・・やりすぎだ。

 

「こ・・・このバカーー!!!お前は何で毎回後先考えずに行動するんだ!!これが地下だったら生き埋めになってたところなんだぞ!!?」

 

「だ・・・だってしょうがないじゃない!!花火玉がまだ残ってるなんて思わなかったし、まさか突っ込んでくるなんて思わなかったのよ!!」

 

「あ・・・あのなぁ・・・潜伏スキルでオレら見えねぇからいきなり荷物が浮かんだなんて考えがモンスターでも浮かぶだろうが!」

 

憤慨するカズマに言い訳を述べるアクアにマホは怒りを浮かべて説教をかまそうとする。すると・・・

 

パチッ、パチッ、パチッ・・・

 

観客席の方から1人分の小さな拍手が聞こえてきた。カズマたちがそちらに視線を向けると、そこには1人の男が立っていた。その姿をカズマたちは見たことがある。

 

「ずいぶんと・・・派手な解決だねぇ。想像以上だ。いや・・・人間()だからこそかな?」

 

その男とはウェーブ盗賊団の捜索隊の部隊長、ガワラだった。この状況においても彼は涼しい顔をしている。口ぶりから察するに、彼こそが街の混乱を陥れた本人であるのがわかる。

 

「ガワラ・・・あんただったのね!盗賊団の真の裏切り者は!」

 

「ということはフォステスを利用してたのもガワラ・・・!」

 

「それはこの猿の名前だろう?俺にはスタークっていう名前があるんだ。今後はそっちで呼んでくれよ。尤も・・・猿如きに呼ばせる名なんてないけどね」

 

穏やかそうな笑顔から、醜悪な笑みを浮かべるガワラ改めスターク。スタークを前にして、ダクネス、アカメ、リュドミラの3人は前に出て戦闘の構えを取る。

 

「街をあのような状態にしたのは貴様だな。何が目的だ?」

 

「決まってるだろう?猿共の皆殺しだ。俺はウィズやバニルと違って、君たち猿共が大嫌いでね。こうやって話をするのも苦痛なくらいだ。手始めに厄介者が集まるこのアヌビスの猿共を根絶やしにすれば、今後魔王軍も勢いがつく。だからこうして猿の皮を被って計画を練ったというのに・・・お前らのせいで全部パーだよ、まったく・・・」

 

スタークは顔に右手を覆って、心底嘆かわしそうな顔でカズマたちを睨みつける。スタークがウィズやバニルを知っていることから、彼もやはり魔王軍の関係者であるのは明らかだ。

 

「リュドミラの件に関してもお前の仕業だな?なんでこいつを巻き込みやがった⁉」

 

「ふん、別に誰でもよかったんだけど、あのネクサスって奴は猿共の中でも特に厄介なんでね。早めにご退場しようと思って利用しただけさ。本当・・・フォステスとかいう猿は大馬鹿で助かるよ」

 

つまり、リュドミラを竜に変えたことに関してはネクサスを街から退場するためなら誰でもよかったようで、完全に彼女は巻き込まれただけのようだ。スタークはフォステスをバカにするように鼻で笑った。

 

「そっちの心情とかどうだっていいよ・・・!よくも記念祭を台無しにしてくれたね・・・!この怒り・・・どうしてくれようか・・・!」

 

「ただでぶっ壊されるなんて思わないことね。あんたは【ピーーーッ】して【ピーーーーーッ】で【ピーッ】してあげる・・・!」

 

10年に1回の大事な祭りをめちゃくちゃにしたことによって、双子の怒りゲージは有頂天にまで登り切っている。そんな双子の怒りにスタークは鼻で笑っている。

 

「はっ。俺とやり合う気かい?やめた方がいいと思うよ?いくら君たちがハンスを倒したからって、俺はそいつとは天と地ほどの実力差がある。惨たらしい死が望みじゃないなら逃げた方がいい得策さ」

 

「そんなことで俺たちが怯むとでも思ったのか?俺は数多の魔王軍の幹部たちを屠ってきた、カズマさんだぞ?お前こそ逃げるなら今のうちだぜ?」

 

挑発するスタークにカズマは腰のちゅんちゅん丸を引き抜き、構えてカッコつけている。

 

「マホやリュドミラの後ろで威張ってる辺り、カズマのヘタレっぷりが見え見えなんですけどね」

 

ただアクアの指摘通り、マホやリュドミラの後ろで威張ってるため、ヘタレ部分が堂々と出ている。

 

「ま、そうなるだろうと思ったよ。いいよ・・・冥途の土産だ。この俺が直々に君たちを始末してやるよ」

 

スタークは不敵な笑みを浮かべて、改めて名乗りを上げる。

 

「改めて・・・俺の名はスターク。魔王軍の幹部ナンバー3・・・ヘラクレスデスマンティスのスタークだ」

 

「!!!???魔王軍の幹部・・・ナンバー3!!!???」

 

スタークが魔王軍幹部の1人・・・さらにはナンバー3だと聞いて、カズマは自身の耳を疑った。

 

「警告。相手から並々ならぬ殺気を検知。注意を」

 

「そうだな。なんせヘラクレスデスマンティスは凶暴なモンスターだ。奴らが持つ刃はアダマンタイトを紙切れ同然に切り刻めるほどの鋭さだ。あのスライムだって一瞬で細切れにできるほどだ」

 

「しかも相手は魔王軍の幹部を名乗るほどの相手!今までの魔王軍と比べ物にならないほどの賞金だってかけられてるはずだよ!」

 

スタークの本当の種族、ヘラクレスデスマンティスの詳細を聞いたカズマは血の気が引いて顔を青ざめてる。

 

「あの・・・すいません。逃げてもいいですか?」

 

「ダメに決まってるでしょ」

 

すっかり弱腰になり、カズマは逃げることを提案したが、アカメにあっさりと却下された。

 

『超緊急クエスト!!!

魔王軍の幹部、ヘラクレスデスマンティスのスタークを討伐せよ!!』

 

「まずは軽く小手調べだ。どっからでもかかっておいで?最初は攻撃しないであげるから」

 

「余裕でいられるのも今の内だ!覚悟!!」

 

軽く挑発してみせるスタークにまず先制するのはダクネスだ。ダクネスは動きを見せないスタークに接近し、両手剣を振るって斬撃を放ってみせた。普通ならこの攻撃はスタークに直撃するのだが、ダクネスは超がつくほどのノーコン。つまり・・・

 

ドゴォ!!ドゴォ!!

 

止まっているスタークにはもちろん攻撃が当たっていない。代わりに攻撃がヒットしたのは観客席の椅子である。攻撃が当たらなかったことに、ダクネスは恥ずかしそうに顔を赤らめている。

 

(んもう~!!相変わらずのノーコンなんだから・・・恥ずかしい!!)

 

ダクネスの失態ぶりにカズマは恥ずかしい気持ちでいっぱいになっている。

 

「なんだい?それが攻撃かい?ダメだなぁ・・・攻撃ってのは・・・こうするんだよ!!」

 

スタークがそう言うと、ガワラの皮を破って本当の姿を現した。緑の身体にサソリのような尻尾、両腕はカマキリの鎌を持ち、ヘラクレスオオカブトのような角を持った赤い目をした人型虫モンスターだ。本当の姿を現したと同時に、スタークは両腕の鎌をダクネスに振るった。

 

「ぐわああああああああ!!!!」

 

「ダクネス!!!」

 

攻撃をまともに喰らったダクネスは鎧が粉々に切り裂かれ、防御力が取り柄の彼女が大ダメージを受けて悲鳴を上げる。

 

「か、か、か、カズマ!こ、こいつはすごい責めだぞ!!今までにないくらいのずっしりとした重さ!!こんな重い一撃は初めてだ!!あの一撃をもう一度喰らったら私はどうなってしまうのだろうか!!?想像するだけでもたまらん・・・!!もう一度だ!!もう一度打ってこい!!さあ早く!!私はもう十分に暖まっているぞ!!さあ!!!」

 

「え、ええぇ・・・?」

 

「よし一旦落ち着こうか⁉敵も引くぐらいにドン引きしてるから!!」

 

が、すぐに平常に戻り、大ダメージを受けたというのに興奮しながらまた攻撃を懇願してくるダクネスにスタークはドン引きしている。

 

「カズマ!炎だ!大半の虫モンスターは炎を嫌う!ヘラクレスデスマンティスも炎が弱点なんだ!炎を中心とした攻撃を!」

 

「ほ、本当か!」

 

「それがわかっただけでも、光明よ!ティア!」

 

「わかってる!この場の全員に・・・フレイムエンチャント!」

 

「炎属性の付与を確認。攻撃開始」

 

モンスター専門家のマホの知識のおかげでスタークの弱点がすぐに判明し、ティアは全員の武器に炎属性を付与させた。自身のガントレットに炎の力が宿ったことを認識したリュドミラはスタークに攻撃を仕掛ける。余裕を見せているスタークはリュドミラが放つ拳や蹴りを難なく躱していく。そして躱したタイミングでスタークは右手の鎌を振り下ろす。リュドミラはその鎌を転がって躱し、足払いをするがそれも跳躍で簡単に躱される。

 

「これならどう!フレイムエッジ!」

 

「遅い、遅すぎるね」

 

「バインド!」

 

「おっと危ない」

 

アカメが攻撃し、ティアがバインドを仕掛けてきたが、それもあっけなく躱されていく。

 

「こいつなら簡単に避けられねぇぞ!インフェルノ!!」

 

マホは炎の上級魔法、インフォエルのによる巨大な炎を放った。この炎ならばちょっとやそっと動いただけでは避けることはできない。

 

「ふっ、甘いね」

 

迫りくる炎に対し、スタークは鼻で笑い、背中に羽を出現させて空高く飛び上がることで炎を直撃寸前で見事に回避した。しかもそれだけではない。空高く飛ばれてしまっては遠距離攻撃以外では届かない。

 

「空って・・・反則だろ⁉」

 

「これで君たちは近距離攻撃ができない!そして俺はこの距離からでも・・・問題なく攻撃できる!!」

 

スタークは空を飛びながら両手の鎌を振るって斬撃波を連発で放っていく。迫ってきた斬撃波をカズマとアクアは出入口に隠れてやり過ごし、アカメたちは迫ってくる斬撃波を連続で躱していく。

 

「猛攻撃の嵐。反撃不可能」

 

「これじゃ防戦一方だ!」

 

「あ、アカメ!これは焦らしプレイの一環なのだろうか⁉攻撃がギリギリのタイミングで・・・!」

 

「あんた当たったらさすがに死ぬわよ!!」

 

アカメに抱えられているダクネスはともかく、攻撃の嵐にマホたちは反撃ができない。

 

「くそ!この状況どうしたら・・・!考えろ・・・考えろ・・・!」

 

この状況を打破する方法を必死になって考えるカズマ。

 

「カズマ!カズマ!これピンチなんですけど!今までの中で1番のピンチなんですけど!何とかならないのカズマ⁉」

 

自分の隣で慌てふためているアクアを見て、カズマはある1つの作戦を思いついた。

 

「(そうだこれなら!)

アクア!リザードランナーの時に出した魔法があっただろ!あの魔法をあいつ目掛けてぶっ放せ!」

 

「何バカなことを言ってるのカズマ⁉あれは誘導用の魔法だから仮に当たったとしてもダメージなんて入んないわよ!それにそんなことしたら私が狙われちゃうわよ!!」

 

「後のことは何とかしてやるからやってくれ!その誘導用の魔法がこの状況で必要なものなんだよ!」

 

「う・・・うぅ・・・ぜ、絶対よ⁉絶対に絶対に、何とかしてね⁉」

 

「わかったわかった、フリなんだろ?」

 

「ちっがうわよ!!!」

 

バカなやり取りはあったものの、アクアは渋々ながらカズマの案を了承し、攻撃を続けるスタークの真下に立った。幸いなことに、アクアには全く気がついていない。

 

「行くわよ!フォルスファイアー!!」

 

アクアは言われた通りにフォルスファイアをスターク目掛けて放った。その掛け声にアクアに気がついたスタークは迫ってきた小さな光る火の玉を見つめ、容赦なく光の弾を鎌で切り裂いた。

 

「今のは攻撃のつもりかい?まったく舐められたものだよ。そんな猿には・・・躾が必要だね!!」

 

中途半端な攻撃に苛立ったのかスタークはアカメたちへの攻撃をやめ、狙いをアクアに絞って急下降を始める。

 

「わあああああああ!!来たあああああああ!!カズマしゃん!!!カズマしゃあああああああああん!!!」

 

こちらに向かって降りてくるスタークにアクアは危機を感じて喚き始めた。だがこの状況は、カズマが考えた計画通りだ。

 

「アクア!!そのまま動くなよぉ!!」

 

「う、動くなって言ったってぇ!!」

 

カズマはティアの炎属性付与を残したままの弓矢を構え、狙いを降りてくるスタークに定める。

 

「シェア!!!」

 

「カ~ジュ~マ~しゃ~~~~ん!!!!」

 

「狙撃(イケボ)!!」

 

スタークが鎌を振り下ろさんとしたタイミングでカズマは狙撃を発動し、矢を放つ。矢はスタークの羽を貫通し、矢の炎が羽に燃え移る。

 

「何ぃ!!?羽が!!?」

 

自身の羽が射抜かれたこと、そして苦手な炎が羽についたことで動揺するスターク。

 

「今だぁ!!」

 

「バインド!」

 

「ぐっ!」

 

「はああ!!」

 

「フレイムエッジ!」

 

「ぐっ!!がっ!!」

 

「鉄拳必中」

 

「があああ!!」

 

カズマの指示でティアがバインド、スタークが動きを封じたことでダクネスとアカメによる斬撃(ダクネスは外した)、そしてリュドミラの拳の一撃。連続攻撃にスタークは大ダメージ、吹っ飛ばされ、壁に激突する。

 

「今度は外さねぇ!!インフェルノ!!」

 

「うわあああああああああああ!!!!」

 

とどめにマホがインフェルノを放ち、スタークは炎に包まれる。

 

「・・・や・・・やったのか・・・?」

 

「おい!ここでフラグになるようなことを言うな!!」

 

ポツリとダクネスがフラグになりかねない発言し、カズマが声を上げるが、もうすでに遅し。炎の中より、ボロボロの状態のスタークが出てきた。見事にフラグを回収した瞬間である。

 

「ほら見たことか!!!」

 

「・・・猿如きが俺をコケにしやがって・・・!!決めた・・・お前らはただじゃ殺さない・・・細切れにして殺してやる・・・!!」

 

大ダメージを負ったスタークは完全にキレており、カズマたちに対する殺意がより一層に濃くなった。

 

「細切れ・・・!そ、それは、いったいどのようなプレイなのだ!ぜひ参考までに聞きたい・・・!」

 

「脳みそ腐ってんのかお前はぁ!!!」

 

こんな時でも嬉々として妙な質問をするダクネスにカズマは頭を抱える。

 

「か、カズマぁ!!虫!外にいた虫がこっちに来てるんですけど!!」

 

「はあ!!?」

 

アクアの言うとおり、外にいた虫モンスターの大群が出入り口から現れ始めた。そう、さっきのフォルスファイアで残った虫モンスターが集まってきたのだ。スタークを追い詰めるまではよかったが、詰めが甘かった。これによって形勢が一気に不利になった。

 

(あ・・・これ詰んだわ・・・)

 

前方にスターク、後方に虫モンスターの群れ。いくら考えても好転が見出せないため、詰みと判断した。考えている間にも虫モンスターはカズマたちに襲い掛かる。

 

「も・・・もうダメだあああああああ!!!」

 

カズマが諦めたその時・・・

 

スパスパスパッ!!

 

第三者が現れ、多くの虫モンスターが次々と斬り裂かれていく。介入者の正体は・・・

 

「よく頑張ったな!お前ら!」

 

「ネクサスさーーん!!」

 

「「お頭!!」」

 

双剣を持ったネクサスであった。いや、駆けつけたのはネクサスだけではない。

 

「総員、一掃開始!!」

 

『おおおおおおおおお!!』

 

カテジナたちウェーブ盗賊団員たち、そして多くの冒険者が駆け付け、集まった虫モンスターの相手をする。

 

「猿共がうじゃうじゃと・・・」

 

ネクサスはスタークに視線を向け、彼が最も気になる質問をぶつける。

 

「お前が・・・ガワラだった奴か・・・。お前がガワラじゃないなら、本物のガワラはどうした?」

 

「殺した」

 

ネクサスの問いかけにスタークは冷たい声質で淡々と答えた。

 

「驚くほどでもないだろ?一組織に潜入する際に同じ顔の奴や本性を知ってる奴がいたら邪魔になる。だから全員皆殺しにした。後は俺たちが猿の皮を被れば潜入完了さ」

 

つまりスタークは盗賊団に潜入するためにガワラ率いる捜索隊全員を殺し、部下と共に捜索隊の皮を被ったということだ。真相を知ったネクサスは双剣を力強く握りしめる。

 

「・・・やっぱり・・・そうだったのか・・・!もっと早くに気付くべきだった・・・!」

 

ネクサスはガワラをスカウトした瞬間から今日まで共に過ごしてきた日々を思い出す。それらの思い出を振り返り、彼は右手の剣の切っ先をスタークに向ける、

 

「魔王の手先!!お前の命・・・俺がもらい受ける!!部下たちの仇だ!!」

 

「ちっ・・・!これだけの猿にかつて剣豪と呼ばれた猿が相手じゃ今のままじゃ分が悪い・・・!お前ら猿に披露するのは癪ではあるが・・・致し方ない!!」

 

切っ先を向けられたスタークは自身の力を解放する。すると、スタークの身体に変化が訪れる。

 

「恐れ戦き、跪け、愚かな猿共が!!!!」

 

スタークの身体は巨大化し、足も4本生え、両手の鎌もさらに禍々しく鋭利なものとなり、胴体も屈強な肉体へと変貌する。この姿こそが、ヘラクレスデスマンティスの突然変異体、スタークの凶暴化した姿である。

 

『で・・・でかああああああああああ!!!』

 

「なんてこった!こいつは突然変異体だったのか!!」

 

あまりの巨大さにカズマたちは思わず大声を驚愕し、マホも予想外だったのか驚きの声を上げる。

 

「しかし弱点自体は変わっていないはず!炎の攻撃を!」

 

『インフェルノ!!』

 

『ファイアボール!!』

 

いくら巨体でも弱点は変わっていない見て、カテジナは魔法使いの団員と冒険者たちに指示を出す。魔法使いたちは炎の魔法を放って攻撃をする。だがいくら直撃してもスタークにダメージが入っている様子はない。

 

「頭が高いぞ、猿共!!身の程を知れ!!」

 

スタークは禍々しい右手の鎌を振り下ろした。同時に最初とは比べ物にならない威力の斬撃波を放った。

 

『うわあああああああああ!!』

 

大地は鎌が引き裂いたと言わんばかりに真っ二つに割れ、冒険者たちも斬撃波と地面の衝撃で虫モンスター諸共吹っ飛ばされる。

 

「みんな!!」

 

「どうなってんだ!!?炎が弱点じゃないのかよ!!?」

 

「効いてねぇわけじゃねぇ!身体の変化が伴って炎が通りにくくなったんだよ!!」

 

「つまり、大したダメージは入らなくなったってことね」

 

考察している間にも、スタークの刃は今度はカズマたちに目掛けて放たれようとしていた。

 

「う、うわああああああああ!!」

 

迫りくる巨大な刃にカズマたちは慌てふためく。

 

「カースド・クリスタルプリズン!!」

 

するとそこにカースド・クリスタルプリズンの冷気がスタークの鎌を襲い、その腕を凍らせた。この魔法を放ったのはマホではない。

 

「くっ!この魔法は・・・!」

 

「カズマさん!ネクサスさん!」

 

観客席の方から声が聞こえたのでそちらに視線を向けて見ると、そこには自分たちの元に駆けよろうとするウィズの姿があった。その後ろにはバニルがついてきている。先ほどのカースド・クリスタルプリズンはウィズが放ったものである。

 

「ウィズさんか!」

 

「え、バニルもいるのか⁉」

 

「大丈夫ですか?」

 

「あ、ああ、俺たちは大丈夫だ」

 

駆けつけたウィズは本気でカズマたちを心配しているが、隣のバニルはカズマを見てにやにや笑っている。

 

「おや、誰かと思えば、あの虫の変装にまんまと騙され計画に加担した小僧ではないか」

 

「おいやめろよ!そうじゃないかもって思ってたのに、なんでさっき見てきたみたいに言うんだ!!」

 

「フハハハ!!見通す悪魔は全てお見通しである」

 

悪意あるバニルの言い方にカズマはツッコミを入れ、荷物を運んだ団員たちもドキッとした気持ちになる。その間にもスタークは凍ってしまった腕を力強く上げて、氷ごと持ち上げ、地面に叩きつけて氷を割る。氷の破片はウィズたちに向かってくるが、それは難なく躱す。

 

「ウィズ!バニル!やっぱりお前らは猿に加担する気か!!」

 

「その声・・・まさかスタークさん!!?その姿は・・・⁉そ、それよりもこんなことはやめてください!」

 

「それでわかりましたと・・・なると思うなぁ!!」

 

スタークはウィズに向けて尻尾を使って攻撃を仕掛ける。ウィズは尻尾の攻撃を躱し、氷の魔法で尻尾を凍らせる。そのうえでバニルはバニル人形を召喚し、スタークの尻尾に触れさせて人形を爆破させる。だがこれでもスタークにダメージは入っていない。

 

「ふむ・・・魔王の奴に吾輩の存在を知られるのはまずいが・・・それ以上に奴がいるだけで人間が減りやすいのでな。これを機に奴を仕留めたいところではあるな。しかしどうしたものか・・・今の奴にはどんな攻撃も通用せんだろう。あの爆裂魔法でさえ、奴の装甲を剥がすだけであろうし・・・」

 

『ぐわあああああああ!!』

 

考察している間にもスタークが多くの冒険者を強靭な鎌で薙ぎ払った。だんだん冒険者の数が減っていく中、スタークは街へ向けて歩みだす。

 

「!!あいつ街で暴れる気だ!!」

 

「死守です!!何としてでもここから出してはいけません!!」

 

『お、おう!!』

 

冒険者たちはスタークを街に出さないように強力な技を放ち続けるが、効いている様子はなく、逆にスタークが口から吐く光線によって吹っ飛ばされる。苦しい状況が続く中、応戦を続けるネクサスがウィズに声をかける。

 

「ウィズさん!!カズマさんたちを連れて早く逃げろ!!」

 

「で、でも、それだとネクサスさんたちが・・・!」

 

「こっから先は俺たちの問題だ!!これ以上、客人を巻き込ませるわけにはいかねぇ!!俺たちが抑え込んでるうちに早く!!」

 

ネクサスは必死でカズマたちに逃げるように急かす。そんな時にスタークの尻尾攻撃が直撃し、ネクサスは吹っ飛ばされて壁に激突する。

 

「ネクサスさん!!」

 

「こ、これ以上はどうにもならないわ!!あの人の言うとおり逃げましょう!!ここで逃げたって誰も責めたりなんかしないわ!!」

 

「そんなことしたら私がお前を一生呪ってやる!!」

 

スタークの実力にすっかり逃げ腰のアクアは逃げることに乗るが、アカメがそれを阻む。

 

「お願いだよカズマ!みんなを助けて!この状況をどうにかできるのはカズマの頭だけだよ!!」

 

(くそ・・・!俺にどうしろって言うんだよ!そもそも俺はただの最弱職の冒険者だぞ⁉それなのに俺ならなんとかって・・・過大評価しすぎじゃないのか⁉)

 

「カズマ・・・このまま逃げても街の被害が大きくなる一方だぞ。それをお前は見捨てられるのか?」

 

「・・・・・・・・・くそぉ!!しょうがねぇなああ!!!!」

 

ティアの懇願と目の前の状況、ダクネスの言葉にカズマは腹をくくった。そして、スタークを一撃で倒す方法も思いつく。

 

「アカメ!ティア!すぐに馬車を用意してくれ!猛ダッシュでだ!」

 

「何か思いつたんだね!」

 

「なら、今回も当てにさせてもらうわよ!」

 

「アクア!マホ!ウィズ!お前らは俺と一緒に来い!」

 

「わ、わかりました!」

 

「おう!」

 

「え、何?なになになに?」

 

一同はカズマの作戦を頼りに何も聞かずに了承する。アクアだけは要領を得ていないが。

 

「私は盗賊団のみんなを守ればいいのだな?」

 

「そういうことだ!」

 

「私も協力を提案」

 

「それは心強い!頼んだぞ!!」

 

カズマはさっそく作戦を実行するために双子、ウィズ、マホ、アクアを連れて一旦闘技場から離れる。スタークを相手にしている冒険者たちはもうボロボロで立つのがやっとの状況下だ。

 

「はぁ・・・はぁ・・・ネクサス様・・・このままでは・・・」

 

「けど・・・ここを通すわけには・・・!」

 

「死ね!!脆弱な猿共!!」

 

スタークがとどめとして鎌を振るおうとした時・・・

 

ドォン!!

 

「ぐぅ!!!」

 

リュドミラが単身で突っ込み、スタークの胴体に強烈な拳を叩きつけた。ダメージは負っていないが、よろめかすには十分だ。

 

「この・・・死にぞこないが!!」

 

この攻撃にスタークは癪に障り、リュドミラに向けて鎌を振るう。リュドミラは拳にさらに力を込め、鎌を拳で受け止めてみせた。その隙にダクネスがスタークの腕を辿って接近し、両手剣でスタークの胴体を斬りつける。そしてその攻撃は・・・見事にスタークに直撃。

 

(なんだ・・・こいつ・・・!動きがまるで別人・・・!まさか・・・!)

 

まさかと思い、スタークはダクネスに視線を向ける。ダクネスの顔にはバニルの仮面が着けられていた。とどのつまり、今ダクネスを動かしているのはバニルということだ。

 

「くっ・・・バニル・・・お前・・・!!」

 

「すっげ・・・」

 

「ネクサス様!これは好機です!!」

 

「・・・っ。・・・全員!!もうひと踏ん張りだ!!この好機を逃すなぁ!!」

 

『うおおおおおお!!』

 

リュドミラとダクネス、バニルの好転によって勝機を見出したネクサスは渋々ながら好機を逃すことはなく、冒険者たちに指示を出した。冒険者たちは踏ん張り、スタークに攻撃を続ける。

 

「猿共が・・・!無駄な足搔きだとまだ理解でき・・・!」

 

スタークがしゃべっている最中にリュドミラはスタークの顔に強力な蹴りを放った。蹴りをまともに喰らったスタークは思わず後退り、よろめく。

 

「こいつら・・・!・・・!!?」

 

するとスタークは強大な魔力の気配を感じ取り、闘技場の外の建物に視線を向ける。そこにはカズマがアクアに、ウィズがマホにドレインタッチで魔力を吸収し、その全てをここに連れてきためぐみんに流し込んでいる。

 

「どうだ⁉いけそうか⁉」

 

「もう少し・・・もう少しです・・・あ、そこですそこ・・・。これなら・・・これまで以上の強力な爆裂魔法をぶっ放せそうです!」

 

そう、カズマが思いついた作戦とはかのデストロイヤーに放った爆裂魔法・・・そのさらにそれを上回った威力の爆裂魔法をスタークにぶっ放すのだ。そのためにも、アクアの神聖なる魔力と、マホの桁違いな魔力がどうしても必要なのだ。

 

「あ!あいつらまさか・・・!全員退避ぃ!!」

 

ネクサスはカズマたちがやろうとしたことを察し、いち早く指示を出し、冒険者全員が闘技場から離れる。

 

「させるかぁ!!!」

 

スタークもカズマの目論見を見抜き、そうはさせまいと口から光線を吐こうとする。もちろん、邪魔が入ることも想定内。そのための双子だ。

 

「ねぇ、本当にいいの?後で文句は受け付けないよ?」

 

「これで死んでも私たちは責任取らないわよ?いいの?」

 

「迷ってる時間はねぇ!!思いっきりやれぇ!!」

 

しつこいくらいの双子の問答を押し切り、カズマは計画続行を指示する。

 

「・・・こうなったらやけくそよ!!歯ぁ食いしばりなさい!!!」

 

アクアにパワードをかけてもらっていたアカメはドレインタッチを終えたカズマを持ち上げ、スターク目掛けて投げ放った。

 

「うおおおおおおおおおおおおおお!!!スターーーーーーク!!!これがぁ・・・人間の底力じゃああああああああああ!!!ティンダー!!!!」

 

凄まじい勢いで投げ飛ばされたカズマはスタークの顔・・・特に目に目掛けて初級魔法のティンダーの火を放った。ティンダーの火はスタークの目に見事に直撃した。

 

「ぐっ!!うあああああああああ!!!目が!!目がああああああ!!!」

 

如何に身体も顔も強化されても、目に弱点である炎をぶつけてしまえば、ひとたまりもないだろう。それを狙っての無茶だ。勢いが止まらないカズマはスタークを通り過ぎていき、目の前の建物へと迫っていく。もちろん、このままいけば・・・

 

「最後は決めろおおおおおお!!!めぐみいいいいいいいいいん!!!」

 

カズマは大きな声でめぐみんに後を託し、そのまま・・・

 

ゴシャア!!!グキリッ!!!

 

建物に激突し、鳴ってはならない音を立て、首が変な方向に曲がる。そしてカズマはそのまま地面に落っこち、またも首が変な方向に曲がる。この間にも、ウィズのドレインタッチも完了し、めぐみんの魔力はこれでもかというほどに満ち溢れている。

 

「黒より黒く、闇より暗き漆黒に、我が真紅の混交を望みたもう・・・覚醒の時来たれり・・・無謬の境界に落ちし理・・・無響の理となりて現出せよ!!!」

 

めぐみんが詠唱を称えたと同時に、苦しんでいるスタークの頭上に爆裂魔法の魔法陣が現れる。

 

穿て!!!本日二度目の・・・究極にして最強の我が爆裂魔法!!!エクスプロージョン!!!!!!!!

 

ドオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!

 

うわあああああああああああああああ!!!!!

 

アクアとマホの魔力が合わさった爆裂魔法の爆発が闘技場ごとスタークを包み込む。さすが、2人の魔力が合わさっただけあって威力はデストロイヤーの時以上のもので、スタークの装甲も機能せず、そのまま爆発の炎に包まれていった。爆発が晴れ、煙が晴れると・・・そこには粉々になった闘技場があった。同時に、闘技場に埋もれた黒焦げのスタークの姿もあった。

 

「や・・・やったぞおおおおおお!!」

 

「おおおおおおお!!!」

 

カズマと闘技場という犠牲はあったものの、スタークを倒したという事実に冒険者たちは大いに喜んでいる。だが・・・

 

「・・・まさか俺がここまで追い詰められるとはね・・・」

 

喜びから絶望に変わるがごとく、スタークの声が聞こえてきた。黒焦げになったスタークの頭から、幼虫の姿となったスタークが出てきた。言うなれば、脱皮といったところだろう。

 

「けどここまでだ。この姿でも、疲弊した猿共を食うには事足りる・・・。すぐに元通りになってやる!」

 

幼虫の姿でもスタークの殺気は凄まじいもの。すでにボロボロの状態ではコンディションもズタズタ。もはやこれまでかと思われた時、双子がスタークの前に立って出た。

 

「お、おい何やってる!下がれ!!」

 

「お前らには世話になったからね。まずは・・・お前らから消してやる!!!」

 

ネクサスの制止の声が聞こえてきたが、下がらせないと言わんばかりにスタークは強力な光弾を口から吐き出した。迫ってくる光弾にティアが短剣を構える。

 

「!!よせ!!お前は攻撃スキルを持って・・・」

 

ネクサスが止めるものの、光弾は容赦なくティアに迫った。光弾が直撃するタイミングでティアは短剣を振るい、光弾を受け止める。

 

「く・・・くぅ・・・!」

 

ティアは光弾を押し返そうと踏ん張っているが、光弾の威力が強く、逆に押し返されそうになっている。そんな時、アカメがティアの肩を左手で掴み、右手の短剣で光弾を跳ね返そうと試みる。

 

「たく・・・無茶するんじゃないわよ」

 

「無茶じゃない。これは私にしかできないことだよ」

 

「ふっ・・・確かにね」

 

「でしょ?」

 

この状況というのに、双子はお互いににっと笑いあう。

 

「妹がいるからこそ、私は前線に気張れる!!」

 

「お姉ちゃんがいるからこそ、私は全力でサポートできる!」

 

「双子は映し鏡!切っても切れない関係!!」

 

「1人の力が弱くても、2人の力が重ね合わせれば・・・!!」

 

2人の力が合わさることで、光弾は少しずつ、スタークに跳ね返そうとしている。

 

最強なんだぁ!!!!

 

そして、双子がここぞとばかりに力を込めたことによって、ティアのカウンタースキル、反射が発動する。

 

「お、俺の力が跳ね返され・・・⁉」

 

跳ね返された光弾は勢いが強まり、驚愕に染まるスタークの元へ迫ってきて、成す術なくスタークは光弾に包まれる。

 

ぐあああああああああ!!!この俺が・・・猿なんかにいいいいいいいいいいいいい!!!!!

 

信じられない気持ちを絶叫するスタークは自身が放った光弾によって消滅するのであった。

 

 

ーこのすばー

 

 

スタークを討伐した後、アクアたちが泊まってる宿では怪我を負っているとは思えないほどに飲んで騒いでの大騒ぎだ。そんな大騒ぎの広間の壇上には巫女装束を身に纏った双子と演舞参加者が炎の舞を披露している。あの後、記念祭自体は中止にはなったが、ギルドで待機していた参加者、双子たちは元気な様子からせめてこれだけは決行することになった。そして何よりこれは・・・スタークに殺されたガワラと捜索隊の追悼の意味も込められている。普段見ることがない双子の美しい舞に冒険者たちは歓声を上げる者、見惚れているものが分かれ、アクアたちも双子の晴れ舞台を大いに楽しんでいる。そんな中、リザレクションで生き返ったカズマはネクサスと遠くで演舞を見ながら話をしていた。

 

「あんたには呆れてものも言えんな」

 

「はい・・・」

 

「スタークを倒したのはいいが、それであんたが死んでちゃ元の子もねぇだろ。アークプリーストの嬢ちゃんに感謝しねぇといけねぇぞ」

 

「はい、おっしゃる通りです・・・」

 

ネクサスの正論すぎる説教にカズマは申し訳なさそうに顔を項垂れている。

 

「・・・まぁ、その無茶のおかげで、街は救われたけどな」

 

多大な被害は出たものの、死者もカズマ1人(生き返っているが)で済んだ。結果的には街は守られたことでネクサスはカズマに感謝している。

 

「今回あんたなしじゃスタークは討伐できなかった。その功績を称えて・・・カズマさん・・・あんたを盗賊団仮団員と認める」

 

「え?」

 

盗賊団の仮団員と認められたカズマは目を点にして驚いている。

 

「仮団員は俺たちの信頼の証だ。団員じゃなくても好きに本部に出入りしてもいい。まぁ、今は本部はないがな」

 

「あ、ありがとうございます・・・?」

 

「・・・正直に言えば不本意だが・・・お前じゃないとバカ共を制御できないらしい。俺たちの信頼・・・決して裏切ってくれるなよ?」

 

正直需要があるのかどうかわからないが、ひとまずネクサスに認められたことは間違いないので、カズマはちょっぴり嬉しく思い、頭をかく。

 

「それから後1つ・・・」

 

「ビクッ!!」

 

「あいつらとお前はあくまでもパーティの仲間だ。常にそれを心掛けて、相応しい関係を維持してくれると信じてるよ・・・」ゴゴゴ・・・

 

「わわわわかってます!!ちゃんと一線!!一線は引きますからぁ!!」

 

わかりやすい親バカを発揮しているネクサスの黒いオーラにカズマは恐れながら絶対にやましいことはしまいと誓うのであった。まぁ、その誓いもいずれ忘れるだろうが。話している間にも演舞が終わり、ギルド内では拍手喝采が響いている。

 

 

ーこのすばー

 

 

演舞が終わってからも宴で大騒ぎ。アクアが壇上で宴会芸を披露してその盛り上がりもさらに上がった。そんな中静かな街の男神像の前。普段着に着替え終えたアカメは夜の月を眺めていた。

 

「なんだ。ここにいたのかよ」

 

そこへ軽い防寒具を着込んだカズマが彼女の隣に立つ。

 

「飲まなくてもいいのかよ?」

 

「そういうあんたこそ、ここに何しに来たのよ?」

 

「いや・・・さっきネクサスさんの気圧に圧されたから、心臓バクバクで・・・ちょっと落ち着こうと思ったんだよ」

 

「あの人にも困ったもんね・・・」

 

幼い頃からネクサスの事をよく知っているアカメは彼にたいして呆れの感情を抱いた。

 

「・・・・・・ティアはどうしてる?」

 

「普段通りにしてるよ。今はアクアたちと一緒に騒いでる」

 

「あっそ」

 

カズマからの質問の答えを聞いて、アカメは素っ気なく呟いた。

 

「・・・ティアのこと、気かけてあげてちょうだい。なんだかんだ言ってあの子、記念祭を楽しみにしてたのよ。それが潰されたんだもの。ショックを抱かないわけがないわ」

 

「ああ。そうするよ。つっても、また10年後に開かれるんだろ?」

 

「あんたバカ?今と10年後じゃ全然違うでしょ。私たちは二十代になるし、感じ方も変わるわよ」

 

「そりゃそうか・・・」

 

カズマとアカメは空を見上げ、砂漠の月をじーっと眺める。

 

「・・・てかお前がティアに気にかけるなんて珍しいな。なんか悪いもんでも食ったか?」

 

「あんたが私をどう思ってるのか今の一言で十分にわかったわ・・・!」

 

何気ないカズマの言葉にアカメは若干ながら怒りを覚えた。

 

「・・・私たちは双子だから同じ・・・なんていう奴はいるといえばいるだろうけど・・・私はあの子が私と同じなんて思ったことは人生で一度だってないわ」

 

「?」

 

「だってそうでしょ?顔は同じで思考はたまに同じ・・・何をするにしても一緒に行動。それでも・・・ティアはティアよ。私じゃない。趣味は全然違うし、意見が合わないことなんてしょっちゅう。些細なことで喧嘩をする毎日を過ごす私たちのどこが同じよ?」

 

「それは激しく同意する」

 

アカメとティアは同じじゃないと主張するアカメにカズマは激しく同意している。

 

「でもね・・・あの子は私の妹よ。ただ同い年で・・・生まれたのがちょっと遅いだけの・・・血の繋がった私のかわいい妹。気にかける理由なんてそれだけで十分だわ。それに・・・」

 

「それに?」

 

「知ってる?妹の笑顔が、姉にとって何よりの原動力になるのよ」

 

カズマにとってアカメという個の存在は高圧的で生意気でドS、度々嘘を吐いて人を困らせる厄介者として見ていた。実際間違っていないが。妹に対してどこか偏見に見ているとも思ったことなんて数知れず。けど違った。実際には妹想いで妹を悲しませることを許さない、妹のやりたいことを嫌々言いながらも背中を押してくれるどこにでもいるお姉ちゃんである。カズマはそんなアカメのお姉ちゃんらしさに、魅力を感じた。

 

(・・・そうだよな・・・そうじゃなきゃ・・・息の合ったコンビネーションなんて出せねぇよな・・・)

 

これまでの戦闘の息の良さを思い出したカズマは、アカメに対する見方を改めようと思った。

 

「なんだ・・・お前・・・普通にいいお姉ちゃんじゃないか」

 

カズマは陰ながらお姉ちゃんを遂行しようとするアカメに労いを込めて彼女の頭を撫でた。

 

ドゴォ!!

 

「ごはぁ!!?」

 

そんなカズマにアカメは無言のまま彼の腹部を思いっきりぶん殴った。

 

「な、なぜぇ・・・?俺なんか悪いことした・・・?」

 

「ハッキリ言ってあげる。頭を撫でると喜ぶって概念は童貞が抱く幻想にすぎないのよ。喜びもしないことをまぁ・・・。いやらしいこと。やっぱとんだ変態ね、あんた」

 

「こ、こいつぅ・・・!!せっかく人が労ってやったってのに・・・!このぺちゃパイ・・・」

 

「ぶっ殺す」

 

・・・しばらくお待ちください。

 

「がはぁ・・・何も半殺し程度に殴らなくても・・・」

 

「ふん!」

 

殴られたどころか半殺しにされたカズマはすでにボロボロだ。出てきた単語に原因があるのだが。

 

「お前って奴は本当に・・・!!やっぱりお前かわいくねぇ!!」

 

カズマの放つ文句にもアカメはそっぽを向いたままだ。すると、広間にめぐみんがやってきた。

 

「カズマ!アカメ!こんなところにいたのですね!早く来てください!ティアがシュワシュワを飲みすぎて悪酔いしてしまって宿が大騒ぎに・・・」

 

「なっ・・・!・・・はぁ~・・・たく・・・しょうがねぇなぁ・・・」

 

ティアが何かしらの騒ぎを起こしたことにカズマはめんどくさいと思いながらも頭をかき、立ち上がる。

 

「ま、ちょうどいい。冷えてきたし、宿に戻るかー。アカメも早く来いよ。こういう時こそお姉ちゃんの役目だろ?」

 

カズマは騒ぎを止めるためにめぐみんと共に宿へと向かって行くのだった。

 

「・・・バーカ。私は安い女じゃないのよ・・・」

 

1人残ったアカメはカズマに撫でられた頭に手を乗せる。慣れなかったのだ・・・女扱いされていることが。

 

「・・・冷えてる・・・かしら・・・///」

 

この時のアカメの頬は赤くなっており、身体も少し、あったかさを感じ取るのであった。




新章突入!

突然カズマたちの元にやってきたゆんゆんから、衝撃的な告白!

ゆんゆん「私・・・カズマさんの子供が欲しい!!」

双子「ブーーーーー!!!???」

カズマ「モテ期、入りました」

まんざらでないカズマ。だがこれは、新たなる物語の幕開けである。
舞台は、魔法使いの集落・・・紅魔の里・・・つまりはめぐみんの生まれ故郷である。

アクア「ここの観光案内してほしいんですけどー」

ティア「我が名はティア!!」

アカメ「業には業に従えって奴よ」

ぶっころりー「いい仲間でなによりだね」

こめっこ「姉ちゃんが男引っ掛けて帰ってきたーーー!!」

めぐみんの両親「屋敷ぃ!!!???」

めぐみん「ようこそ、我が魔法学園、レッドプリズンへ!!」

そんな紅魔の里には、隠された破滅の力があった。

????「紅魔族は自らが守ってきた力によって滅ぼされるのだ」

ダクネス「私の目が黒いうちは、ここは通さぬ!」

ミミィ「こんなゴミカス以下な私でも、やれることはあるはずです!」

カズマ「お前は・・・出会った時から・・・輝いてただろ!!!」

新章、『紅伝説!紅魔の里へレッツゴー!!』

ゆんゆん「めぐみんはもう・・・爆裂魔法を信じてないの?」

次回、この素晴らしい芸術に祝福を!
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