星乙女達の夢の跡   作:護人ベリアス

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今回は超珍しくリューさんの出番がほぼ無い回です。
ただあくまで話題の中心にはリューさんがいるんですが(笑)


風に動かされし者達

「…え?」

 

「…は?」

 

「…あ?」

 

 早朝の【ガネーシャ・ファミリア】本拠『アイアム・ガネーシャ』の入り口であるガネーシャ像の股の下で。

 

 三人の冒険者達が互いの顔を見合わせて茫然としていた。

 

 なぜならこの三者がこの場で居合わせることは三人の中でほとんど想定がなかったからである。

 

「アンドロメダさんはともかく…なぜボールスさんまで?」

 

「そうですよ。アミッドはともかくどうしてボールスまで?」

 

「…って!!俺だけ場違い扱いかよ!?そう言うあんたらはなぜここにいる!?」

 

 …主にボールスがこの場にいることのみがアミッドとアスフィにとって想定外だっただけなのだが。

 

 そしてアミッドとアスフィの間では既に相互で連絡が行われているのでなぜこの場にいるのか互いに分かりきっているため、特に疑問も抱くことはない。

 

 ただ場違い扱いされたボールスはそんな事情知ったことではないので、二人になぜこの場にいるのかを問いかける。

 

「それはリオンさんの保護を【ガネーシャ・ファミリア】に依頼してあったからです。こちらにリオンさんが居られるかは分かりませんが、現状はお聞きしなければと考えました」

 

「私も似たようなものです。私達の本拠を出た後のリオンは恐らく【ガネーシャ・ファミリア】に現れるだろう…と。どちらにせよシャクティから話を伺いたかったので。というかアミッドはリオンの保護を頼んでいたのですね。そこまでなさっているとは正直驚きです」

 

「ヴァルマさんは同じ希望のために戦える方だと確信していました。故にリオンさんのためにも口添えをしておいた…それだけのことです。保護等に関してはヴァルマさんの方から申し出て頂きました」

 

「…すみません。私に迷いがあったせいで…」

 

「いえ、瞬時に決める方が難しいのは当然のことです。…実際の所私も協力を決断するのにはそれなりの時を要しましたから」

 

「おい…おいおい…俺を放置して話を進めないでくれるか?なぁ?俺だけ全く話についていけないんだが?」

 

 …アミッドとアスフィの答えは事情を共有していないボールスにはさっぱり。やはり場違いは場違いだったようだ…

 

 というのはともかくアミッドとアスフィが遭遇したのも実は偶然。互いにこのタイミングで『アイアム・ガネーシャ』を訪れようという申し合わせがあった訳ではない。そのため二人も互いにこのタイミングで遭遇したことには驚きを覚えていた。

 

 だがリューが『アイアム・ガネーシャ』を訪れるであろうという推測はリューの言動から自然と一致し、その一致がこの遭遇を招いたのであった。

 

 そしてその遭遇の意味を理解できないアミッドとアスフィではない。二人は顔を見合わせ、互いの意志の強さを視線を交わして確かめ合う。

 

 そうなると、やはり場違いなのはボールス。そのボールスは二人の情報不足な会話から何とか情報を整理すると、二人に確認を始めた。

 

「てことは…まさか【疾風】がここにいるのか?」

 

「…どうしてボールスさんがリオンさんの名前に反応するのです?」

 

「まさか…リオンの評判が芳しくなくなってきたのを機にこれまで取り締まられてきた恨みを果たそうとでも?」

 

「ちょっと待て!?ちげーよ!!アンドロメダの姉さんは何流れるように懐に手を入れてんだ!?それだったら【ガネーシャ・ファミリア】の本拠なんかの来るかってんだ!!」

 

「あぁ…」

 

「確かに…」

 

 ボールスがリューの名前に反応したことで遽に殺気立つアミッドとアスフィ。

 

 その殺気にボールスは肝を冷やす羽目になるも、何とか抑え込む。

 

 ただ二人の不信感の残った視線を消えず、ボールスは溜息を吐いて致し方なく元々はシャクティにのみ話すつもりだった話を漏らして警戒を解くしかないと考えた。

 

「…俺はリヴィラの総意をまとめたから、それを【象神の杖(アンクーシャ)】に伝えに来た。結構手を焼いたが、それでも俺達リヴィラの連中でも思いは一つだったってのは正直今までリヴィラを率いてきた俺様が一番驚いてる」

 

「…リヴィラの総意…ですか?」

 

「…リヴィラは何を決したのです?」

 

 

迷宮都市(オラリオ)の団結への協力。俺達リヴィラは闇派閥(イヴィルス)の糞どもをぶっ潰すために全面的に協力する」

 

 

「…まっ…真ですか?」

 

「…ボールス…それは本気で言っているのですか?」

 

 ボールスの迷宮都市(オラリオ)の団結への協力宣言はアミッドとアスフィの目を白黒させた。

 

 その宣言はボールスがアミッドとアスフィ、そしてリューと志を共にするという意味に等しい。そのようなことをあのボールスから聞かされるとはアミッドとアスフィでなくとも誰もが思いも寄らないだろう。

 

 だがボールスはその宣言を捻り出すためにリヴィラを動かした。

 

 その要因は言うまでもなくアミッドとアスフィと同じであった。

 

「…正直俺はなぁ…それは夢だと思ってる。理想に過ぎないと思ってる。けど…その夢と理想を真面目に実現しようと奔走する大馬鹿がいると知った。その大馬鹿の姿を見たら…俺も同じ夢と理想を抱いてみたいって思った。あいつが信じる夢と理想が実現すれば…俺達も絶対生活が良くなると思った」

 

「…その通りです。迷宮都市(オラリオ)の団結が実現すれば… 迷宮都市(オラリオ)にはより良い未来が約束されることでしょう。それをあの方は実現しようとしている。誰もが諦めてきたその夢と理想を」

 

「…っ!誰が大馬鹿ですかっ!彼女のことをあなたなんかが馬鹿にする資格はないでしょうに…!」

 

 三人の中で想起されている人物は既に一致している。

 

 

 リュー・リオンだ。

 

 

 三人をこの場に呼び寄せたのは他でもないリューの説得であった。リューの実現しようとする夢と理想であった。

 

 そしてこの三人が集ったこと自体…リューの理想が一歩実現へと近付いた証であった。

 

「つまり…ボールスさん達リヴィラの街もリオンさんの理想に賛同し、共に戦ってくださる…そういうことですか?」

 

「そうだ。俺達にできることがあれば何でも協力する。それを… 【象神の杖(アンクーシャ)】に伝えて、【ガネーシャ・ファミリア】を【疾風】のために動かす材料にできねぇかと思ったんだが…その話の感じもう手遅れか?」

 

「ええ。アミッドの話から考えると、恐らく【ガネーシャ・ファミリア】はリオンの理想に賛同したと見ていいでしょう。【ガネーシャ・ファミリア】は元より治安を司っている立場上迷宮都市(オラリオ)の団結は最初から望む所でしょうしね」

 

「そうか…それはまぁ残念だな…」

 

 なぜかまるでリューの役に立てなかったことを残念がるかのような態度を見せるボールス。

 

 アスフィ的にはその態度は正直違和感しかない。その違和感は十八階層で輝夜とライラの救助だけでなくアリーゼの救出のためにリヴィラの冒険者まで動員するのを見て以来感じていたもの。

 

 その違和感の正体の推測を立てたアスフィはボールスに早々に指摘をしていた。

 

「…ボールス。さてはリオンに弱みを握られましたね?」

 

「…なるほど。アンドロメダさんの考えに私も正直賛同です。そうでなければリオンさんにボールスさんが積極的に協力する理由など理解もできません」

 

「ちょっと待て!?【疾風】がそんな弱みに付け入るような女だと思ってるのか!?」

 

「全く。リオンがそんな手の込んで少々汚いとも言えることを良くも悪くもする訳がないではないですか」

 

「ですがボールスさんが弱みになるようなことを犯している可能性は高いとは思います。例えばリオンさんに制裁されそうになった所を泣き付いたとか…」

 

「ちげぇよ!!というか弱みを握ったのは【疾風】ではなくて俺の方であってな…」

 

「…は?」

 

「…はい?」

 

「おっと…」

 

 ボールスはアスフィの弱みを握られたのではという指摘を断固否定する。

 

 事実ボールスはリューに弱みなど握られていない。

 

 そしてアスフィの言う通りリューは良くも悪くも人の弱点に付け入って何かを為そうという狡猾さは持ち合わせていなかった。

 

 ただボールスは勢いのあまり口を滑らしてしまった。

 

 

 リューの弱み。

 

 

 そのようなものをボールスに知られたまま放置することはリューを大切に思う友人であるアミッドにもアスフィにも断じてできることではなかった。

 

「弱み…リオンさんの何をあなたは知ったと言うのです?」

 

「ボールス…真実を今すぐに話しなさい。事の次第によってはあなたを…」

 

「分かったよ!!素直に話してやる!!そんな殺気立つな!!どんだけ【疾風】のことが心配なんだよ!?お前ら!!」

 

「それは… 迷宮都市(オラリオ)を守るために共に戦うと誓い合った同志だからで…」

 

「大切な…友人ですから…」

 

「にしてはキツすぎやしませんかねぇ!?お前ら!!」

 

 殺気立ってボールスを追及するアミッドとアスフィにボールスは殺気を向けられた張本人として絶叫混じりに言い返す。

 

 確かにボールスの言う通りアミッドとアスフィによるボールスへの追及は少々度を越している。

 

 ただ単に同志で友人だから…と言うには少々リューのことを気にし過ぎている気があるようにボールスには見えた。

 

 とは言えそれ以上からかい半分に追及すると、二人からは恐ろしい報復が返ってくる可能性を危惧したボールスは大人しく自らの知ったリューの弱みを白状した。

 

「…実はよぉ…【疾風】は俺に膝を突いて協力を要請してきた」

 

「…なっ…リオンさんがそこまで…」

 

「…ちょっと待ってください。あなたはリオンにそのような屈辱を与えたのですか!?だから優越感で協力すると…あなたはどこまで下衆で…」

 

 リューが膝を突いてボールスに協力を要請…膝を突いてならば懇願と言うべきか。

 

 そこまでの行いを誇り高いエルフであるリューが行えば、リューのことをある程度知る者は誰であろうと絶句する。

 

 そしてアスフィのようにボールスが嫌がらせでリューにさせたと取ってしまう。

 

 これはリューの直向きな性格とボールスの低劣だと思われた性格が招き寄せてしまう推測であった。

 

 だが現実は違う。

 

「アンドロメダさんよぉ。勘違いは良くねぇぜ?そもそも俺自身強制してやられた所で絶対動くとは限らねぇ。というか俺が強制してだったなら、俺は動かねぇ」

 

「…なら?」

 

「言うまでもねぇだろ。【疾風】が自らの意志で俺が何かを言ったのでもなく跪いた。迷宮都市(オラリオ)のためだとはっきり言った。迷宮都市(オラリオ)のために【疾風】と戦った怪物を討つ必要があるってな。【疾風】は自分のためではなく迷宮都市(オラリオ)のため他人のために恥も外聞も捨てて、俺に跪いた。あのエルフがだぞ?その意味と覚悟の強さが分からねぇほど俺も屑じゃねぇ」

 

「…そのお気持ち…私も分かります。あそこまで直向きに他人を想う姿を見せられては私達も恥ずかしい真似はできないと…思わず考えてしまいますよね」

 

「あの…リオンが…リオンは…そこまで変わったと…言うのですか?」

 

 ボールスの言葉にアミッドは共感を示し、アスフィはリューの激変に戸惑いと驚きを隠せない。

 

 元々冒険者の間では偏屈で融通が効かないと知られていたリュー。

 

 そのリューがそこまでの変化を見せたというのは周囲に影響をもたらさずにはいられなかったのだ。

 

「その【疾風】が迷宮都市(オラリオ)のために団結が必要だって言うんだ。ならまずは俺のできる範囲でリヴィラからってのが順当だろう?俺達には報酬とか目当てもあるが、共通してるのは闇派閥(イヴィルス)の屑どもは商売やダンジョン探索の邪魔だってことだ。そして闇派閥(イヴィルス)を倒せねぇのが迷宮都市(オラリオ)が団結してないからって言うなら、俺達が協力しない理由はねぇ。そうだろ?」

 

「仰る通りです。あなた方リヴィラの街とリオンさんの理想は一致しています」

 

 ボールスの説明にアミッドは賛成の意を示す一方アスフィは何も言わない。

 

 アスフィは未だリューの変化を受け入れられないから…そうボールスとアミッドは思っていたのだが…

 

 アスフィはボールスにとって想定外の結論に辿り着いていた。

 

「…つまりボールスはリオンのために行動を開始した…そういうことですか?」

 

「…あ?おいおいなんでそうなるんだよ?俺は単に闇派閥(イヴィルス)が邪魔だからなぁ…」

 

「そんなこと今更でしょう。闇派閥(イヴィルス)の脅威はもう十年も続いています。にも関わらずあなた方リヴィラの街はこれまで真面目に闇派閥(イヴィルス)との戦いに協力していたとは言い難い。ですがボールスは急遽リヴィラの町の総意をまとめて、シャクティにお伝えしようとしている…それは完全にリヴィラの街が迷宮都市(オラリオ)に対して行う意志表明と何が違うのですか?あなたがその重みが分からないとは流石に思いませんよ?」

 

「それは…そうだ。だが【疾風】のためって決めつけるのは…」

 

「ボールス自身仰った通りあなたの行動はリオンの言動がきっかけになっている。そしてあなたの言動の数々はリオンを慮ったものがあまりに多い。アストレア様からお聞きしていますよ?あなたがリオンの動向を推測してアストレア様にお伝えしたと。そこまでの気遣いをするとは普段のボールスからは寸分たりとも考えられない。…あなたさてはリオンに…」

 

「おおっと!!それ以上は言っていいことと悪いことがあるぜ!!アンドロメダの姉さん!というかそれ以上何も言わないでください。お願いします」

 

 …まぁあの屑と評判のボールスが異様なほどにリューへの気遣いをしているのを見れば、アスフィでなくとも『何か』を疑ってしまうのは致し方ないこと。

 

 そしてボールス自身そのような指摘を食らうのは本人の意識的問題でどうかはともかく恥と沽券に関わる問題である。

 

 よってボールスは大慌てでアスフィの口を封じようと声を上げる。

 

 その様子により確信を強くしたアスフィはそれ以上の追及は控えた。

 

 …ただしボールスの弱みを握れたことへの若干の上機嫌さをその表情に映し出しつつ。

 

 そんな雑談を交わしつつ三人の互いの立場を把握し合うことになった三人の前に立ち塞がっていた門扉がようやく開かれる。

 

 それはシャクティが三人の面会に応じたことの証であった。

 

「お三方。お待たせしました。団長はお三方の面会をお受けになるとのこと。どうぞお入りください。団長は団長の執務室でお待ちです」

 

 開かれた門扉から【ガネーシャ・ファミリア】の団員が頭を下げて礼を尽くしつつそう告げる。

 

 その言葉に三人は三者三様の反応で応じ、揃って『アイアム・ガネーシャ』の中に入っていったのであった。

 

 

 

 ⭐︎

 

 

 

「【戦場の聖女(デア・セイント)】とアンドロメダと…ボールス?なぜ彼がここに?」

 

「…いや、それを私に聞くな。知っているのはそれこそリオンと来た張本人であるボールスだけだろう。もしリオンが分からないなら本人に聞いてくれ。正直私も理解できない」

 

 場所は変わってもうじき三人が到着するであろうシャクティの団長室。

 

 …相変わらずボールスがなぜ現れたのかは鈍感で自分がどれだけボールスに影響を与えたか理解していないリューも含めて全く理解が追いついていない。

 

 だがこのタイミングでこの場に三人が現れたということの意味は…リューにとってもシャクティにとっても薄々察することができるものであった。

 

「…シャクティ。これはつまり…三人とも…私達と志を共にしてくれる…ということでしょうか?」

 

「恐らく、な。皆リオンの言葉に動かされて、この場に集った…そういうことだ。テアサナーレもアンドロメダもボールスも皆リオンの話を聞いた者達ばかりだから、な。無論私も」

 

「そう…なのですね。私の…言葉が…私の…私の…」

 

 リューは噛み締める。

 

 リューの言葉が…リューの希望を追い求める理想が少なくとも四人の友人達に届いたということを。

 

 アスフィは協力に躊躇をしていた。

 

 ボールスに至っては理想は語れども何一つ利益を示した記憶さえない。

 

 

 リューができたことと言えば理想を伝えることだけ。

 

 

 彼らは希望を求める理想だけで… 迷宮都市(オラリオ)を団結させたいという理想だけで動いてくれた。

 

 如何に迷宮都市(オラリオ)が団結することが多くの人々にとって希望であるかをリューは改めて実感させられる。

 

 同時にその希望が多くの人々を動かし得る力になることもリューは実感した。

 

 そしてリューの唱えた理想が皆の心に届く可能性を見出させ、実際に届いたことを証明する事実を前にしてリューは感動のあまり涙ぐんでしまう。

 

 リューの言葉が希望取り戻すための道筋を一歩また一歩と進めるのに役立っている。

 

 即ちアリーゼ達希望を取り戻す日も少しずつ近づいているということである。

 

 

 だがまだ何も始まっていない。

 

 

 迷宮都市(オラリオ)の団結という希望を手に入れ、理想を実現するまでの道のりはまだまだ遠い。

 

 それにリューは方法さえも見つけることができていない。

 

 だから今のリューにはまだ涙など流している暇などなかった。

 

 リューは目を擦り瞳の潤みを消し去ると、立ち上がり扉の前で待ち構える。

 

 そのリューの動きにシャクティも呼応して、リューの左斜め後ろで立ち止まる。

 

 そうして二人で何も話さずただ三人の到着を待っていると、ノックの音と共に入室の許可を求める声が届く。

 

 シャクティが許可を出すと共に、事前に知らされていた三人の姿が本当にリューの視界に映る。

 

 アミッドとアスフィとボールスの姿が…共に戦う覚悟を決めてくれたであろう友人達がリューの目の前にいる。

 

 それだけでもリューは感極まりそうになった。

 

 だがそんな感慨を今は抑え、リューは三人が居並んだと同時に静かに尋ねた。

 

 

「【戦場の聖女(デア・セイント)】。アンドロメダ。ボールス。前置きは一切しません。単刀直入にお聞きします。…ここに来られたということは…共に迷宮都市(オラリオ)を団結に導くために協力してくださることを決意してくださった…そういうことですか?」

 

 

「ええ。私が前言を翻すことなど決してあり得ません。私達【ディアンケヒト・ファミリア】はリオンさんの理想と共にあります」

 

「私達も同じくです。私達もようやく覚悟が決まりました。【ヘルメス・ファミリア】はリオンの理想を実現するために力を尽くしましょう」

 

「俺達リヴィラも【疾風】と一緒に迷宮都市(オラリオ)を団結させて、闇派閥(イヴィルス)の屑どもをぶっ潰す」

 

 リューの頼もしき友人達はリューの期待通り…いや、期待以上に力強い言葉でリューの問い掛けに応じてくれる。

 

 これでリューのできうる範囲での準備はボールスの協力宣言によってリューの望んだ以上の形で整った。

 

 ならば次行うべきことはリューにとっては自明であった。

 

「シャクティ。申し訳ありませんが、今会議室をお借りできませんか?」

 

「もちろん構わないが…あぁ。なるほどな。すぐに手配しよう」

 

 リューの確認にシャクティは瞬時にリューの意図を察する。

 

 リューの呼びかけの元に五人の組織の代表が集まったのだ。

 

 為すべきことは決まっている。

 

 

「これより迷宮都市(オラリオ)を団結へと導き、迷宮都市(オラリオ)の希望を取り戻すための会議を執り行いたいです。皆さん、ご参加願えますか?」

 

 

 このリューの確認への他の四人の回答は言うまでもない。

 

 ここに迷宮都市(オラリオ)が団結へと至るための礎が確かに築かれたのであった。




本当リューさんはボールスさんに何をしたんでしょうねぇ…(白目)

アスフィさんはともかくアミッドさんとボールスさんの協力を得るっていうのは今作が初の試みでした。アミッドさんもボールスさんも元々私の作品では14巻の影響で登場数が多いんですけどね。

そしてこれでアストレア・ガネーシャ・ディアンケヒト・ヘルメス・リヴィラという5つの中規模以上の組織共同体制が事実上樹立されました。
かつての団長会議…フィンさんが率いていた『大抗争』の頃には到底及ばない規模です。
ですが希望を取り戻すための第一歩としては十分以上の成果と考えるべきでしょう。
私の作品のリューさんはいつも凄いことを成し遂げるなぁ…(遠い目)
ただまだまだスタートラインに立ったか立ってないかです。本番はまだ始まってない…?(ではいつ本番が始まるんだ?というツッコミは禁止)
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