星乙女達の夢の跡   作:護人ベリアス

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惨劇は希望を滅ぼすか

 未だ静まらない振動。

 

 未だ崩れ落ち続ける瓦礫。

 

 未だ立ち込める土埃。

 

 それらをその身に受け止めながら。

 

 

 それでも彼女達は立ち上がった。

 

 

「みんな、無事!?」

 

「あっぶねぇ〜!」

 

「やはり罠だったか…爆弾で生き埋めとは、品がなさ過ぎて笑えるがな…!」

 

「その品のなさを輝夜に言われたくないと思うわ!なんたって輝夜は『星屑の庭』ではそれはそれは殿方には話せないような霰もない格好で…」

 

「なぁ… 闇派閥(イヴィルス)よりも前に団長を葬っていいか?なぁ!?」

 

「輝夜!?どうか今は落ち着いてください!?状況を考えてください!!」

 

 仲間の安否を気遣うアリーゼの声、危機一髪とばかりに息を吐くライラの声、そして罠の存在に苛立ちを露わにする輝夜の声がそれぞれ響く。

 

 …そして相変わらずの雰囲気を徹底的に破壊するアリーゼの挑発じみた言葉は輝夜の苛立ちを倍加させ…本来敵である闇派閥(イヴィルス)ではなく仲間のアリーゼに向けさせるという結果を招く。それをリューが悲鳴に程近い声で止めるという珍事まで発生する始末。

 

 ただ…これが【アストレア・ファミリア】の日常的風景と言えた。

 

 そしてこれが突発的危機を前に動揺を吹き飛ばすためのアリーゼの流儀であった。

 

 そしてその流儀は今こうして実を結んでいる。

 

 なぜならリューの悲鳴が上がった時にはもう既に11人全員が立ち上がっていたから。

 

 罠に嵌められたはずの彼女達はもう早々に余裕を取り戻していたから。

 

 だがそのきっかけはライラの罠に勘付かせた知恵にあって。

 

 その知恵が実際に彼女達の生命を救い、アリーゼによる檄に繋げていた。

 

 …どんなに奇妙で険悪じみた掛け合いをしていようともその掛け合いには彼女達の信頼と協力の関係があるのは言うまでもないこと。

 

 ライラの知恵とアリーゼの言葉があってこそ。

 

 そしてその奇妙な状況と罠を瞬時に水疱に帰させた彼女達の強さに取り乱すことになるのは彼女達を罠に嵌めた張本人達の方であった。

 

「なんで生きてやがるっ…【アストレア・ファミリア】の糞女どもがぁ!どれだけ『火炎石』を注ぎ込んだと思ってるんだ!?」

 

「フッフーン!清く美しい私には、悪者の炎も瓦礫も全っ然効かないんだから!」

 

「また『火炎石』だとよ。ご丁寧に説明ご苦労さん。これからの戦いの参考にしっかり覚えておくとして…実は罠の存在を読んだ時点である程度分かってはいたが…」

 

「相変わらず芸がないな。この糞どもが。私達を倒すならもう少し足りない頭を働かせ。ど阿保めが」

 

「ええ。この程度なら私でも罠を読めるかと思います」

 

「おい!?この糞女ども俺らを馬鹿にしてんだよなぁ!?だよなぁ!?」

 

 アリーゼ達に滅茶苦茶にコケにされて喚き散らすのは【ルドラ・ファミリア】のジュラ・ハルマー。

 

 総力を挙げて火炎石を準備した以上この機に彼女達【アストレア・ファミリア】を葬るつもりだったが、呆気なく失敗。

 

 ジュラだけでなくその場で彼女達の死を見届けようとしていた他の【ルドラ・ファミリア】の団員達ももはや完全に及び腰に成り果てていた。

 

「やってくれたわね。ジュラ。でも貴方達の悪巧みもここまでよ」

 

「…っ!?」

 

「貴方達を手始めに倒して、私達が暗黒の時代を終わらせるわ。平和と秩序をようやく取り戻す。覚悟しなさい」

 

 アリーゼの宣言が高々と響き渡る。

 

 それに合わせるように周囲の情景も一変していく。

 

 静まり始める振動。

 

 崩れ終わったかのように音を立てなくなる瓦礫。

 

 晴れ渡り始める土埃。

 

 まるで彼女の宣言を待っていたかのように舞台が演出される。

 

 突き立てられるアリーゼの宣言の一言一句と自信に満ち溢れた表情。

 

 それに続くように向けられる仲間達の鋭い視線。

 

 それに耐えきれず戦慄する【ルドラ・ファミリア】の団員達。

 

 

 正義が悪を討つ。

 

 

 そんなありきたりで大衆の支持を勝ち取りやすい舞台がそこにはあった。

 

 だが…

 

 その舞台は唐突に終わりを告げた。

 

 

 ダンジョンが哭いたのである。

 

 

 ビシリッと音を立てて。

 

 瓦礫に表面の一部を埋められた巨大な壁面の一部に目にも止まらぬ早さで亀裂が入って。

 

 その亀裂から不気味な紫色の漿液が飛び出した瞬間。

 

 猛烈な斜線が彼女達の前を走り抜けた。

 

 

 それも彼女達の仲間を寸断しながら。

 

 

「…え?」

 

「ノ、ノインッ!?…ぁ」

 

 

 

 そんな短い断末魔しか発することができなかったノインとネーゼ。

 

 断末魔さえ発することもできなかったアスタ。

 

 一瞬の出来事だった。

 

 そしてその一瞬には大切な仲間達の生命が天に還っていた。

 

 それだけでなく…

 

「…ぁ」

 

 ぴしゃりとリューの頬に纏わり付いた血潮。

 

 それがノインのものかネーゼのものかアスタのものかは重要ではなかった。

 

 その血潮自体が彼女達三人と二度と声を交わすことさえできないという証明になってしまっていたから。

 

 一瞬真っ白になるリューの思考。

 

 絶望に染まるリューの心。

 

 

 希望はある。

 

 まだ希望はある。

 

 諦めるな。

 

 

 そう心の中で叫ぶ自分がリューの中にはいる。

 

 だがそんな自分は瞬時に血に染められてしまっていた。

 

 彼女の浴びてしまった血潮はリューを絶望に叩き落とした。

 

 

 そして…その絶望を振り払うことができる力を持ち得たのは希望ではなく怒りであった。

 

 

 真っ白になったリューの思考はその時には激情によって真っ黒に染め上げられていた。

 

「ああああああああああああああああああああ!?」

 

「だめっ!?リオン!?」

 

 アリーゼの悲痛な叫びがリューの背に縋る。

 

 だが真っ黒になったリューの心はそのアリーゼの声を受け取らず。

 

 リューは真っ向からその憎き仇に突貫する。

 

 その仇の名を彼女達は知らない。

 

 その仇の真の力を彼女達はまだ知らない。

 

 

 その仇の名は『ジャガーノート』。後にそう名付けられる怪物。

 

 

 その怪物の真の力とは目で追うことも難しい機動力にあった。

 

「なっ…!?」

 

【アストレア・ファミリア】の中でも最高峰の機動力を誇るリューの突貫をその仇は難なく避ける。

 

 そしてその仇は広間中を飛び回り、リューの怒りに染め上げられ防御を忘れた突貫にさえ追従を許さない。

 

 そうして生まれた無数の斜線に広間に留まる全ての者がその実力を測れずに立ち竦む中。

 

 リューだけは追い縋った。

 

 一人リューだけは怒りに折れそうな心を支えられながらも絶望に必死に抗おうとした。

 

 だがそれも無意味な足掻きだった。

 

 

 なぜならその機動力は早々にリューの背中を捉えてしまっていたから。

 

 

「ぐぁぁぁ!?!?」

 

 リューの背に走る強烈な衝撃。

 

 即死を免れるための緊急回避も第二撃までは避けることができなかった。

 

 その強烈な衝撃はリューの骨にヒビを入れたのではと錯覚するほどの衝撃。

 

 その衝撃を受け止めきれなかったリューは地面へと叩きつけられる。

 

 そしてリューの眼前にかざされる必殺の刃。

 

 それは容赦なくリューの身体に振り下ろされる…かに見えた。

 

「馬鹿がぁ!!」

 

 リューをその刃から救ったのは輝夜だった。

 

 だがその救出には輝夜の片腕が差し出される必要があって。

 

 リューの顔にさらなる血潮が襲いかかる。

 

 リューの心にさらなる絶望が襲いかかる。

 

「セルティ、砲撃!合わせて!!」

 

 そんな中でも彼女達は挫けなかった。

 

 吹き飛ばされた輝夜とリューを庇うため魔法による連携を試みるリャーナとセルティ。

 

 だがその抵抗も意味を為さなかった。

 

 一撃必殺だったはずの魔法はそのまま反射され、二人の生命も儚く潰える。

 

 

 …それは真に惨劇だった。

 

 

 相手構わず振るわれる無邪気で残虐で容赦のない暴力。

 

 その暴力から逃れられる者はいなかった。

 

「イスカ!?」

 

 打ち消したはずの動揺がアリーゼの心を染め上げていく。

 

 取り戻したはずの希望がアリーゼから奪い去られていく。

 

 ダメ。

 

 下を向くな。

 

 いつものように檄を飛ばせ。

 

 こんな困難冗談で吹き飛ばせ。

 

「マリュー!?」

 

 引くな。

 

 戸惑うな。

 

 まだ救える生命はある。

 

 まだ私達は希望を失っていない。

 

 声を上げろ。

 

 仲間を救え。

 

 希望を紡げ。

 

 正義を守れ。

 

 心の中の冷静な自分がアリーゼ・ローヴェルの中で叫ぶ。

 

 この状況を打開しなければ、正義も希望も失われる。

 

 アリーゼ・ローヴェルはあらゆる意味で死ぬ。

 

 それは生命が天に還るという意味だけではない。

 

 仲間達を率いる【アストレア・ファミリア】の団長としても。

 

 仲間達と共に並び生きてきた友人としても。

 

 正義と希望を担う女神アストレアの眷族としても。

 

 あらゆる意味でアリーゼ・ローヴェルは死ぬ。

 

 だが…アリーゼ・ローヴェルの身体は何もできなかった。

 

 ただ立ち尽くし、仲間達の生命が散っていく様を傍観することしかできなかった。

 

 声を上げることも仲間を救うことも希望を紡ぐこともできなかった。

 

 その時…アリーゼ・ローヴェルは心臓の鼓動が止まる前に死んだ。

 

 なぜなら…

 

 

 アリーゼ・ローヴェルは希望を失い、希望を届けることができなくなったから。

 

 

 

 ⭐︎

 

 

 

「団長っ…!団長!しっかりしろ!?団長!?」

 

 気付けばアリーゼは地に横たわっていた。身体中に激痛が走る。

 

 どうやらあの怪物にやられた…それはアリーゼにも知覚できた。

 

 アリーゼは辺りを見回す。

 

 惨殺された仲間達の遺体が視界に映る。

 

 心が壊れそうになる。

 

 今すぐ先に逝ってしまった仲間達の元に逝きたいとアリーゼは願ってしまう。

 

 だがそれでもアリーゼの視界には三人の大切な仲間の姿が映っていて。

 

 彼女にはまだ先に逝ってしまった仲間達の元に逝くことはまだ許されなかった。

 

「…あぁ。輝夜ぁ…無事?」

 

「これが無事だったら…団長の目は…大概節穴だな…」

 

 輝夜は呆れ半分にそう返すが、その言葉にキレは全くない。

 

 それもそのはずで失われた右腕から止まることなく流れ続ける血は輝夜の気力を急速に奪っていた。

 

 それでも尚脂汗を滴らせながら必死に止血に努める輝夜。

 

 輝夜が何に縋って今も戦い抜こうとしているのか、アリーゼには分かってしまう。

 

「…アリーゼ、輝夜、リオン…目ぇ…やられた…」

 

「…ライラ」

 

「もう…何も見えない」

 

 ライラはそう苦しそうに漏らす。

 

 …ライラの目は…固く閉じられてしまっていた。その目はもう…二度と開かれない。

 

 それでもライラは必死に手を伸ばし何かを探そうとしていて。

 

 ライラを何が突き動かしているのか、アリーゼには分かってしまう。

 

「アリーゼ…」

 

「…リオン」

 

 リューは縋るようにアリーゼを見つめる。

 

 もう今のリューは直前まで取り憑かれていた怒りさえも失っていた。

 

 ただ恐怖に震え…心が折れていた。

 

 それでも尚なぜ頑なに震える手で木刀を握りしめているのか、アリーゼには分かってしまう。

 

「団長…どうする?」

 

「アリーゼ…?アタシらはどうすればいい?」

 

「アリーゼ…どうか指示を…」

 

 輝夜もライラもリューもみんなアリーゼに言葉を求める。

 

 それがなぜかアリーゼには分かってしまう。

 

 

 みんながアリーゼに希望を求めているのだ、と。

 

 

 いつものように笑顔で苦境を乗り越え。

 

 いつものように自信満々に檄を飛ばして。

 

 そんな『アリーゼ・ローヴェル』を彼女達は求めていたのだ。

 

 だが…

 

 そんな『アリーゼ・ローヴェル』はもう死んでいた。

 

 輝夜を見渡し、ライラを見渡し、最後にリューと目を合わせたアリーゼは静かに宣告した。

 

 

「ごめんなさい。輝夜。ライラ。二人の生命をちょうだい。私はリオンを助けたい」

 

 

 それは希望がないという残酷な宣告に他ならなかった。

 

 全員では助かれないというアリーゼの判断であった。

 

 いつもみんなに希望を届けるアリーゼが告げる最悪の宣告だった。

 

 そしてその希望なき宣告が贈られたのはリュー。

 

 アリーゼが誰よりも愛するリュー・リオンだった。

 

 アリーゼにとってはリューが一番大切な希望だったから。

 

 だから自らの希望を守るため…

 

 アリーゼは仲間達三人から希望を奪った。

 

「アリーゼ…そんな…なんてことを…」

 

 リューがブンブンと首を振り、アリーゼの決断を止めようとする。

 

 リューは一人にされたくなかった。

 

 リューは一人遺されたくなかった。

 

 ダメ。ダメ。

 

 嫌だ。嫌だ。嫌だ。

 

 リューの心で拒絶の意志が叫ぶ。

 

 リューは一人遺されるくらいならいっそ先に逝ってしまった仲間達の元に逝きたかった。

 

 だがそれを輝夜とライラが是とはしなかった。

 

「…団長がそう言うなら…それでいい。分かってはいた。もはや『誰を残すか』という戦いだ。私達は壊れかけの人形。…死に場所はここでいい」

 

「…アタシはさ。自分の生命が一番大事なんだ。アリーゼ達も知ってるだろ?でもアタシはこん中で一番弱っちくて、真っ先に死ぬだろうから…」

 

 アリーゼの思惑通りに輝夜とライラは答えた。

 

 アリーゼが二人に希望はない…そう宣告したようなものだったから。

 

 そしてその宣告には当然自らの生命も含まれていて。

 

 彼女達の希望は一つになった。

 

 

 リュー・リオンだけを救う。そんな光なき希望だけに。

 

 

「リオンのために…この生命燃やしましょ?」

 

「…仕方ない。せっかく片腕を賭けて救った生命だ。…最期までリオンにこの生命賭けてやる」

 

「まっ…リオンのためならそれもあり…か。その賭け。アタシも乗った。リオンならこの博打…勝てる気がする」

 

「…って。…ぁってっ…」

 

 一つになった希望。

 

 アリーゼもライラも輝夜も。

 

 同じ希望を言葉にする。

 

 同じ希望をたった一人の少女に託そうとする。

 

 アリーゼは希望を失い。

 

 輝夜は現実を直視し。

 

 ライラは知恵の無力を悟った。

 

 もう彼女達はその希望に縋ることしかできなかったのだ。

 

 だがその希望をたった一人共有できない少女がいた。

 

 その希望を受け取ることができない少女がいた。

 

 その少女は声を失い涙を零し首を振ることしかできないはずだった。

 

 だが…その少女は絶望に堕ちかける中で小さな小さな勇気を振り絞った。

 

 

 その少女の勇気が…運命を変えた。

 

 

【アストレア・ファミリア】で抜きん出て強いのに一番弱かった少女。

 

【アストレア・ファミリア】の中で短気ではあったけれど人一倍優しかった少女。

 

【アストレア・ファミリア】の中で誰よりも遅く入団した少女。

 

 そして【アストレア・ファミリア】の中で誰よりも理想を追い求めていた少女。

 

 その少女は納得できなかった。

 

 その希望に納得できなかった。

 

 その希望に理想はない。

 

 理想なき希望は希望ではない。

 

 確かにリューのみを生き残らせる。

 

 それが彼女達の理想なのかもしれない。

 

 だがリューは違った。

 

 リューの理想は違った。

 

 冷静さを欠き、怒りも失い、囚われる物がなくなった少女は。

 

 エルフの矜持も仲間達の前では晒したくないはずの恥も忘れた少女は。

 

 叫んだ。

 

 届けた。

 

 たった一つの願いを叫んだ。

 

 たった一つの希望を届けた。

 

 たった一つの理想を唱えた。

 

 その希望とは、リューが建前を取り払った先にある彼女の心に宿るたった一つの希望。

 

 アリーゼが素敵だと評し。

 

 輝夜が青二才だと嘆き。

 

 ライラがくさいと笑った。

 

 何気なくて未熟さを感じさせて…そして何物よりも尊い希望。

 

 リューらしい理想に満ち溢れた希望。

 

 その希望をリューは紡ぎ出す。

 

 出ないはずだった声を振り絞りながら。

 

 恐怖がもたらす止められない涙を振りまきながら。

 

 

 リュー・リオンは運命を変えた。

 

 

「待ってっ…!?私はっ…!私はぁ…!かけがえなのない友とこれからも共にありたいっ!!せめてあなた達だけはっ…!せめてあなた達だけはぁっ…!失いたくないっ!!私の希望をっ…奪わないで!!私はっ…一人はっ…いやだぁ!!」

 

 

 そして運命を変えたリューの言葉はアリーゼの胸に届いた。

 

 希望はまだ…潰えていなかったのだ。




ごめんなさい…こんな言葉ではとても足りないと思いますが…
ノインさん、ネーゼさん、アスタさん、セルティさん、マリューさん、イスカさん、リャーナさん…
あなた達を救うことまではできませんでした…
作者の作れる歴史の転換点はここしかなかったんです…
この時リューさんが自らの希望を叫べるこの時だけしか…
原作だけでなく作者の作品でも生命を奪ってしまったこと…深く謝罪すると共に心から哀悼の意を表明したいと思います。

実はこの転換点…原作でも言及されてるんですよね。
リューさんが自分がアリーゼと共に立っていれば…って。リューさんはこの時立てていればアリーゼさんは負けなかったと考えているんです。
だからこのタイミングを歴史の転換点としました。…いや、このタイミングしかなかったというのが作者としての所感です。
これより前は怒りに囚われながらもリューさんは全力で戦ってますから、リューさんには行動を変化させる余地がないです。それまではリューさんはベストを尽くしていて、そしてその後から後悔の残る行動をしてしまった…そうリューさんは捉えているのだと解釈しています。
起こせたかもしれないその一行動。
伝えられたかもしれないその一言。
それができなかったから、リューさんは一生消えない後悔をしてしまった。
その後悔をなくす…そんな過去ばかり振り返っていたリューさんのための物語が今作です。

さて転換点は越えました。
リューさんの願いがアリーゼさんに届きました。
作者が希望を届ける完璧美少女と認めるアリーゼさんが再び立ち上がります。
絶望的な状況は覆されずとも、リューさんの一言のお陰で運命は確かに変わったんです。

あ、あと感想お待ちしてます!

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