励みになってます!
毎週木曜日投稿なのに気付いたら一日ズレて設定してました…
一日遅れて申し訳ありません。
来週からは木曜日投稿に戻ります。
風に動かされし者達は動き出す
裏でアリーゼが動き出し、彼女達を見守る主神達も自らの眷族を支えるべく動き出す中で。
結成から三日を経た派閥連合もまた本格的な活動へと動き始めていた。
「団長!【疾風】さん!西地区の巡回を終えた団員からの報告です!
「了解した。報告ご苦労だった」
「報告ありがとうございます。ご苦労様でした。引継ぎが済み次第ゆっくりお休みになるようお伝えください」
「ははっ!」
【ガネーシャ・ファミリア】の団員の報告を聞き届けるリューとシャクティ。
リューは【ガネーシャ・ファミリア】本拠『アイアム・ガネーシャ』の中に設けてもらった指揮所を拠点に派閥連合の指導者としての活動を開始していた。
その活動の一環としてリューはシャクティと共に
「これであとの報告のない地区はダイダロス通りの区画とダンジョンのみ…ですか?あと【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】の本拠の周囲の報告は…」
「…いや、ダンジョンを監視しているボールス達はともかくダイダロス通りには我々も巡回する団員を配置していないぞ?あとあの二派閥の本拠の周囲はその二派閥が巡回を担当してるから何かあれば我々にも何かしら情報が入るはずだ」
「…はい?なぜです?都市二大派閥の本拠の周囲に関してはまだ理解しても…ダイダロス通りも同じ
「リオン。無茶を言うな。あのダンジョンにも負けず劣らず迷宮の如きダイダロス通りの巡回を恒常的に実施するとなると膨大な人員が必要になる。正直そんな余裕我々には一度たりとも与えられたことはない。…ただでさえ人員が不足していると言うのに…」
「…」
シャクティの呆れを含む呟きにリューは閉口する他ない。
ダイダロス通りの巡回に必要な人員の余裕など存在しない。それはリューが知らなかっただけで今更な厳然たる事実。
活動開始日の今日初めてリューが知る現状も少なくない。
そんな現状を知らされるたびにリューはシャクティに質問を飛ばし、現実を知り、そして沈黙する。
リューはこれまで巡回をする側で指示を受け取る側。
巡回を指揮し指示を送る側になったからこそ初めて知る事実の数々は悲惨としか言いようがなかった。
この事実を知って行動していたであろうアリーゼや輝夜、ライラが希望を失う理由も分からなくもない…そう早々にリューが結論付けられるほどの惨状だとリューにも思えた。
だがそんな過酷な状況を打開するのがリューの役割。
だがそんな彼女達の希望を取り戻すのがリューの役割。
そう心に決めるリューは厳然たる事実に打ちのめされながらも、それでも報告と向き合い指示を出すべく思考を巡らせる。
「…恒常的な巡回が無理だとしてもダイダロス通りには目を光らせておくべきかと。私達の巡回がないということはそれだけ
「その点はアンドロメダに聞いてみるといいかもしれん。【ヘルメス・ファミリア】はダイダロス通りにも情報網を張ってるはずだ。何かあれば報告があるはず。それに現状でも得ている情報をリオンが知るのは良いことかもしれんな」
「分かりました。次にアンドロメダにお会いするときに話をお聞きしておきます」
派閥連合の指導者として活動を開始したリューにとって一番の問題点は指導者としての経験と知識の欠如。
三日前までは【アストレア・ファミリア】の一団員に過ぎず団長でさえなかったリューが唐突に指揮を任されても簡単に上手くいくはずもなく。
その補佐のためにシャクティがいる訳ではあるし、リュー自身経験と知識を吸収しようという強い意志をこの短時間の間にも旺盛に示していた。
その点補佐するシャクティとしては安心なのだが、リューのその強い意志がまた問題になることもあった。
リューは地図と共に参考資料として提供されていた巡回に携わる【ガネーシャ・ファミリア】の団員の名簿に目を通しつつ呟く。
「それにしても一区画あたりの巡回の人数が少なすぎませんか?これでは
「それは…だな。【アストレア・ファミリア】の担当区画まで我々が受け持つようになってより余裕がなくなったせいでな…」
「…ぅ。…面目ありません。せめて私だけでも巡回に協力をっ…!」
「馬鹿を言うな!リオン!何度も言うが、お前はこの派閥連合の指導者なんだぞ!軽率に動こうとせず泰然と構えろ!巡回のような役割は我々【ガネーシャ・ファミリア】の団員が引き受ける。…面目ないのは私達の方だ。ずっとお前達に頼り切って…どれだけ我々が力不足だったのか…実感が足りていなかった」
「シャクティ…」
シャクティの制止にリューも身動きを止める。それだけでなくシャクティの自嘲にリューは心を痛めずにはいられない。
リューの問題とは何かあるとじっとしていられず、すぐに指揮所を飛び出そうとしてしまうこと。
シャクティが諫めて押し留めること既に三度目である。
一度目は巡回の報告に出た小さな事件への対処に動こうとしたこと。
二度目はある事情でギルドへ向かおうとしたこと。
三度目も含めてどれもシャクティの言う通り派閥連合の指導者の関わるべき事柄ではない。
だがリューはどうにも自重ができない。
責任感が強いと言えば聞こえはいいが、まだまだ派閥連合の指導者としての自覚が欠如していると評価した方が正しいのかもしれない。
とは言え一方のシャクティもリューを諫めながらも自責の念を感じずにはいられなかった。
リューに指摘された通り一区画辺りの巡回に投入する冒険者の数が少なすぎる。
その原因は治安を守るためにどの派閥よりも献身しどの派閥よりも血を流してきた【ガネーシャ・ファミリア】の著しい戦力の低下にある。
だがそれならば派閥連合結成前からほぼ状況は変わっていない以上、巡回に支障は出ないはず。
なら何が問題か。
…それは【アストレア・ファミリア】の事実上の壊滅が何よりも響いていた。
【アストレア・ファミリア】は【ガネーシャ・ファミリア】と共に巡回を担当し…その【ガネーシャ・ファミリア】にも決して見劣りしない少数精鋭で少なくない数の地区の巡回を担っていた。それこそ人員数に見合わぬほど多い地区数を。
そんな【アストレア・ファミリア】が壊滅してしまったことでこれまで彼女達が担っていた負担が全て【ガネーシャ・ファミリア】に圧し掛かるようになり…
そして破綻に程近い状況に陥った。
その状況はシャクティに如何に自らがリュー達に頼り切っていたかを実感させるものであったため、苦々しい思いを味合わずにはいられなかったのである。
そうしてリューもシャクティも自らの無力感に苛まれ沈み込んでしまう。
そんな時空気を一変させてくれる人物がノックもせずに指揮所へと現れた。
「やぁ。リューちゃん。シャクティちゃん。派閥連合の指揮。精が出るね」
「…神ヘルメスですか?」
「ノックもなしにいきなり…」
「おいおいシャクティちゃん。そんな警戒しないでくれ。俺も報告に来たのさ。それにガネーシャの眷族の許可はちゃんと取ってある。アストレアやガネーシャと話を昨日したことだし、色々と進行具合を、ね?」
突然姿を現したのはヘルメスであった。
あまりに突然であったためリューは目を丸くし、シャクティは許可なく立ち入ったのではと警戒を示す。
そんな二人にヘルメスは飄々としつつ報告があると口にする。
それは全く偽りもない事実であった。
「まず一つ目はうちのアスフィからの報告だ。今の所うちの情報網に引っかかった情報はなし。
「…襲撃がないのは喜ばしいが…確かに神ヘルメスの言う通り不気味だな」
「同感です。確かに
「戦力を温存しているのか…それとも大規模な策動の準備中か…はてさて連中も何を考えていることやら」
最初に触れられたのは
【ヘルメス・ファミリア】の情報網にも何も情報が引っかからないという状況は言葉通り不気味。
リューもシャクティも警戒と若干の不安で目を細め、ヘルメスも予測もつかないとばかりに肩をすくめる。
ただ何の情報もない
「分かりました。アンドロメダには今後も情報収集をお頼みしますとお伝えください。あとアンドロメダからは色々とお話を伺いたいです。近いうちに会う機会を設けて頂けると助かるともお伝えください。アンドロメダの力を是非ともお借りしたい事柄があるのです」
「リューちゃんがアスフィと話したい?そうか…そうかそうか。了解だ。必ずアスフィに伝えておくよ。アスフィもきっとすごく喜んでくれるぜ?」
「…?」
ヘルメスのアスフィがリューの会いたいという伝言にすごく喜んでくれるという言葉にリューは首を傾げるしかない。
リューとしては単にダイダロス通りの情報を欲しただけだったのだから。
ただヘルメスは早々に情報網の維持の徹底のために自らの寝る間を惜しんで東奔西走するアスフィを知っている。
アスフィはリューには自らの苦労を冗談として語ることもあるが、本当に自らが望んで受け止める苦労は決して冗談などには用いない。
だから案外リューはアスフィの陰での本当の努力を知らなかったり。
そんなアスフィには激励とアスフィを頼りに思っていることが分かるリューの言葉が何物よりも力になるとヘルメスは考え、その言葉をリュー自身の口から聞くことができたことを喜ばしく思ってそう口にしたのであった。
そして無意識に激励や信頼の言葉を贈れるリューにヘルメスは密かに指導者の卵としての素質を見出し、今後を楽しみに思う気持ちもあったり。
それはともかくと、ヘルメスは思考を切り替える。
「さてアスフィのことはともかく次はギルドに関してだ。ガネーシャがさっきギルドへ向かい、派閥連合の結成を報告したと連絡を受けた。結果がどうなったか聞いてもいいかな?」
「その点に関しては神ガネーシャからお話を伺っているのでお話ししましょう。シャクティ?神ヘルメスに話しても問題ありませんよね?」
「もちろんだ。リオン」
ヘルメスは今度はギルドに関する情報を求め、リューはシャクティの承諾を受けて事前にガネーシャから受けた報告を話し始めた。
「派閥連合の結成はギルドの承認を受けました。ただしギルド長ロイマンにギルドの指揮に従うように厳重に指示されたそうです」
「まぁそう出るよなぁ…あとはウラノスは何と?」
「面会できなかったとのことです。ただしギルド長の様子から相当な厳命が神ウラノスから下っている可能性があると神ガネーシャは推測なさっていました」
「ただでさえロキもフレイヤがギルドの指示通りに動かないのに今回の派閥連合の結成でさらに大派閥が指示に従わない可能性が生まれたら、そう出るよなぁ…それで?リューちゃんとしてはどう動くつもりなんだい?」
「…できればギルドと協調を。ですが私にこればかりは決定権はないと考えています。各派閥の皆さんのご意見次第です」
ヘルメスの問いにリューの歯切れは唐突に悪くなる。
リューは元よりギルドとの協調を考えていたはずなのに、なぜかその考えを強く主張することもしない。
その原因はシャクティの方が説明した。
「…実は【アストレア・ファミリア】に関してもガネーシャは確認を取ったのですが、身柄を拘束し事情を聴取する必要があるの一点張りだったそうです」
「…リューちゃんの仲間達の命を奪ったっていうモンスターに関してか」
「…恐らく。それだけの脅威だったことは私も話から重々理解し、最悪の場合口封じを目論む可能性があるとも考えられます。そのためリオンをギルドに差し出すなど論外。現状は我々【ガネーシャ・ファミリア】がリオンを匿います。リオンの居場所は行方不明だとギルドには伝えました」
「なら仕方ない…と言ってもこの派閥連合がリューちゃんを中心を動いているのは隠しようもない事実。ギルドに知られた場合はどうするつもりだい?」
「何も変わりません。リオンは我々にとって多くの意味で大切な存在。ギルドが何を主張しようとその大切さは揺るがないです」
「なるほど…ギルドとの協調も簡単ではない…ということか」
「…私がギルドに出向いて解決するならいくらでも出向いてもいいと今は思うのですが…皆さんがそう言うのなら致し方ありません」
ギルドのリューに対する態度はあくまで変わっていなかった。『ジャガーノート』の情報を握る数少ない人物の一人として完全に警戒を抱いているかのようだった。
そしてそんな態度にギルドとの協調を唱えていたシャクティさえも態度を硬直させ、リューのことでは絶対譲歩しないという断固とした態度を取った。
シャクティのような穏健で常識的な判断が下せる者でさえこの硬直化した態度…
ヘルメスはギルドとの協調がリューの存在によって妨げられていることを悟り、目を伏せる。
一方の妨げとも言える張本人であるリューも自らの立場は理解していた。
そのためギルドへ協調を求めるためにもギルドの真意を確かめるためにも出向こうとしたのだが…
シャクティの態度からもどうなったかは明白。
【ディアンケヒト・ファミリア】の治療院からアミッドまで飛んできてリューを諫め押し留めるという完全な猛反対を食らったリューは渋々ながら指揮所に留まることになったのはつい数時間前のことである。
ただリューの複雑そうな表情からお察しのようにリュー的には些か不本意。
だがリューの安全に確証がない以上論外。
これはリューの理想を慕って結成された派閥連合の中核を担う者達からすれば、当たり前のことであった。
ギルドとの協調は滑り出しから障害に直面していたと言っても過言ではなかった。
とは言え必ずしも凶報ばかりと言う訳でもなかった。
「まぁ…ギルドに関しては分かった。今後の交渉の進展に期待、だな。それで伝え忘れてたが、俺達はリヴィラの街に関わる神々の協力を仰ぐために交渉に回ってる所だ」
「はい。その点はアストレア様から伺いました。ご尽力に心より感謝します」
「ガネーシャから話は聞いていますが、順調に進んでいますか?」
「まぁぼちぼちかな?リヴィラの街を指揮するボールスから要請が事前に飛んでくれていたお陰で話は通じやすくて助かってるな。ただ相手はリヴィラの街という無法者の集まるファミリアの主神だからなぁ…一筋縄では流石にいかない。だが既に大体四分の一のファミリアの協力を得られると思う」
「四分の一…そのファミリアとは?教えて頂けませんか?」
「えっと確か…」
四分の一のファミリアが協力をするという言葉にリューは素早く反応し、そばからボールスの提出した団員名簿を手繰り寄せる。
そうしてヘルメスの説明と共に協力を申し出てくれたファミリアを一つ一つシャクティと共に確認を進めていった。
「三ファミリア約四十名の冒険者の協力ですか…とても心強いです。これならボールスの要請に少しでも応える余裕が生まれるのでは?シャクティ?」
「…いや、四十名とは言えもう既に協力している冒険者を除けば実質増加数は三十名前後。…正直地上の巡回の増援として協力してもらいたい所だが…」
「…分かってはいます。人数に余裕がないことは分かっています。…ですがダンジョンでは何が起こるか分かりません。ボールスが増援を求めているなら必ず応えなければ。…個人的な感慨ですが、私達と同じ目に私は彼らに遭って欲しくないので」
「…分かった。今回協力を得られた冒険者達にはボールス達の応援に向かってもらうとしよう。同じファミリアと言えど連携を期待できるか分かったものではないが…神ヘルメス?そのようにお伝え願えますか?」
「…了解だ。色々と苦労が絶えないな。リューちゃんもシャクティちゃんも」
リューとシャクティの静かな論戦にヘルメスは二人の心中を察し、そう呟く。
論戦の議題はボールスの求めていた増援であった。
ボールスが担当するのはダンジョンにおける
十八階層にあるリヴィラの街の冒険者達を指揮するボールスはダンジョンでの情報収集にまさに適役だったのだが…
早々にダンジョンの広大さを前にリヴィラの街の冒険者の人数では対応できないと派閥連合結成翌日には事実上泣きついてきていたのだ。
それに対し自らの派閥連合が如何に人員に余裕がないか把握していなかったリューはボールスの要請に応えるように強く主張し、シャクティは事情を踏まえているが故に反対した。
だがこうしてシャクティが折れ、リューが論戦を制することになった。
リューがこうも強く主張を続けた理由がもしボールスを心配してだったのなら、ボールスは泣いて喜ぶこともあり得たりあり得なかったり。
だが非常に残念なことにリューが恐れていたのは戦力不足を訴えるボールスの要請を蹴って犠牲を生んでしまうことであった。
リューは自らの判断ミスで犠牲を生むことを何よりも恐れていたのだ。
それが指導者に圧し掛かる重責だと理解したとしても、簡単に飲み下せるような代物ではない。
アリーゼでさえその重責に押し負けているほどなのだ。リューが物ともしないなどあり得ない。
そんなリューの心境をシャクティは察したこともあって折れたのだが、それだけでもない。
なぜならそのリューを恐れさせる犠牲の直近の記憶を生んだのは他でもない増援を出せず【アストレア・ファミリア】の壊滅を防げなかった【ガネーシャ・ファミリア】を率いるシャクティ自身。
【アストレア・ファミリア】の二の舞を起こしてはならないというシャクティの負い目もまた折れる要因の一つになっていた。
そうした二人の複雑な思いをヘルメスは汲み取らずにはいられなかったと言う訳である。
こうして一応は二人の間の論戦には決着が付いたもののまた静まり返ってしまう雰囲気にリューが新たな話題を切り出し、雰囲気を一新しようと試みた。
「…ただシャクティの仰る通り巡回の人員確保も重要です。そのためにはさらなるファミリアに協力を仰ぐ他ないでしょう。どのように進めていくか決めていませんでしたね。どうしましょうか?」
「中規模なファミリアやギルド傘下のファミリアとは話を進めるべく団員派遣の準備を始めているが…もう少し体制が整ってからの方がいいかもしれない」
「…【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】は?優先事項ではないという話でしたが、本当に無視するのですか?私は協調を時間がかかろうとも進めるべきかと思います」
「しかしだな…」
巡回の人員確保からさらなるファミリアに協力を求めるという話へ。
そして最終的に【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】への協力を求める準備を進めるか否かに話が至る。
この案にはリューだけでなくシャクティも本来は賛成。
だがそう簡単に賛成して実行へ…という決断には至れない。
そもそも第一前提として冷戦状態にある都市二大派閥の元に何の恐れもなく乗り込める者などシャクティには思いつかず、協力を求める出だしから躓いているように思えてまでいた。
しかしシャクティはとても大事なことを忘れていた…いや、正確には最初から検討外にしていた。
それは目の前に都市二大派閥に何の恐れも抱かずに乗り込んだ狂気の沙汰を幾度も経験済みの
「…やはり私が行くべきです。私が【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】に直接出向いて説得をっ…!」
「だからお前は派閥連合の指導者として自重をだな…」
「派閥連合の指導者だからこそ自ら重大な交渉を担うべきなのではないですか?それにずっと言いたかったのですが、私は他人を危険に晒しておいて自らはのうのうと安全な場所で指揮のみを執りたくはありません。私も皆さんと一緒に危険を分かち合い共に戦いたいのです!」
「だからそれをして万が一リオンの身に何かがあったら、派閥連合が崩壊すると言ってるんだ!自らの立場をきちんと把握して軽挙妄動を慎めと、今日私は何度言えばっ…!」
「しかしシャクティ!」
リューの相変わらずの無鉄砲ぶりにシャクティも流石に苛立ちを覚え、二人の会話は今度は激しさを帯びた論戦に発展する。
敢えて言うならば二人の考えはどちらも正しい。
リューの言う通り指導者だからこそ自らの身を危険に晒すことに価値がある。
だが一方でシャクティの言う通り指導者だからこそ無鉄砲に危険に身を晒さず泰然と指揮を執ることに価値がある。
双方の意見が正しいことを理解するヘルメスは最初は介入するつもりはなかったのだが…
ふとヘルメスは思い出す。
…そういえばシャクティと同じ立ち回りを自分自身がしていた気がする…と。
ヘルメスはつい昨日自ら率先して火の中水の中に飛び込もうとする
「…親と子は似るもの…か。そういう関係は俺も結構好きだが、危なっかしい方向では正直肝が冷えてあんま好みじゃないぜ?アストレア?」
ヘルメスの憧れと呆れの混じった呟きはリューとシャクティの耳には届かない。
シャクティはこの後もうしばらく血気に逸るリューを抑えるのに時間を費やすことになる。
派閥連合本格始動!
ただ問題だらけで始動直後から転倒しそうなくらいまずい…
派閥連合内の構成員が把握する問題は大きく分けて五つ。
ギルドとの関係。
【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】との関係。
中規模ファミリアとの関係。
戦力不足。
リューさんの暴走。
尚巡回関係は少々情報が少ないのでほぼ独自設定ですね。
【ガネーシャ・ファミリア】が中核で【アストレア・ファミリア】が協力していたのは確定ですが…他のファミリアの立ち位置が瓶妙で…
【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】に関しては一応冷戦状態で戦力を動かさないとはいえ、最低限の貢献はしているという擁護に程近い記載ですね。
あと【アストレア・ファミリア】の役割の大きさは私のリューさん至上主義の影響です☆