数ヶ月はあっという間に過ぎ…。
「どうした速水、緊張してるのか?」
「えぇ。新しいユニットでのスタートは…。でも大丈夫よ」
やっぱりそのあたりは高校生だ。
「俺の手、握ってみろ」
「え?でも…」
「いいから」
「握るわね…。え?」
俺も震えている。
「俺も緊張してる。それにくらべて…。あっち見てみろ」
そこには、今夜はどんなお酒を飲もうか思案している楓…。
「緊張なんて、楓が持っていってくれる」
「ふふっ、そうね」
「八幡さん、奏ちゃんと手を握ってなにをニコニコしているんですか?」
うわぁ!
「速水の緊張ほぐしてたんだよ」
「うふっ、それはどうかしら?プロデューサーに口説かれてたかもよ?」
おい!爆弾投下するなよ!
「八幡さん、あとでゆっくりお話ししましょうか?」
え~!
「これでプロデューサーも緊張がほぐれたかしら?」
そういえば…。
「ありがとな、速水」
「そういうことだったんですね。奏ちゃん、ありがとう」
「さて、俺にとっては初めての大仕事だった。成功したら二人のお陰、失敗したら俺のせい。まぁ、新人だから許してくれるだう」
「じゃあ、必ず成功させますよ」
いい顔だ、楓。
「ふふっ、そうね。成功して『ご褒美』もらわないと」
それ、き、ききききキスとかじゃないよな、速水。…ウィンクするな!
「シンデレラプロジェクトのプロデューサーじゃねぇけど、いい笑顔だ。行ってこい!!」
「はい!」
「はい!」
Mysterious Eyesは順調に、そして大人気となった。
事務所からは自分のプロデューサールームを貰った。仕事としては、特定のアイドルにつくのではなく、ユニットの計画立案やそれに伴うイベントなどの指揮だ。一部のプロデューサーは快く思ってないみたいだが、それなら俺より面白い企画を建ててみろってんだ。
「八幡さん、コーヒーどうぞ」
「ありがとう、楓。担当プロデューサーのところへ行かなくていいのか?」
「大丈夫です。許可はもらってますから」
「この後の予定は?」
「八幡さんと一緒に帰ります」
「さいですか。帰る前にシンデレラプロジェクト寄っていくけどいいか?」
「はい」
さて、片付けますか。
楓と一緒にシンデレラプロジェクトへ寄る。
「失礼します」
「失礼します」
「比企谷プロデューサー、楓さん、お疲れ様です」
出迎えてくれたのは、巷で女神とも言われている新田美波。
「お疲れ様、新田。プロデューサーは?」
「今、蘭子ちゃんと出てます」
「そうか。新田、速水とユニットを組んでみたいと思わないか?」
「奏ちゃんとですか?」
「あぁ、そうだ」
少し考えてる様子…。女神と言われるのがわかる気がする。
「プロデューサーさんとも相談したいですね…」
「お前自信はどう思う?」
「…やってみたいです」
「わかった、ありがとな。ちなみに、これは楓の推薦だ」
「楓さんのですか?」
「はい。この前、奏ちゃんとユニットを組んでみて、美波ちゃんとかみあうんじゃないかと」
「あ、ありがとうございます、楓さん」
「まだ先になるとは思うが、その心積もりでいてくれ。速水も乗り気だから」
「ありがとうございます、比企谷プロデューサー」
「邪魔したな」
「またね、美波ちゃん」
楓と二人、部屋に戻る。
「また、考えごとですか?」
「ん?安部と佐藤のユニットのデビューは秋葉原の路上でやりたいんだが、許可とかの問題がな」
「家に帰って来たんですから、仕事から切り替えてください」
「すまん」
「ご飯、食べますか?」
「いや、ちょっとこっちに座ってくれないか?」
「はい」
…。なんでかな?
「なんで、俺の膝の上に据わったのかな?」
「あら、いけませんでしたか?」
このお茶目さんめ。
「まぁ、いい。この方が俺と楓らしいからな」
「はい」
首に抱きついてるし。
「そのままでいいから、これを受け取って欲しい」
ポケットから、小箱を取りだし楓に見せる。
「八幡さん、これって…」
「今すぐって訳じゃないんだ。俺だってプロデューサーになったばかりだから…。なんていうか、決意表明みたいなモンだと思ってくれてかまわん」
「はい」
「楓、俺と結婚してくれ」
「あまり、待たせないでくださいね」
「楓が今までに以上に仕事をしてくれたら早まるかな」
「イジワル…」
「でも、そんなに待たせるつもりはねぇよ」
「わかりました。…指輪、着けてください」
サラリーマン時代からの蓄えで買った、指輪を楓の左手の薬指へ。
「改めて言わせてくれ。愛してるよ、楓。俺と結婚してくれ」
「はい、私も八幡さんのことを愛しています。私を八幡さんのお嫁さんにしてください」
「よろしくな、楓」
「はい。よろしくお願いします、八幡さん」
翌年、スーパーアイドルとプロデューサーの結婚の記事がスポーツ紙全紙の一面を飾り、高垣楓の嬉しそうな笑顔の写真が掲載されていた。
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完結です。沢山の感想・評価・お気に入り登録、ありがとうございました。
毎日更新という、バカことしてましたが、これで休めます。
お付き合い、本当にありがとうございました。