いつかは終わるヒーローたちのアカデミア   作:Agateram

41 / 59
まだ雄英体育祭終わらない。
ここまで話数をかけて進んでない話はウチくらいじゃないのだろうか…

文章を書くのはホントに難しいですね。

そんなわけで、まだ雄英体育祭は続きます。

緑谷出久VS心操人使

勝者は?


第40話 決勝種目 準々決勝①

会場はおよそ10万人以上の人員がひしめき合っているとは思えないほどに静かだった。

それは次の試合の予想があまりにも容易かったからだ。

 

片や第一種目で超重量の鉄とコンクリートでできた門を蹴り飛ばした片割れであり、第2種目においては3人とそれを乗せた船を担いでなお高速で動き回り、空中にすら躍り出た超パワーとスピードというフィジカルの化け物。そしてそれに加えてトーナメントの一回戦で見せた近接格闘の技術まであることを世に知らしめた、近接戦闘の雄、緑谷出久。

 

対して第一種目では目立った活躍はなかったもののヒーロー科が落ちる中でも勝ち残り、第2種目においては騎馬対一人という状況を利用して騎馬を崩してポイントを稼ぎ、トーナメント一回戦においてもヒーロー科を一対一で破った普通科の期待の星にして、『直接、間接的に触れた者の意識を奪うと目されている個性』を持つ心操人使。

 

相手が緑谷でなければ、この試合は盛り上がったことだろう。何せ心操の個性は触れれば大会のルール上一撃必殺になり得る個性だ。つまりは相手にふれさえできればジャイアントキリングが可能な個性と会場にも、テレビの前の皆も認識している。だが、だからこそ一撃で試合を決する力を持つ相手や触れずに相手を倒せる敵には相性が悪い。

つまりは、緑谷のパワーの前に為すすべなく心操は負けるという予想が既にその試合を見る大半の衆目の頭の中に予想されていた。

 

だから、彼等が気にしているのは次の試合やあるいは心操のくじ運の悪さを嘆くような声がそよ風にかき消されるほどに小さく聞こえるのみ。

 

つまりは大半の者がこの試合の結果は既に分かっているからに興味などないということである。

 

 

固く結ばれた口で、感情を極力抑えた表情で、心操人使はその状況に歓喜していた。

理由は明白。勝てる可能性があるからだ。

 

真っ向からではまず勝てない。一回戦で見せた技術もそうだが、フィジカルにおいて目の前の自分よりも小さな男は、まず間違いなくこの学年で…いやおそらくは学校全体でみてもトップ3に入るであろう化け物である。それこそ自分の細腕などストローのように指先でつままれるだけで簡単に折り砕かれるだろう。

 

それほどの圧倒的強者相手に、勝つ手段が今の自分には、ある。

 

もちろん今回一度きりだ。

この大会が終われば、次は個性のことが研究されて、おそらくあっけなく負けるだろう。それでもこの難敵に勝てればヒーロー科への道は、ヒーローへの道は大きく開かれる。

無論同じヒーロー科、特に1-Aで同じ騎馬を組んだ二人が個性を教えているという可能性もないではない。だが、あの時お互いの個性は決勝種目でも相手に教えないという約束を彼岸は皆にしていた。もちろん口約束だ。なんの効力もないし結果が全ての体育祭。それも彼岸はもとより耳郎も緑谷とは親しく、よく一緒に行動していたのを放課後の演習場で見ている。

それでも、あの二人なら約束は違えないという信用があった。

自分に声をかけてくれた彼岸、個性を聞いたうえでそれを隠すという戦略で脚を引っ張る可能性もあったのにチームとして認めてくれた耳郎、共に今まで会ってこなかったタイプだ。特に彼岸は俺のことをなぜか評価してくれていた。彼の個性によれば、俺はヒーローに向いていると、そう視えるらしい。

 

嬉しかった。認められた気がした。自分がヒーローになりたいという想いは間違っていないと言われたように感じられた。

 

負けられない。あの二人のように、前を向いて俺はヒーローになると顔をあげて言えるように、自分の価値をここで示さなくてはならない。布石は打った。賽はもうすぐ投げられる。

此処こそが自分のヒーロー科の試験で、今度こそ勝つ以外に自分がヒーローになる資格を手に入れる手段はないのだと、心操は外見には一切出さずに断固たる決意を内心で固めた。

 

 

 

 

 

 

邂逅した際は戦闘向きでない個性なのにヒーロー科を諦めない、その意志に共感を覚えた。親友たる彼岸が数多の受験生からその輝きを見つけた人。

 

ならば、慢心や油断は命取り。

二種目目の立ち回りでは、触れた相手、間接的でも繋がっている状態の相手の意識を瞬間的に途切れさせる、眠らせる、といった影響を与えていた。生物限定だが触れれば即意識を奪えるタイプの個性なら味方なら頼もしいが、敵なら厄介な相手だ。

 

だが、本当にそれだけだろうか。

 

()()()()()()()()()()

 

2種目目、彼岸が言った言葉を聞き逃すほど緑谷は馬鹿ではない。

だがそれは、相手の一部にでも間接的に触れれば発動するという条件を隠すための虚実を入り混ぜた言葉だと多くの者はもう気づいている。

 

多くの者が気づいている。それが逆に怪しいとは思わないか。一撃で決着させることは可能だ。今の自分の力なら、個性なら難なくできる。触れずとも拳や蹴りを風圧のみで彼を吹き飛ばす。何の問題もない。自分の確実な勝利の道筋。

 

けれど、それでも相手の目は死んでない。諦めなど微塵もない。

余裕があるわけではない……呼吸がわずかに早い。汗も額に浮かんでいる。

人の緊張のサインだ。

彼とは体育祭前に何度も手合わせをしている。実戦形式の試合だって行った。もちろんケガをさせない範囲で個性も使った。

それらが全て演技でなければ、近接戦闘でこちらに負けはない。

それでも彼のこちらを射抜くように鋭く細められた瞳の奥に覚悟にゆれる炎を幻視した。

 

油断はしない。彼に諦めの感情はないから。

手加減もない。彼はこちらを打倒しうる牙を持っている。

 

 

『Ready、Start!!』

 

 

掛け声と動いたのは二人同時。

ただし動きの種類は真逆だ。一人は両手をクロスさせて頭を守りながら前傾姿勢となって被弾場所を減らしながら相手に向かってまっすぐに走り出した。一目でわかる被弾覚悟の特攻。

対してもう一人はその場に根を下ろしたように重心を落としてからの腰をいれてまるで対象がそこにいるかのように右ストレートを放った。

ただし拳の間合いにははるかに遠い、開始したばかりで彼我の距離はまだ10mは離れた位置からの拳による突き。そんなものは何の意味も持たない。ただし、それが音速を遥かに超えて放たれた時にのみ、周囲の空気を押しだす圧となって局地的な暴風を作り出す。

ただの腕の動き一つでそんなことができる生物はいなかった。個性誕生前は。しかし今はいる。日本で一番有名なヒーローが同じような動きでその攻撃を叫ぶ姿を見たことがある。その名を

 

「TEXAS SMASH(テキサススマッシュ)!!」

 

それと同じ掛け声と同時に放たれた暴風は、被弾を覚悟し疾走する心操をあまりにもあっさりと吹き飛ばす。その姿に、会場の者たちは正にオールマイトを幻視した。彼に比べれば、まだあまりに小さい。それは背丈も力も速度も、今の暴風を生み出した拳もオールマイトには劣るだろう。けれど、その姿に声にナンバーワンヒーローの何かを確かに会場の人々は見たのだ。だからこそ、さっきまですぐに終わるだろうと予想されていて、歓声もまばらだった会場が一気に沸いた。

 

歓声と驚愕。

 

確かに超パワーをもった生徒ではあった。1,2種目目、そしてこのトーナメントでもその片鱗は見せていたが、こうまでその個性だけを際立たせてこなかった。それと今の掛け声とフォームがあまりにもナンバーワンのソレと同じだったからだろう。

 

それは当然だ。なにせ緑谷出久は既に1年ほどオールマイトに師事し、特訓、それも実戦形式の組手などもしている。そしてその中でオールマイトの擬音交じりの指導を必死に読み解き、動きを見て、解析して、その動きを今まで積み上げてきた武術と練り合わせて自分の動きを模索している最中だ。だからこそ、師であるオールマイトの技を使うのも自然なことだ。

 

 

 

「おいおい、ホントにオールマイトみたいじゃねぇか緑谷の奴」

「ホンマに……パンチ一つで遠距離攻撃もできるんや…」

 

会場とおなじように驚くクラスメイトに試合を注視したまま、他の生徒たちに聞かせるように彼岸が言葉を発した。

 

「そういえば、さっき出久の怖いところは3つといったな。

2つ目はあの『個性』だ。自主トレで何度か体験したが、アレは自壊覚悟ならばオールマイトの全力を一瞬なら上回ることができる。それだけの超パワー。いや単純な力ではなく正確には超パワーを出すエネルギーを全身に纏わせる個性。だから『フルカウル』と名付けられたわけだが、いかんせんまだ使いだして日が浅い。個性を相手が死なないように制御するための迷いと長所の一つである戦闘技術とうまく練り合わせていないという欠点がある。故に、まだやりようはある。だから、心操にもまだ勝機はあるぞ。」

 

 

 

 

 

観客を湧かせ、クラスメイトたちも驚愕した今の一撃は、人一人吹き飛ばすには十分な威力をもった一撃だった。それを受けても、相手は、心操人使は体を飛ばされて会場に叩きつけられた後に文字通り石にかじりつくように身を低くして耐え、そして倒れた姿勢から既に身を起こして再度特攻を開始した。

 

オールマイトを彷彿される一撃を受けてなお、その闘志は折れてない。寧ろその程度は既に覚悟していたのだろう。受け身を取り損ねたのか、手のひらから肘まで血が滴り落ちるのも構わずに相手は再度防御を固めて緑谷へと疾走を開始していた。

先ほどの一撃で開いた彼我の距離を埋めようと、一歩でもこちらに近づかんとするその姿勢は我武者羅であるが故に、それしか手がないようにも見える。

 

緑谷は冷静に再度相手を迎撃するために再度拳を振るった。

 

結果は同じだ。再度相手が吹き飛び、しかし、それで相手が闘技場の外に出ることはなく、相手もその闘志を折ることなく再度突っ込んでくる。今の時点でもう一撃打てば、場外まで吹き飛ばせる。けれど、それをしない。理由は2つ、期待と警戒だ。

 

緑谷出久は分析が得意であり、癖といってもいい。常に自分ができること、相手ができること、どうすれば勝つか手段を探っている。だからまだ個性が不確かな相手であり、ヒーローになるとヒーロー科の前で宣言した心操のことを警戒している。だからこそ、期待と何か自分が知らない武器があるのではないかとけん制を放った。そのために2発、単純な同じ状況を作ったが、心操の動きは変わらなかった。緑谷出久は考える。

今のやり取りで自分に近づく困難さはわかったはず。でも試合を諦める様子もない。何か手があるか?遠距離攻撃の手段……サポートアイテムがあるなら選択肢は無数だけど今の彼ではリーチを伸ばせるといったせいぜいが上着を破ってこちらに振るう程度しか思い至らない。

引き際を見極められない者はヒーローにはなれない。もちろん誰かを背にした戦いで引き際などないが、直接の戦闘で敵わないなら別の方法、仲間と連携する、助けを呼ぶ、道具を使う、場所を変えるなど何にしてもやり方を変える必要がある。

 

————ここが今の君の限界、なのかな。なら次で終わらせる。

 

確実に相手を外に吹き飛ばす。だからこそ三度目、今度は拳圧の狙いを定めて、

そこで頬に、小さな水滴が落ちたのに気付いた。

 

「ようやく、届いたぞ緑谷。触れたな、俺の血に」

 

視界の先には、ケガをした手を野球ボールでも投げるようにフルスイングした態勢でニヤリと笑う心操がいた。そう、ケガをしていた。手のひらから肘に滴るような血を流していた。それが、受け身の失敗やただのケガではなく、わざとしたものなら、この頬に血を彼自身のモノを触れさせたという事実とその成果に笑みを浮かべたということは、

 

「血を触れさせても、個性をはつ…ど………」

 

そこで、一度緑谷出久の意識は完全に途切れた。

 

『おおおおっとぉぉぉ!!ここでまさかまさかの緑谷が動きを停止させた!これは、1回戦で角取相手に見せたように、相手の意識を奪う『洗脳』の個性を発動させたってことか心操!!けど今回は相手に直接的にも間接的にも触れてねぇ!どうやった?』

『緑谷が構えた瞬間に、心操が腕をフルスイングしていたのを見ただろう。おそらくは自分の血を相手に着けたんだ。心操の突進は相手の油断を誘うこと、不自然ではなくケガをすること、そしてその血を相手に当てること、それが狙いだったということだろう。』

 

マイクが情熱的に、イレイザーが冷静に解説するが、もちろん、心操の個性について雄英教師陣は既に知っている。その()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だが、今それを言うのは公平性に欠ける。そしてわかってしまえば対策ができてしまう個性である心操の努力を踏みにじることになってしまう。

だから言わない。苦難を乗り越えられなければそれまで。それは雄英では当然である。だから担任といえどイレイザーヘッドもブラドも互いの生徒に他の生徒の個性は話していない。

放送でもそれは同じだ。わかっているのだ。この結果を、いや()()()()()()()()()()()()()心操はこの圧倒的不利な状況でも初手で個性を使わず、わざと傷ついてまでして個性の発動条件を誤魔化している。全てはこの試合だけではなく、更にその先に行くために。

 

『緑谷の個性は強力だ。だが、油断したな。そして心操は策をよく練った。その結果だ』

 

心操の言葉で一歩、また一歩と場外へ歩いていく己の生徒にイレイザーヘッドはヒーローとして、担任として冷静にそう解説した。

 

 

 

「緑谷くん!起きてー!!そのままやと負けちゃう!!」

麗日の必死の叫びも

「チッ!!何やってんだあのクソデクが!」

借りが返せねぇだろうがと苛立つ爆豪の声も

「出久!!しっかりしろ!!」「緑谷さん!お気を確かに!!」「ああ、まるで操り人形のように…緑谷さん!」

2種目目で組んだ轟、八百万、塩崎のクラスの垣根を超えた声援も、届かない。

 

だが、そんな中でまだだと緑谷を最もよく知る彼岸の声が通った。

 

「四季…でも緑谷、もう意識がないっぽいよ。ウチ等の声も聞こえてないみたいだし」

 

耳郎の声に、クラスの否、B組やそこらにいる雄英生徒たちもその言葉に肯定し、しかし彼岸の次の言葉を待った。彼岸は疑うこともなく、淡々と話す。

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

「緑谷出久の最も怖いところは、アイツが無個性であってもヒーロー足りえたと精神だ。

あいつは3月まで無個性だったことはA組なら知っているだろう。

出久は自分が無力であったという事実を知っている。だから死に物狂い努力しても届かない悔しさを知っている。

アイツは脚の骨を折っても走ってくる。肩の骨を外しても殴ってくる。必要であれば、自分の生死など関係なく向かって行く。痛みは気付け、血は目くらまし、露出した骨は凶器になり得ると体験で知っている。

救うなら、その程度の代償を払わなくては決して届かないと知っている。個性という人の枠を超えた能力を、殺傷に向けるヴィランを、化け物を凌駕するために叩き上げた人の精神。

ただ諦めない。命が続いているなら、まだ行けると信じる、その壊れ方こそがあいつの一番怖いところだ。見てろ。あのバカ、()()()()()

 

言葉が終わるのを待ったかのように、ズゴンという空気を震わす音がそこにいる全員の鼓膜を震わせた。

 

視線の先では、緑谷出久が全身に個性が発動していることを示す光のスパークを迸らせて、右拳で己の額を打ちぬいていた。

 

 

ああ、なるほど。

これが彼の、心操くんの個性か。『洗脳』ってところかな。

凄い個性だ。身体が動かない。いや、自分の意思で動かない。相手の言う通りにしか動けていない。

強い。おそらくはロボットには通じないのだろうが、対人では一撃必殺になりえる個性だ。

やられた。実践なら、負けているのは自分だ。意識を取られて既に10秒程度。彼が本当のヴィランなら意識を取られた時点で殺されている。

 

まったく、こんな無様な姿を、皆さんの前に曝すことになるとは、不甲斐ない。

申し訳ありません、先代の皆さま。

今、この縛りを解きます!

 

緑谷出久は意識を奪われた先で、己の精神世界にいる8つの人影に、この個性の継承者たちへ頭を下げて、拳に意識を集中させた。

 

次は、ない。

 

常にそこが死線と思って進め、緑谷出久。非才のこの身にできるのは、常にその考えを持つことだけなのだから。

 

集中した拳が己の額を打ちぬき、世界は再び色を取り戻した。

 

さあ反撃だ。

 

 

「凄い、個性だったよ。心操君。」

 

俺の洗脳を拳で頭を打ちぬくことで解き放つなんてありえないことを成した目の前の化け物はそんなことを言って、笑っていた。

信じられない。今まで、一度たりとも洗脳を自力でとけたものはいない。何らかの外的衝撃でのみ、洗脳はとける。

それが自分の個性のはず。なのに、

 

「どうやって、解いた。解けるはずがないのに、どうやって俺の個性を解いた」

 

「それはっ………なるほど、血がまだついているから、洗脳の範囲内にいるってことかな。でも、それはもう効かない。僕の意志までは君の個性でももう動かさせない。」

 

半分は本気で問いただすために、もう半分はもう一度洗脳を施すために叫んだ言葉は、今度は衝撃すら与えることなく解かれた。いや洗脳すら、できなかった。

 

相手は未だにこちらの洗脳が言葉に返事をすることを鍵としていることに気づいていない。だから、今の洗脳目的の声にもあっさり返事をした。

なのに、通じていない。こちらの唯一の武器が、通じない。

あらゆる布石も、ブラフも、この唯一の武器を武器として成立させるためのものであったのに。その唯一が効かない。

 

「どういう、ことだよ。なんで!?」

「僕のっ進む道は、僕が決めることだ。誰の意志でも動かせたりさせない。」

 

効いている。無効化されているわけじゃない。確かに洗脳にかかっている。ただ、一瞬で洗脳が、何の衝撃もなく解かれているだけだ。ただその意志だけで個性をはねのける。馬鹿げた力技。

信じられないことを、この眼の前の同い年の、自分よりも幾分小さな相手は事もなげに行っていた。

 

 

「ばけ、ものかよ…」

「よく言われる。でも少し違う。僕はただの人間だ。ただ進む道を決めているだけのただの人だ。それだけで、人は強くなれる。心さえ決めてしまえば、覚悟さえ決めてしまえば、人は強く在れるんだ。僕はそうして生きてきた。これからも、そうして生きていく」

 

君だってそうだろう?と軽く言って、相手は一歩を踏み出した。

 

ああ、怖い。今、俺は人生で一番怖い生物と相対している。

『個性』が効かない。それも怖い。でも一番怖いのは、コイツが一番イカレてやがるところだ。本当に、ただそれだけが恐ろしい。

 

相手は化け物。勝てないことはもうわかった。

でも、まだ、負けてない。相手を後2,3歩だけ押しだせば、こちらの勝ちなのだ。

 

もう何が何だかわからないが、負けたくなかった。化け物相手でも立ち向かう。そんなヒーローになりたいと思ったのだから、俺も進むしかないのだ。勝てないとしても負けたくはないから。

 

 

そうして、必死に殴り掛かった拳はあっさりと緑谷の左腕で外側にいなされ、個性を混ぜた言葉はやはりもう意味をなさず、最後は右のアッパーと、あとは…もう何もわからなかった。

 

「実践なら、勝っていたのは君だ。続きは、ヒーロー科でやろう。きっと君はヒーローになれるから。」

 

そんな言葉に、俺は答えることもできず、内心で当たり前だ化け物野郎と叫んで意識を失った。

 

 

2回戦、 第1試合 勝者 緑谷出久

 

 

 




というわけで、ある意味原作通りですが、こちらの緑谷出久君は覚悟ガンギマリ系主人公なので洗脳を解くために暴走なしで頭に拳一発で済ませ、以降は秒とかけずに洗脳を弾くというトンでも行動をしております。

こんな出久君ですが、ヒロイン、できる姿が想像できないんですよね。なのでアンケート参考にさせていただきます。

ありがとうございました。

緑谷出久にヒロインは必要でしょうか?あるいは必要なら誰がいいと思いますか?

  • 必要なし。あるいは主人公がヒロインだろ?
  • 原作ヒロイン麗日お茶子
  • ケロケロな蛙吹梅雨
  • B組もいいかも。
  • 壊理ちゃんでもええやん
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。