異世界空手部・やわらかスマホの裏技   作:コッコリリン

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45.迫真空手部、ワインを求めて三千里

 

 

 

 迫真空手部一行と両国の護衛のお陰で、無事開催されることとなったミスミドの首脳会談。始まる前からそれぞれの王は交友を深めていたが、それが無事に終わるかどうか、やはり国の未来を担う重要な会談であるため、どこか緊張感が漂う日々が続いていた。

 

 が、それは杞憂に終わる。会談は滞りなく進み、両国の王は互いの取り決めを交わす。最後は互いの手を力強く握り、二つの国がよりよい未来へ進みだすことを互いに願った。

 

 こうして、両国は無事、同盟を結ぶに至ったのであった。

 

「……なんか、国の未来を決める重要な会談の筈なのに、あっさりしすぎてる……しすぎてない?」

 

「まぁ、確かにとは思いますけども、最初から同盟を結ぶことは決まっていたようなものだったし、こんなものなんじゃないですか?」

 

「そういうもんなんかなぁ?」

 

「けどここに来るまで長かったよなぁ? 同盟、ちゃんと結ぶことができてよかったゾ~これ」

 

「ポッチャァ」

 

 現在、空手部の三人は、歴史書に記されるであろう会談が行われている部屋の前で暇そうにだべっていた。あまりにとんとん拍子に進むものだから拍子抜けしてしまい、両国の王が握手を交わした時点でとっとと部屋を出ていった三人。どうせこの後は同盟に関する小難しい話が続くということは確実だし、何より国同士の話し合いなのだから、部外者である野獣たちが聞くこともない故の判断だった。

 

「ってかさぁ、もうちょい時間かかるかと思ってて、俺この後予定ないんだよね。お前どう?」

 

「僕ですか? 僕も予定はないですね……三浦先輩はどうです?」

 

「あ、そっかぁ俺もやることねぇなぁ」

 

「やることねぇなぁ」

 

「どうすっかな~俺もな~」

 

「ポチャ~」

 

 うーんと唸る野獣と木村と三浦と、三浦の頭の上に座りながら腕を組むポッチャマ。確実に王宮の中で繰り広げられる会話ではない三人と一匹の話に、扉の左右を守る兵士や時々通り過ぎる使用人も奇異の目を向けるが、この三人と一匹は今更気にするような神経は持ち合わせていない。

 

 そうして、これからどうしようか悩んでいると、

 

「あぁ、皆さんここにおられましたか!」

 

「ん?」

 

 三人の耳に届く声。そちらへ目を向けると、見慣れた狐耳と尻尾を揺らす女性が歩み寄ってきた。

 

「あ、オリガさん」

 

 すっかり馴染みとなった獣人のオリガに気が付くと、木村が声をかけた。

 

「どしたぁ? なんか俺ら探してたっぽいけど?」

 

「何かあったのかゾ?」

 

 野獣と三浦が聞くと、オリガは「ああ、いえ」と前置きした。

 

「何かあったかという話ではないのです。以前お話した、オルトリンデ王に献上したワインに関しての話です」

 

「ああ! あのめちゃ美味なワインッスかぁ?」

 

「あれホントすげ~美味かったゾ~! 今でも思い出せる程に印象に残る味だったなぁ」

 

「ポッチャァ!」

 

(というより、あの状況で毒が入っているって見なされていたワインを飲む二人の方が印象強すぎるんだよなぁ……)

 

 木村は先輩二人をジト目で見やりながらそう思ったが、あえて何も言うことはなかった。

 

「はい。先日、そのワインを製造している村へ、ワインがあるかどうか手紙を出してみたところ、今年は葡萄が豊作だったらしく、まだ残っていると返事が来たのです。なので今度、皆さんで村へ向かいませんか? 案内は私がいたします」

 

「いいんスかぁ!?」

 

「お、いいゾ~それ!」

 

「ポチャ!」

 

 オリガの提案。それは食べること、飲むことが大好きな野獣と三浦とポッチャマにとって願っても無い話だった。テンションも自然とうなぎ上りである。木村もテンションを上げていたが、それでも懸念することもある。

 

「いいんですか? 同盟は結べましたが、これから忙しくなりそうというこのタイミングで……」

 

「大丈夫です。というのも、此度の同盟を結ぶことができた褒美ということで、陛下直々に私たちにしばしの休暇が与えられたんです。なのでこの機会に、以前お約束したお礼をしたく……それに、ミスミドの素晴らしさをもっと皆さんに知って欲しいのです」

 

 貴重な休暇なのに、以前救われた恩を返そうとするオリガ。そんな彼女にそこまで言われてしまえば、木村から何も言うことはなかった。

 

「そうですか……じゃあ、せっかくなのでお願いします」

 

 木村も顔を綻ばせ、オリガの提案を受ける。それを聞いて、オリガは顔は喜色に染まった。

 

「よかった! では、また詳しい日程などについては後程に……」

 

「FOO! 楽しみ~!」

 

「いっぱい飲むゾ~!」

 

「ポチャァ!」

 

「オリガさん、ありがとうございます」

 

 ペコリと頭を下げ、興奮冷めやまぬ野獣たちのもとを去っていくオリガ。その背中を見届けていると、再び彼らに声がかかった。

 

「あら、あなた」

 

「ん?」

 

 背後からの声に振り向けば、そこには黒いゴスロリを身に纏った一人の銀髪の少女。足元には小さくて丸っこい足で自立している、一体の熊のぬいぐるみ。

 

「あれ、リーンじゃん。こんなところで何してんだよお前」

 

「こっちの台詞よ。そこ、首脳会談してる部屋でしょ。普通たむろして話すような場所じゃないわよ?」

 

 妖精の長リーンが、呆れながら野獣たちに言う。ぬいぐるみことポーラも、肩をすくめるような仕草で呆れていることを表現した。

 

「いいだろ別に、同盟成立の日だぞ(無礼講)」

 

「別に構わないわよ。それにここ、私の城内散歩ルートだし」

 

「お前も人のこと言えねぇじゃんアゼルバイジャン(呆れ)」

 

 どんな客人でも普通王宮内に散歩コースを決めて歩き回らないだろう。そう思った野獣だったが、お前も大概だろとは木村含めた誰もが思う。

 

「えっと、先輩? この子、先輩の知り合いですか?」

 

 ここで木村が野獣に問う。突如現れた見知らぬ少女が、野獣と親し気に会話しているのを見るのは木村からすれば軽く驚く光景だった。

 

「あ、お前ら直接会うの初めてだっけ? こいつ、こないだ話したプログラムのこと教えてくれたリーン。こんな子供みたいな見た目なんだけど妖精の長で俺らよりBBAなんだってさア゛ア゛ア゛ア゛ア゛痛い痛い痛いぃ!!(悶絶)」

 

 失礼な紹介した瞬間、リーンの傘の先端が野獣の眉間にいい感じに突き刺さって野獣は転げまわった。

 

「レディに対してなってないわね。そこで転がってなさい」

 

「え、えっと……」

 

「お~、この熊さん可愛いゾ~これ! ポッチャマといい勝負してるなぁ」

 

「ポチャ!?(なんやて工藤)」

 

 冷たい目で野獣を見下ろすリーンの容赦のなさに若干引き気味の木村と、ポーラの頭をポフポフと撫でる三浦。その頭の上でポッチャマはショックを受けた顔をしていた。

 

「……さて。改めて、私はリーン。妖精族の長よ。よろしく」

 

 言って、背中の四枚の透き通った羽をヒラヒラと動かす。本物の妖精が目の前にいるという事実に、木村は再び驚愕した。

 

「本物の妖精……すごい、初めて見た」

 

「綺麗な羽だゾ~! 妖精って小人みたいなのじゃなくって普通の人みたいなんだな~」

 

「まぁね」

 

 二人のリアクションに少し満足げなリーン。ポーラもエヘンと胸を張るような仕草をした。

 

「あ、あぁ、僕は木村です。木村ナオキといいます」

 

「三浦だゾ。こっちはポッチャマ。よろしくな~」

 

「ポッチャ……(ジェラシー)」

 

 驚くばかりで名乗っていなかったことに気付いた木村たちも、続けて名乗っていく。その際、ポッチャマはポーラに対してつぶらな瞳を気持ち鋭くさせて睨みつけていた。ポーラは疑問符を浮かべているかのようにコテンと頭を傾けた。

 

「ったくぅ、いきなりブッ刺すことねぇだろうお前よ~」

 

 と、野獣が額から血をドバーッと流しながら立ち上がった。傍から見たらホラーである。

 

「あまりにも失礼だったからよ、自業自得でしょ? ……というより、私としてはあなたのその回復力の高さが異様すぎて引くんだけど。本当に人間?」

 

「ひどスギィ!」

 

 尚も蔑んだ目を止めないリーンの毒舌に、野獣はプンプンと怒りながら手をバタバタさせた。

 

「ま、そんなことどうでもいいわ。それより、さっきあなたたちオリガと何か話してなかった?」

 

「クゥ~ン……(ガチ凹み)」

 

「ああ、オリガさんが今度ワインの美味い町に案内してくれることになったんだゾ~これ! 王様に献上されるようなワインで実際めっちゃ美味かったから、すげ~楽しみなんだゾ~!」

 

 そんなこと扱いされて四つん這いになって凹む野獣を他所に、質問するリーンにうきうきという擬音が付きそうな程に楽しそうに答える三浦。

 

「国王ってベルファストの? そこに献上される程のワインとなると……あぁ、あそこね」

 

「知ってるんですか?」

 

「ええ、有名だからね。と言っても、まだ訪れたことはないんだけど……ん~」

 

 と、木村に答えた後に、リーンは指先を口に当てて考え込んだ。

 

「ん? リーンちゃんどうしたゾ?」

 

「……リーンちゃん、ね……田所の言葉の通り、あなたたちより私の方が年上なんだけど……まぁ、いいわ」

 

 子供扱いされることに不服を覚えたが、三浦のような人間には恐らく何を言っても無意味なのだと、リーンの中の長年の勘が囁いたため放置することにした。

 

「ねぇ、一つ提案があるんだけど、いいかしら?」

 

 そうして、リーンは三人に告げた。

 

 悪戯っぽく、どこか妖艶に笑いながら。

 

 

 

 

 

~3日後、6時04分~

 

 

 

 

 

「……」

 

「……」

 

「ぬぬぬ……!」

 

「ポチャ……」

 

 うららかな日の温もり降り注ぐ、ミスミドのとある田舎道。そこをのんびりと進む屋根付きの馬車の中にて、三浦、八重、アルマ、ポッチャマが互いに向かい合うようにして座り込んでいた。

 

 睨み合う三人一匹の手元には、五枚のカード。緊迫した雰囲気を打ち破る様にして、八重が手にした五枚のカードを勢いよく馬車の床に叩きつけた。

 

「フルハウスでござるぅ!!」

 

「あ、おい待てぇい(江戸っ子)。俺はフォア・カードだゾ」

 

「私、ストレートフラッシュ出ました」

 

「あああああああああ!? ようやく強い役が来たと思ったのにぃぃぃぃぃ!?」

 

「八重ちゃんが得意なゲームがなかなか見つからないゾ……(憐憫)」

 

「八重さん……」

 

「う、うぅ……そんな目で見ないで欲しいでござる三浦殿、アルマ殿~……!」

 

「……ポチャ(ロイヤル・ストレート・フラッシュ)」

 

「「「ファッ!?」」」

 

 何てことはない、木村が練習のつもりで作ったトランプを使ってポーカーをしていた三人と一匹は、割と白熱して一喜一憂していた。

 

 そしてその横では、

 

「えっと、この部分をはめ込んで……モデリングで形を調整して……」

 

「木村さん、このパーツはどこに?」

 

「ああ、それは後で柄部分に付ける物ですね。そっちの金属を取っていただけますか?」

 

「はい、どうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

 木村とユミナが互いに身を寄せ合いながら何かを作っていた。傍から見たらどう見てもカップルなのだが、もうこの光景も見慣れたものだということだろうか。誰も指摘する者はいなかった。

 

「へぇ、随分と面白いわね。配られたカードから強い役を作って、誰が一番強いかを競うゲーム、ね……賭け事に適してそう。それにあっちの彼は、聞けば全属性使える上に無属性魔法もいくつも使えるんですってね。プログラムも聞いただけで使えるって言うし……弟子にしてみようかしら?」

 

 そんな彼らを見守るのは、日傘を膝の上に置きながら座り込むリーン。彼女の横には、ポーラが馬車の揺れに合わせて前後にゆらゆらしていた。

 

「……あのさぁ。今更なんだけど、なんでお前まで付いてきてるわけ? 何? 暇なの?」

 

 そんな彼女の横では、野獣が意味がわからないとばかりにリーンに問う。思い返すはオリガが連れて行ってくれると言ってくれた3日前。リーンの提案、それは自分もその旅、もとい旅行についていくという話だった。突然の話に面食らった一行だったが、特に反対する理由もないため、その時は許可したが。

 

「あら、付いてきていいって言ったのはあなたたちでしょ? 不満でもある?」

 

「いや不満とかはないんだけどさぁ。流石に唐突すぎる……唐突すぎない? 俺らってまだ会ってそんな経ってないわけじゃん? お前が付いてくる意図がよくわかんなくってさぁ」

 

「ああ、なるほどね」

 

 野獣の意見は尤もだと、リーンは納得したとばかりに頷いた。

 

「そんな深い理由はないわ。ただね、単純に興味があっただけ」

 

「興味?」

 

「そ。噂の竜殺しの田所と、そんな人間が所属するパーティ『迫真空手部』とやらが、ね」

 

 たった数人で凶悪な竜を仕留めたばかりか、国王を襲った賊を機転と発想で退けたという迫真空手部。600年以上生きているリーンですら異様に見える風貌もさることながら、中身は普通の人間を凌駕している彼ら。そんな彼らに大きな興味を持つのは、好奇心旺盛なリーンにとって当然の帰結であった。

 

 そんな彼女の横で胡散臭そうな顔をしている野獣は、その興味の対象の筆頭だろう。

 

「え~? 別にこれから戦いに行くわけじゃないんだからさぁ」

 

「そう? まぁ、もしかしたら、もしかするかもしれないじゃない?」

 

「(せっかくの旅行なのに戦いなんてしたく)ないです」

 

 クスクス笑うリーンに、野獣はげんなりする。リーンのように相手を手玉に取ろうとする人間はどうも苦手だと、野獣は痛感した。

 

「けど、残念ですね……冬夜さんたちも来られればよかったのに」

 

 ふと、ユミナが木村の手伝いをしながらポツリと呟いた。ユミナの言うように、今ここにミスミドまで苦楽を共にした少年と双子の姉妹はいない。

 

「ああ、別に来てもよかったのにな~。ワイン飲み放題なんだしよ~」

 

「しょうがないですよ。冬夜くん、未成年ですし。それに一度リフレットに帰って休息したいって言ってたし」

 

 無論、野獣たちは冬夜たちをこの旅に誘いはした。が、返ってきたのは申し訳なさそうな冬夜の顔。

 

『ごめん、お誘いはありがたいんだけど、一旦リフレットに帰ろうかなって思ってたんだ。エルゼとリンゼもなんだかんだで結構疲れちゃったらしいし、みんなにお土産も渡したいからね……それに僕、未成年だからお酒はちょっと……』

 

 確かに、ここ数日は怒涛の毎日ではあった。そんな冬夜に対して無理に誘うこともないと思った一行は、名残惜しくも冬夜たちと別れることとなった。無論、この旅でお土産を買って持って帰ることを約束した。

 

 因みに最後の冬夜の言葉に(お前が言うな)というツッコミが一行の脳裏に過った。何故そんなことを思ったか、彼らにもわからない。

 

「しょうがねぇな~。んじゃとりあえず冬夜には美味い物でリンゼには何かアクセサリー的な物、エルゼの奴には木彫りのゴリラみたいなのがあればそれ買って帰るか」

 

「なんでアンタはそうやってエルゼさんの逆鱗にあえて触れようとするんですか」

 

「だからいっつもボッコボコにされるでござる……」

 

「そうだよ」

 

 自殺行為に等しい野獣のエルゼに対する揶揄いに、木村と八重は呆れた。ついでに三浦は便乗した。

 

 馬車の中でワイワイしている迫真空手部一行。そんな彼らの騒ぐ声を耳にしながら、御者をしている二人の人物は笑い合った。

 

「ホント、皆さん仲がいいんですね。何だか羨ましくなってしまいますよ」

 

「ええ。アルマもあんなに彼らに懐いて……姉としては、ちょっぴり嫉妬しちゃいます」

 

 二人こと、オリガとリオン。リオンが手綱を引き、その横でオリガがくすくすと笑った。流れゆくのどかな景色と共に映るその横顔を見たリオンは、頬を赤く染めて慌てて目を逸らす。

 

「……その、オリガさん。今回は部外者の自分をお誘いありがとうございます」

 

 そんな自身を誤魔化すかのように、リオンはオリガに礼を言う。リオンがここにいる理由、それはオリガ自らがリオンも共に旅に来て欲しいという願いからだった。リオンはベルファスト王国の兵士であり、他国にいる国王から離れることは、本来であれば許されないことではある。が、その王からリオンとその他の兵士たちに対し、警護にはローテーションを組むような形でそれぞれ休暇が与えられたのだった。今回はリオンが休む順番が回ってきたため、こうして馬車の手綱を握っているというわけである。

 

 リオンは、内心ではオリガと二人きりではないことにほんの少し残念な気持ちも抱いてはいるが、野獣たちが気を利かせてオリガとリオンが御者となり、必然的に隣同士となれた。この休みをくれた王と迫真空手部一行に、リオンは深い感謝を抱いた。

 

「部外者だなんてそんな……リオンさんにはたくさんお世話になっていますし、ミスミドの素晴らしさをリオンさんにも知って欲しいという思いもあります……それに」

 

「それに?」

 

 言って、オリガはそっぽ向く。どうかしたのだろうかとリオンがオリガの顔を覗き込もうとすると、

 

「……リオンさんと、一緒にいたい……って、思ったものでして……」

 

「え」

 

 ピコピコ動く狐耳とゆらゆら揺れる尻尾。かろうじて見えるオリガの頬は、リンゴのように真っ赤になっていた。

 

 思わず閉口するリオン。その顔は、オリガ以上に、というかリンゴそのものになってしまうのではないかと思われる程に真っ赤っかになっていた。

 

「うわ、うわぁぁぁぁぁ……甘酸っぱい。甘酸っぱいでござるぅぅぅぅ……!」

 

「本当に素敵なお二人です……是非とも幸せになって欲しいですね……」

 

「ふーん……というかあの二人、私たちがいること忘れてないかしら?」

 

「二人の世界に入っちゃってるからね、しょうがないね(後方から見守る友人)」

 

「ん? オリガさんとリオンさん、顔めっちゃ赤いなぁ? 体調よくないのかゾ?」

 

「あの、木村さん? 三浦さん、わざと言っているわけじゃないですよね……?」

 

「アルマちゃん、この人はこういう人なんだ。だから気にしないであげて欲しいんだ……」

 

「ポッチャ(鈍感主人公そのもので草)」

 

 馬車の車輪が擦れる音と、馬の蹄の音を鳴らしつつ、桃色の空間に包まれながら、空手部一行を乗せた馬車は進み続ける。ミスミドの晴れやかな空の下、やがて一行は村の敷地へと入っていった。

 

 件のワインがあるとされる『レレス』の村はもうすぐそこだ。

 




レレスの村は原作54話にある村だゾ。ただどんな村だったかという記述はなかったっぽいんで、勝手にワインの美味い村という二次設定つけたったゾ。

今後の活動についてではなくお気楽アンケート開催。アニメ異世界スマホのEDでスマホ太郎がヒロインたちに手を差し出すシーン、差し替えるとしたら誰がいい?

  • スマホ太郎(アニメ主人公)
  • 望月冬夜(原作主人公)
  • 野獣先輩
  • 三浦
  • 木村

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