異世界空手部・やわらかスマホの裏技   作:コッコリリン

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ここの野獣はGO様補正無くても元から強い設定です。だからもうそれだとオリ主になっちゃうだろいい加減にしろ!!(自分で自分の首を絞める作者の屑)


8.迫真空手部、新しく生まれ変わる

 ソードレック子爵の屋敷の庭には鍛錬場がある。そこでは子爵は勿論、彼の屋敷の衛兵が訓練するために利用している。それだけならば特段珍しいことではない。文武両道を地で行く子爵ならではの施設だからだ。

 

 だが野獣たちには、その鍛錬場が普通の鍛錬場ではないことがわかった。それというのも、

 

「ファッ!? これどう見ても剣道場じゃないスか!」

 

 日本家屋に似た外観、そして磨かれた板張りの床と天井近くに飾られた神棚や壁に立てかけられた何本もの木刀等といった内装が、野獣たちの世界でも馴染みのある物だったからである。

 

「驚いたか? ここは重兵衛殿が設計し、私の父上が建てた道場でな。イーシェンにある道場と同じ造りになっているのだ」

 

「道理で実家の道場とよく似ている訳でござる。いや懐かしい」

 

 これもまた日本を想起させる道着に着替えた子爵が自慢気に語る。それを聞いて懐かしそうに笑う八重。そして野獣たちはというと、イーシェンという国が限りなく日本に近いということを再認識していた。

 

「すごいゾ~これ。空手部の道場が懐かしくなるな~」

 

「そうですね……先生、元気にしてるでしょうか……」

 

 道場を見ていた三浦と木村は、いつも厳しくも見守ってくれていた先生を思い出す。師である先生が、自分の教え子たちが死んだという事実をどう受け止めているのだろうか……望郷の念に駆られた木村が寂しげに呟いた。

 

「さて、では早速始めようか。好きな木刀を選ぶといい」

 

 そうこうしている内に、八重の実力を見るために子爵が木刀を手に持ちながら言う。八重もまた、壁に立てかけられた幾つかあるうちの一本の木刀を手に取って、軽く素振りをした。

 

「そうだ、お前たちの中で回復魔法を使える者はいるか?」

 

「え? 僕ですけど……」

 

 どういう意味かという意味合いを込めて木村が言うが、子爵は答えずに獰猛に笑って返した。

 

「ならばよい。加減はいらない……全力で来るがいい」

 

「よろしくお頼み申す」

 

 子爵と八重が少し離れた位置で向かい合い、互いに木刀を構える。その瞬間、場の空気が変わった。張り詰めたような緊張感が漂い、二人から離れた位置で座っている野獣と木村が固唾を飲んで見守った。

 

 そして、審判役を買って出た三浦が二人の間に立ち、片手を上げ、

 

「では……始め!」

 

 それを振り下ろし、叫ぶ。模擬戦が始まった合図だ。

 

「でやぁぁぁっ!」

 

 始まるや否や、八重が飛び出す。その速度はさながら弾丸。正面から突っ込んでいった八重が切りかかるも、それを易々と子爵は木刀で受け止めた。

 

 そこから始まる、八重の連撃。一太刀ごとに乾いた音が道場に鳴り響き、その衝撃で僅かながら風が吹く。傍から見ても鬼気迫るものがあり、そこいらのチンピラなど相手にすらならないだろう。最初の攻撃の時点で、すでに昏倒しているのは間違いない。

 

 しかし、相手は剣の達人。子供のお遊戯の相手をしているかのように、涼しい顔で受け流し、或いは躱し続けている子爵。一度距離を取り、呼吸を整えつつ子爵の周りをじりじりと歩いて隙を伺う八重だったが、子爵は悠々とその場に立っているだけで八重を目で追うのみ。再び八重の連撃が始まるも、最初と変わらず子爵はそれを軽く受けては流していくだけだ。

 

「なるほど、流石は重兵衛殿の娘。腕は確かなようだ」

 

 八重が力強い上段からの振り下ろしを受け止め、そのまま競り合う形で持って行った子爵。そして何か納得がいったとばかりの顔で頷いた。

 

「お前の剣は正しい剣だ。重兵衛殿から教わった通り、動きに無駄が無い。まさに模範的とも言える剣だ」

 

「……それが何か」

 

 余裕の顔で言われてカチンと来たのか、いつもの八重の声がやや低くなる。それに歯牙にかけず、子爵は続ける。

 

「悪くはない……だが」

 

「っ!」

 

 子爵が木刀を振り上げる。その勢いに思わず八重は吹き飛ばされ床を滑るも、すぐに止まって体勢を立て直す。子爵は追わず、変わらず立っているだけだ。そしてそのままで八重に告げる。

 

「お前にはそこから上はない」

 

「な……」

 

 どういう意味か……それを問う前に、子爵の雰囲気がガラリと変わる。上段に構えられた木刀から発せられる覇気を前にして、八重の動きに乱れができた。

 

「今度はこちらの番だ……行くぞ!」

 

 ダンッという踏み込みの音がしたかと思うと、瞬きの間に子爵が八重の目前に迫っていた。慌てて木刀を構えてそれを迎え撃つ八重だったが、子爵の振り下ろしは強力無比の一言であり、一太刀防いだだけで八重の手に痺れが走る。そこを容赦なく、子爵の剣が次々と振るわれ、縦横無尽とも言える連撃の数々に八重は防ぐことしかできない。

 

「くっ……!」

 

 反撃の糸口が掴めぬまま、八重は押し切られていく。やがて一拍置き、子爵の木刀が再び上段から振り下ろされんと迫る。それを受け止めんと、八重は木刀を横にし、頭上に掲げ、そして、

 

「あ、がっ……!?」

 

 脇腹に、凄まじい衝撃が走った。肺から空気が漏れ、言葉にならない激痛に意識が飛びそうになる。上からくるはずの木刀が何故か横から振るわれているという事実を前に混乱するよりも先に足から力が抜けて行き、力を入れようにも身体が言うことを聞かず……そのまま八重の身体は冷たい道場の床に沈んだ。

 

「それまでだゾ!」

 

 三浦が模擬戦の終了を告げる。子爵は一息つきつつ、木村へ視線をやった。

 

「回復魔法をかけてやってくれ。肋骨が何本か折れているだろうからな」

 

「は、はい!」

 

 凄まじい模擬戦を目の当りにしていた木村は呆然としていたが、子爵からの声に正気を取り戻し、慌てて八重に駆け寄ってキュアヒールを唱える。脇腹を抑えて呻いていた八重の荒い呼吸が、ゆっくりと正常へと戻って行った。

 

「だ、大丈夫ですか八重さん!?」

 

「か、かたじけない……もう大丈夫でござる」

 

 たちどころに怪我が治った八重は、案ずる木村にそう返すとゆっくりと立ち上がり、深々と頭を下げた。

 

「御指南かたじけなく……」

 

「何故今倒れたか、理解したか?」

 

 子爵に問われるも、八重は力無く頭を振った。

 

「……お前の剣には影がない。虚実織り交ぜ、引いては進み、緩やかにして激しく……正しい剣が悪いとは言わない。だがそれだけでは道場剣術の域を出ぬ」

 

「っ……!」

 

 一言一言が八重の胸に刺さる。それでも子爵は続けた。

 

「お前は剣に何を求める? 何故剣を振るう?」

 

「……」

 

 答えられなかった。ただ八重は沈黙のまま、己が握る木刀を見つめるしかできない。

 

「まずはそこからだな。それがわかれば、道が見えて来る筈だ……さて」

 

 八重との模擬戦が終わり、これで終了かと思ったが……子爵は、視線を八重から外した。その視線の先には、模擬戦を座りながら見ていた野獣。

 

「そこのお前。野獣、と言ったか?」

 

「ファッ!? そうっスけど」

 

 いきなり話を振られた野獣は驚く。何故急に声をかけてきたのかと疑問に思う間もなく、子爵の目がまたも鋭くなった。

 

「一目見て気付いた。お前もまた、剣を志す者だとな……私と一戦、剣を交えてもらおうか」

 

「え、何それは」

 

 突然の誘いに困惑する野獣。拒否権はないのかと野獣が思っている間、子爵は八重に言った。

 

「他の者の戦い方を見ておれ。他者との戦いを間近で見ることもまた鍛錬だ」

 

「……わかりました」

 

 落ち込む八重だったが、言われた通りに下がっていき、木村の隣に腰を下ろした。

 

「ちょっと待ってくださいよ。俺もやるんスか?」

 

「そうだ。私はお前から只ならぬ何かを感じた……木刀を取るがいい。早速始めよう」

 

「……しょうがねぇな〜(諦め)」

 

 やる気のない野獣に対し、やる気満々の子爵。対照的な二人だったが、野獣は渋々と言った風に幾つかある木刀を一つ一つ手に取ってみる。

 

「この太いッ! のでいいか」

 

 何故太いを強調したのか謎だが、とりあえず一番上の握りが太い木刀を手に取った。そして八重が立っていた場所に野獣が立ち、子爵と向かい合う。

 

「……木村殿、少しよろしいでござるか?」

 

「はい? 何でしょうか」

 

 隣に座る木村に八重が話しかける。その顔には困惑の色が見えた。

 

「野獣殿は、剣の腕は確かなのでござるか? 確かに以前、リザードマンと戦った時には剣を振るっていたでござるが」

 

 スゥシィを救う際に見せた野獣の戦いっぷり。八重は己と相対するリザードマンを相手取っていたためによく見ていなかったが、それでも確かに野獣は強かったということはわかる。しかし、子爵と相対するに値する程なのかと言われると首を捻らざるをえない。

 

 だが子爵自ら、野獣を指名した。その意味を考え、木村に聞いてみた。

 

「……正直、僕も詳しくは知らないんですけどね。随分昔、それこそ僕らと出会う前にある人から剣を教わっていたとは聞いています……けど」

 

 答える木村は少し言い淀んでいた。が、その顔は自信に満ち溢れている。

 

「野獣先輩が強いのは、確かです」

 

「っ……」

 

 木村の言葉に嘘はない。八重はそう確信する。

 

 ならばどれほどのものか、見定めなければいけない……八重は再び、相対する二人へと目を向けた。

 

 

 

 

 

「遠慮はいらない……お前も全力で来るがいい」

 

「オッスお願いしまーす」

 

 頭を下げ、挨拶をする野獣。そして、正眼で木刀を構える子爵に対し、野獣は構えらしい構えは取らず、仁王立ちとも言える立ち方のまま右手に木刀を握る。

 

 緊迫する空気。それを断ち切るようにして、間に立っていた三浦が合図をした。

 

「始め!」

 

 すぐさま飛び退く三浦。しかし始まっても尚、二人は動かない。互いに木刀を構えたまま見つめ合っているだけだ。

 

 隙を伺っているのか、八重の時のように子爵が受けに徹しているのか、見ている者たちからはわからない。それでも場の緊張感は途切れず、張り詰めた空気が流れる。

 

(こいつ……!)

 

 当の子爵は、動かない……否、そうではなかった。

 

(隙が、ない……!)

 

 動けなかった。

 

 子爵が見ていたのは目だ。先ほどの八重の目は、子爵に一太刀入れるために闘志に燃えていたが、それゆえにどこから振るわれるのか手に取るようにわかった。だからこそ簡単に防ぐことができた。だが、目の前に立つ男、野獣はそれがない。

 

 闘志がないどころではない……まるで、虚無だ。

 

 ボーッと突っ立っているように見えるのに、どこから攻めればいいのかが掴めない。得体の知れない何かが、野獣から発せられていた。

 

(こんな奴は初めてだ……!)

 

 恐れはない。だが打ち込めない……子爵は初の経験を前にして、思わず生唾を飲み込んだ。

 

 それがまるで合図となったかのように、状況は一気に動き出す。

 

「っ!?」

 

 野獣が消えた。だが気配を感じ、子爵は木刀を横へ振るう。乾いた音がしたかと思うと、そこに野獣が木刀を手に立っていた。

 

「ぬぅん!」

 

「おっぶぇ!」

 

 子爵が唸り、木刀を薙ぐように振るう。瞬間、野獣はその場で跳躍、五回転宙返りをして距離を取り、木刀を手に駆ける。

 

「行きますよ~行く行く!」

 

「っ!」

 

 そこから始まる、野獣の猛攻。上段、薙ぎ、下段。ありとあらゆる方向から振るわれる木刀を、子爵は受け止め、或いは流していく。子爵も負けじと恐ろしい速度で木刀を振るうも、野獣はそれを防御、続けて振るわれる二撃目は後ろへ下がって回避、道場の床を踏みしめて勢いよく飛び出し、子爵へ突きを放った。

 

「く……っ!」

 

 木刀を縦に持って受け流すも、野獣はそこで終わらない。コマのように身を回転させると、そのまま子爵の背後に回り込む。

 

「なにっ!?」

 

 子爵もこれには予想外とばかりに驚愕、だが前方に転がるようにして野獣の回転の勢いを利用した薙ぎ払いを回避した。

 

「爆砕かけますね!」

 

 野獣は逃がさないとばかりに子爵に追いすがる。子爵はすぐさま立ち上がり、木刀を手に構える。瞬時に接近した野獣は、目にも留まらぬ速さで上段からの振り下ろし、剣道で言うところの面打ちを連続で放つ。ワンパターンな攻撃と侮るなかれ、その力は凄まじく、子爵が持つ手が一撃ごとに震えていく。

 

「くっ!!」

 

 このままではまずいと判断した子爵は、野獣の連続攻撃から抜け出すべく横へと足を踏み込む。が、そこを野獣の横薙ぎが襲い……子爵はかろうじて、それを防いだ。

 

「やりますねぇ!」

 

「お前もな!」

 

 ギリギリと木刀がせめぎ合う。顔を突き合わせるように至近距離で笑う野獣に、子爵もまた笑う。お互い身体の内から湧き上がる熱い高揚感に身を任せるがまま、二人は木刀を振るった。

 

 

 

 

 

「な……何という……」

 

 その光景を間近で見ていた八重は唖然とする。子爵の剣についていくのがやっとだった己に対し、野獣は子爵と互角に渡り合っている。しかも野獣の素早さといったら、子爵が一瞬反応が遅れる程だった。それを目の当りにし、八重は野獣がとんでもない人間であることを再認識した。

 

「やっぱり野獣先輩はすごいなぁ。さすがあの人から教えを受けていたってだけある」

 

「ものすごいダルルォ? けどあの子爵さんもすごいゾ~。野獣と渡り合えるなんて流石だよなぁ?」

 

 木村と、二人の下に来て座った三浦が野獣の戦いっぷりを前にして納得いっているように話し、そして子爵を称賛する。普通なら子爵と戦えている野獣を称賛するところなのだが、やはり二人は野獣が強いということをわかっていた。

 

「あの……つかぬことをお聞きするでござるが……」

 

「何ゾ?」

 

 八重が聞き、三浦が答える。

 

「野獣殿は、一体どのようにしてあのような技術を身に付けたので? まるで曲芸を見ているような、そんな奇異な動きでござるが……」

 

 言って、子爵の攻撃を飛び跳ねるようにして回避する野獣を見る。あんな戦い方、八重は見たことが無い。実に奇妙でいて、それでいて身体能力が高くなければできない戦い方だ。

 

「あれは野獣のオリジナルだゾ。元々野獣は身体が柔らかいから、それを組み合わせた剣術が得意なんだゾ~」

 

「さっきも説明しましたけど、あの人は迫真空手部に来る前は知り合いの人のところで剣を学んでいたらしいんですよね。本人はあまり乗り気じゃなかったとは言ってましたけど、通っていくうちにのめり込んでいっちゃったらしくって、空手部に来てからも休みの日には顔を覗かせに行ってたらしいです」

 

「その道では有名な人だったらしいからな~。その人からお墨付きをもらってるから、野獣の剣の腕はものすごいんだゾ~」

 

「……」

 

 二人の話を聞いて、八重は思う。野獣のあの戦い方は、完全な我流ではなく、その人の教えを守りながら独自に発展させていったのだと理解する。

 

 つまり、あれで野獣は基礎を守りつつ、それでいて己なりの剣を作り上げていったということだ。

 

(……そういうこと、でござるか)

 

 内心で八重は納得する。今ならば子爵が言っていた『正しいばかりの剣では上に行けない』という意味が、ほんの少しだけわかった気がした。

 

 

 

 

 

 

「やはり私の見立ては間違っていなかった! お前の師は何という名だ!?」

 

「特にはないです! しいて言うなら『おじさん』と本人は呼ばせていました!」

 

「なるほど、そのおじさんとやらは誇りだろう! ここまでの剣士を育て上げるとはな!」

 

「照れますねぇ!」

 

 言い合いながらも、模擬戦は続いている。次々繰り出される互いの一撃は命中することなく、木刀に命中しては甲高い音を鳴らす。何合打ち合ったのかすらも最早わからない程だ。

 

「そろそろ決めるぞ! 来い!」

 

「ホラ行くど~!」

 

 互いに距離を離し、子爵は剣を上段に構える。そして野獣は飛び上がり、子爵よりもさらに高く、宙からの一撃を見舞うべき木刀を振るった。

 

「子爵のあれは……拙者を打ち倒したものと同じ攻撃を!?」

 

 その動きに覚えがあった八重は、野獣があれをどう突破するのかと考え、一挙一動見逃さまいと目を見開く。木村と三浦も同じく、この戦いの決着を見届けようと目を逸らそうとしない。

 

(この一撃で……!)

 

 子爵は木刀を掲げるように構えたまま、迫り来る野獣を迎え撃つ。八重にも使った同様の技だ。

 

 この技は上段に構えているが故、振り下ろしが迫ると相手は考えるだろう……だが、その実は違う。高めた闘気を剣とする、その名を『影の剣』と呼ばれる技だ。闘気で作られたために剣が迫るという気配はあれど、それは幻。実際の剣は闘気を纏わずに別の方向から振るわれるために、相手は幻の剣に気を取られている間に実体の剣に防御する間もなく振り抜かれる。八重は上段の剣に気を取られ、胴に振るわれる剣に気付かなかったが故に倒れた。

 

 再び同じ技を野獣に繰り出すべく、子爵は気を練り上げる。そして、

 

(もらった!)

 

 迫る野獣の木刀は突きの形となって子爵に迫る。だが子爵の本物の木刀は下段から振るわれる。野獣は上段に構えられた幻の剣に気を取られ、防御すらできない筈だ。

 

 勝った……子爵はそう確信した。

 

 そして今、子爵が剣を振るおうとしたその瞬間、

 

「……っ!?」

 

 一瞬だけ、子爵の剣が動きを止めた。

 

 

 

 

 

 

 と、唐突だがここで少し思い出してもらいたいことがある。それは時間を遡ること公爵家のテラスにて、公爵と共にみんなで紅茶を飲んでいた時だ。

 

『旨スギィ! これなら114杯飲んでも飽きねぇぜ! この紅茶いくつかもらってもいいかなぁ? アイスティーにして飲んでみてぇ!』

 

 この時、はしゃぎながら出された紅茶を飲みまくっていた野獣。そしてこの言葉通り、野獣は実際に114杯ももらっていた。普通の人間ならば身体に異常をきたすレベルだが、そこは野獣。常人にはない身体の造りとなっているために大した問題はない。

 

 しかし、どれだけ頑丈でも、やはり野獣は人間。常人よりも強かったり、ステロイドハゲと呼ばれたり、その肌の黒さから『ウ〇コの擬人化』などとよく揶揄されたりしているが、それでも野獣はれっきとした人間である。

 

 つまり、それだけ水分を摂るとなると、内臓に何も影響がないというわけにはいかない。大した問題にはならなくとも、それでも一応問題は起きる。今の野獣が行き付く先は……。

 

 

 

 

 

「――――――ッ!!!!」

 

 突如として鳴り出す野獣の腸。さながら雷が轟音を鳴らすかの如く唐突にして壮大な音。そして襲い来るすさまじいまでの……。

 

「はぁっ!!」

 

「ンアッーーーーーー!!」

 

 と、そんな時に子爵から強烈な下段からの一撃が野獣に命中、木刀を手放して悲鳴を上げながら吹っ飛んでいく野獣は、道場の壁に激突、「オォン!」と叫びながら道場の床に転がった。

 

「……は?」

 

 あまりにも呆気なさすぎて、思わず八重からそんな間抜けな声が出る。木村と三浦もよくわからず、呆けた顔をする。吹っ飛ばした張本人である子爵もまた同じくポカンとしていた。

 

「……そこまで、だゾ」

 

 それでも一応、三浦が模擬戦終了の合図を送る。その瞬間、野獣が飛び起きた。

 

「アァッ! ハッ! アァッ! ハッ!」

 

「や、野獣殿!?」

 

 突如として喘ぎにも似た声を上げ出した野獣に八重が驚きつつ、どこか大怪我をしたのかと思い木村に回復魔法を頼もうとした。が、それは杞憂だとすぐ気付く。

 

「すんませへぇ~ん! トイレどこっスかねぇ!?」

 

「は?」

 

 尻を抑えながらの突然の質問に、八重が素っ頓狂な声を上げる。呆然としていた子爵が、その質問に答えた。

 

「あ、あぁ、道場を出てから右に回ればすぐだが……」

 

「ありがとナス! もも漏れるぅぅぅぅぅぅぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 聞くや否や絶叫しながら凄まじい速度でダッシュ、道場から飛び出してく野獣。後に残された一行の間には、何とも言えない空気が漂っていた。

 

「……なんか、すいませんでした」

 

「すまんゾ、本人も悪気はないから許してやって欲しいゾ」

 

「ポッチャ……(土下座)」

 

 野獣の代わりに木村と三浦とポッチャマが謝罪する。野獣があまりにも無様で情けない姿を曝け出したせいで恥ずかしいのか、三浦に至っては顔を手で覆いながら伏せていた。

 

「い、いや……私は気にしていないから安心してくれ」

 

「……拙者からも言わせていただきたい。申し訳ない」

 

 しょうもなさすぎて脱力しつつ、八重も子爵に頭を下げた。理由が理由なだけに心配した自分がバカみたいだった。

 

「あ~……まぁ、それはそれとして、だ」

 

 咳払いしつつ、子爵は木刀を手にしたまま八重へと向き直った。バカバカしい空気から一転して真剣な雰囲気となり、八重も背筋を伸ばす。

 

「今の戦いで、何か気付いたことはあるか?」

 

「はい……子爵殿が仰られた意味、しかと胸に染みましたでござる」

 

 そして、と付け足して顔を上げた八重の顔は、先ほどまで暗い顔をしていた時と違ってどことなく明るくなっていた。

 

「今のままでは、拙者は子爵殿にも……ましてや野獣殿にも勝てませぬ。故に拙者、これからも旅を続けていくでござる。そして自分の本当の剣を見つけ出してみせるでござる!」

 

「お~、八重ちゃんかっこいいゾ~!」

 

「ポッチャァ」

 

 パチパチと手を叩く三浦とポッチャマ。そして黙って聞いていた子爵もまた「うむ」と小さく頷いた。

 

「それがいい。己の道を探し、そして剣に問いかけてみよ。さすれば己の目指すべき物が何なのか、おのずと答えは出るだろう……お前は重兵衛殿の娘だ。その道を見つけ出すのも、きっと遠くはない」

 

「はい!」

 

 厳つい顔に浮かぶ、優しい笑み。それを目の当りにし、八重は大きく、力強く頷いた。

 

(……しかし、驚いたな……)

 

 そんな中、子爵の脳裏に先ほどの光景が蘇る。それは、野獣目掛けて影の剣を打ち込もうとした瞬間だった。

 

 確かにあの攻撃は成功した。子爵が勝ち、野獣が負けた……その事実は変わらない

 

 だが、子爵は確信していた。剣を振るう直前、野獣の目つきが変わったことを。

 

(あれは……確実に気付いていた)

 

 野獣が、影の剣を見破っていたことを。

 

 そして、一歩間違えていれば倒れていたのは自分だったということを。

 

 あの男の戦い方は、型も何もない出鱈目に見えるも、その実態は型の基本を尊重していながらもあえて崩しているという、所謂『型破り』の戦い方だ。そして食らいついたら最後、決して相手を逃さない。その戦闘スタイルを前にして、子爵は圧倒されかけた。

 

 影の剣を見破る勘の鋭さ、そして獰猛な生き物の如し戦闘スタイル。そう、それはさながら、

 

(まさしく……“野獣”そのものではないか)

 

 彼が野獣と自称する理由……それが先ほどの戦いなのではないかと、子爵は考えた。

 

 

 

「イキスギィ! イクイクイクイク……ンアッーーーーーーー!!(解放の雄叫び)」

 

 

 

(……いや考えすぎか)

 

 やっぱり違うかもしれないと、道場にまで聞こえてくる聞くに堪えない野獣の声を聞いて考えを改めることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~さっぱりした」

 

「野獣先輩……アンタ最後の最後に何やってんですか」

 

「野獣は毎回ここぞという時にああいうことするから困るゾ」

 

「ポッチャ」

 

「しょうがねぇだろ~? 急に腹痛くなったんだからさぁ」

 

「公爵さんの家であれだけ紅茶飲んでればああなりますって。これを期に自重してくださいよ……」

 

 子爵の屋敷を後にし、貴族街を歩きながらそんなことを話している三人と一匹。子爵邸を出てみれば、もうすっかり日は暮れて空は茜色に染まり出していた。歩く一行の影が道に長く伸びる。

 

 その後ろを歩く八重。子爵の前で、口では旅を続けると宣言した。しかし内心では、別の思いも渦巻いている。

 

「そう言えば、公爵さんからたくさんお金いただきましたよね? どうしましょっか、これから」

 

「っ……」

 

 木村が思い出したように野獣と三浦に聞く。八重もその言葉に反応し、耳を傾けた。

 

「そうだなぁ。公爵さんからもらった大金使って家買って住むってのもいいなぁ」

 

「いいゾ~それ。ここは綺麗だし、見る物も多そうだし、おいしい物いっぱいありそうだゾ~」

 

「ポチャ」

 

「そうですね。ここが僕たちの新天地ってことになりそうですから、行く宛のない旅はもう終わりですかね」

 

「っ……!」

 

 三人の話を聞いて、八重は心の中に冷たい物が走る。彼らの話の通りならば、彼らの旅はここで終わり……対し、八重の旅はまだ終わらない。

 

 しばらくこの王都に滞在するつもりではいるが、腰を下ろす予定はない。しかし彼らはここに住まうつもりでいる……それが意味することは一つだけだ。

 

 苦楽を共にしてきた彼らとは、やがてここでお別れということになる。元々王都までのパーティだったのだから覚悟はしていた……つもりだった。

 

 八重の旅の目的は変わらない。己の剣の道を探し、父や兄をも超える武士となる……故に足を止めたりはしない。

 

 しかし、今までずっと一人で旅をしていた彼女にとって、彼らとの出会いから今まで初めてのことばかりだった。

 

 印象に残る出会いから始まり、路銀を稼ぐために初対面ながら演武を繰り広げ、その後に祝杯を挙げて騒ぎ、王都まで共に旅をすることを決めた。彼らと共に行く旅は決して楽ではなかった上、散々な目にも遭った。そして公爵令嬢を助け、公爵の屋敷に招待され、公爵の妻をも救い、そして公爵との繋がりも得た。そして先ほどは子爵と模擬戦を行い、そこで自分の道にヒントを見出すことができた……振り返ってみても、彼ら三人と一匹に振り回されっぱなしだった上に、公爵の前で騒ぎに騒ぎまくり、その度に八重の胃にはダメージが蓄積されていった。

 

 ただ……一人旅では決して得られない、大切なものをたくさんもらったのは確かだった。

 

 破天荒な野獣、のんびり屋な三浦、愛らしいポッチャマ、真面目な木村……短い間ながらも、彼らと共に過ごした日々は八重にとってかけがえのない、何よりも得難い大切な思い出となっていた。

 

 そして同時、八重は彼らのことが大好きになっていたことに気付いていた。

 

 もう一人きりでの旅には戻れない……だからこそ、彼らと別れることは、八重の心に暗い影を落とした。

 

(……お別れは、嫌でござるなぁ……)

 

 口に出したい……だが口に出せば、彼らは困る。困らせたくないから、八重は何も言えない。だからこのまま、自分が耐えて彼らに別れの言葉を告げた方がいい……そう八重は考えた。

 

「あ、そうだ。八重ちゃん」

 

「え……何でござろう?」

 

 と、ふと三浦が唐突に八重を呼んだ。

 

「八重ちゃん、さっき俺らの話を聞きながらチラチラ見てただろ」

 

「え……い、いえ、見てないでござる」

 

「嘘つけ絶対見てたゾ」

 

 八重が心の内に抱いていた思いを隠すため、三浦に嘘をつく。が、何故か三浦はそこで下がらず、難癖に近い形で八重に言い募った。

 

「何故ゆえに見る必要があるんでござるか」

 

 少しムキになり、思わず声が荒くなる。しかし、そこにさらなる追い打ちがかかった。

 

「お前八重さぁ、さっき公爵ん家から出た時からさぁ、なんか暗い顔してたよな?」

 

「そうだよ」

 

「い、いえ、そのようなことは……」

 

 まさかの野獣からの追撃、三浦の便乗を前にして、八重は言い返そうにも言い返せない。何故なら、事実彼らとの別れについて考えていたため、ある意味図星だったが故だ。

 

「八重さん、やっぱり様子おかしいですよ。何か言いたいこととかあるんじゃないですか?」

 

「ポチャ」

 

 木村とポッチャマですら、八重に畳みかけるように問いかけて来る。彼らは、八重が何かに悩んでいることに気が付いていた。ならばそれを少しでも軽くしてやりたいという、共通の思いから来ているものだった。

 

「…………はぁ」

 

 観念したのか、八重はため息をつく。彼らは妙なところで鋭い……それはこの旅でわかってはいたつもりだったが。

 

「三人には、誤魔化せないござるな」

 

 真っ直ぐ、三人に向き直る。凛とした佇まい、それは初めて彼女と会った時を彷彿とさせる。しかし、以前と違う点はその目が寂しさで揺れている、ということだった。

 

「拙者はこれからも旅を続けるでござる。けれども三浦殿たちは、ここで暮らすのでござろう? ……ならば、拙者とは近いうちに別れることになるでござる」

 

 無意識のうちに声が震えているかもしれない……そんな不安がよぎるが、構わず続ける。

 

「けれど……正直、拙者は皆と離れたくはないでござる。この旅は短くとも、とても有意義で、それでいて楽しくって……な、何より野獣殿や三浦殿の戦い方、木村殿の魔法を、もっと間近で見ていたいって、そう思っていたでござるよ……だけど、拙者の我儘に付き合わせてしまうのは、本意ではござらん……」

 

 それでも……そう付け足す八重は、自分の気持ちを抑えることはできなかった。そして、途切れ途切れに、自分の思いを伝えようとした。

 

「それでも……拙者は、やっぱり、皆と……その……」

 

 

 

「いいよ、来いよ!」

 

 

 

「え……っ!?」

 

 声を上げたのは、野獣だった。無意識のうちに伏せていた顔を、驚きで上げる八重。

 

「なんだよそんなことかよ~。要は俺らともっと一緒にいたいってことだろ?」

 

「八重ちゃんを放っておいて俺たちがここに残るわけないゾ」

 

「ポチャァ(同意)」

 

「そうですよ。僕たちだって八重さんともっと一緒にいたいんですから」

 

 続けて三浦と頭の上のポッチャマ、木村が八重に言った。

 

「し……しかし、三人はここに根を下ろすと先ほど……」

 

 彼らの旅はここで終わる……そういう意味で捉えていた八重がそう問う。

 

「いやそうなんだけどさぁ。何も俺たちの旅がここで終わりだなんて言ってないぜ? な、二人とも」

 

「そうだよ。俺はまだまだこの世界を見て回ってみたいゾ~」

 

「僕たちが新天地を目指していたのは、飽く迄も帰る家を探していただけです。ここに居住を構えて、またいつか旅に出ようと思ってたんですよ」

 

「んで、旅が終わったらここに帰ってきて『ぬわぁぁぁぁん疲れたもぉぉぉぉん』って言いながら冷えたビールを飲む……これって、最高ですよぉ(ねっとり)」

 

「ポッチャァァ(ねっとり)」

 

 三人の考えを、八重は半ば呆然としながら聞いていた。何とも自由に満ち溢れた行動原理なのだと。

 

「それにさぁ、お前八重さぁ、俺らと今まで一緒にいたんだからさぁ、そう簡単に離れられると思ったら大間違いだぜ?」

 

「え?」

 

 それはどういう意味なのかと、八重が聞く前に三浦が答えた。

 

「八重ちゃんはもう立派な『迫真空手部』の一員だゾ。俺らはもう4人と1匹で一つなんだから、誰かが欠けたらそれもう迫真空手部とは言えないんだゾ」

 

「ポチャポチャ」

 

 同意のつもりなのか、何度も頷くポッチャマ。苦笑しつつ、木村も続けた。

 

「はは……まぁ、勝手に決めちゃって悪いとは思ってはいるんですけど、ぶっちゃけると僕も八重さんがいてくれた方が嬉しいっていう思いはあります。だからお別れだなんて水臭いこと考えないでくださいよ」

 

「そもそも、八重ちゃんが俺を助けてくれるって約束、まだ果たせていないゾ」

 

「だから八重が武者修行の旅に出る時はまた言ってくれよな~。俺らも一緒に行くからさぁ」

 

「っ…………!」

 

 彼らの言葉に、八重の胸に熱い物がこみ上げて来る。彼らは、八重を『仲間』だと言ってくれる。それは八重にとって、何よりもありがたく、感極まる物に違いなかった。

 

「……い、いいんで、ござるか? ……拙者なんかが、三人と共にいても……」

 

 声が震えるのを、八重は感じる。対する三人は、実に呆気らかんとしたものだった。

 

「拙者なんかがじゃねぇよお前、八重だからだろォ!?」

 

「当たり前だよなぁ? 俺たちと八重ちゃんはもう友達だゾ~!」

 

「ポッチャァ!」

 

「僕たちは一蓮托生です。どこまででも一緒に行きますよ!」

 

 目頭が熱くなる。こみ上げて来る物を堪えるように、八重は袖で目元を拭った。そして、改めて三人へ向き直る。その目はもう、寂しさで揺れてなどいなかった。

 

「……わかったでござる。拙者、この身を三人に、『迫真空手部』に捧げるでござるよ!」

 

「「「え」」」

 

「ポチャ」

 

 その言葉に固まる三人と一匹。予想外のリアクションに、八重は首を傾げた。

 

「いや、悪いんだけどさぁ、俺好きな奴いるから」

 

「八重ちゃん、自分の身体は大切にしなきゃダメだゾ」

 

「ポチャァ」

 

「僕もさすがにそんな関係を求めて言ったわけじゃ……」

 

「へ? ……あ!」

 

 そこまで言われて気付き、八重は顔を真っ赤にしてワタワタと手を振った。

 

「ちち、違うでござるよ!? あくまでも修行のために共に旅をするという意味であって決してそういう意味では……!」

 

「まぁ、わかってたけどなぁ。八重がそんな度胸持ってるなんて思ってなかったし」

 

「それどういう意味でござるか野獣殿ぉ!?」

 

 からかわれてたとわかり、八重がプンスカと擬音がつきそうな怒りを顕わにした。

 

「何だ八重嬉しそうじゃねぇかよ~」

 

「そ、そんなことござらん!」

 

「そんなこと言ってるけど、八重さんちょっと笑ってますよ?」

 

「嬉しいダルルォ?」

 

「ポチャァ?」

 

「そんなわけ……ある、で、ござるが……」

 

「嬉しいこと言ってくれんねぇ!」

 

 そんなことを言い合いながら、彼らは歩く。もうすぐ日が沈む中、貴族街に彼らの笑い声が木霊した。

 

「そうだ。新生迫真空手部誕生のお祝いしたくないですか?」

 

「してぇなぁ」

 

「ですよねぇ。さっき子爵から聞いたんスけど、この辺にぃ、旨い飯屋あるらしいですよ。皆で行きませんか? 行きましょうよ~」

 

「あ、そっかぁ。行きてえなぁ」

 

「じゃけん夜行きましょうね」

 

「お、そうだな」

 

「僕も賛成です。お金はありますから、盛大にやりましょう!」

 

「あ、今度は拙者も最後までお付き合いするでござるよ」

 

「当たり前だよなぁ?」

 

「主役は八重なんだからさぁ。しっかり楽しもうぜぇ」

 

「ええ。それに、また宿代すっからかんにさせないためにも、しっかり見張らせていただくでござる」

 

「ファッ!? 白金貨40枚を一瞬で溶かすとかするわけねぇだろいい加減にしろ!」

 

「いえ、その辺りは信頼してないでござる(断言)」

 

「はぁ!? 信頼しろよ仲間だルルォ!?」

 

「それはそれ、これはこれ、でござるよ」

 

「クゥ〜ン……」

 

「ポッチャマ」

 

「ポチャ」

 

「まぁ、そうですよね……」

 

 

 

 

 

 

 彼らは知らない。近いうちに、彼らを転生させたGOとは別の神によって転生させられた少年と出会うことを。

 

 彼らは知らない。後に迫真空手部はさらに人数を増やすことを。

 

 彼らは知らない。やがて世界の命運をかけた戦いに巻き込まれていくことを。

 

 

 

 

 

 茜色に染まる空の下、彼らは騒ぎに騒いで笑い合う。そんな彼らに怒涛の日々が待ち受けているということを……まだ知らない。

 

 

 

 




ここの迫真空手部は所謂パラレルワールドの空手部なので、原作空手部を知った八重ちゃんがどんな反応するのか気になりますね(暗黒微笑)

これで第一章は終わりです。次回から第二章。あんなキャラやこんなキャラが新たなメンバーを加えた空手部と関わったり関わらなかったりみたいな、そんな感じ。

そしてこの二次を書くためにアニメ版異世界スマホをDMMで一話220円で購入、視聴したりしてたら「あーなんか面白いかもしんない」という囚人が監獄で長年勤めていたら一般的には非日常だけど囚人にとっては日常というよくわからない感覚に陥り始めてしまいました。さすが懲役23分と言われているアニメは伊達じゃない(νGNDM)

今後の活動についてではなくお気楽アンケート開催。アニメ異世界スマホのEDでスマホ太郎がヒロインたちに手を差し出すシーン、差し替えるとしたら誰がいい?

  • スマホ太郎(アニメ主人公)
  • 望月冬夜(原作主人公)
  • 野獣先輩
  • 三浦
  • 木村
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