MCU『ブラック★ロックシューター』 作:おれちゃん
「連中消えたな……ステラ達がうまくやったのか?」
ニューヨーク市街にまで溢れた敵と戦っていたストレンジ達はそれらが全て空気に溶けていく様に消えたことで作戦の成功を確信した。
「当然だドクター。スーパーガールにアベンジャーズの後継者だぞ。あとなんだっけソーサラースプライトもついでにいた訳だし」
「ソーサラースプリームだ。だが事態が解決したなら良かった。ウォンの奴が戻ってくる前に余計に読み漁った分を証拠隠滅しくるとしよ゛」
飛んでサンクタムに戻ろうとしたストレンジの背中に突如現れたウォンとピーターが衝突。ピーターがマントを咄嗟に掴んだせいでストレンジが仰向けに横転する。
その醜態をトニーが鼻で笑っていたら、ステラの姿がない事に気付いて地面に降りたピーター達の方に歩みを進めた。
「すまなかったナターシャ。俺の我儘で世界が滅びるところだった」
墓前でナターシャの墓に敬意を払いながら、クリントは独白する。
「最後の繋がりと思って手放す勇気が持てなかった。ストーンからナターシャが見守ってくれていると自分を慰めていた。俺は大馬鹿だ。だからその償いを少しでも……少しでも幸せに生きて、誰かを守って行こうと思う」
「クリント! やっぱりここにいた!」
「ケイト」
「ここは無事みたいで良かった。全く、ホークアイ&ローニンのコンビ芸を見せたいところだったのにクリントったら連絡に出ないんだから」
「あぁ、それはすまなかった」
「……クリント、ストーンは?」
いつも大事に持ち歩いている石がないことに気付いたケイトの問いにクリントがナターシャの墓を振り返って微笑んだ。
「見送ったよ。ようやく見送れたんだ」
「どこに行ってたんですかスタークさん!? あと髪染めました?」
「すまないねちょっと世界を救う野暮用が。なんだその格好はウィリアムズ?」
虚の次元で出会った、ウィリアムズと同じ顔のピーターの衣装に少し似た服を着たウィリアムズが少し恥ずかしげに頭を掻いた。
「スタークさんもクレイドル・アーマー達も居なくなったから僕が仲間を募って頑張ってたんですよ! その時に作ったコスチュームです!」
「そうかそうか。モチーフは蜘蛛か?」
「よく分かりましたね!? 流石スタークさん!」
「良い高分子のサンプルがある。それを使うともっと蜘蛛っぽくなるぞ」
「え? 良いんですか? 余計なことするんじゃないって怒られるのかと思ってました」
ウィリアムズの頭を撫でてからスタークが肩を引き寄せてポンポンと叩いた。
「
「わぁ……期待に応えられるよう頑張らないと……じゃあ僕はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国マン*1名乗ります!」
「長いぞ?」
スタークは呆れた様にため息を吐いた。
『アルテミスユニット・ストレングス。該当ユーザーの権限を復旧。お帰りなさいませ』
「私が暴走してからどれくらい経っていた?」
『三翡翠季と三十七日、四千五百五十二秒』
「樹海は?」
『ストレングスによるエネルギー供給源の断絶により外縁部ディザスターは侵略成長を停止。内部成長による強固化が現在進行中』
ストレングスがアームを打ち合わせ、火花と轟音が響く。少し離れた先に天を突くようにそびえる巨大なオベリスクのようなディザスターが存在していた。
「早速伐採と行こう」
『ストレングス、戦闘モードに移行。周辺生物へ退避勧告』
ストレングスが大きく跳躍し、ディザスターに突撃していく。それを見た、退避勧告を聞いた者はヒーローの帰還だ、と喜びの声を上げた。
そこに人はいない。顕現体の澱みが思念体を生み出し、殺し殺されて澱みを祓っていく。そういう世界だ。
思念体が死んでも、同じ顕現体の澱みからまた、思念体は生み出される。
思念体達の殺し合いを眺めていた
「私達なんで追いかけられてるのかな?」
「さぁ? 私に殺されて命の循環に乗っていた奴らからしたらあなたは救世主だからじゃ無い? 私に絶対に会わないよう逃げ回ってた連中からしたらあなた大犯罪者だろうけど」
ステラはデッドマスターの世界に辿り着いた後、すぐに力を発動した。その時わかったことだが、この宇宙が生まれた時点で理が正しく生まれていなかったのだ。だから特異点となるストーンもタイム・ストーンしか存在しなかった。
だからステラは正しく機能するようになってとストーンの力を発動させた。翼とロックキャノンはステラの要望に応え、ストーンが存在することで逆説的に理を正しく生まれさせるという荒技で世界を修正した。
そうして正しく死ねるようになった事が嬉しい人々からは感謝で追い回されているわけである、
「デッドマスターはこれからどうするの?」
「まぁ私はあなたに恩があるし、あなたがこの宇宙から出ていくまで面倒見てあげるわよブラックロックシューター」
「ありがとう! とりあえずトニーとか私がいっぱい居たみたいに、この世界のウォンとスティーブンを探そうと思ってるんだけど」
道標になる指輪があるなら、あとは宇宙の外に出て別の宇宙に行く術が必要だ。この世界にもきっとウォンやスティーブンみたいなのが居るとステラは信じていた。
「ところでデッドマスターの名前は?」
「名前? 自分で言ってるじゃないデッドマスターよ。変なこと聞くわね」
「だって、私達の宇宙にデッドマスターはいるのか聞かれたから、デッドマスターはヒーロー名みたいなものなんでしょ?」
「まぁそうね。でも役割が一人しかいないんだからデッドマスターが名前と同義よ。生まれた時に決まった役割がそのまま名前なの」
「じゃあ役割が無くなったし違う名前考えよう?」
「あんたデリカシーってものがないの? ……無いわね。聞いた私が間違いだったってくらい」
追いかけてきていた人々を手を振りながら振り切って、ステラは翼で、デッドマスターは髑髏に乗って空を飛んでいたが、ゲンナリしてデッドマスターの髑髏が蛇行運転をしてステラの翼と衝突したりする。
「危ないよ」
「別に平気よ巻き戻せば良いんだし……巻き戻せなかったわねもう」
「気を付けてねデッドマスター」
「…………ヨミよ」
「よみよ?」
「今考えたのよ。私の名前はヨミ。デッドマスターのヨミ。これで文句ないでしょう? ブラックロックシューターのステラさん?」
「ヨミ……ヨミ、うん、よろしくヨミ」
「言っておくけどアンタが元の世界に帰るまでの関係だからね」
髑髏の上で足を組んで肩まですくめて興味ないアピールをするヨミの前にゆるりと空を飛ぶステラが屈託ない微笑みを見せた。
「帰るの手伝ってくれてありがとう」
「……だって私にとっても救世主だし」
「?」
「なんでもないわよ! こっちの世界のブラックロックシューターにもお世話になったよしみよ!」
「ふふふ、変なの」
「あんたに言われたくないんだけれど!?」
空の先に黒い点が現れた。ステラが知るチタウリのリヴァイアサンに似ているが、あれと比べると肉肉しい、生物的な感じがする。
そこから様々な人や獣みたいなのが飛び出して空を飛び、こちらに攻撃を仕掛けてきた。
「あら、どうやらあなたを恨んでる方のが来たわね。さっさと倒してやりましょう。ああいうのは私の知らない事情に詳しいから魔術師みたいなのも知ってるかもしれないわよ」
「わかった」
ステラがブラックブレードを手に取って翼を広げ急加速。音速を突破して突っ込んでいきそのままリヴァイアサンのような生物を三枚おろしに切り裂いた。
大爆発を起こした生物からさらに出てくる敵達にロックキャノンを構える。
「そのうち帰るから待っててね!」
クリスタルからホーミングするようなビームが複数解き放たれ、空に大きな光の花が咲いた。
「でもMITのオリエンテーションは出たかった」
「MITって何よ!」
爆発に吹っ飛ばされた敵の一人をステラとヨミがブラックブレードと鎌で挟み込んで、デッドマスターの宇宙の魔術師を探す為二人は顔を合わせてから口を開いた。
「マルチバースに詳しい魔術師知ってる?」
『COMING BACK』