やはり俺が八幡に憑依するのはまちがっている。 作:ログアウトします
原作:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
タグ:R-15 オリ主 アンチ・ヘイト 憑依 原作に書かれていない部分は? 八幡に憑依で高校生活やり直し 前世はサラリーマン
もし八幡に憑依するのなら、もう一度高校生活をやり直すことになる。
「おはよーございまーす」
冴えない男が会社で挨拶する。
32歳、比企谷八幡。
「「「「「………」」」」」
しかし返答は芳しくない。
地味で仕事が出来ないが、愛想だけは良い同僚の男性が1人返事を返してくれた。
基本として、八幡から話しかける事はあっても、八幡に話しかけられる事は業務以外ではない。
八幡から仕事以外の話をしようとすると、後輩からも「あの、用がないのなら話しかけないでくれますか」との態度を取られる。
後輩が八幡に舌打ちしたとしても、他の先輩たちもそれを無視する。
昼休みに職場でテレビを見ていても、チャンネル選択権は八幡には無い。
八幡相手には周りは気を使わない。
八幡の生み出す音は騒音扱いで、八幡に聞こえる騒音は気にされない。
増える独り言。
減る信頼。
彼は大人になってもボッチだった。
社員達の方から明るく挨拶されて返す
話は、10数年前にさかのぼる。
八幡はある日急に
自分は『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の大ファンだったことを思い出した。
そう、比企谷八幡は憑依者だったのだ。
原作の展開を知っているのだから、原作の比企谷八幡より上手く生きられる。
そう思っていた。
だが、原作で書かれていることだけが『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の世界ではない。
原作で365日、24時間が書き込まれてはいない。
原作で書かれていなかった空白の時間。
その時間を如何に生きるかだ。
原作の八幡は、生まれ持っての能力が低かろうと、必要な時にはその場しのぎだとしても努力出来る人間だった。
しかし、○○○○はそうではなかった。
受験にも、社内試験にも、必要な時に努力出来ずに、ネットや漫画やゲームに溺れていただけの人間だった。
彼は高校生にまで巻き戻された事で、昔勉強した分のアドバンテージがあると思っていた。
しかし、彼は前世の高校時代に分からない課目を、分からないままにして来た。
高校生を一度やったから、2周目は満点が取れるというのは、1周目でほぼ全ての課目の重点をしっかりとおさえられていた場合だけだ。
分かってない者が時間をおいてもう一度同じ授業を受けたところで、次は完璧にわかる可能性は極めて低い。
原作の八幡がもっていた最低限の真剣さ。
苦しい時にその場しのぎの全力を出す事。
格好悪くても今取れる手段を取る事。
そういった部分を、原作で描写されていたシーンだけで再現しようとするのが無理だった。
体力精神力学力というのは日頃の積み重ねがものをいうのだ。
葉山とのテニスも本来の八幡よりも惨敗だったが、それはまだいい。
八幡には肉体や頭脳のチートはない。
寧ろ肉体と頭脳のチートは葉山や雪乃にあり、八幡は非才の身で才能に溢れた者に食らいつくのが、本来のスタイルだった。
しかし○○○○にはそれはない。
常に原作イベントでは本来の八幡のやや下を、原作に書かれていないところでは八幡のかなり下を彷徨っていた。
原作の八幡が迎えられたギリギリのエンディングはない。
この八幡には、そこに届かなかったエンディングが用意された。
雪乃の温情で会社にコネ入社させてもらった。
しかしあまりにも仕事が出来ない上に、それを必死で誤魔化そうとするので雪乃を失望させた。
そして、社に大きく貢献する葉山が素敵に見えてきた雪乃は、葉山と付き合い、そして結婚した。
原作八幡の青春ラブコメはまちがっていなかった気もするが、○○○○の憑依した八幡の青春ラブコメはまちがっていた。
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