鬼滅の波紋疾走 JOJO'S BIZARRE ADVENTURE PartEX Demon Slayer 作:ドM
ジョジョは、珠世達の拠点に戻った。
愈史郎の血鬼術は朱紗丸の手で破壊されていた為、問題なく入ることができた。
「!」
敷地内に駆け付けると、血だまりがあった。バラバラになった女性の肉片と血液が、バラまかれたように散らばっていた。血の海に沈む衣装の残骸、傍に転がる毬から、正体が
そのすぐ傍には、朱紗丸を見つめながら正座する炭治郎がいた。禰豆子と珠世と愈史郎は見当たらない。禰豆子の治療をしているのかもしれない。それに、間もなく夜が明ける。
(むごい……。これは明らかにタンジローの攻撃ではない。ネズコも違う。この子はここまでのことはしない。大きな何かに捻り潰されたような……。これは一体)
「タンジロー」
「あ、ジョジョさん……」
炭治郎は顔と隊士服は土で汚れ、微かに血がこびり付いている。見た目には目立った外傷は見当たらなかったが、ほんの少しだけ横腹を庇うような姿勢になっている。恐らく肋骨辺りは折れているだろう。疲労困憊な様子から、激闘であったことが伺えた。
だが、お互いの無事を素直に喜べるような状況ではなかった。炭治郎は、朱紗丸の末路を憐れんでいるようだ。ジョジョも同じ気持ちだった
「コレハ……」
「鬼舞辻の呪いだそうです。鬼がその名を語ると、死に至る」
「!」
「一瞬でした……。腹と口から大きな腕が飛び出して……」
「ソウカ……」
腕が飛び出してどうなったかまでは語らなかったが、この有様を見れば容易に想像がつく。
(ムザン、貴様は仲間であろうともここまでのことをするのか……)
「遊……ぼ……。あそ……」
朱紗丸が微かに声を発している。驚くべきことに、このような状態であっても朱紗丸はまだ生きていた。だが、もう日が昇る。間もなく消滅するだろう。
「小さい子供みたいですよね、たくさん人を殺しているだろうに」
「ウン……」
「だけど、余りにも救いがない……。人の命を奪った報いと言うには……」
「……」
ジョジョが、朱紗丸の下に近づいた。その手には微かな光が宿る。波紋の光だ。無惨に放っていた物とは異なる、柔らかで暖かな光。
「ジョジョさん……」
「コノ波紋ハ、鬼モ痛ミヲ和ラゲル……。消エテシマウノナラ、セメテ安ラカニ」
この波紋によってトドメを刺した病葉も、最期を穏やかに迎えることができた。ジョジョは、朱紗丸の顔だったらしき場所にそっと触れた。
「……あぁ」
安らいでいる声だ。陽光の暖かさを無邪気に喜ぶ、子供のようだった。
「おと……さん、ま……り……あり……が」
人だった頃の記憶を微かに思い出し、朱紗丸は消えていった。二人で目を閉じて、黙祷を捧げた。垣間見た無垢な子供の頃の記憶に、炭治郎は一筋の涙を流す。
「……ジョジョさん、鬼舞辻は、必ず止めましょう」
「……アア!」
鬼であろうとも、人であろうとも、暗い影を落とす。無惨を倒さない限り、この戦いは終わらない。これから更に激化するであろう戦いに備え、決意を新たにする。
そして、夜が明けた。
・ ・ ・ ・ ・
禰豆子は珠世を抱き締め、愈史郎の頭を撫でようとした。炭治郎によれば、二人を人間であると判断しての行動らしい。
「ありがとう禰豆子さん……。ありがとう……」
珠世は、涙を流し、禰豆子を抱き返した。珠世はしきりにお礼を言っている。
(この人は、鬼であることに色々なものを抱えている)
涙を流し、人を慈しむ。ジョジョの尊敬する父親もそういう人だった。ジョジョにとって、珠世の姿は紛れもない人であった。禰豆子の行動は、どんな言葉よりも確かな救いとなっただろう。
「炭治郎、お前の妹は美人だよ」
愈史郎は、去り際に禰豆子のことを美人だと言ってくれた。最後まで顔を合わせようとはしなかったが、兄妹との共闘を通して心を開いてくれたのがジョジョにも伝わってきた。
そうして、二人は拠点を移す為に去った。無惨に鬼化させられた男性も、簡易的な処置を施し終え、妻と共に帰路へ就く。無事、元の生活に戻れたらしい。
・ ・ ・ ・ ・
浅草での騒動から暫くして、旅を続けるジョジョと竈門兄妹。昼の晴れ模様、田んぼの連なる広いあぜ道を二人が歩いていると、炭治郎の肩に乗る
「南南東! 南南東! 南南東!! 次ノオ場所ハァ南南東!!」
「ありがとう、マツエモン。次はあっちの方だね。タンジロー、もう怪我は大丈夫かい?」
「はい! ジョジョさんの波紋で折れた骨もすっかり元通りですよ!」
「良かった」
炭治郎は、矢琶羽との戦いで肋骨と足を骨折していたが、ジョジョの治療の甲斐もあって、すぐに完治した。炭治郎はまだ身体的成長の余地があるため、波紋による治療は極めて慎重に行った。
「それにしてもジョジョさん、言葉を完全に使いこなせるようになりましたね。一週間と経ってないのに、すごいや」
「タンジローのおかげさ」
ジョジョは日本語をほとんどマスターした。
ジグソーパズルが完成に近づく度、ピースを埋めるのが容易になるように、基本を掴めばここまでたどり着くのはジョジョにとって容易だった。
早期に習得できたのは、ジョジョの地頭が良かったのも勿論のことだが、道中で炭治郎が熱心に教えてくれたおかげだ。ジョジョにとって、炭治郎は尊敬すべき親友であり、命の恩人である。一週間足らずですっかり仲良くなった二人であった。
「ジョジョさんが倒した十二鬼月のことも、隊へ報告が挙がってる筈です。もしかしたらお給金が貰えるかもしれませんよ」
「カァァ! 報告済ミィ! ジョナサン・ジョースターァ! 下弦ノ参! 討伐ゥ!!」
松衛門が羽根をばっさばっさとはばたかせながらドヤ顔だ。その羽ばたきは当然炭治郎の顔面に直撃している。本来、ジョジョは鬼殺隊とは無関係の部外者なのだが、どうせ炭治郎に付いてくるので、松衛門は完全に戦力として扱っていた。賢い鴉である。
「ご苦労様、マツエモン。もしそうなら、真っ先にタンジローに御馳走するよ」
「そんな、悪いですよ」
「いいからいいから」
ジョジョは実質無一文だったので、道中の食費はもっぱら炭治郎か、鬼殺隊の協力者である藤の花の家の関係者持ちである。
二人と一羽が他愛のない話をしていると、あぜ道の向こう側がやけに騒がしい。
「頼むよ!! 頼む! 頼む! 頼む!! 結婚してくれ! いつ死ぬかわからないんだ俺は!! だから結婚してほしいというわけで!! 頼むよォ───ッ!」
「何だ?」
「え……」
何やら大騒ぎしている男が女性に迫っていた。女性の方はすごく困っている。
女性は、青い着物を着た両側三つ編み。対して男の方は実に特徴的だった。
短めの金髪に鬼殺隊の隊士服、三角模様の入った黄色い羽織を身に着けている。腰には日輪刀を携えており、間違いなく鬼殺隊隊士であった。金髪の隊士は、涙と鼻水を盛大に垂れ流しながら、女性に縋り付いていた。
『男なら女が縋り付いてくるような男であるべし』と謳う松衛門も、これには呆れる。
そして、何故か二人の男女の前を往復するように雀が飛んでいる。
雀が困っているかのように炭治郎の前に来て
「何してるんだ! 道の真ん中で! その子は嫌がっているだろう!! そして雀を困らせるな」
「あ、お前最終選別の時の……」
「
「ギャ──────ッ!! すごくでっかい異国じ……あれ、音があんまり怖くないや」
金髪の隊士がジョジョに気を取られている隙に、炭治郎は迫られている女性を逃がした。
「さぁ、もう大丈夫です。家に帰ってください」
「ありがとうございます」
「あ──!待って────!」
「だめだぞ」
足早に去っていく女性を呼び止めようとする金髪の隊士は、ジョジョが捕まえてばっちりブロックした。大きな胸板で、女性の逃げる先が完全に隠れている。
「何にも見えねぇ! 胸板しか見えね――! その筋肉どうなってんだよ!! 爺ちゃんの五倍ぐらいあんぞ!! 何喰ったらそうなるんだよっ!! 野郎の胸板なんざ嬉しくね――よ!! チキショ――ッ!!」
「賑やかなサムライだね」
「……」
炭治郎は、すごく嫌そうな顔をしている。一緒だと思われたくないようだ。
「なんでそんな別の生き物見るような目で俺をみてんだ! いやだ――! 俺は次の任務で死んじまうんだ――!! 最期に抱き締められたのがこんなでっかくて硬い男の筋肉なんてイヤ――――ッ!!」
捕まった隊士は足を浮かせてバタバタと大暴れだが、当然ジョジョはびくともしない。
「不思議だなぁ」
「確かに不思議すぎですが……。何がですか?」
捕まって騒いでいる隊士を尻目にジョジョと炭治郎は話す。
「この隊士さん、
「うーん、そうですけど……」
確かに、匂いは強い剣士のそれだ。だが、この有様は如何なものか。
これが、臆病な鬼殺隊隊士、
大正の奇妙なコソコソ噂話
炭治郎の鴉はジョジョの討伐スコアも全部カウントしているぞ!
ちなみに、沼鬼2体、下弦の参1体である。無惨(うどん)は生きてるのでノーカンです。