誰かがいない世界での幼い姿をした吸血鬼の悲しい物語。


1 / 1
Shall we dance?

I'm alone.but I'm not alone.
Are you alone?
This story is a Vampire's sad story.


Shall we dance?

「今日は月が紅いわね」

 

「フフフ、褒めたってなにもでないわよ?」

 

「うん···········ありがとう」

 

会話。

二人以上の人間が様々な手段を講じて意志疎通を図る行為。

会話のキャッチボール。

二人以上が意志疎通を図っていて、会話が噛み合っている状態。

会話のドッジボール。

二人以上が意志疎通を図っていて、会話が噛み合っていない状態。

故意にしている場合が多く見られる。

なら私が今していることは何か?

わからない。

会話のキャッチボールかもしれない。

会話のドッジボールかもしれない。

もしくはその他かもしれない。

わからないのだ。

私が何れかをしている相手は十六夜咲夜。

咲夜と会話しているなら、本来ならキャッチボールだろう。

だが、問題が一つ発生する。

私の記憶が合っているなら、合っているならば、私が知る十六夜咲夜は既にこの世にはいない。

彼女は過労と老衰によって死んだ-···········はずなのだ。

だが、私は会話していた。していたんだ。

なのに既に死んでいる。

もう訳がわからない。

________________________________________________________

 

【パチュリー·ノーレッジと大図書館にて】

 

「咲夜?彼女ならずっと前に死んでしまったじゃない」

 

【紅美鈴と門前にて】

 

「咲夜さん?あの人ならもうずっと前に亡くなったじゃないですか」

 

【フランドール·スカーレットと彼女の部屋にて】

 

「咲夜?咲夜ならずーっと昔に死んじゃったよ?」

________________________________________________________

 

皆、皆口を揃えて彼女はもうこの世にはいないと言う。

なら私が話していたのは誰なんだ。

一体何者なんだ。

私は頭を悩ます。

何度月が沈み昇ったのか、それすらもわからないほどの時間考え続けた。

そして私は、気付いてしまった。

一番考えたくなかった、その事実に。

私が話していたのはそう、十六夜咲夜だ。

確かに十六夜咲夜だったんだ。

·······ただ、その十六夜咲夜は、本物で偽物だった。

私の記憶が作り出した想像の中の彼女。

それが『あの』十六夜咲夜。

何故私が気づかぬうちに彼女を作ったのか、私はもうわかっている。

きっと私は彼女を愛していたのだろう。

想っていたのだろう。

 

私はあとどれだけ生きるかわからない。恐らくは今まで生きた年数の何倍も生きるだろう。

ここで私は選択する。

咲夜を思いながらも、想像の中の彼女を消して、悲しみの中に生きるのか。

想像を受け入れ、既にいない、私が作る空虚な彼女と話し、現実から離れて幸せに生きるのか。

私は選択しなければならない。

私は直ぐに決めた。

迷いもなく、悩まず、迅速に、決めた。

私の答えは-

 

咲夜。月が綺麗ね。

はい、とてもとても綺麗な月です。

それに紅いわ。

はい、それはまるでお嬢様のように。

ねぇ、咲夜。踊りましょうか。

私でよろしければ。

じゃあ、取り敢えず言っておきましょうか。

何をですか?

それはね-

 

「Shall we dance?」

 

さぁ、踊りましょうか。

この月が綺麗な夜に。

 

 

踊る。

私は踊る。

二人で踊るダンスを一人で。

月明かりに照らされながら踊る。




きっと未来はこうなる運命なんだ。




前書きの英語絶対文法可笑しい。
阿呆な作者でごめんなさい。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。