三度目の人生はTS転生で、俺は艦娘! ……待て、なんか髪が白くて狐耳と尻尾があるぞ?! 作:艦これが何時までも続きますように
ーー武の執務室
六月になり、気温が上がって湿気も多くなってきた。
海が近いから、余計に不快感が増す。
艦娘は俺を除く全員が不快に感じても、元が軍艦なのでそこまで湿気は気にならないようだ。
元人間の俺は武と共に「これから、暑くなるのか」「ああ、正直最悪だ」と、執務中に二人で憂鬱になった。
だが、実のところ、俺は夏という季節は好きな部類だ。
湿気が嫌なだけで、夏に行われるイベントには、出来るだけ参加した。
あのオタクの大型イベントにも参加することご多かった。
まあ、この世界の今のご時世、一度目の人生で毎年行っていたイベントとよく似た、この世界のオタクの祭典は人々の余裕が無いので、大半がなくなったが。
と言うか、日本全国主要都市もかなりの被害が出ているので、仮に深海棲艦との戦いが今終わったとしても、この世界のコミケが再開されるのは、数年は掛かるだろう。
全ての職種に甚大なダメージを与えるのが深海棲艦との戦いだった。
「はぁ、オタイベント行きたい」
「……その姿でか?」
「コスプレと勘違いされて、イベント会場に入る前に入口で止められるな」
武が座る執務机の右側の秘書艦用の机で書類を確認しながら、俺は溜め息をつく。
実は衰退したオタク文化のコスプレだが、艦娘をキッカケに再燃している。
防衛と反抗作戦が上手くいき、中国半島からの貿易が徐々に増えたことも理由だ。
南シナ海は……。
「ハァ、萌え系ミリタリー雑誌と硬派なミリタリー雑誌の取材を受けたのは失敗だったか…?」
「一般的なマスコミの取材が良かったか?」
「真っ平ごめんだな!」
武の問いに答えた俺の言葉は、大勢の艦娘の言葉でもある。
今はかなりマシになったが、一般的なマスコミの取材の仕方がかなり問題があった。
まあ、反戦団体やら女性人権団体やら、単純に艦娘を使って一儲けしようとするマスコミが多かった。
事前に妖精さん達が、威嚇射撃やら何やらで、暴れたにも関わらずにだ。
威嚇射撃だけで、怪我が無いのだが。
怪我をして謝罪と損害賠償だ! と当たり屋的には騒いだ連中も居たのだ。
ま、人類規模の危機に、足を引っ張る馬鹿がどうなるか、奴等は身をもって知ることになっただろう。
報道の自由? 知る権利? 度を越えれば怒られるのは当たり前だろが。
「加賀、コスプレされる艦娘ランキング一位、おめでとう」
「微妙な気分だよ」
コスプレイヤー達が、コスプレをする艦娘ランキングと言うのが六月の一日にネットのオタク達が集まるサイトで発表された。
ランキングは一位 加賀(特殊型) 二位 金剛 三位 大和 四位 島風 五位 響
となっていた。
今現在、メディアに出ている艦娘は少ないので、今後は分からないが、艦これの加賀を押さえて、俺が一位である。
近所の鎮守府で艦これの加賀が建造されたらしく、演習で会うのが正直怖い。
俺が目立ちまくったおかげで、一部のオタクや一部の提督から艦これの加賀はハズレ扱いされているからだ。
まあ、逞しいオタクは『2種類の加賀さんが存在することは、特殊型の赤城も存在するはず! 只でさえ、赤城&加賀と提督の三人でイチャコラな薄い本が作られてるのに、五人でイケるってことだろう!? 一粒で二度美味しいどころではない!!』とか、掲示板やSNSで騒いでいた。
「盛り上がって、艦娘のことを理解してもらうのは良いが買い物に行けなくなったのは辛いな」
「ま、あの騒ぎではな」
実は先日、俺は初雪と共に復興がかなり進んだ内陸部の街へ買い物に出掛けた。
武のデートプランの情報集めの意味もあったのだが。
帽子で頭の耳を隠し、厚手のロングスカートにちょっと無理やり布で尻尾を細巻きみたいに隠して買い物をしていたのだが、途中で俺だと気付かれ騒ぎになり、政府の監視兼護衛に助けてもらった。
仕方がないので、その後の買い物は政府の人に必要最低限を代わりに買ってきてもらって、どうにかした。
「そう言えば、護衛の人達とツーショット撮っただろう?」
「ん? ああ」
「仲間達から簀巻きにされたらしいぞ」
「え、マジで?」
どうやら、俺達艦娘はかなり人気らしい。
政府の関係者にもアイドル的な意味で人気があるらしい。
そう言えば、街で正体が露見した時も、サインを求められたっけ。
「その内、艦娘のグッズやサイン色紙とか作ることになるかもな」
「止めろよ」
娯楽に飢えてる今の日本人なら、やりかねない。
俺はすさまじく嫌な予感を覚えながら、書類を確認していく。
後日、俺の予感は現実のものになった。
★★★★★
ーー関東地区 特殊自衛官(提督) 第一会議室
「加賀、この案件はどう思う?」
国会議事堂のようなかなり広い妖精さんが作った専用の建物。
ネットではなく、直接議論をするべき案件の時に提督達は集まり話し合う。
とは言え全員が集まる訳ではない。ローテーションで提督と秘書艦と護衛二名が、交代に参加する。
防衛や何かしらの事情で参加出来ない提督は、ネットではなく、妖精さんが伝令となる。
「懸念も分かる。寧ろ、もっと早くに確認するべきだった。だが、これはやり方が問題だろう。下手すれば国際社会から孤立するぞ」
色んな意味でな! まあ、カモフラージュにはなるだろうが。
「神通と初雪はどう思う?」
武は護衛の二人に問いかける。
先に答えたのは神通だった。
「真の目的のことを考えれば、賛成です。賛成ではありますが……」
頬を紅くして、口ごもる神通。
真面目ちゃんだからね。俺も慣れたけど、流石に今回の作戦での活動を考えると……。
「面倒……」
うん、初雪ならそう答えるよね。
逃がさないからな、絶対に引きずり出す。
『集計が終わった。不参加の提督も事前に投票してもらっている。そして、賛成票が過半数を越えたので、ここに、ーー第一回 艦娘だらけのドキドキ! 全国ビーチバレー大会!! っを、開催することが決定された!』
ーーウオオオォォォォォォォォォっっっ!!!!
この会議に参加している半数くらいの提督(九割男)が雄叫びを上げ、数少ない女性提督達が不快そうに眉を潜めたり、馬鹿らしいと溜め息を付いていた。
「さぁ、大変なことになったぞ」
「ああ、日本が行う、実験的な大規模作戦だ。二人とも会議の内容は」
「分かってます」
「うん」
こうして、俺達は夏の大規模作戦へ向けて準備を始めた。
ちなみに、他国から目茶苦茶批難された。
まあ、ドチラカトイウと、
ーーうらやま、けしからん!! だったが。
ただ、各国の政府要人の本当に上の方と詳しい話を日本政府が行うと、批判は徐々に無くなるのだった。
作者「新年」
加賀「明けまして」
武「おめでとう」
作者&加賀&武「「「ございます!」」」
作者「今年もよろしくお願いいたします」
加賀「……って、新年早々、ビーチバレーネタ。季節ハズレもいいところだな!?」
作者「と言うわけで、今年も戦闘シーンカットしつつ、微妙にシリアスな日常系艦これTS二次創作作品ですが、よろしくお願いします」( ノ;_ _)ノ
作者「あ、ところで、加賀。ここにピスタチオっていう水着があるんだけど、着てみ【ーードグシャァッ!!(破砕音)】」
加賀「……」
武「マジでよろしくお願いします(鉄の臭いが……)」(;>_<;)