【伊アオ】「伊之助とアオイのほわほわもみじ狩り」【鬼滅の刃二次創作】   作:?がらくた

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新年あけましておめでとうございます。
実は隠していましたが?がらくた(作者)は、実は鬼殺隊に所属しています。
今日はちょうど那田蜘蛛山で任務があるので、そこそこの鬼の首を切って、SNSに画像をupする予定です。
楽しみに待っていてください。







嘘です。
大正時代についての調べものやら、極度の遅筆やら、気分転換のゲームやら、色々な理由が重なって遅れました。
調べもので一番驚いたのは、ムヒが大正時代にあったことです。
ゲームに関しては、11月のセールで半額だったルンファク4のドルチェが可愛すぎるのが全て悪いので、投稿が遅れた文句はマーベラスにお願いします。
こういう素直でなくて、ふとした瞬間に心の弱さを見せる子が、作者の性癖に突き刺さる。


第三話 一輪のリンドウ、目に見えないもの

もみじ狩り当日にて

 

(また着ることになるなんて……)

アオイは押し入れに仕舞い込んでいた隊服を、忌々しげに睨みつけた。

通気性に優れ、濡れにくく燃えにくい。

その上、雑魚鬼の攻撃では傷つかないほど強靭な繊維。

アオイは他にも適当な服を探したものの、結局は山での任務の実用にも耐え得る隊服が、最ももみじ狩りに適していた。

とはいえ政府非合法の組織で存在を秘匿にされていた隊服を、そのまま着用するのははばかられる。

アオイはベルトをきつく締めると、カナヲから借りたケープを身にまとう。

鬼殺隊の戦いはもう終わった、そう自分に言い聞かせて。

 

「伊之助さん、お待たせしました」

「……準備できた」

「女ってのは時間かかんだなぁ」

 

屋敷に訪れた伊之助はアオイとの約束通り、隊服の上に、炭治郎から借りたであろう緑黒の市松模様の羽織を着ていた。

珍しく形見の猪頭を外している彼に、素顔を見慣れている三人娘も、黄色い歓声を上げた。

だが見てくれがよくても、中身が野生児であるのには変わりなく

 

「うざってぇ、これ暑苦しいんだよ。鬼がいねーのに、こんなもん着させるなんて炭八郎の野郎……」

 

事あるごとに服を脱ぎ捨てようとする。

 

「すぐ裸になろうとして! 貴方はいい加減、文化的な生活を覚えて下さい!」

「あぁん?! 文化的ってどういう意味だよ、チビ!」

「チビチビうるさいわね、大して変わらないでしょ!?」

「で、出掛ける前から、喧嘩しないで下さいよぅーっ」

「……アオイ、今日は楽しむのが仕事。伊之助も」

 

三人娘は伊之助とアオイに縋りつき、カナヲは二人の肩に手を添える。

仲裁されて、ようやく二人は矛を納めた。

(また、やってしまった……)

アオイは、張り合ったのを反省する。

このままでは、手間をかけた小旅行が台無しになってしまう。

 

「伊之助さん、今日は喧嘩は無しにしましょう。カナヲたちまで不快にさせてしまうのは心苦しいので」

「……おう」

 

伊之助も、遺恨を残すのはまずいと感じたのだろう。

アオイの呼び掛けに、いつになく素直に応じた。

だが道中の機関車の中で、二人の言葉数は少なく、胸にわだかまりを抱えたまま、目的地へと向かっていくのだった。

 

 

 

 

山裾の雑木林に一歩足を踏み入れると、住む世界が変わったのを、アオイは肌で実感した。

深く長く息を吸い込むと身体の中の空気が、神聖な空気へと入れ替わって清々しい。

深緑の葉に覆われた空から差し込む陽光は、何とも言えず心地よく、思わず目を瞑った。

目を閉じると、どこからともなく清流のせせらぎと、鳥たちの山への侵入を拒むかのような、けたたましい鳴き声がする。

朽ちた倒木にはシイタケなどのキノコ類が新たな生命を宿していて、自然の逞しさに目を見張るばかりだった。

一行が秋の実りの豊かさに見惚れていると、突如雷鳴の如き叫びが静寂を引き裂く。

 

「ない、ない、ないぞ!」

 

黄金と紅の絨毯に四つん這いになった伊之助が、血眼にしながら叫んだのだ。

 

「伊之助さん、他の方もおられるので奇行は控えて下さい」

「黙ってられるか。ないんだよ、ドングリが!」

「行楽の秋ですから。先に来られた方々が、あらかた持っていかれたのでは?」

「いや、たまたまドングリが少ないのかもな。そういう年があるんだ」

 

冷静に分析する彼を尻目に、指差して嘲笑う男児と、それを諫めてそそくさと立ち去る母親の視線の冷たさが突き刺さる。。

しかし叱れば、外出前の二の舞だ。

(私たちが恥をかく。この人が馬鹿だから!)

喉まで出掛けた言葉を、彼女は噛み殺した。

 

「ガキ共。立派な松ぼっくりとか、鳥に食われてないツガとか、大きいツヤツヤのドングリがあったら俺にくれよ。後でドングリ倍返しにすっから」

 

そういうと持参した巾着に、見つけた秋の果実を、次々と入れていく。

欲しいものがあると、貨幣代わりにドングリを渡そうとする伊之助のドングリ好きは、鬼殺隊ではあまりにも有名であった。

とはいえ見境なしに放り込むほど、短慮な性格ではない。

 

「いつも大きくてツヤツヤの物を選んでおられるのに、どうしたんですか?」

 

アオイと同様の抱いたなほが首を傾げていると、伊之助が耳打ちする。

すると訝しげな面様をパッと明るくさせて

 

「そういうことでしたら、手伝います。いえ、私も協力させて下さい」

 

と、二つ返事で快諾した。

 

「なほちゃん、伊之助さんと何のお話したの~」

「あのね~」

 

なほはきよに、きよはすみに、こそこそと話し始める。

カナヲは微笑を張りつけたまま微動だにせず、我関せずといった様子で、その場に佇んでいる。

疎外感を感じたアオイがたまらず

 

「貴方たち、私に内緒で何か企んでる?」

 

と訊ねるも

 

「アオイさんには内緒で~す」

 

三人娘は一向に口を割ろうとしない。

 

「伊之助さん。どうせ、ろくでもないことやろうとしてるんでしょう」

「だったらガキ共が反対するだろうが。お前には絶対に言わねー」

 

(確かに下らない悪戯に、この子たちが手を貸すとは思えない……)

筋の通った真っ当な反論ではあったものの、棘のある言い方に、アオイの顔に青筋が走った。

 

「あー、ドングリねぇなぁ。ん、あれは……。おい、見てみろよ」

 

彼の視線の先には青紫の花が、太陽に恋焦がれるかのように垂直に伸びていた。

 

「晴れの日しか咲かない花。一輪だけぽつんと咲く、昔の半々羽織みてーな花。漢方薬になんだろ。しのぶから聞いたぜ。お前にやるよ」

 

そういうと伊之助は、その花を摘み取って、無邪気にアオイに突き出した。

男が女に物を渡す意味など、まるで知らない子どものように。

力任せに引っこ抜かれた根っこはモヤシのように太く、生命の力強さが、そのまま形となって現れている。

出掛けるついでに薬草の宝庫である奥多摩の山で採取しようと、事前に用意したガラス瓶に、アオイはそれを詰めていく。

医師であるしのぶから薬学の知識を学んだ彼女と、山育ち故に山の薬草に精通していった彼。

育ってきた環境がまるで違う男との意外な共通点に、彼女は驚きを隠せず、瞬きを繰り返す。

 

「伊之助さん、これが何かご存じなんですか?」

「名前はド忘れしちまった。アオイは詳しいだろ、教えてくれ」

「これはリンドウといいまして、生薬では竜の胆嚢とも呼ばれる植物です。すごく苦いので、伊之助さんは飲むのを嫌がりますね」

 

彼女から苦いと聞かされた伊之助は、渋い顔をする。

 

「伊之助さんが健康でいられれば、私だって処方しませんよ」

「そいつは無理な相談だな。俺は傷つくし、怪我もする」

「胸を張って言わないで下さい!」

「ハァ?! お前が治してくれんだから問題ねーだろうが。他にもお前の役に立ちそうなモン、色々あるぜ」

「あ、ちょっと。カナヲたちはゆっくりついてきて」

 

鬼殺隊時代の装いのカナヲと、半着の三人娘が走れば、膝をすりむきかねない。

注意するアオイの手を、伊之助が強引に掴むと、二人は颯爽と野山を駆け巡った。

サツマイモのような色合いの皮が二つに割れると、透明な実を覗かせるアケビ。

葉がハーブティーになる、小さく可憐なアキノキリンソウ。

秋の七草の一つのオミナエシ。

弘法大使の逸話で有名なヒキオコシ。

星形の白い花弁が特徴的な、三大薬草のセンブリ。

健胃薬の材料として名高い、ゲンノショウコ。

荘厳な自然の中には、蝶屋敷の裏山にはない植物も自生していて、アオイの目を楽しませる。

幼い頃から蝶屋敷の看護師として職務を全うしていた彼女にとって、同年代と何の気なしの会話をする暇などほとんどなく、屋敷で治療や雑務に追われる日々には感じられなかった、植物の匂いや美しさ、儚さ。

瞼に焼きつくほど見てきた植物の一つ一つが、新鮮に映った。

 

「割れたタマゴから生えた赤いキノコ。これ食えるんだぜ」

「タマゴタケですかね~。私は遠慮しておきます。似たキノコもありますし、有毒かどうか正確に判別できないので。伊之助さんなら構わず食べちゃいそうですけど」

「赤ん坊じゃねーんだぞ! 柄が黄色いのは大丈夫だって。山の王が保証する」

「伊之助さんに保証されても……」

 

癖で小馬鹿にしたように呟いてしまったアオイが、流し目でおそるおそる伊之助を眺めると、肝心の彼は喜色満面に溢れていた。

(もう、さっきのことは気にしてないのかな?)

安心したアオイはもらい笑いして、今日は来てよかったと、直接的な言葉にせず彼に伝えた。

二人きりになって改めて謝罪しようと考えていた彼女だったが、せっかくの雰囲気に水を差すのは無粋だと思い留まる。

自分の好きなことを、誰かと共有するこの時間が好きで、自分自身の手で、それを壊したくなかった。

 

「……やっと追いついた」

 

カナヲの声がしたと同時に、落ち葉を踏む乾いた音が立つ。

 

「ごめんね、先にいっちゃって。カナヲたちはどう、楽しめてる?」

「はーい」

「……うん。アオイたちが楽しんでくれてるから」

「えっ」

 

予想だにしない発言に、アオイが二の句を継げずにいると

 

「……目が見えなくなってから、目に見えないものが大事だって前以上に思えるの。表情は分からなくても、声だけははっきり聞こえるから。みんなが楽しそうにしてくれるのが、今の私の楽しみなの」

「……カナヲ」

 

その一言に、アオイは気がつかされた。

彼女の幸不幸を、勝手に決めつけていたことに。

盲目なのは不幸だと。

余命幾ばくもない、痣者の男に惚れたのは不幸だと。

親に虐待されて人買いに売られ、挙げ句の果てに自慢の視力まで喪失する。

他人から見れば踏んだり蹴ったりの恵まれない生い立ちだが、それでも幸福を噛み締めるひたむきさに、アオイはそれ以上、何も言えなかった。

 

「感動してる。アオイ、可愛い」

「一年前と比べると余計な一言が増えたわね」

 

アオイはプイッとそっぽを向く。

 

「教えて、鏑丸くん。アオイはどんな表情してる?」

「感動したのは認めるから! だから、わざわざ聞かないでいいって!」

「……顔真っ赤にしてるのは、見えなくても分かる」

「カナヲってば、もう知らない! 伊之助さん! この子はここに置いて、私たち五人だけでもみじ狩り満喫しましょう!」

「アオイー、ごめんってばー」

「おい、待てよアオコ」

 

伊之助が静止するのも聞かずに、アオイは風を切ってずんずん進んでいく。

ちょうど観光シーズンということもあり、秋の奥多摩の山は、普段より一段と騒がしいのだった。




突然ですが鬼滅の刃人気投票を実施します!!!



1.鬼舞辻無惨
2.累に刻まれた隊士(サイコロステーキ先輩)
3.冨岡義勇
4.その他モブ



以上の中からお選びください。
作者は煉獄杏寿郎、胡蝶しのぶ、黒死牟、真菰、蝶屋敷の三人娘、伊之助、アオイのモブ7名に投票しました。
皆さんの熱い投票を待ってます!!!!!!!!!!!!!!!
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