ありふれない慈愛で世界最強   作:月が好き

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第1章
1話 プロローグ


月曜日。

日本の学生が選ぶ嫌いな曜日ランキングで1位に輝いてしまうほどに大人気な曜日。理由としてはこれから5日も続く平日。学校で勉強とスポーツに精を出さなければいけない。手を抜こうものなら成績が悪くなって内申点に響いてしまい、将来に影を落としてしまう。なので学生は頑張らなくてはならないのが学生にとっての平日であり、その平日の始まりが月曜日です。

 

「はぁ……」

「大丈夫ですかハジメ?」

 

そんな月曜日の学校の廊下で溜息を吐いている一人の男子生徒。私のクラスメイトにして親友でありオタク仲間な少年、南雲ハジメことハジメの隣を歩きながら心配そうに声をかける。

 

「あ、あぁ。大丈夫だよ。ただ徹夜してたからちょっと寝不足でさ」

「また徹夜ですか。若いうちに苦労するのはいいことですが、苦労のし過ぎはダメですよ。ご両親の職場をブラックにしないためにも」

「前々から思ってるけど、カズラって時々年齢を疑――イタッ」

 

失礼なことを言われたので足に蹴りを食らわせた。本気を出したらハジメの細い足など一発でへし折ってしまうので、かなり加減している。私だって親友のハジメを傷つけたくなどありませんから。

 

「私の前で年齢の話をするなんていい度胸ですね。蹴りをご所望ですか?」

「ハハハッ、もう蹴ってるよね」

 

実際、私にとって年齢についての話はタブーに近い。某地獄にいる閻魔大王の補佐官が孤児でキレるのと同じで、年齢のことで揶揄ってきた人間は例え親友であっても許さない。ただ某人形師のようにぶち殺すことはないのでそこだけは間違えないでほしいです。

 

それにしてもハジメも酷いですね。親友の私に嘘を吐くなんて。ハジメが溜息を吐いていたのは徹夜だからじゃありません。長年彼の親友をやってるんですからそれぐらいわかります。先ほどの溜息は、居心地の悪い学校に通わなくてはならないという憂鬱な気持ちからだと言うのに。

 

廊下を歩いていたら私たちの教室に着いたので、ハジメが教室の扉を開けた。

 

「「「……ちっ」」」

 

私とハジメを出迎えたのはクラスメイトの明るい声でもなく、教室にいる男子生徒の大半から聞こえてきた舌打ちと、嫉妬に駆られて睨みつける視線でした。女子生徒もハジメに向けて侮蔑の視線を向けている者もいる。

 

何とも居心地が悪く、滅茶苦茶ムカつく。今すぐにでも彼らをひき肉にでも加工してやろうかと思いながらも鋼の理性で殺意を抑える。ハジメが耐えているのに私が耐えないわけにはいきません。

極力意識しないようにしているハジメは自分の席へと向かう。しかしどこにでもバカはいるのか、ハジメにちょっかいを出してくる者もいた。

 

「よお、キモオタ!また徹夜でゲームか?どうせエロゲでもしてたんだろ?」

「うわっ、キモ~。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん~。それに小学生も一緒だぜ~」

 

一体何が面白いのかゲラゲラと笑いだす男子生徒たち。最初に声をかけてきたのが檜山大介で、次に口を開いたのが近藤礼一。隣で笑っている二人が斎藤良樹と中野信治。彼ら四人が頻繁にハジメに絡んでいる男子生徒であり、小悪党組としてこのクラスでは有名な不良たち。

 

「うわっ、あの犯罪者まだいますよ。なんでまだ学校に来てるんですかね~」

 

そんな不良たちに侮蔑を込めて煽る。BBの煽り方を真似してみましたが、自分で言っててマジでムカつきますね。流石BBちゃん。親友をあそこまでバカにされてまで我慢する必要はありません。あれで我慢するぐらいなら理性なんて喜んで捨ててやりますよ。決して、小学生だなんて言われたことに対して怒っているわけではありません。ありませんとも!

 

私の口にした犯罪者という言葉。その言葉を聞いたクラスメイトたちが檜山さんたちへと視線を向ける。視線を向けられた小悪党組は私の煽りとクラスからの視線に居心地が悪そうに黙り込んでいた。

 

「ちっ……!」

 

ただ一人。檜山さんだけは私に忌々し気に舌打ちして睨みつけてきましたがちょっと周りには絶対にわからないように殺気を込めて睨んでやればすぐに黙りました。まったく、犯罪者なのは事実でしょうに。小学生相手にカツアゲしていたのを学校中にバラしたり、警察に連絡しただけなのに酷く恨まれてますね。

 

しかしどうしましょうか。空気が二転三転した結果クラス内の空気が完全に死んでますね。先ほどの空気が嘘のように静かにです。

 

「南雲君、カズラ君おはよう!今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ!」

 

そんな空気も読まずハジメと私に微笑みながら一人の女子生徒が私たち……正確にはハジメの元に歩み寄る。彼女はこのクラス、いえ学校でもハジメにフレンドリーに接してくれる数少ない例外の生徒ですね。

 

「あ、あぁ、おはよう白崎さん」

「おはようございます白崎さん」

 

ハジメが困惑しながら挨拶をすると周りからの視線がさらに強くなる。男子生徒だけではなく女子生徒もハジメへと視線を向けており、中には先ほどの犯罪者たちも含まれていた。クラス中の視線がハジメへと向かっているのに件の女子生徒は気付いた様子などみじんもない。流石はこの事態の全ての元凶であり原因だと呆れるしかない。

 

彼女の名前は白崎香織。この事態の全ての元凶であり原因です。

 

あの檜山さんが言った通りハジメは確かにオタクです。それはハジメ自身が公言しているので嘘でもなんでもありません。けれど、キモオタと罵られるほど身だしなみや言動が見苦しいわけではありません。積極性こそありませんがコミュ障というわけでもありません。外見も受け答えも明瞭な、ただの漫画やアニメなどが好きなどこにでもいるような普通の学生。それが南雲ハジメという人間です。

オタクに対する風当たりが強いのは確かですが、外見も受け答えも普通な、どこにでもいるような普通の学生であるハジメが、ここまで男子生徒に敵意や侮蔑を向けられることはあり得ません。

 

ではなぜ普通の学生であるはずのハジメがこれほどまでの扱いをされているのか?その原因こそ白崎香織という女子生徒の存在によるものなのです。

 

白崎さんはこの学校で二大女神と言われ男女問わず絶大な人気を誇る美少女。いつも微笑みの絶えない彼女は非常に面倒見がよくて責任感も強いため学年を問わずによく頼られている。そんな彼女を慕っている、もしくは好意を抱いている男子生徒は多く存在します。

 

そんな彼女はハジメによく構ってくるのです。教室で私と話している時、休憩の時、昼食の時、放課後、帰宅の時でも構ってきます。クラスにいる男子生徒たちは自分たちと同じ平凡で普通な学生なのに白崎さんと親しくしていることが、我慢できないのです。それがハジメに対して男子生徒が敵意と侮蔑を向けている理由ですね。女子生徒は知りませんが、どうでもいいので知ろうとは思いません。

 

しかしこの視線の多さには正直うんざりするので、そろそろ助けようと声を掛けようしますが、視線の先に面倒なのがこちらに向かってくるのが見えてしまい、内心でうげっ、と嫌な気分になり声をかけるのを忘れてしまった。

 

「南雲君、カズラ君。おはよう。毎日大変ね」

「香織、また彼の世話を焼いているのかい?全く、本当に香織は優しいな」

「カズラ、おはようさん。南雲もついでで悪いがおはよう」

 

やって来た女子生徒一人と男子生徒二人。挨拶をした女子生徒の名前は八重樫雫。白崎さんの親友であり剣術道場の娘。ポニーテールな髪と女性にしては珍しい170㎝越えの身長を持つ、カッコいいと評判な女子生徒。後輩の女子からお姉さまと慕われている人気者。なお本人は自分を慕っている後輩たちを見て頬を引きつらせているらしい。ちなみに二大女神の最後の一人。

 

次に挨拶していない男子生徒が天之河光輝。容姿端麗、成績優秀(学年二位)、スポーツ万能な完璧超人。180㎝の高身長であり細身で引き締まった体。誰にでも優しく正義感も強い正義の味方のような人間で、八重樫さんとは同じ道場に通う門下生であり幼馴染とのこと。クラスのカーストトップであり学園で大人気の生徒ですが、私にとっては一番嫌いな存在ですね。

 

最後にハジメについでで悪いが、と律儀に理を入れて挨拶をしたのが坂上龍太郎。天之河さんの親友で、大柄な体格で身長190㎝で筋肉質な体格。熱血とかスポコンなイメージ通りな脳筋タイプで細かいことは気にしない。

ハジメのような学校に来ても寝ていることが多い人間は好きではありませんが、とある出来事が原因でハジメとはそこそこ付き合いがあり、多少は気に掛ける感じになってます。まあその出来事が、私に関係しているのですが、そこは彼の名誉のために言わないであげた方が優しさという物でしょうね。

 

「おはよう、八重樫さん、天之河くん、坂上くん。はは、まぁ、自業自得とも言えるから仕方がないよ」

「おはようございます八重樫さん、坂上さん」

 

挨拶をされたので挨拶を返す。すると苦笑いしていたハジメにクラスメイトからの視線が鋭くなった。白崎さんと違って、女子生徒が視線のほとんどだというのが違いでしょうか。まあ、ハジメにとって女子でも男子でも変わらないんでしょうけどね。

 

「それが分かっているなら直すべきじゃないか?いつまでも香織の優しさに甘えるのはどうかと思うよ。香織だって君に構ってばかりはいられないんだから」

「いや~、あはは……」

「…………」

 

ハジメは天之河さんの発言に笑ってやり過ごそうとしているらしいが、私からしてみれば何を勘違いしているのだろうか、と呆れて物も言えない。

 

「?光輝くん、何言ってるの?私は、私が南雲君と話したいから話してるだけだよ?」

 

呆れて物も言えない私の代わりに爆弾を落とした白崎さん。爆弾のおかげでざわっ、と教室が騒がしくなり、男子生徒と犯罪者たちがハジメを呪い殺さんばかりに睨みつけている。その様子を見ながら頭を抑えながらため息を吐く。

 

この状況を悪意も善意もなく、ただの天然で作り出しているのだから呆れるしかない。後、私を同族を見るような目で見ないでくれませんが八重樫さん。当然無視しますけど。

 

「え?……ああ、ホント、香織は優しいよな」

 

はぁ……またですか。だから彼のことが本当に嫌いなんですよねぇ。彼は思い込みが強すぎて自分に不都合な言葉を聞いたら自分に都合のいい解釈ができる、素敵な耳を持っているんです。ご都合解釈でご都合主義な正義感の強い人間。それが完璧と呼ばれている天之河さんの本当の姿なんですよね。

はぁ……前世のブラック企業でもこんな人見たことありませんよ。というか、本当に高校生なのかと疑うレベルで精神年齢が気になってしまいます。

 

天之河さんを見続けるのが嫌になって来たので教室を見渡してみる。見渡した先ではハジメを睨んでいる者もいれば、仲のいい友達と話し合っている者、本などを読んでこちらを気にしていない者、そもそも完全に忘れ去られている可哀想な影の薄い遠藤さん。

 

天之河さんと白崎さん以外は極々ありふれた日常の世界。そんな光景を毎日見続けてきた、前世でブラック企業で働いて過労死して、天使様に出会いカズラドロップに性別は男のまま転生してしまった私は、今日も平和だと安堵したのでした。

 

 

 

 

 

 

天使様に転生させてもらった後、当然のことながら私はこの世界に二度目の生を授かりました。赤ん坊として産まれ、カズラと言う名前とドロップという姓を持つ日系外国人として。最初は驚きましたが、カズラドロップなんて普通に考えたらないですよね。

 

それから私はこの世界で私を産んでくれた両親に育てられてすくすくと成長しました。赤ん坊の時の授乳とかおむつ交換とかを除けば、非常に手の掛からない子供だったという自負があります。だって中身はいい年した大人ですから。

でもある時を境に私は修行に精を出すことになった。

 

天使様は言っていました。私が転生する世界は非常に危険で死ぬ可能性もあると。成長する過程でこの世界が世紀末でモヒカンなヒャッハーな世界ではないことは理解していたけれど、極々平和な世界が突如として死と隣り合わせな世界に豹変する作品が数多いので、この世界もそのタイプの世界だと考えたのです。なので万が一に備えるためにも私は私の力を正確に把握しなければいけませんでした。

 

修行してわかったことは、私と言う存在そのものがチート級の存在であり、本気を出したら国どころか大陸一つ程度であれば一日で支配できてしまうほどだと理解しました。

 

イデス抜きにして考えてみても、サクラファイブとBBのステータスを掛け合わせた私の力は最上級サーヴァントを優に超えてるかもしれないし、筋力や頑丈さではヘラクレス越えてるかもですし、足の速さではアキレウスやアタランテ越えてればいいと思いますし、魔力量では私一人で特大の魔力炉と同等の魔力を有しているかもしれませんし、基本スペックだけでも反則級だと思います。

 

全部思うとかかもとか、曖昧な表現なのは実物を知らないからです。ステータスなんてわかりませんので、とりあえずそんな感じなんじゃないかなぁ、と私が思ってるだけなので。

 

イデスに関しては、反則だと改めて実感するレベルですね。パッションリップの『トラッシュ&クラッシュ』で手に包めるものなら何でも圧縮でき、ヴァイオレットの『クラックアイス』で視界に収めた対象の時間を停止させることができました。『トラッシュ&クラッシュ』で森の木をキューブに変えたり、『クラックアイス』で飛ぶ鳥を空間に停止させたりしました。

ただ、メルトリリスの『メルトウイルス』はスキルや経験値を奪う相手がいないのでまだ試していません。適当な相手で試そうものなら最悪なことになりそうなのでその時が来るまで使用しません。

 

最後にキングプロテアのイデス『ヒュージスケール』と『グロウアップグロウ』ですが、こちらは今現在も使用中です。私が上限を超えてさらに強くなるためには、このイデスが必要不可欠なんです。

 

確かに私はチート級の存在ですが、それは天使様も理解しているはずです。理解しているはずなのに、それでも非常に危険で死ぬ可能性が高いと口にしたんです。つまり、これだけチート級の力でも死ぬ危険性が高いのがこの世界……の未来だということです。

なので私はどこぞの慢心王のように慢心することなく、さらに強くなることを決めました。

 

しかしどれだけ修行をしようとも強くなるにはそれなりに時間がかかってしまう。一体いつこの世界が死と隣り合わせな世界に変わってしまうのかわからない現状では、ゆっくり修行するなんて呑気なことはしていられません。また人目につくのも大問題です。

 

出来るだけ早急かつ人目につかないように強くなるしかありませんが、そんなの普通なら不可能です。そう、普通の人間であれば、ね?

 

普通ではない私には早急に強く尚且つ人目につかない方法が一つだけ存在していました。それこそがBBが持つ自己改造のスキルを使用することだったのです。

原作におけるBBは自己改造のスキルを使うことにより健康管理AIから超級AIとなり、戦闘能力を得た。このスキルを当然有している私は、日常生活でありふれた日々を送りながら自己改造で自身の強化と改善を繰り返している。

 

強い部分をさらに強く、弱い部分を改善しつつ強く再構築を繰り返しているのです。それはさながら、某半妖の犬妖怪の宿敵である某裸の妖怪と同じように。いえ別に裸にはなりませんよ?

 

話しが長くなってまとまりが無くなりそうなので端折りますが、キングプロテアのイデス『グロウアップグロウ』で無限に経験値を獲得し、『ヒュージスケール』で上限を何度も越え、自己改造で獲得した経験値を強化に充てる。

 

これが私だけに許された修行です。

この修行を繰り返し行いつつ、いつか来るであろう死と隣り合わせな世界に備えているのです。

 

「ハジメ。昼休憩ですから、一緒にご飯でも食べましょうか」

「また作ってくれたんだ、カズラ」

 

朝から時間が過ぎて現在は昼休憩。先ほどまで眠っていたハジメが懐から時間がない人のためのお手軽栄養補給食品を取り出す前に、彼の目の前に大き目の弁当箱を差し出す。

 

「はい。あなたの分のお弁当です」

「うん。ありがとう」

 

なぜ私がハジメにお弁当を渡しているのか?それはハジメと親友になってからハジメのご両親とも親しくさせていただいており、ハジメのお母さんである菫さんに忙しくて作ってあげられない自分の代わりに栄養のあるご飯を作ってあげてほしい、と頼まれたからです。元が健康管理AIの間桐サクラなので料理は得意なので、栄養満点で健康にいいお弁当を毎日作ってハジメに差し入れしているのです。さしずめ桜の特製弁当……カズラの特製弁当ですね。

 

「南雲くん。私も一緒に食べてもいいかな?」

 

私とハジメのところに近寄ってきた白崎さん。不穏な空気が教室を満たし、ハジメが顔には出しませんが心の中で悲鳴を上げていそうですね。というかハジメに断りを入れる前に私にも確認を取りなさい。

 

「あ~、ごめん白崎さん。嬉しいんだけど……」

「あっ、またカズラくんのお弁当美味しそうだね!」

 

ハジメの抵抗を完全に遮って口を開いた白崎さん。ハジメから今度は渡したお弁当の方に視線を向けました。

 

「ブロッコリーとか金平ごぼうも美味しそうだし、揚げ出し豆腐も入ってるんだ」

「ええ。ちゃんと栄養価とカロリーを計算したお弁当です。高たんぱく低カロリーな食事ですね」

「へぇ~。でも、お肉とか全くないね。よかったら私のお弁当の中身、分けてあげようか?」

 

私のお弁当を見てズバッ、と言ってくれる白崎さん。青筋を浮かべるほどではありませんが、この人喧嘩売ってんでしょうか?ハジメはハジメで白崎さんと刻一刻と増していく圧力に冷や汗を流してます。

 

「香織。こっちで一緒に食べよう。南雲はカズラが作った弁当を食べるみたいだし、そのついでに香織の作った美味しい手料理を食べるなんて俺が許さないよ」

 

爽やか笑顔な天之河さん。正直に言って気持ち悪い。前世の上司が女性社員をセクハラしながら口説いていたセリフと似ているから非常に気持ち悪い。あんな気持ち悪いイケメンスマイルのどこにモテる要素があるのだろうか?

 

「え?なんで光輝くんの許しがいるの?」

 

しかし恋する天然少女には通じなかったようだ。素で聞き返す白崎さんに八重樫さんが噴き出す音が聞こえる。隣の坂上さんは苦笑い。天之河さんは白崎さんにあれこれ話しているが、私から言わせれば邪魔だからどこかに行け、と言ってやりたい。

 

もうさっさと昼を食べてしまおうとして……凍り付いた。

 

天之河さんの足元に純白に光り輝く円環と幾何学模様が現れたから。その異常事態に近くにいた八重樫さん、坂上さん、白崎さんにハジメ、周りの生徒たち、天之河さん本人も気が付いた。全員が突如のことで動くことができない中で、幾何学模様――魔法陣のようなものは光をさらに増しながら輝きを強くしていく。

 

「皆さん!教室から出て!」

 

私と同じく年齢と身体の成長が比例していない社会学教師、畑山愛子先生が咄嗟に叫ぶも、誰も動けない。しかし私の頭の中では驚愕と同時にとある可能性が導き出されていた。

 

「(これってまさか……転移!?)」

 

これはまさか異世界転移の魔法陣!?そんな馬鹿な!天使様は私に言ったんですよ。私の転生する世界は危険な世界だって!異世界なんて話は聞いてッ!?

 

「ハジメ、手を!」

 

混乱する頭の中で身近にいたハジメへと手を伸ばす。しかし私の最後の抵抗を嘲笑うかの如く、魔法陣の輝きが爆発したかのように光が教室を満たした。

 





一応言っておきますが、ハジメのヒロインは原作通りです。
間違ってもカズラ(オリ主)がヒロインではありません。BL作品にするつもりはありませんので。

カズラの特製弁当は、FGOの概念礼装、桜の特製弁当と同じ中身だと思ってください。
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