UA5500突破とお気に入り200人越え。
この喜びを糧として頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。
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カズラドロップ 17(?)歳 男(?) レベル:980
天職:アルターエゴ
筋力:98531
体力:98410
耐性:97289
敏捷:96267
魔力:97945
魔耐:98925
技能:言語理解・対魔力(B+)・気配遮断(A+)・騎乗(EX)・狂化(E-)・変身(A)・単独行動(A+)・陣地作成(EX)・怪力(EX)・領域粉砕(A)・束縛願望(A)・クラックアイス(EX)・同族嫌悪(E-)・インセクトイーター(EX)・加虐体質(A+)・メルトウイルス(EX)・クライム・バレエ(A)ハイ・サーヴァント(EX)・女神の神核(A)・トラッシュ&クラッシュ(EX)・被虐体質(A+)・ブレスト・バレー(A)・道具作成(A)・十の王冠(EX→×)・黄金の盃(EX)・自己改造(EX)・百獣母体(EX)・ヒュージスケール(EX)・グロウアップグロウ(EX)・自己暗示(EX)・幼化現象(EX→×)
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「…………」
ステータスプレートに表示された文字と数字。それらを見て私はとある項目に釘付けとなっていた。
「全員見れたか? 説明するぞ? まず、最初に〝レベル〟があるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」
メルドさんの説明もあまり頭に入ってこないが、とりあえずレベル100という極地はとっくに超えてますね。だって私のレベルは980ですから。
後、レベルが上がってステータスが上がるのではなく、ステータスが上がるからレベルが上がるとは、ちょっと興味がありますね。
「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後でお前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」
メルドさんが何か言っているようですが、私にはよく聞こえない。そんなことよりも自分のステータスプレートを睨みつける。睨みつける項目は2つ。
――17歳(?)、男(?)。
名前の横に記されている年齢と性別に、なぜか?が入ってる。おかしいですねぇ。なんで性別と年齢が疑われてるんでしょうか?年齢は戸籍や出生届なんかを見てもらえればわかると思いますし、性別だって男性にしかなくて女性にはない部分を見てもらったらわかるはずなんですけどねぇ?
確かにトイレ入ったり更衣室入ったら時々、本当に時々、本当の本当で本当に時々中にいた男性に驚かれたこともありますけど、更衣室間違えてるよとか言われたりお嬢さんとか言われたこともありましたよ?
映画見る時とか遊園地とか観光地見る時とか、子供料金を請求されることも多々ありました。もちろん大人料金払いましたけど。
でもなんで異世界で、しかもアーティファクトという神だかその眷属が作った身分証明書に疑問に思われなければならないんですかねぇ~?
こんな世界のために戦うつもりはありませんでしたけど、とりあえずこのステータスプレートを創った方には小一時間問い詰めて全力で蹴り飛ばしましょう。もしくは虫空間で拷問生き地獄でも味合わせてやりましょうか。
「次に天職ってのがあるだろう?それは言うなれば才能だ。末尾にある技能と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は1000人に1人、ものによっちゃあ万人に1人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが……100人に1人はいるな。10人に1人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」
無類の才能……天職がアルターエゴな私の才能って、どういう才能になるんでしょうか?とりあえず戦闘職なのは確実だと思いますけど。それにこの技能、言語理解以外、全部サクラファイブとBBのスキルですね。
ご丁寧にランクも記載されてますけど、なんだか私の記憶とは少し違うような……まあもうかなり昔の記憶ですし、私の勘違いでしょう。でもそうなると気になるのは2つのスキル。
十の王冠(EX→×)と幼化現象(EX→×)
この2つのスキルは他のスキルとは表示のされ方が違っている。→とその先に×のマーク。おそらく左のは元々のランクで、矢印の先にあるのは現時点でのランクでしょうか。元々私は十の王冠は使えなかったですし、幼化現象だって今まで一度も起きたことはない。
つまり×とは使用することができないスキル……技能ってことでしょうか?しかしそれにしてもおかしい所が――。
「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな!全く羨ましい限りだ!あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」
「(……ッ!)」
メルドさんの声で先ほどまで考えていたことがきれいさっぱり無くなり、代わりにやばい、という考えが頭の中を埋め尽くした。
私だけが見るのであればこのステータスは問題ではありませんが、メルドさんに見せなくてはいけないと言うのであれば大問題です。だって私のレベルは1どころか人間の限界である100を遥かに超えている980。ステータスの数値では90000を超えている。こんなステータスを持っている私が問題にならないはずがない。
「(ステータスプレートを見せない……駄目です)」
見せないと言う選択肢は存在していないし、しかも見せる相手がメルドさん。彼は教会と国に忠誠を誓っており、私のステータスを見れば喜んで教会と国に報告してしまうだろう。
つまり、メルドさんに私のステータスプレートを見られた時点で私は終わりだ。国王はまだしもイシュタルに私のことが知られてしまうのは絶対に避けたい。
しかしもう遅すぎる。クラスメイトは次々にステータスプレートをメルドさんに渡しており、この状況で私が渡さなければ渡せない理由があると言っているようなもの。
この絶望的な状況をどうすればいいのか。何かないかと考えながらステータスプレートを見ていた私は、とあるスキルが目に入った。
「(自己暗示……これならッ!)」
自己暗示。自らに暗示をかけるものであり、通常は精神に働きかける魔術・スキル・宝具の効果に大して高い防御効果を持つスキル。Aランクにもなれば、歳を取らない、と思い込めば本当に肉体の老化が止まり、現実にまで作用するほどの思い込みが可能なスキル。
元々はキングプロテアのスキルですが、そのランクはEX。Aランクよりも上でありその影響力は強いはず。自己暗示を使ってステータスプレートを、とりあえずレベルを1にしなくてはならない。
「(私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1私はレベル1――)」
誰にも聞こえないように心の中でレベル1と呟き続ける。なんだかヤバイ人のように思えてきますが、そんなこと気にしている暇もないので呟き続ける。すると暫くしてステータスプレートに変化が現れた。
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カズラドロップ 17歳 男 レベル:1
天職:アルターエゴ
筋力:500
体力:500
耐性:500
敏捷:500
魔力:1000
魔耐:500
技能:言語理解・対魔力(B+)・気配遮断(A+)・騎乗(EX)・狂化(E-)・変身(A)・単独行動(A+)・陣地作成(EX)・怪力(EX)・領域粉砕(A)・束縛願望(A)・クラックアイス(EX)・同族嫌悪(E-)・インセクトイーター(EX)・加虐体質(A+)・メルトウイルス(EX)・クライム・バレエ(A)ハイ・サーヴァント(EX)・女神の神核(A)・トラッシュ&クラッシュ(EX)・被虐体質(A+)・ブレスト・バレー(A)・道具作成(A)・十の王冠(EX→×)・黄金の盃(EX)・自己改造(EX)・百獣母体(EX)・ヒュージスケール(EX)・グロウアップグロウ(EX)・自己暗示(EX)・幼化現象(EX→×)
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ステータスプレートのレベルが1になっていた。
それに伴いステータスもかなりダウンしている。魔力以外の数値が500で魔力だけが他のステータスの倍で1000。おそらくこれがレベル1のステータスという奴でしょう。少し高い気もしますが、数倍から数十倍というメルドさんの言葉の範疇なので良しとしましょう。
私が自分のステータスに安堵している中、メルドさんの呼びかけに答えた天之河さんがステータスプレートを見せに行った。
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天之河光輝 17歳 男 レベル:1
天職:勇者
筋力:100
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:100
魔耐:100
技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解
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技能が少し羨ましいと思った私は悪くないと思う。先読とか高速魔力回復とか気配感知とか魔力感知、物理耐性とか私も欲しいです。特に気配感知って、私が持ってる気配遮断も見破るんじゃないでしょうか?そう考えると全アサシンクラスを泣かせるチートですね。アサシンクラスが全員ハサンになってしまいますよ。
あっ、ハサンというのはギルガメッシュ王曰く、サーヴァントかいにおいて不遇な者をハサンと呼ぶそうです。キングハサンに首でも斬られればいいのに。
「ほお~流石勇者様だな。レベル1で既に3桁か……技能も普通は2つ3つなんだがな……規格外な奴め!頼もしい限りだ!」
「いや~あはは……」
メルドさんに肩を叩かれて嬉しそうな天之河さん。これで同じく3桁で5倍+技能も倍以上ある私のステータスプレートを見せたらどんな反応をするんでしょうか?ちょっと見てみたいですね。うふふっ。
それから他の皆さんもメルドさんに確認してもらいますが、戦闘職ではあるものの天之河さんには到底及ばないステータスばかり。つまり私とは天と地ほどの差があるということです。正直これ以上聞いていても意味はなさそうなので、おとなしく自分の番まで待っていようかと思った時、一人の人物が目に映った。
「ハ、はは……」
「ど、どうしたんですかハジメ?」
ステータスプレートを見て乾いた笑みが零れている親友のハジメ。その様子がとてもアレであり、どう見ても困っているようなので親友としてハジメに声をかけた。
「カズラ……うん。僕のステータスなんだけどさ」
そう言ってハジメが差し出してきたステータスプレートを拝見させてもらう。
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1
天職:錬成師
筋力:10
体力:10
耐性:10
敏捷:10
魔力:10
魔耐:10
技能:錬成・言語理解
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平凡。それがハジメのステータスプレートを見て抱いた感想だった。ステータスオール10で技能も1つ。先ほどメルドさんが口にしていたこの世界の人間のステータスと全く同じだった。
「普通ですね……確かにこれは大変ですね」
「うん……そうなんだ」
ハジメは苦笑いしながら落ち込んでいる。先ほどの私は自分のステータスが高すぎて困っていましたが、ハジメはその逆で低すぎで困っていた。この世界の住人であれば別に気にすることはないのですが、ハジメは異世界から来た勇者扱い。しかも他の面々は高いステータスと技能を持っているのに、ハジメだけが普通のステータス。しかもメルドさんは珍しい天職と高いステータスに若干興奮しており、期待も増している。
そんな中にこのステータスプレートを渡すと言うのは、なかなか勇気が必要ですね。
「なんだかちょっと、ね……」
落ち込んでいるハジメに声を掛けようかと思いましたが、止めました。私のステータスとハジメのステータスは文字通り天と地の差。こんな私に励まされても嫌味でしかありません。でもハジメは今世において最も大切な親友です。そんな親友の落ち込んでいる姿は見たくないし、メルドさんにステータスプレートを見せればさらに落ち込んでしまうでしょう。
何とかしたいと考えてみても、私の技能に与えるスキルは入っていない。スキル以外で何とかハジメを助けてあげられないかと考える。考えて考えて、前世の知識まで遡る。そして一つの考えにたどり着いた。
「(私の経験値をハジメに渡せないでしょうか)」
それは本物のカズラドロップが行った行動。キングプロテアとの戦いでリソースを使いすぎたカズラドロップがBB1stからリソースの一部を譲渡させたことがあった。それなら逆に、カズラドロップの体と力を持つ私からハジメにリソース……経験値を譲渡することも可能なはず。
しかし話はそんな簡単なことではありません。私が知っているのはあくまでフィクションであり、現実に起こったことじゃない。しかもあれは電子という量子コンピューター世界での話し。その時点で諦めるレベルの難易度です。
「大丈夫ですよハジメ。私はどんな時でも味方ですから」
けれど、やらないよりもやって後悔した方がましです。私はハジメの手を握りしめて励ます。ただ握りしめるのではなく、私の指の傷口とハジメの傷口を合わせるように。
本物のカズラドロップはキスというとんでもない行動で譲渡させてましたが、私は男性でハジメも男性。男性同士のキスなんてホモや腐女子が喜ぶだけで、まっとうな感性を持つ人間は気持ち悪がるだけです。私が仮に女であれば、ハジメとキスくらいならばしてあげたでしょうけど、私は男なのでしません。
互いの傷口を合わせてるだけですけど、おそらくこれでも上手くいくと思います。原作でキスだったのはリソースの流れ道を作るためと、最も内部に影響しやすい口から吸いだすためだったんでしょう。それならば傷口を合わせることで内部への道を作り、血を経由して経験値を譲渡する。
「……ッ!?」
「カズラ?」
可能か不可能かまだ分かりませんが、とりあえず道は出来ました。後はハジメに私の経験値を分けるだけ……その瞬間、私は自分が最悪なことをしようとしていることに気が付いてしまった。
この世界はレベルが上がってステータスが上がる世界ではない。この世界は、ステータスが上がってレベルが上がる世界。今ここでハジメのステータスを上げようものならハジメのレベルまでも上がってしまう。そうなればメルドさんは迷わず上に報告してしまう。
それは私が防ぎたかったことそのものです。
「いえ……なんでもありません。ごめんなさいハジメ」
「……ううん。別に大丈夫だよ」
顔を俯かせながら謝る私にハジメは安心させるためか笑みを浮かべている。その姿が私の心を容赦なく抉る。後悔している私の内心など知らないとばかりにハジメの順番が回ってくるが、ハジメは笑顔だった。
「ありがとうカズラ。おかげで勇気が出たよ」
「――私は何があってもあなたの味方です」
「大袈裟だよ。それじゃあ行ってくるね」
最初の乾いた笑みではない笑顔を私に向け、ハジメはメルドさんにステータスプレートを渡しに行った。受け取ったメルドさんは最初はホクホクとした笑みを浮かべていたが、ステータスプレートを見た瞬間に笑みが固まり、叩いたり光にかざしたり凝視した後、もの凄く微妙そうな表情でハジメにステータスプレートを返した。
「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛冶するときに便利だとか……」
先ほどとは打って変わったメルドさんの様子に、いつもハジメに絡んでいる小悪党組の檜山さんがニヤニヤとしながら声をかけた。
「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か?鍛治職でどうやって戦うんだよ?メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」
「……いや、鍛治職の10人に1人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」
「おいおい、南雲~お前、そんなんで戦えるわけ?」
檜山さん……いえ、檜山が嫌な笑みで非常に不愉快です。ですがそれ以上にもっと不愉快なのは周りの生徒達――特に男子はニヤニヤと嗤わらっていること。女子も女子でヒソヒソとハジメを嗤い者にしている。
「さぁ、やってみないと分からないかな」
「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ~?」
メルドさんの表情から察しているだろうに、わざわざ執拗にハジメに絡み笑っている檜山。取り巻き3人も同じようにはやし立てており、その光景が非常に不愉快すぎる。その光景に一部の生徒、特に白崎さんと八重樫さんそれに坂上さんも不愉快そうにしている。
正直に言えば、今すぐに飛び出して檜山を蹴り飛ばしてやりたい。嗤っている3人にもそれ相応の報いを受けさせてやりたい。
でもそれは出来ない。ほかでもないハジメが耐えているのに、私が堪えないわけにはいかないから。
「ぶっはははっ~なんだこれ!完全に一般人じゃねぇか!」
「ぎゃははは~むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな~」
「ヒァハハハ~無理無理!直ぐ死ぬってコイツ!肉壁にもならねぇよ!」
檜山からハジメのステータスプレートが渡された小悪党組3人が嗤う。握りしめた手に力が入り今すぐにでも飛び出しそうになる。でも耐える。理性で耐えなければいけないと無理やり体を固定させる。でないと私は……。
「いや肉壁にはなるぜ?でもどうせすぐに死ぬだろうけどなぁ!あっはははははっ!!」
ああ、もう我慢できない。憤然と動き出そうとした白崎さん、怒りの声を発しそうな畑山先生、怒りに駆られて飛び出そうとした坂上さん。そのどれよりも早く私は動き出していた。
「ぶへっ!?」
ハジメに絡んでいた檜山の顔面を殴る。手に伝わった感触から察するに鼻の骨が折れたかもしれません。でもそれだけで許すはずがない。許していいはずがない。
「な、なにしや――」
「黙れ」
一言。たった一言呟いただけで、周りの空気が一気に冷えた。それはさながら真夏日から氷点下へと急転直下したかのような感じで。周りが息を飲む様子、怯える様子、驚く様子、様々な様子が見える。けど私はそんな周りのことなどすでに気にしていない。
「ぐへっ!?」
殴られたことで無様に鼻血を流しながら倒れていた檜山。逃げられると面倒なので胸元に右足を置いて体重を乗せる。潰されたカエルのような声が聞えたような気がしますが、これで逃げられることはないでしょう。
――ギィィィー!
両腕に武器――パッションリップの鉤爪を実体化させる。突如として現れた巨大かつ凶悪な爪。金属が奏でる不快な音と凶悪そのものな外見。これだけで見ている人たちに不安と恐怖を抱かせる。
「ひぃぃぃー!?お、お前!お、俺に一体……!」
私の足元にいる檜山は恐怖を抱いているらしい。恐怖に恐れ戦き、鼻から血を流しながら私を見て怯えている。その姿に加虐心が刺激されますが、それ以上に怒りが心を支配する。
「ッ、いかん!?」
未だに動けないクラスメイトと畑山先生よりも先に動き出したのはメルドさん。流石は騎士団長と言うべきでしょうか。この状況を見て動き始めたのは褒めておきます。ですが遅い。
「ヨカナーンを籠に」
右手を後ろに振り払い爪をまっすぐに揃えると、私は何の躊躇いもなく足元の檜山へと鉤爪を振るった。
今回の話しはどうでしょうか?
流石にレベル980のままでは見せられないので、レベルを1に戻しました。自己暗示のスキル説明にも現実に影響を及ぼす、とあるのでそこまで変ではないと考えています。
次の話しから原作にはないオリジナル展開を考えていますので、多少時間がかかるかもしれません。しかし必ず投稿しますので、楽しみにお待ちください。