ありふれない慈愛で世界最強   作:月が好き

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6話 侯爵と王立図書館(裏)

「ふひひ。よくぞいらっしゃいましたカズラ様」

「ええ。お招きありがとうございますハーヴェイ侯爵」

 

爵位持ちの貴族は領地の屋敷以外にもその国の首都に当たる場所に屋敷を構えるのが当たり前。私と縁を結んでいるハーヴェイ侯爵もその一人であり、屋敷の規模と広さで見れば一つ上の公爵家にも匹敵する屋敷を持っている。

 

「そのような他人行儀はおやめください。私はしがない貴族。あなた様は神の使徒なのですから――というかちょっと気持ち悪いですよ」

「蹴りますよ?」

 

おお怖い怖い、とおどけた様子を見せる侯爵。その様子を見て何とも立派なタヌキだと思う。まあだからこそこうして縁を結んでいるのですがね。

 

「とりあえず紅茶でもどうですかな?今日はいい茶葉が手に入ったのですよ」

「ええ。いただきます。ついでにお茶菓子もください」

「遠慮ないですな」

「他人行儀を止めた結果です」

「これは一本取られましたね」

 

返答に笑いながらメイドに指示を出す侯爵。はっきり言ってこの侯爵相手に公でならともかくこういう場で遠慮するつもりはない。私たちは互いに利用し利用し合う間柄。決して仲間でもなければ上下関係もないのだから。

 

「どうぞム―—カズラ様」

「ええ。いただきます」

 

メイドが差し出した紅茶を一口。いい茶葉を使っているという言葉通りなかなかにいい香りがする。

 

「美味しいですね。森人族は紅茶を淹れるのが上手い一族なんでしょうか」

「ふふふ。旦那様の指導の賜物です。私たちメイド隊は皆旦那様から紅茶の手ほどきを受けておりますので」

「…………」

「なんですかなその顔は?私だって紅茶くらい淹れられますよ」

 

何だかとんでもなくイメージダウンしそうなことをさらっと言われた。イメージ通りであればどんな名人が淹れた紅茶でも関係なしに口に放り込み、味も香りも楽しまずただただ飲み干すようなイメージでした。

 

「まあそこはいいです――それで、どういうことですか」

「どうとは?」

「私をオルクス大迷宮の遠征に向かわせなかったことです」

 

分かっていない――なんてことはない。とぼけた様子で見ている侯爵に本題を遠回しもなく切り込む。彼は彼で何も表情を変えずにいる。

 

「ふむ……それはメルド団長からすでに説明されているのでは?」

「ええ。ちゃんと説明してもらいましたよ」

 

あの私だけ留守番宣言の後、驚くクラスの中から坂上さんとハジメがメルドさんに詰め寄り、なぜ私だけ王都に残るのか、それを問い詰めた。クラスの中でも私が不参加というのに疑問を持った生徒が多数いたのでそれは分かりきったことだった。メルドさんも予想していたのか申し訳なさそうに、説明した。

 

勇者一行の向かうオルクス大迷宮への遠征のため、現地指導員兼護衛としてメルドさんとその直属の部下が向かう。また畑山先生は作農師として王都を出て農地開拓として各地に派遣されており、その護衛としてメルドさんよりも劣るがそれなりに強い騎士団が護衛として派遣されることになる。

 

その結果として、王都を守備する戦力が大幅にダウンする。未だに王都は戦場になっていないが、魔人族との戦争が激化している状況で戦力低下は容認する問題ではない。しかし勇者一行の訓練であれば容認するしかない。

 

なぜなら勇者一行は魔人族殲滅に神が呼び出した者たち。それを優先しないのは神の敵である異端者とみなされるからだ。

 

しかしいくら容認しても戦力低下の問題は大きい。そのことを危惧した貴族たちに対し、会議に出席していたイシュタルが代案を出した。

 

メルドさんよりも強い私と言う戦力を王都に残す、と。

 

私のステータスはメルドさんを通じて教会上層部や王族や貴族に伝わっている。メルドさんやそれに準ずる騎士団がいなくても、それ以上に強い者が残ってくれるのであれば王都の守りは万全である、と。

 

その言葉で私は王都に残ることになってしまった。というのがメルドさんからの説明でした。

 

「ならばその言葉通りですよ。そこになんら嘘はありません。実際そのとおりですからね」

「人質を残しておくから逃げ出すなよ、とは説明されてませんよ」

「――嘘はついていませんよ。口にしてないんですから嘘も何もありません」

 

否定しない。侯爵は嘘を吐いていない。つまりやはり私の仮説が、人質として残されたことが正しいという意味だ。

 

「ちなみにどの程度理解しているかお聞きしても?」

 

こちらを値踏みするかのような視線に、私は自分の考察を説明していく。

 

先ず前提として、私たちはこの世界を救うためにエヒトに召喚されましたが、召喚されて説明された当初は戦争に反対していた。それが天之河さんの鶴の一声で戦争参加になっただけ。

つまり天之河さんと坂上さん白崎さん八重樫さん以外の人間は戦争に参加するつもりがない者として、教会とイシュタルに目をつけられている。

 

だからこそ普段は警備の厳重な王都から外に出ることは許されない。警備が厳重であればあるほど、逃げ出すことが困難なのだから。だからこそ私たちは王都の外へ出ることは原則できない。作農師である畑山先生を除いて。

 

そんな中でオルクス大迷宮への遠征が決まった。これは逃げ出そうと考える生徒にとってまさしく絶好の機会となります。

何しろ警備が厳重な王都から外へ出れるのだ。そんなチャンスをみすみす逃すことはない。この機会に逃げ出そうとする生徒がいるかもしれない。だからこそ逃げ出さないように人質を残すことにした。

 

それが私だった。

 

本来なら人質として最も選びやすいのはハジメです。ステータスは生徒の中で最も低く、魔法適性もなく、天職は錬成師。これほど戦闘向きではなく王都に残す人質として最適な人材はいないでしょう。しかし生徒たちに対しての人質となるかどうかは別です。

ハジメのクラスでの関係はあまりよくない。イシュタルは二週間の間にクラス内でのハジメの様子を見て人質にはならないと考えたのでしょう。何しろハジメを人質にとっても逃げ出そうとする生徒は多そうですからね。

 

それに表向きの理由は王都の防衛戦力。ハジメを戦力として残すことは出来ない。だからこそ戦力として残すことが出来るように、私が残された。ついでに私が一番先に脱走しそうだと思われているのでしょうね。私を王都に残せばハジメたちと共に逃げ出すことが出来ず、ハジメを確実に確保できますから。

 

ということを侯爵の前で説明してあげた。

 

「ふむ。なぜ南雲様を逃がさないと思ったのですかな」

「ハジメを確保しておけば私に命令しやすいでしょ?ハジメの命が欲しければ命令に従え、とかね」

 

実際二週間の間でハジメの待遇は変わっていない。クラスからはバカにされ、貴族からもバカにされ、戦力として数えられていないにも関わらず、ハジメの待遇は変わっていない。メイドが変わったことはありましたが、今のメイドの方が前のメイドよりも親切、というハジメの証言からも環境を良くしていると思われる。

 

それは私に対する配慮。私がハジメをバカにしたクズを真っ先に手を出し殺しかけたことから、私最大の弱点がハジメであるとイシュタルは気付いている。だからこそハジメを逃がすわけにはいかず、手元に置いておきたいのだろう。今回は別になりましたが、今後ハジメは王都より外へ出ることは絶対にないでしょうね。

 

「流石はカズラ様。その通りです」

 

説明を聞いた侯爵は笑う。その様子に苛立つことはなく、淡々とした口調で話を進めていく。

 

「こちらの意図を察するとは流石は私の見込んだお方だ」

「当然です。私だって必ずそうしますからね。人質でも取って無理やり働かせるくらい当然のことです」

「…………」

 

私であれば女生徒全員を人質にとって男子全員を無理矢理働かせるくらいのことはやります。天之河さんだけが大敵ですが逆に言えば彼さえ無力化することは簡単です。適当に記憶を奪い、記憶を返すことを条件に戦争に参加させてもいい。記憶さえなくせばこちらの思い通りに動かすことも可能なのですから。

 

「あなたを敵に回さなくてよかったと心から思いますよ」

「それはそうですよ。お互いの目的のために、互いに利用し合う。それが私たちの関係なのですから」

 

違いありません。そう笑いながら紅茶を飲む。やはりこの侯爵は利用できるし守る価値がある。こうした心に大きく太い芯を持つ人間は貴重ですからね。

それからは互いに状況を説明したり、談笑したり、私の世界のことを話したり、侯爵が知りたがっていた情報を教えてあげたり、とても有意義な話となりました。

 

「――そうですか。かの国はもうないのですね」

「ええ。穏やかな滅びではありませんでしたが、それでも彼女の願いに意味はあったと思いますよ」

「そうですか。それならば安心しました」

 

彼が最も必要としていた情報は渡した。そのことをどう伝えるのかは彼しだい。そこはもう私には関係ない。

 

「カズラ様。ありがとうございます」

 

気が付いたら侯爵は頭を下げて感謝していた。その様子を見て、本当に愛されているのだと関係があるようで関係がないように見えてやっぱり関係がある私としては、多少嬉しく思ってしまう。

 

「別に気にしなくてもいいですよ」

「いいえ。私にとって彼女にとってこれは本当に大切なお話でした。何かお礼を」

「お礼なんて別に……いえ」

 

何かお礼を。そう言ってきた侯爵に対して最初は断ろうと思っていた。先ほどの情報は私しか知らない話だとしても価値など皆無。昔を思い出せて楽しかったので別に要らないと思ったのだが、侯爵を、そして森人族のメイドやこの屋敷にいる亜人族を見てその気持ちが変わった。

 

「それでは侯爵様に、私の小さな願いを叶えてもらいましょうか」

「……お手柔らかにお願いしますね」

 

こちらの表情を察して早まってしまったかもしれない、と思っているであろう侯爵に対し、ニッコリと笑ってお願いを口にした。

 

 

 

 

 

 

「ふひひ。つきましたよカズラ様。ここが目的の会場です」

「…………」

 

侯爵に頼みを聞いてもらって連れてきてもらった会場。しかしその建物を見た瞬間、言葉を失ってしまった。その様子を見て外行きの雰囲気を纏っている侯爵は面白そうに笑う。

 

「おやおや。カズラ様のそんなお顔を見られるとは、連れてきて正解でしたね。どうですか感想は」

「……言葉も出ませんよ」

 

こちらを見下ろす侯爵は面白そうに笑う。しかしこっちは頭が痛くてそんな気になれない。まさか私の目的の会場がここだとは思わなかった。

 

「ふひひ。それはそれは――引き返すのなら今ですぞ」

「引き返しませんよ……暫くは私のことを無視してくださいね」

「ふひひ。了解です」

 

侯爵はそれだけ言うと建物の中へと歩いていく。その隣を私もついていき、建物の受付にたどり着く。

 

「ようこそハーヴェイ侯爵様。王立図書館に何の御用でしょうか?」

「ふひひ。本を返したい」

 

そう。侯爵に連れられてやってきたのは以前ハジメと坂上さんと一緒に利用した王立図書館。その職員も一度見たことのある顔だったが、本当にここに私が頼んだものが開かれるのだろうか。

 

「本は3冊。ついでに1冊借りたい」

「……確認いたします」

 

そう言って侯爵が手渡したのは本……ではなく銀貨で3枚と金貨1枚。それを受け取り確認するという職員の目つきは変わっていた。

 

「相変わらず面倒な合言葉ですな」

「侯爵様は大事な上客ですが、あくまで規則ですので……それより誰にもお伝えしないでくださいよ」

「ふひひ。分かっておる。今日も私一人で来ているではないか」

「そうですね……確認いたしました。これがご要望の本でございます。読む場所はいつもの場所で」

「ふひひ。分かっておる」

 

そう言って職員は私に目もくれずに一冊の紙を手渡した。紙を受け取った侯爵はそのまま歩いていくので私もついていく。そして向かった先は私と侯爵が依然出会った場所、ハジメたちと勉強していた場所に近い所だった。

 

「おお、ここだここだ」

 

そして一つの部屋の前に止まった。そして侯爵はノックを続けて三回。そして間隔を空けて開けて三回した。

そして扉が開かれる。ただし外側からでなく裏側から。

 

「どうぞお客様……お一人ですか」

「ふひひ。見ての通りだ」

 

中から出てきたのは先ほどの職員とは違い明らかに裏の人間だとわかる。やはりここが私の目的の場所だったようですね。

 

「わかりました。会場にご案内いたします」

「おお頼むぞ。今日のオークションを私も楽しみにしていたのだ」

 

ここがオークション会場で間違いないようですね。

 

 

 

 

 

 

人間の欲望は尽きることがない。

人は人である限り欲望から逃れることは出来ない。自分にはなくて相手が持っているもの。それが道具という形のあるものであったり、才能や知識という形のないものであったとしても、人間は誰しも自分の持っていないものを羨み手に入れようとする。

 

しかし手に入れたからと言って満足することもない。

 

望むものを手に入れたとしてもさらに上のもの。相手よりいいものを。相手より優れたものを。そうして手に入れて手に入れても欲する心を人は強欲と呼ぶ。それは七つの大罪にも含まれるほど、人間の根底をなすものだ。

 

「それではオークションを開始いたします。皆さんどうぞお楽しみください」

 

だからこそこういう場には貴族が大勢集まるのだろう。特に金に不自由がなく権力を持ち自由になんでも手に入れられる貴族だけを客としている貴族専用オークション――通称裏オークションは。

 

「ふひひ。オークションは本来不定期でしてな。商品が一定以上手に入れば行われるのです。出品される商品は様々ですが、王都では基本的に美術品や宝石に魔石などが扱われますな」

「王都ではですか」

「ええ。王都では、です」

 

オークションに参加する人間は素顔を見られないために仮面をつけている。これである程度身元が知られるのを防いでいるのだろう。現に私を連れてきた侯爵様は似合わない仮面をつけながら教えてくれる。

 

「中立都市のフューレンでは裏オークションで子供の奴隷を使ったオークションが開かれていますね。帝国では亜人族が商品として並んでいますな」

「流石は侯爵様。オークションの上客ですね」

「いえいえそれほどでは。それに王都でも奴隷のオークションはあります。今日も最後の方に奴隷のオークションがあるそうですぞ……しかし驚きましたな」

「何も驚くところなんてないでしょ」

「いえ。誰もカズラ様に気付かないのですから、驚いて当然だと思いますが」

 

感心したような侯爵にそんなことですか、と言葉を返す。確かに侯爵と王立図書館に来てから今まで一緒にいるが、誰も私のことを気に留める者はいない。図書館の役員もノックで出てきた男も、この会場にいるオークション参加者も、誰もが私のことを気に留めない。いや気付けない。

 

「私の技能です。今の私は侯爵以外に見つかることはありません。本当は暗殺に適した技能なんですけどね」

「……恐ろしいですねまったく」

 

気配遮断。聖杯戦争においてアサシンクラスのサーヴァントが持つクラススキルであり、七つのクラスに分類されるサーヴァントにおいて最弱とまで言われるアサシンが最も恐れられている理由でもある。

 

元々アサシンは直接戦闘に向いておらず、ステータスもあまり高いとは言えない(例外はある)が、そもそも暗殺者が直接戦うことが邪道でもある。アサシンが真価を発揮するのは情報収集やマスターの暗殺で、そのための気配遮断スキルです。

 

気配遮断はその言葉の通り気配を遮断するスキル。これは攻撃に移ればランクが大きく下がるが、逆に言えば攻撃さえしない限りそのままのランクでいられる。

例えばAランクの気配遮断を持つアサシンならば、魔術師どころかサーヴァントであっても同じ部屋にいるにもかかわらず、いることに気付けないレベルになる。特殊なスキルが無い限り隠密に徹しているアサシンに気付くことはほぼ不可能といっていいでしょう。

 

そして私の気配遮断スキルはA+。オークションの商品に注目して他の競争相手に視線と意識が向けられているこの場所において、私を認識することの方が不可能だろう。侯爵が気付いているのは、侯爵にならば見えるように加減しているだけだ。

 

「続きましてはとある冒険者から持ち込まれた大粒の魔石!込められた魔力はもとよりこの大きさと輝き。まさしく芸術品と称するに相応しい大きさでしょう!50万ルタからスタートです」

「55万」

「56万!」

「60万!」

「70万」

 

二人で話している間にオークションはどんどん進んでいる。周りの参加者は熱気を上げて参加しているが、侯爵は今のところ一度も参加していない。

 

「あなたはオークションに参加しないんですか?」

「ふひひ。ええ。元々参加するつもりはありませんでしたからな。ほしい品があれば参加しますよ。ああ、欲しいのがあったら言ってください。できる限りセリ落としますから」

 

元々ここに来たのは私の些細な願いを侯爵が聞き届けてくれたからですものね。元々来るつもりもなかったのですから、オークション会場にやって来たとしても、参加するつもりはないのでしょう。

 

そうしてオークションはどんどん進んでいき、司会をしていた男が最後の商品です、口にした。

 

「本日最後の商品は奴隷となります。こちらの奴隷は病弱であり言葉も通じません。しかし珍しい髪をしております。おまけに未だに処女です」

「男の奴隷は労働力として、女性であればそうした用途で売られます。特に未経験者かどうかで値段は大きく変わりますね……どうですか感想は」

「最悪な気分ですね」

 

オークションに参加したかったのは別に商品が欲しいからじゃない。この世界では亜人族を奴隷として扱っていることは知っているし、同じ人類でも奴隷としていることも知っていた。ちょっとした好奇心でオークションに参加してみたのですが、実際にまだ奴隷を見ていないのに、処女と知って盛り上がっている参加者たちを見て、気分が良くなるはずもない。

 

「このまま帰ってもよろしいのですよ。もう最後の商品なのですから、帰っても問題はありませんが」

「別に気を使わなくても結構です。このまま――はっ?」

 

その少女を見た時、私の視線が釘付けになり、思考が停止する。思考が戻った時にはすでに少女は舞台の中央へと連れてこられていた。

 

ボロボロの服。首には奴隷を示す首輪があり、両手両足は鎖で拘束されている。目には生気はなく、虚ろな目をしていた。

 

「――なんで、どうして……」

「カズラ様。どうかされましたか?」

 

小声で話しかけてくる侯爵の言葉を無視する。いや無視すると言うよりも頭に入ってこない。頭の中は目の前の少女のことで埋め尽くされている。これが一目惚れや恋なんて感情ならまだよかった。

 

でも違う。これは、この感情は困惑だ。あり得ないと、気のせいだと、見間違いだと否定の言葉で頭の中が埋め尽くされていく。しかし少女の姿を見れば見るほどその考えこそが間違いだと理解してしまう。

 

「あなたがここに……!」

 

その少女はすでに故人。いや故人どころかフィクションの、漫画に出てきた登場人物の過去のシーンで登場しただけ。特別活躍したわけでも、ヒロインであったわけでもない。それでも少女のことが分かるのは、私がカズラドロップとして転生したからか。漫画においてカズラドロップは彼女の兄を洗脳し利用していた。だからこそ私にはわかる。分かってしまう。舞台にいる彼女が、少女が誰なのかを。

 

「なんで、なんで、なんでここにいるんですか!坂神二実果!?」

 

少女の名前は坂神二実果。『Fate/EXTRA CCC FoxTail』に登場するマスター、坂神一人の実の妹だ。

 




タイトルの王立図書館(裏)は図書館の裏側と裏オークションをかけてます。まあこれはどうでもいい蛇足ですね。

ついにヒロイン登場。
ヒロインは鈴鹿御前のマスターとしてお馴染み坂神一人の妹、坂神二実果でした。本当はEXTRAということではくのんこと岸波白野を考えていましたが、FoxTailから彼女を登場させました。

ちなみに年齢は小学高学年くらい?だと作者は思って考えてやってます。もし年齢が分かるかたがいたらお知らせください。
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