【リレー】今日もカオスなもんじゃ焼き 作:リレー小説実行委員会
おぉ待たせしまぁぁぁぁぁしっ!!!!
もんじゃ焼き、メガ盛りじゃぁぁぁぁぁぁあっ!!
いろはちゃんのオリジナル中二病詠唱が出てくるので、苦手な人は飛ばし読みだぜ!(ブラバはあくまでも勧めない女)
戦闘シーン、書きたかったけど気力がなかったのだ!
ご勘弁・のり弁・ほっともっと!(←?)
(天爛 大輪愛)
「うふふ……そうですか、偵察、終わったんですね?」
先日現れた、異形の存在。
それが、何者かに優しくなでられて____そのおぞましい姿とは対照的に、子猫のように大人しくなっている。
その『何者か』は、どうやら女性のようで、まだ声変わりをしきっていないあたり、中学生……多めに見積もって、高校生ほどだろうか。
「……ふむふむ、普通の男の子どころか、なんか馬鹿っぽい、と……。 ____私は、そんな方の家系に、今まで悩まされてきたんですか? それこそ馬鹿馬鹿しい」
女の子の、濃い紫色の虚ろな瞳に、敵意の籠った光が宿る。
「
折り紙で作った、紫陽花の
「裏秋月家・
東雲は、異形を再び数回撫で……それから、浅めにゆっくりと呼吸を1度して、参の遺影の先祖と契るかのように、芯の通った声で1人、宣言した。
「我が家系が積年の不幸、私の手にて覆し、平安な未来を
********************
____美星祭まで あと15日!!
「気合い、入ってるなぁ……」
いろはは、生徒会室付近の、『カウントダウンカレンダー』を見て、感嘆の声を上げた。
「……ここで何やってるんですか?」
「へっ!?」
そんないろはに声をかけたのは、織斑先生。
「ここの生徒では……明らかに、無いわよね?」
現在いろはは、自分の在籍している中学の制服を着て、ここに訪れている。
当然、怪しさMAXである……。
「場合によっては、不法侵入で警察沙汰になるけど____」
「ぇ、あっ、そのぉ……わ、私っ! 神浜市立大学附属中学校3年っ……た、環いろはです!」
「中学生……? そもそも、神浜なんて地名、あった……?」
「えっと、遠いところから来たので……ともかく……私は、知り合いの秋月流くんに、用事があって来たんです」
「……なるほど……丁度、中に、
「いょお~~~いっ!! 先生、どうした?」
「「! ……」」
先生が流を呼ぼうとすると、ジャストタイミングで本人がガラッとドアを開けて、飛び出してきた。
「な、流くん……!」
「! ……いろは!」
流がいろはの名を呼ぶと、先生は「本当に知り合いだったのね……」と、驚き半分・安心半分で、職員室に向かっていった。
「流くん、その、私、説明したいことがあって……」
「……俺も、かなり聞きたいことがある。 遠慮なく入ってくれ」
「わかった」
いろはは、流とともに、学祭用の小道具で雑然としている生徒会室に入室する。
中には、生徒会メンバーだけでなく、『世界征服について考える会』(のどか除く)もいた。
……。
「____環いろはです。 神浜市を中心とした魔法少女の組織・『神浜マギアユニオン』のリーダー……そして、世界を1つにし、平穏と幸福を遍く齎すことを目標とする慈善的組織・『オールインワン』の一員として、活動しています」
「……魔法少女云々に関しては、一先ず置いておくとして、神浜市って、一体何?」
ナミの質問に、流も乗っかる。
「俺も、それをまず聞きたかった。 神浜っていったら、元々は、ここと隣接した都市だったはず……だけど、いつの間にか、存在が抹消されていて____時間を戻す前も、いろはが俺に声をかけるまで、俺自身も、神浜市のことを忘れていた。 何が起こっているんだ?」
彼の問いに、いろはは、「私も、そのことを説明しようと思ってたから」と、特にあぐねる様子もなく、答え始めた。
「『hasegawa因子』によって、この世界が二分した時……魔法少女やプリキュア、その他一部の人々が____『オールインワン』や『ComeTrue』などの組織ももれなく____世界の歪みの影響を受けて、『みっつめのセカイ』に、移されてしまいました。 何故かワーキングプア侍さんだけ、取り残されちゃってたけど……」
「『みっつめのセカイ』……?」
はい、と、いろはは短く頷く。
「
……よって当然、その世界は、hasegawaさんズの息のかかっている 流くんたちのいない世界。 でも……そのせいで、『みっつめのセカイ』には、本来あってはならない不幸が起こり始めました。 流くんの徳で今までは抑えきれていたものが、徳の効果が遮断されて、制御が利かなくなったためです。
その『抑えなければならない存在』は何なのか、それは____この次元・正式名称『
「! ……ナハトムジークの組織……」
「うん……。 そのナハトムジークも、その不幸に巻き込まれる運命になっていて……あなたが再び大人になれば、わかることだと思うけど……」
話を続けます、といろは。
「何故、ComeTrueが生じたのか____アカシックレコードを司る方たちが調査した結果……hasegawa因子の他に、『セカイのカタチを変える』ことによって生じる粒子、『ポテンシア』が大きく関わっていることが、わかりました。 それが、日々、加速的に増えていっていることも」
だけど____
「この次元の『性質』上、ポテンシアは、どうにも減らすことはできませんでした……そこで、せめて、増加のスピードを抑えられるように、アカシックの方々は、hasegawa因子の関わりが薄い『みっつめのセカイ』の時間を、ゆっくり流していくことにしたのです。
『みっつめのセカイ』は、全くこの世界と繋がりがないわけじゃないから……あわよくば、この時間の操作に影響されて、こっちの世界のポテンシアの増加も抑えられるかもしれないと、期待して……」
「あっ! だから、いろはは、時間を戻す前に会った時も、姿が中学生のまんまだったのか!」
そうだね____笑顔で相槌を打ったいろは。
しかし、次に口を開くときには、その笑みは消え、表情を陰らせていた。
「でも、ComeTrueも、hasegawa因子も、一筋縄ではいかない相手でした。
……ところで、ポテンシアには、両極的な性質があります。 『正のポテンシア』と『負のポテンシア』です。
____ComeTrueは、負のポテンシアから生まれただけじゃない……自らも、負のポテンシアを創り出していく存在でした。 普通は、こんなことは起こりえないんです____ポテンシアは、『1つ上の次元』からの介入によって、生み出される粒子なのに……。
お陰で____静かな池に微生物が繁茂していくように____時の流れの勢いを失った『みっつめのセカイ』では、負のポテンシアの濃度が高まっていきました。 それこそ、未来を書き換えてしまうほどです。」
……長い。 流石に、長い。
流は、頭の中で、そうツッコんだ。
長いわ。
本当に、この俺がそれだけの情報量を一気に詰め込めると思ってんのか……?
……そう言いたかったけど、仲間が真剣な顔で頷いているのを見て、とりあえず頑張ってついていくことにした。
コレ覚えられるキャパがあるなら、普通に受検勉強用の知識を入れたいけどなぁ……。
「hasegawa因子もhasegawa因子で、『みっつめのセカイ』の状況なんか意に介さない程の猛威を振るっていました。 それはもう、大型台風が17個同時に、日本列島へ道場破りにやってきたぐらいの怒涛の勢いです。
私、こんなに震え上がったの、妹が実は『(ネタバレ防止規制)』だった時くらいですよ?」
知るか。
わからん例えを出すな。
ピー音がかかっちゃうような話を出すな。 アニレコ民に優しくして差し上げろ。
っていうか、何で17という中途半端な数字にした?
「____え? 何? 実は、『割れた鏡が変化したコンパクトで大人に変身して、ラスヴェガスのあらゆる男女を飼いならした、伝説のS嬢』だったと?」
をい飯島ァ!!!!
「 ち が い ま す 」
「妹さんとアッコちゃんとラスヴェガスへの風評被害がえげつない」
いろはと摩利による同時ツッコみが入り、彼は総意によって廊下に放り出されてしまった。
「
いろはは、再び真面目な表情を作って話し始めた。
「hasegawa因子は……この世界の時の流れを、私たちの思惑とは真逆に、あまりにも進めてしまいました。 その分、世界の形も大幅に変わり、正のポテンシアが過剰量、蓄積されていきました。 さて____ここで問題、及び敗者復活戦です。 真逆の性質のポテンシアは、互いにどういう反応を起こすでしょうか? 飯島さん?」
いろはがドアの向こうに声をかけると、飯島が、扉を勢い良く開けて入室してきた。 ……何故か、制服が葉っぱと土だらけになっているが……。
「多分だけど、『引力が発生する』んじゃないかな? 陽イオン・陰イオンにしろ、磁石のN極・S極にしろ、同じものには斥力____退け合う力が発生して、逆のものには引力____引きつけあう力が発生しているからね。
……もっと欲張って解答してみれば、『その後、2つがくっついて混ざりあってしまう』……とかになるんじゃない? 酸と塩基は中和したら水と
「……す、すごい……全部、正解です」
「フンス☆ (-H-)」
「正解……ですけど、どうしたんですか、その格好……」
「ん? ……あぁ、
「ひゃ、ひゃくい……!?」
……と、とりあえず、ご着席ください……と、いろはは、ドン引いているのを隠せない様子ではあるが、説明を再開した。
「正のポテンシアと負のポテンシアは、光と闇のような存在。 互いに干渉してしまうと、光と闇の境目が曖昧になって、
「えぇーっと、アレか? TVで、なんかの事件の取材の時、周りの風景にめっちゃモザイクかけるだろ? あるけどわからないって、あんな感じ?」
流が頭を抱えながら聞くと、アルトが助け舟を出した。
「そういう捉え方でもいいが、ちょっと違うな。 ……昔、こういう歌が詠まれたんだが____
『幽霊の 正体見たり 枯れ尾花』
____幽霊っていうのは、超常的な、説明のつかない得体の知れない存在だ……基本的にはな。 対して、枯れ尾花は、枯れたススキの穂のことだ、なんてことはない、冬になれば、そこらの土手に
『混沌』状態になるっていうのは、この歌の逆が発生するってこと、つまり……
「おおおスゲェ!! みんな幽霊みたいな
目をシイタケにする流に、ナミからお叱りが飛ぶ。
「言ってる場合!?」
「冗談だよ、悪い悪い。 世界がダメんなると、どれだけ大変かは、俺だってよくわかってるつもりだよ」
「……あっ、そう言えば」
ここで、いろはが思い出したように呟いた。
「死亡扱いになっている『本屋のファンキー爺さん』……『みっつめのセカイ』で見かけたような」
「____それ、ホントッ!?」
……突然、そんな声とともに、ドアがスパーン!と開かれる。
「「「「のどか(本屋ちゃん)(諸星さん)!」」」」
「ファンキー妻子さんが、代理でお店を開けてくれることになったから、復活できたの!」
ハセ・ガワさんの新作、面白かったわ……購入特典の短編『おっかさんといっしょ』も! と、のどかはほおを紅潮させている。
「……小さい頃から、ファンキー爺さんにはお世話になってきたわ____出遅れちゃって申し訳ないけど、私にも協力させてほしい!
そして、流くん……素晴らしく壮大な話ね、『事実は小説よりも奇なり』とはよく言ったものだわ*1……いよいよ世界征服を考えてるっぽくなってきたじゃない____燃えるわね!!」
「! ……おぅ! メラメラのメラメランチョだぜ!」
「そんな『らくがきんちょ』みたいな……」
室斑のツッコみに、生徒会室内の雰囲気が、より和やかになる。
「ぃよし、いろは、じゃんじゃん続き話してくれ!」
「わかった____『反応の際に何かがサブで発生する』に関しては、単純に、エネルギーですね。 満員電車で誰かが動くと、誰かが押されて、それが周りにも広がっていくように……水面の波紋のように、ドミノ倒しのように……
……この組織『オールインワン』は、本来は、単に世界を平和的に統一するために走っていましたが____これを知ってからは、アカシックの方々と手を結び、『
……この間は、デミスが思わぬ手助けをしてくれましたが、本来なら、『他次元への干渉』は、次元のバランスを崩す危険行為。 時間を戻す行為は、もう出来ません____今回が、まさにラストチャンスです」
どう? ……いろはは、流に問う。
「あなたも、そして、生徒会や『世界征服について考える会』の皆さんも、オールインワンに入って、このミッションの成功を、より強固にしませんか?」
仲間たちは、一斉に流に視線を注いだ。
……彼の口から答えが出るまで、そう長くはなかった。
「____やだね」
「……一応、理由を聞いてもいい?」
「俺は……
ふふっ……、いろはは、小さく笑う。
「やっぱり、流くんはそうじゃなきゃ! ____時間を戻す前の一時期、情熱を失っていたみたいでヤキモキしたけど、もう心配ないね!」
「おぅ! 香川で修業してきたからな! ……なぁ____」
____皆、提案……ひとつ、いいか?
流は仲間たちをぐるっと見渡し、問いかける。
仲間たちは、無言で、力強く、頷いた。
「生徒会と、『世界征服について考える会』で合併して、俺たちだけの組織、作らねぇか?」
採決をとりましょうか____虚が、前に進みでる。
「賛成の者……おもっきし、拍手ですッ!」
……パチ……
パチパチパチパチパチパチパチパチ!!
「____全員賛成により、この案は可決されました。 ……ですって、流」
「……! おぅっ! サンキューベルマッチョな、皆!」
____では……。
こほん、と、流は1回、咳払いをする。
「ここに____」
「____略して、『
「……うん、いいと思う! 文法滅茶苦茶だけど」
「言葉の響き的にも、悪くないですね、先輩。 文法滅茶苦茶だけど」
「Merge____『合流』か。
「をいぃッ!!??」
メンバーからの総
「
「はははっ、中3にまで言われてんぞー」
「ぐはっ!?」←流に42のダメージ
流が、血反吐____ではなく、丁度口に含んでいたグレープジュースを吹き出す。
のどか、ナミ、摩利、ルカから、「
……きちんと自分で後始末をしてから、流は再び皆の前に立った。
「そんじゃ、結成を記念して、こう……丸く並んで、手を重ねて『おーっ!』ってするか!」
彼の声に、いろは除く全員が、円状に並びだす____
____ドーンッ!!!!
「「「「 !!?? 」」」」
「地震……じゃねーな。 グラウンドからだ! 行くぞ!」
「おぅ!」
「了解……!」
「OK!」
「わかった!」
「えっ!? ちょっ……えっ!?」
十人十色な返事をして、『Very Uni-Merge』のメンバーは、流の後に続く。
「っ……!」
いろはも、並走しながらソウルジェムをかざして変身する。
それを間近で見た飯島が、感動して声を上げた。
「おぉっ! 本当に変身した!」
「オールインワン・『呼子鳥のいろは』____行きますっ!」
いろはの名乗りに、流がサムズアップする。
「『二つ名』って良いな! 俺らも何か考えるか!」
「呑気にしてる場合じゃないだろ、まだ地響き続いてる!」
あんまりコレ放っとくと、美星祭できなくなるぞ____と、摩利が窘めた。
「だな……おし! 全速前進!!」
VUMのメンバーといろはは、猛スピードで会談を駆け下りていった……。
********************
「……おや? おやおや、まぁまぁ……一般人さんが揃いも揃って、何の御用です?」
「____うっせぇ! ともかく、学校を壊すんじゃねぇ!!」
……現在、グラウンド。
VUMメンバーといろはは、地響きを起こした主である、中学生ほどの女の子と対峙していた。
女の子は、虫のような異形を使役して、今なお、グラウンドを壊し続けている。
「(……あれっ?)」
いろはは、少女の姿を見て、強烈な既視感に襲われた。
それもそのはず。
実は、この女の子は、『流月 秋』の奥さんにおける『
イメージCV.早見沙織さんである。
「あなたが____秋月流くんですね? 丁度いい、私、あなたを殺しに参ったんですから♪」
「……いきなり物騒なこと言ってくるな……ともかく、そんな大層なこと堂々としに来たなら、まず名を名乗るってのが筋じゃねーの?」
おや! と、女の子は手で口元を覆い、笑う。
「それもそうですね、私ったら、うっかりさんです♪」
女の子は、その虚ろな瞳を微かに細め、ふわっとした声で名乗りを上げた。
「私は____裏秋月・参の
東雲は、肩にかけた衣を翻し、丁寧にお辞儀をする。
「以後、お見知りおきを____って言っても、あなたには『以後』なんて無いんでしたね、私に殺されるんですもん? またまたうっかり、失礼いたしました♪」
「……ご丁寧にありがとな。 ____俺は、秋月 流。 世界征服を目論む組織、『Very Uni-Merge』のリーダーだ」
「おやぁ、組織を立ち上げなさったんです?」
「あぁ、
「 た っ た 今 ! 」
東雲は、おかしくて堪らないとでも言うように、プッと噴き出す。
「出来立てほやほやの、一般人さんの楽しい同好会に、何の力があると言うのです?」
「____それ以上、その気色
流が、低い声で
「っ!? お人形さぁん!」
東雲は、素早く使役していた異形を呼び寄せ、自身の盾にした。
「……チッ、この虫もどき、なかなか硬いな」
そう呟きながら、流たちの元にバックステップで戻ってきた人影は、室斑であった。
彼を見て、東雲は嘲りの感情を一切隠さず、口角を上げる。
「おやおや、武術がお上手な一般人さんもいらっしゃるんです? 愉快愉快、実に賑やかなお遊戯ですねぇ」
「黙れといっただろ」
流は、眼を据えて東雲を鋭く睨んだ。
「あいつが、どれだけ普段から鍛錬を積んでるかも知らないで……いや、別に知らなくてもいいが、仲間を散々馬鹿にしやがって____」
お前は絶対____
「____
流がそう、言葉を真っすぐ東雲に向かって突き刺した____それと同時に、辺りが桃色に強く発光しだす。
「____我が名は、
強さと慈愛を以て空白を満たし
満つる
永き停止から醒めし我が身は その名を
色は
此の花は常のものに有らず されば此度 須臾の
光の如く 咲き駆けぬべし____
拓いてッ! イシュタル・グレィティアッ!!」
いろはは、左手に装着しているクロスボウを天に向かって放つ。
「私がこの人と戦ってもいいんですが、当人のターゲットは流くんです。 そして私が、他の魔法少女と『コネクト*2』した時の魔法の特性が『仲間の強化』____コネクトをしていない時でも
いろはが、ドヤ顔スマイルで見つめる先には、全身が淡いピンク色に輝く、VUMメンバーたちがいた。
「おおお
「中二病詠唱も馬鹿にできないのね~!」
「……気をつけろ、力を得ても、制御できなければ元も子もない」
室斑の冷静な言葉に便乗して、東雲が思いっきり煽ってくる。
「うふふ、そぉですよ~? でも、皆さん、なんと可愛らしいことでしょう! まるで、新しい
「なんだコイツ……!」
「落ち着け、摩利。 憤るのは構わないし当然だが、必要以上に頭に血を登らせると、お前の
「ん……室斑お前、さっきから凄いな……」
「さんきゅ」
そうお礼を述べて構えなおす室斑の後ろで、虚が不安げにしている。
「でも……私、こういう実戦なんて、初めてで……せめて足を引っ張らないよう、立ち回れるでしょうか……」
「初めてなのは、大体皆、そうなはずです。 とにかく、基本的に防衛に徹しましょう。 みんなの安全が一番なんですから」
そんな彼女に、ルカが緊張交じりの声をかけた。
「そーゆーこって。 ともかく皆、無茶して怪我とかすんなよ……!」
流の声に、全員、無言でコクンと頷く。
「____おや、もう茶番さんはお終いなんです? では……参りますねっ♪」
東雲が、朝焼けの中にたなびく雲のように緩やかな動きで____しかし、残像を残すほど素早く、駆け出した。
********************
____『みっつめのセカイ』 オールインワン・本部
この組織のリーダーである、ハセ・ガワ氏は、スマホを両手にガシッ!と持って、眉間にしわを寄せていた。
「____今を時めく Vtuber・テンジクボタン____ですか……」
彼が見ているのは、『TEN j-Dチャンネル』の主・2.5次元からやってきた女の子の『テンジクボタン』による生配信。
『うん、うんっ……☆ ボタンも、
「何が2.5次元でしょうか、白々しいですね……あなたは、
『____そうだ、今、人間さんは、文化祭のシーズンみたいだねぇ……☆ 成功するといいねぇ、頑張れ~っ……☆』
「……よくも、
いつも、組織のメンバーの前で見せる、時々厳しいながらも 常ににぎやかな態度はどこへやら____彼は、じっと画面を睨み続けていた……。
********************
____グラウンド
「そぉ~いっ、じょいっ!!」
『
「……。 この人、冗談抜きでお遊戯か何かと勘違いしてません……?」
と、東雲が、呆れ半分……いや、呆れ全部でコメントした。
「いーやっ、全力だね!」
にんまりしながら、流は東雲に向かって右拳に力を籠める。
「俺は、物事に対しては、中途半端じゃなくて、オールウェイズ・真剣・三丁目の夕日でブチ当たる質でね! 俺たちの大事なものが係ってるなら、尚更そうだ!」
「っ!」
流の重い一撃を、拳銃を横にして受けることで分散し、東雲は、瞬時に距離をとって銃を連射する。
「そうです!」
無差別に撃たれる弾を避けながら、ルカが叫ぶ。
「流先輩は、全てにおいて馬鹿なんです!」
「えぇ、馬鹿真面目で、馬鹿正直で!」
ナミが同調すると、摩利も強気な笑顔で……
「馬鹿丁寧で!」
虚も額から汗を垂らしながら……
「筋肉馬鹿で!」
室斑が、起き上がった『お人形さん』に容赦ないパンチラッシュを浴びせながら……
「天然馬鹿で!」
飯島が、何故かウサギの大群から逃げ回りながら……
「とんでもねぇ馬鹿力で!」
のどかが、小説でかじった拳法の立ち回り方をやてみながら……
「感情豊かで、悲しいときは馬鹿泣きするし!」
いろはが、クロスボウを、室斑に当たらないよう、お人形さんに向かって連射しながら……
「嬉しいときは、こっちにまで嬉しい気持ちが移っちゃうくらい、馬鹿笑いするし!」
「____兎に角……だ!」
アルトが、地面をおもっきしブン殴って、お人形さんの下にクレーターを作りながら、力強く言い放った。
「うちのリーダーは、馬鹿みたいな馬鹿中の馬鹿だけど、愛すべき馬鹿____つまり、俺たちみんな、アイツをだいす……慕ってるってことだ!!」
「をい、今、なんで『大好き』って言いかけたの、言い直した!?」
「気恥ずかしいからに決まってるだろ!」
高校生にもなって、男友達に『大好き♪』って言えるか! と、アルトが流にツッコみ返しした。
「そっか! 俺は、いろはとメンバー皆、大好きだ!」
「凄いなお前、堂々と!」
「……喋るのもそこそこにして、流くん! そろそろ、あの怪物を倒せそうだよ!」
いろはの呼びかけに、流がハッとしてそちらを向くと、お人形さんは、立ち上がるのもままならず、かなりよろめいていた。
「よっしゃ____いろは、このメンツで一番決定打を与えられんのはお前だ! 一発、ドカンとよろしく頼むぞ!」
「わかった!」
いろはは、クロスボウに魔力をチャージし、必殺技を放つ。
「ストラーダ・フトゥーロ!!!!」
その矢は桃色の軌跡を残しながら、鋭く放物線を描き、異形の頭を穿った。
「________!」
お人形さんこと異形は、耳障りな断末魔の叫びをあげ、風解していく……。
……。
「……よくも」
「「「「 ! …… 」」」」
「よくも、よくもよくもよくも! 私の可愛いお人形さんを、消し炭にしてくれちゃいましたねぇ?」
セリフに反して、東雲は____にぃっっっこりと、笑みを顔に張り付けている。
「では、お礼に、この学校____
その言葉を言い終わるか否かの内に、東雲はゴツい大砲(ハンディタイプ)を取り出し、校舎に向かって構える。
彼女は、ゆっくりとエネルギーをチャージしだした。
「! ……させるか!」
「流! むやみに突っ込むな!」
摩利が流の襟ぐりをひっつかんで止める。
「あんなハンディタイプの奴でも、フルチャージなら馬鹿デカい校舎を壊せるらしい____ってことは、少ししかチャージされてなくても、お前、無策で立ち向かえば、ブッ放されて大怪我じゃ済まないぞ!」
「……そうだな。 いろは、今の俺たちって、バリアとか張れるか?」
流の質問に、いろはが答えるには……。
「張れないことはないよ。 イシュタル・グレィティアのパワーをいっぱい手に集中させて、前方で展開すれば……」
「おっしゃ! じゃ、それで行くぞ! 集めんのは、いろは由来のパワーだし……なんかこう、合体バリアとかも作れんだろ!」
「話し方馬鹿っぽいけど、内容はなんか頭いい……!?」
ナミが ドーモ君みたいな顔芸をしつつ驚く中、とりあえず皆で集まって、手にエネルギーをチャージしていく。
「おやおやぁ? 何を無意味なご相談されてたんですぅ? 私、もう、いつでも学校壊せますけど♪」
相変わらず、東雲が、ガッツリ煽ってきながら、大砲(ハンディタイプ)を構える。
「じゃ、せいぜい絶望してください♪ 秋月流____あなたを嬲り殺すのは、それからです♪」
「皆、準備いいか!」
「「「「おぅ(あぁ)(うん)(はい)!」」」」
「それじゃ、学校さん、さよならです♪
イグニッショ~ン♪♪♪ 」
東雲が大砲を放った瞬間、いろはとVUMのメンバーは、迅速に、放たれた方向に移動し、バリアを展開する。
「____なるほどぉ、バリアですかぁ♪ 一番単純明快な対策ですねぇ! でもそれ、いつまで持つんですぅ?」
クスクスと笑う東雲の視線の先には、大粒の汗を浮かべながら、大砲のエネルギーを打ち消そうと苦戦している、一同がいた。
バチバチとエネルギーがせめぎあう中、一同は目がつぶれないように、目を細めて防御している。
そろそろ持久戦は限界が来るか____そう考えた流は、皆に指示を出す。
「皆! 力を揃えて、一気に押し返せ! ____せぇのっ!」
「「「「 えぇぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!! 」」」」
途端____爆音とともに、この場にいる全員の視界が、真っ白に染まった…………。
********************
____オールインワン・本部
『それじゃあ皆、バイバ~イ……☆』
そんなテンジクボタンの声の後、配信の終了を示す画面。
「なるほど……散々世界をかき回しておいて、よくもこんな呑気にできるものです」
「お褒めの言葉、ありがとう……☆」
「! ……おや、呼ばれて飛び出てってヤツですか」
「そーゆーこと……☆」
いつの間にか、ハセ・ガワ氏の隣に、年頃の少女が満面の笑みで立っていた。
「余程、ボタンのことが嫌いなようだね、ハセ・ガワさん……☆」
「当たり前です、『アカシックの次元』から抜け出し、散々、レコードの改変という悪事を働いているのですからね……」
「でも、それは____色々と世界を派手にひっくり返しちゃってる点では、あなたの『写され見』さんも、同じようなものじゃないかな……☆」
「……。 hasegawa氏は、hasegawa氏____その『写し見』であろうと、私は私です。 何が言いたいかというと、彼と私は実質アカの他人で____そもそも、あなたの行為と彼のソレとは意図も何もかもが全く違う。 一緒にしないでいただきたい」
そんな詭弁がまかり通るなら言わせてもらうが____あなたの写され見も、散々ポテンシアを生み出しているじゃないか、と、ハセ・ガワ氏は反論した。
「あぁ~……☆ そうだね、じゃ、やっぱりボタンたち、仲良くしちゃ、ダメ?」
「冗談じゃありません。 私が何のために、
ハセ・ガワ氏が、ボタンをじろりと睨む。
「んー……☆
「ここに来てトボけないでください。 勿論、その理由もありますが……そういう枝葉のソレの大元の理由……そう____『3次元の
「ふぅ~ん……☆ 思ったより やり手だねぇ、裏秋くんのことにも気付いているなんて……☆ でも、まだ仲間いるんだけどねぇ~____まっ、取り敢えず、お見逸れ、お見逸れぇ~……☆」
ヘラヘラと笑うボタンに、ハセ・ガワ氏は、ややムッとする。
「人を馬鹿にするのもいい加減にしなさい。 ____ですから、今……」
「……『今ここで、あなたを捕らえさせていただきます』って言いたいのかな……☆ 甘い甘ぁい____私が瞬時に、しかも無防備でここに来たの、不思議じゃなかったのかなぁ……☆ コレ____ただのホログラムだからね、バイバ~イ……☆」
ボタンはそう、一方的に喋って、勝手に消えるが____ハセ・ガワ氏は、しかし、不敵に笑っている。
「……人の話は最後まで聞けと、習わなかったのですかね? ____『ですから、今ここにいる あなたのホログラムに、私は、GPSのようなモノを取り付けさせていただきました』____ごく少量かつ微粒子状なので、あまりにも遠くだと位置をドンピシャしにくい分……あなたもソレを取り除きにくい」
……ハセ・ガワ氏は悠々と、小説のアイデア帳を開く。
「だから、『人を馬鹿にするのもいい加減にしなさい』と言ったでしょう? ……そう遠くない内、あなたも裏秋も、きっちり懲らしめてやりますから____震えて待っていてくださいね♪」
彼の愉快げな笑い声が、この ただっ広く、日の光差し込む朗らかな部屋の雰囲気に違わず……緩やかに響いた。
********************
____再び グラウンド
「っはぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
流は、肩で息をしながら、仰向けに倒れていた。
「……皆、大丈夫か……?」
彼の声に、メンバーらが、続々と起き上がりだす。
「異常なし____砂粒が肌に掠ったくらいで、傷らしい傷もないし……強いて言えば、すごく疲れただけだ」
「同じくです」
「俺も、そんな感じ」
そんなメンバーたちと流に、起き上がったいろはは、「あくまで念のため、だけど」……と、回復魔法を、全員にかけた。
「ありがとな*3、いろは____あっ、そうだ、東雲の奴は……!?」
流が慌てて目を向けると……当人は、歯を食いしばりながら、少しよろめきつつ立ち上がっている途中だった。
「____私、は……どうし、ても……!」
……しっかりと立ち上がりきってから、彼女は再び言葉を紡ぎだす。
「この、裏秋月家・参の遺影に脈々と流れ続け、年々積み重なっている『不幸』を消してしまいたい! その為に来たのに……他の、『
東雲は、虚ろな双眸を恨みで満たし、カチャリと新たな武器を取り出す。
「まぁ、いいです____手段なんかいくらでもあるんです。 この『スポナー』で、新たなお人形さんを……!」
「! ……また学校壊す気か! もうこれ以上はやめろ!」
「そう言われて、大人しくやめる馬鹿がいるとすれば、あなたぐらいなものですッ! ____おいでなさい、私のお人形さん!」
彼女はスポナーを起動し、何体も異形を召喚する。
「さぁ! 滅茶苦茶にしてしまいなさいッ!」
「! ……その小庭園は、うちの教頭先生が大事にしている……!?」
____いろは! ……流は、半分悲鳴のような声で頼む。
「もう1回、『イシュタル・グレィティア』、かけてもらえねぇか?」
「……ごめんなさい、さっき、このソウルジェムを浄化する為のアイテム*4のストックを使い切っちゃって……」
「浄化……?」
「うん、魔法を使うとか、色々な要因で、ソウルジェムが濁ってしまうんだけど____これが完全に濁りきってしまうと、私たち魔法少女は、死んだも同然になってしまうの。 それを防止するアイテムも数個あったけど、さっきの戦いで使い切っちゃって____イシュタル・グレィティアをもう1度放ってしまえば、ソウルジェムが濁りきってしまうかもしれないから……」
「……わかった、いろはに死んでほしくない、頼むのはやめる。 そもそも、いろはは、VUMメンバー外だしな……逆に、ここまでの協力ありがとな____でも……」
流は、破壊されていく周囲を、苦い顔で見つめる。
「こんなの、黙って見てられるわけ…………ぉ……」
突然、流の目の焦点が合わなくなり、彼は力が抜けたように、ストンと倒れこむ。
「先輩!」
「おいっ!」
ルカと飯島が驚いて彼の体を支える____
……。
____流。
「……」
____流、起きんかい
「……ふぁ? あれ……ここは……?」
辺りを見渡せば、そこは終わりの見えない真っ白い空間。
「しかも、この声……」
____そう、わしや
「お地蔵様! どうして……?」
____そりゃあまぁ、敬虔な信者のために決まっとるやろ。
「! ……ってことは!」
____あぁ、東雲をしばくために、力を貸したるわ。 ……ただし
「ん?」
____お前は覚えとらんやろけど、わしは前に一度、お前の体を
「おっ! そうだったのか! サンキューベルマッチョ!」
____せやけど、そういうことが出来るのは、基本一度きりや。 ましてや、スピリチュアルに無縁なお前に、そないなこと何べんもやりよったら、『流』自身が壊れてしまう。
「……つまり?」
____力は貸したるし、お前に乗り移ったるけど、お前の人格は起きたままにさしてもらう。 アドバイスはするが、お前自身で考えて、キチンと動け。 できんのやったら……
「やる! 絶対やる」
____おっ?
「学校を守る手があるなら、大抵は何でもやってみせるつもりだったし____俺は組織のリーダーになったんだ。 そういう奴は、主体的に動いてナンボだろ?」
____ぃよし、よく言うた。
「ってことは……!」
……。
「……」
「あっ、目を覚ました!」
「流!」
仲間たちが安堵の声を漏らす中、流は無言で立ち上がり____一歩、踏み出す。
「……流、くん……?」
いろはが心配して声をかける中、彼は静かに目をつむって、ゆっくりと開く。
____彼の眼は、
彼は、ゆっくりと、力強く東雲のもとに歩いていく。
「い……今更なんです? もう学校は壊れる
「____絶対、嫌だね」
流のその声は、水面に一つ小石を投げ込んだかのように、滑らかに、
「諦めるもんか。 こう見えてさ、俺____」
「____すごく 怒ってるんだよな」
さだめを変える『流れ』が、今、津々と湧き出し始めた……。
____To be continued……
作者さまのページ↓
https://syosetu.org/user/310554/
大輪愛さま、執筆お疲れさまでした♪
……というか、もう本当カオスになって来ましたね! この小説!w
ちょっと待ってプリーズ! いま私すんごい頭がこんがらがってますヨ!?
誰か図で! 図で説明してくれッ!(笑)
ただよく分からないなりに、「おーなんか盛り上がって来たー♪」っていうのは感じるの!
めっちゃ面白かったし、読んでて胸が熱くなった! ――――それが私のジャスティス!!!!
(また何回か読んで、設定の理解に努めますネw)
そして美星祭も、あと15日後に迫りました!
これ3710さんの手番がくる頃には、開始出来るんじゃないかな? 念願の学園祭の様子を、3710さんご自身に書かせてあげられるんじゃないかな?
まぁ日数とか、そこら辺の帳尻は、『ぜんぶ私の番でなんとかしますゆえッ!』
みんなは自分の思う通りに、自由に書けばいいゾ! お父さんに任せておきなさいっ!(?)
ではではっ、4番手お見事でしたっ♪ 大輪愛さまありがとぉ~う!
(hasegawa)
☆もんじゃ焼き掲示板☆
テンジクボタンちゃん、私から見ても、『ウゼェ!』仕上がりになっちゃいました~!
……ってわけで、(話を)ブン投げるどころか、ブン殴ったで♪
私、『世界が云々』系の話、だぁいすきなんです☆
砂原石像さんの執筆パゥワを信じて、こんな壮大な話にしちゃいました!
……次こそは、あのストーリーを書きたいなぁ……そのためにも、流くんには、生物学的に早く大人になってもらわねば!
お祭りまで、あと15日!
皆様! 盛り上がっていきますよ~っ!!
(天爛 大輪愛)
※このお話から続く番外編。
・【スピンオフ】わしの名はファンキー爺さん。
https://syosetu.org/novel/245415/4.html