あの世界は決して、夢物語では終わってないのだから

1 / 1
お願いがあるとしたら、アナタ好みの『英雄の証』と共に、お楽しみください。


メゼポルタへと愛を込めて

 かつて、荒々しくも輝かしい時代の中に、未知なる世界を拓き、未知なる生命(いのち)に立ち向かい、未知なる技を、力を、知恵を集わせた新境地(フロンティア)があった。

 

 

 君たちは知っているか?

 深き森の朱き鳥(眠鳥ヒプノック)を。燃える海を制する魚竜(溶岩竜ヴォルガノス)を。樹海の主たる緑棘の毒竜(棘竜エスピナス)を。

 新しい日々の始まりと、新しい出会いだった。

 

 君たちは聞いたことがあるか?

 変幻の結晶を纏う黒褐の大蠍(尾晶蠍アクラ・ヴァシム)を。荒風舞う峡谷の雷翼(舞雷竜ベルキュロス)を。響き渡る愛を吠える双牙(響狼オルガロン)を。

 体感したことの無い痛みが立ちはだかったことは記憶に新しい。

 

 

 君たちは知っているか?

 生まれたばかりの火山島より出でし、いかなる伝承すら凌駕しかねない、絶対者を。

 天をも穿たんその牙の持ち主を、大地すら食らい尽くすであろうその巨躯を。

 未知なる巨躯の絶島主(大巌竜ラヴィエンテ)を。

 こんなにも強い生命が世界に眠っていたことに打ちのめされた。

 

 

 君たちは見たことがあるか?

 つぶらな瞳の暴食者(呑竜パリアプリア)を。塔にて待つ怒れる冷気(氷狐竜デュラガウア)を。もう一つの変幻たる荒々しき灰晶(灰晶蠍アクラ・ジェビア)を。

 そんな生命との遭遇を経ても、まだ心は踊っていた。

 

 

 君たちは出会ったことがあるか?

 白銀に舞う黒き冥雷(冥雷竜ドラギュロス)を。厳しき空の地を穿つ瀑突の角(蛮竜グレンゼブル)を。災禍を招く黒き謎(UNKNOWN)を。

 新しい技との出会いは、狩りの進化は終わらぬと叫ぶようで。

 

 

 君たちはその姿を見たことがあるか?

 磁極を振るう黄金の翼(極龍ルコディオラ)を。熱帯の緋い親子愛(跳緋獣ゴゴモア)を。未開より出でし熱き剣尾(獰竜アビオルグ)を。陽光/雷光を受け取る空の写し鏡(晶竜クアルセプス)を。熱帯の島の底に生きる鎌と槌(多殻蟹タイクンザムザ)を。

 生命が駆け巡る新たな地は、遠い果ての新たな未来を期待させてくれる。

 

 

 君たちは知っているか?

 剛砲不沈の弩岩竜(オディバトラス)を。至禍凶刻の飛竜を。狂喰無尽の呑竜を。天震雷轟の冥雷竜を。輝輝臨臨の金銀魚竜(ゴルガノス/アルガノス)を。豪炎灼華の炎王龍を。

 『覇者』の名を冠する生命は、ここを極致と語るようで。

 

 

 君たちは知っているか?

 極天の海の大黒柱(凍海獣ポカラドン)を。傾く雷電の黄鳥(傾雷鳥ファルノック)を。愛を失った赤金の咆哮(爆狼ミドガロン)を。暴風を振るう棘嵐(針纏竜ヒュジキキ)を。蒼穹を翔けた先を知る天空の主(天翔龍シャンティエン)を。

 しかし狩りの新世界は尽きぬのだと。

 

 

 君たちは聞いたことがあるか?

 獰猛な牙向く氷剣(氷獰竜ギアオルグ)を。赤極の闘志と青極の闘気を纏う獣(闘獣ゴウガルフ)を。蒼き鋸角を携えし三界の王(暴鋸竜アノルパティス)を。雷極を振るう金翼の龍(雷極龍レビディオラ)を。最果てにて死闘/熾凍を見舞う龍(熾凍龍ディスフィロア)を。変幻万化の黒竜(黒狐竜ミ・ル)を。

 最果てはあれど終わりはないと謳うように。

 

 

 君たちはその名を知っているか?

 天空の閃槍者(輝界竜ゼルレウス)を。深淵の追撃者(黒穿竜メラギナス)を。絶巓の急襲者(雷轟竜ディオレックス)を。蒼空の流転者(金塵龍ガルバダオラ)を。炎界の貪食者(炎角竜ヴァルサブロス)を。

 凄烈なる衝撃は止めどなく。

 

 

 君たちは聞いたことがあるか?

 外海から渡りし吸血者(喰血竜バルラガル)を。花畑の鮮烈なる緑翼(華鳳鳥フォロクルル)を。劇毒/剛腕の怒れる双貌(怒貌竜ガスラバズラ)を。照陽をもって招雷せし大翼(照雷鳥トリドクレス)を。高地に轟く音々の創り手(創音竜ポボルバルム)を。

 新しい音と光たちが導いてゆく。

 

 

 君たちは彼らを見たことがあるか?

 原始の砂漠を知る者(水砦竜グレアドモス)を。原始の高地を知る者(浮峰龍ヤマクライ)を。原始の極海を知る者(凍王龍トア・テスカトラ)を。原始の火山を知る者(紅蓮獅子ヴォージャン)を。

 始まりを知るが故に更なる先へ進めるのだと告げるように。

 

 

 君たちは恐れたことがあるだろうか?

 眠りへと誘う竹繰りの翁(雅翁龍イナガミ)を。万を斬り裂く流銀を司りし剣翼(司銀龍ハルドメルグ)を。天上より座す廊獄にて待つ者(天廊の番人)を。眷竜を従えし炎獄を齎す帝王(帝征龍グァンゾルム)を。

 龍たちの咆哮は時代の終わりと始まりを告げてゆく。

 

 

 君たちは知っているか?

 極彩の激流を斬り裂く翼刃(裂水竜ゼナセリス)を。爆ぜる濃霧を振るい潰す剛腕(爆霧竜ボガバドルム)を。滾り膨れる業火の山嶽を背負う者(焔嶽龍ケオアルボル)を。灼き尽くす情熱を零徹に猛らせる輪舞(灼零龍エルゼリオン)を。

 最後の幕開けに魂は吼え立てた。

 

 

 君たちは知っているか?

 『極み喰らう』蝕がいた。『極み吼える』霹靂がいた。『極み統べる』帝王がいた。『極み駆ける』迅風がいた。『極み襲う』爆炎がいた。『極み耀く』天光がいた。『極み灼き凍る』指揮者がいた。『極み(おご)る』番人がいた。

 

 ある者は『暴激』を極め、ある者は『月下』を極め、ある者は『君臨』し、ある者は『疾迅』を極め、ある者は『爆煙』を極め、ある者は『紅輝』を極め、ある者は『均衡』を極め、ある者は『脅威』を極めた。

 彼らに『双』つと並ぶ者は『無』く。

 

 

 君たちは知っているか?

 選択と挑戦の先に待つ、祖なる王を。

 極み猛り狂う、未知なる黒躯の主を。

 悠久の果てに、異ヲ辿リシ者たちを。

 彼らと出会い、我らの『狩り』は極み続けた。

 

 

 君たちは知っているか?

 時に嵐の如く、時に天に届くように、そして『極』まった、狩人の技を。

 その背中を預け続け、共に成長をし続けた唯一無二の相棒を。

 天地を駆け回る戦棍を。遠き地より渡りし光の剣斧を。磁界を駆ける重撃の斬鎚を。

 ここにしかない狩りが、ここには溢れるほど息づいていた。

 

 

「『──よってメゼポルタギルドは、その管轄区域における調査・狩猟を全うしたとみなす。そしてこれ以上の調査・狩猟という人為的介入によって、生態系の乱れを起こさぬよう半年後、ギルド職員並びに所属ハンターと関係者全て、総員の退去を行われたし』」

 

 しかし、突然の終わりは訪れた。

 

「……そういう訳じゃ、皆の衆。我ら一同、この地を発つ日が定まった」

 

 夢物語のような狩人の日々は、世界は、大老殿

より訪れたただ一つの通達をもって終焉を迎えた。まるで──泡沫の夢のように。

 

「つまりお主らは!!このメゼポルタが開いてわずか十二年の時をもって!!この地を知り尽くすほどの狩りを!!大長老様に示したということじゃ!!」

 

 だがこの日々は夢物語だったろうか?一時の幻だったろうか──?

 

「これは即ち、四十年の歳月を掛けて謎を解き明かした新大陸調査団に勝るとも劣らぬ大名誉である!!」

 

 ──否、答えは否。ただの夢がこれほど心を踊らせようか?ただの幻がこれほど心を留め続けようか?

 ──答えは否だ。

 

 

「例え違う狩場でも、君なら大丈夫!」

 

「あなたのこの先の日々が、良きものでありますように」

 

「俺様の武器捌き、もっと見せたかったけどな。フン、気にするな!お前なら俺様にも負けないすげぇハンターになれるさ!!」

 

「やっと帰ってきたばかりだと言うのに、寂しくなるな。なに、伝えたいことは伝えたさ」

 

「私はあの場所でたくさんの夢を貰った……全くやり残したことがないといえば嘘だけどさ、だからこそ、進みたいの」

 

「俺も、まだ止まらないよ。あの場所を、メゼポルタを想うからこそな」

 

 ──数多の狩人達の軌跡は、確かにあの日あの場所に、在り続けたのだから。

 

「今日でお別れだなぁ」

 

 終わり無きものはあらず。だからこそ──

 

「今まで、ありがとう」

 

 メゼポルタへと、愛を込めて。

 

「これからも、頑張るよ」

 

 それぞれの未来(Frontier)へと。

 

「それじゃ、ひと狩りいこうぜ!!」

 

 また出会うために、立ち上がり(RISE)続けよう。




読了ありがとうございました

はじめましての方にははじめまして。お馴染みの皆様にはおはこんばんちは。
ハーメルンにて活動しています、Gurren-双龍と申します。

今回はせと。さんの企画『モンハン愛をカタチに』に参加させていただき、筆を取りました。参加者の皆様、全て素晴らしい作品が揃っております。是非他の方々の作品もお楽しみください。

今回筆を取るにあたって、私は今なお尽きぬあの世界への愛をここに綴ることとしました
あの世界は夢か?幻か?
否、確かにあの日あの場所に、生きて産まれた想いがあったのだと、私は伝えたかった。それだけです

本企画の小説作品の最後を飾る立場でありながら、このような身勝手な一筆を取らせていただいたことを深くお詫び申し上げると共に
楽しんでいただけた方々がいましたなら、その方への感謝と、至上の喜びの意を示して終わりとさせていただきます。

じゃあ、ひと狩りいこうぜ!!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。