【助けて】呼吸使えるけど、オサレが使えない【転生】   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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オサレな雰囲気も分からなければ猫に小判

「君は何を話した」

 

 嘘までついて俺は一護に自身の事を話さなかったその日の放課後。

 

 一護は昼休みが終わって戻ってくるかと思っていると、なぜか戻る気配はなく、後からこっそり聞いたら「虚が出ていた」と言っていた。

 

 なんか凛々しい顔をしていたので、なんか変化でもあったのだろうか。

 

 まぁ、俺としては関係ない。

 俺はあくまで自衛できる程度の人間。

 

 そういう認識でいいのだ。

 

「な、何を話したってどういう?」

「しらばっくれなくてもいいよ。

 黒崎くん、朽木さん、君で昼休みに話していたのは知っているし、朽木さんから黒崎くんに死神の力が渡ったという話もしっている」

「……ってことは?」

「ちなみに僕は死神ではない」

「はぁ……」

「一応、君のお祖父様……丈さんから聞いたけど、知ったんだってね? 自分の事について」

 

 と思っていた。

 

 思っていたけど、そうは問屋がおろさないとばかりに俺のもとに何かが舞い込んでくる。

 

 時は昼休みを過ぎ、放課後の話だ。

 6限の先生から妙にこき使われるせいで、俺は放課後にプリントを集めて職員室に行っていた。

 

 そのせいでみんなより帰るのが遅れてしまい、教室に戻る頃には、一人しか教室に残っていなかった。

 確かに今日は他の連中は用事があるとかで残ってくれなさそうな雰囲気だったから、特に何か思うところはない。

 

 少しの寂しさを心のなかに残しつつ、俺が荷物を手に取ると、教室に一人残っていた人……石田雨竜くんは、話しかけてきた。

 

「……つかぬことをお聞きしますが、君は……」

「君は同類のことを聞いていないのかい?」

 

 石田雨竜。

 同じクラスの秀才。

 成績優秀、手芸部のエース。

 その2つの異名を持つ彼は、俺がBLEACHという物語の中で覚えている顔だった。

 

 しかし、これまで接触がないところを見るに、関係ないのかと思ってもいた。

 

 ビビビビビビッ

 

 それがどうだ。

 目の前に見えるのは、光の弓。

 それも、まるで石田くんの腕から生えているようなその弓は、圧力を感じる。

 

 まるで呼吸を使うジジイのような……

 

「同類……ってこれが?」

「……クインシー。

 君的に話すなら、滅却師」

 

 石田くんは、いまいちピンと来ていない俺のために、しっかりと話してくれる。

 そこでようやく、俺も確信に迫ったことと、普通に忘れていたことに気づく。

 

「あー! 君がクインシーの?!」

「シッ?! 声が大きい! 馬鹿なのか君は?!」

 

 怒られてしまった。

 慌てて口を噤み、あたりを見渡す。

 

 誰もいない。

 気配的にも誰かがいるのは理解できない。

 

「幸い、ここらには人はいない」

「分かるのか?」

「僕らは霊子を取り扱うことを得意としていて、周囲の霊力を感じることも容易だ。

 君はそういうのができないのか?」

「ぼやっと人がいるとかは気配でわかるけど……そういう霊力的なものではないと思う」

「そうなのか……」

 

 光の弓を消し、少し考え込む様子を見せる石田くんに、俺は彼の目的を考える。

 彼の目的はなんだろうか。

 

 彼はクインシー。

 俺は滅却師。

 浦原さんが話すには、俺らは同系統の存在らしいが、別にその間に交流があったという話はない。

 

 で、石田くんの話から、石田くんはジジイとつながっているのは明白。

 

「で、君は黒崎くんに何を話したんだい?」

「え? あ、一護に何を話したのか?」

「そう。

 君は先日、その力を使って虚を倒した。

 本来刀を使うはずの滅却師が体一つで倒すのは見事だけど、その時に君は黒崎くんと共に行動をしていた。

 それから、君は黒崎くんに何やら神妙な表情で話しかけられている。

 それは恐らく、彼に虚を倒すところを見られたのではないか?」

「……まぁ、はい」

「そこに黒崎くんの死神化だ。

 恐らく、黒崎くんのことだから、彼は君のことを死神かなんかだと思った。

 だから今日のお昼、君と朽木さんと黒崎くんは話をした。

 そこで君は何を話した?」

 

 まくしたてられる。

 

 いや、考察とか諸々あっているし、すごいとは思うけど、

 

 ”俺らのこと見過ぎでは?”

 

 ちょっと、ほんの少しだけど、この人キモいと思ってしまった。

 

 ごめん。

 

「えっと、別に大層なことは話してないよ」

「具体的には?」

「……あー。

 というか、嘘を付きました」

「……それはどうして」

「いや、俺が聞いた話だと、現在でもクインシーとか滅却師とかって殺されてもおかしくない存在でしょ?

 だから俺としては殺されたくないから、嘘を付きました……」

「ちなみにどういった?」

「霊媒師です、と」

 

 メガネを上げながら会話する石田くんは、しっかりと見ると知的に見えるのかもしれない。

 しかし、現状の俺からしたらちょっと気持ち悪い人位にしか映らない。

 ごめん。

 

「……それで、二人はなんて?」

「納得してくれました」

「……本当に?」

「本当です」

 

 やめてくれ。

 俺も嘘をついた身としてかなり無理があるというのは理解している。

 だからそれ以上掘り返さないでくれ。

 

「君は、死神が嫌いか?」

「……死神ってものを最近知ったから、どうとも」

「そうか」

 

 少し影のある表情をする石田くん。

 何やら死神と因縁ありそうな様子か?

 

「石田くんは?」

「僕? 僕はね……」

 

 石田くんは、その眼鏡をクイと上げ、

 

「死ぬほど嫌いだよ」

「え、マジか」

「本当だよ」

 

 石田くんは、それきり自身のかばんを持って教室を出ていった。

 

 えまってこの状況何?

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 数日経過した。

 

「本当だってば!

 ホントに部屋に横綱が来て、テッポウで壁に穴開けたの!」

 

 学校で見てる分には朽木さんと一護の間に仲の良さは見られない。

 最近では一護が疲れた様子を見せるだけだ。

 

 そして今日、織姫さんが変なことを言い出した。

 最近怪我が多めだったが、今日はそんなことも無くピンピンしているらしい。

 

 それを見ながら朽木さんと一護が何かを話していたのを見たが、何かあったのだろうか。

 

「ゲンジー。

 昼飯食べようぜぇ!」

「ん? あぁ」

 

 同日、昼休みに啓吾から飯に誘われる。

 俺は自炊能力は死ぬ気で身につけたので、弁当。

 一方啓吾は購買。

 水色は一緒に住んでいる女の手作り弁当。

 

 水色に関しては何を話しているのかわからないだろうが、それが事実である。

 

「屋上行こー、おー!」

 

 啓吾はるんるん気分で階段を駆け上る。

 なにかいいことでもあったのか?

 

「昨日、可愛い子を見つけたんだって」

「へぇ。

 それで?」

「……それだけ」

「……あぁ」

 

 それだけで幸せになれるとか最高かよ啓吾……。

 

 ガチャン!

 

 背後で哀れんでいると、屋上の扉が開く。

 そこにいたのは、

 

「おっ」

「あっ」

 

 一護と朽木さんの姿だった。

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