【助けて】呼吸使えるけど、オサレが使えない【転生】 作:ぬー(旧名:菊の花の様に)
リアルの取り巻く環境が変わりました。
そのため、少し慣れるまでの時間を要していた、というのが理由となります。
正直、このまま継続して投稿できるかと聞かれれば、多分どっかで止まる可能性はあると思います。
だから隔日投稿、というより一週間に2回投稿くらいの気持ちで待っていてください。
多くの方に見ていただいているので、できる限り尽力しますが、投稿できなかったら申し訳ない!
許してクレメンス!
『……起きているかい?』
「あ?」
思わず口が悪くなってしまうのは仕方がない。
俺が今いるのは、山奥。
といっても、生い茂った山というか、丘というか、そんな場所だ。
現在の時刻は24時。
以前起こった巨大虚の事件からは少し時間が経過している。
ちなみに、一護と石田くんは俺がいたことを知らないようだった(俺が休んだことに対して何も知らない様子だった)
別に俺としては何も力になれなかったし、言ったところで何にもならないので話さないでおいた。
『……すまない。寝ていたかな』
「あーっと、普通に外に出てるけど……今体動かしてて、気が立っていただけです」
電話の相手は石田くん。
俺が気が立っている理由は、疲れていたから。
山奥に来て疲れたわけではなく、体を動かした……つまりは修行をしていたからこそ、疲労していたのだ。
『少し電波が悪いようだけど、一体どこにいるんだい?』
「えーっと……どこだここ?」
あたりを見渡す。
地形に傷をつけないように修行をしていたから、自分がどちらから来たのかとかはわからない。
手近な気に登り、位置を把握する。
空座町からははるか遠く。
「結構遠いな」
『……何をしているのかわからない音が聞こえてくるのだが』
おそらく木々の音や、俺の足音を指して言っているのだろうが、それでバレるほうが怖い。
「ちょっと体を動かしてて。
それで、どうしたの?」
『……あぁ。
少し、外に出ないかと誘おうと思ってね』
「外に」
『既に君は出ているようだけど、僕も急に出たくなってね』
「……そんないきなり外に一緒に出ようと言われるような関係性だとは思わなかったけど」
『なかなか手厳しいな。
でも……そうだな。
君だからこそ、今連絡をしている、というところかな』
石田くんの発言には、何か含ませているような感じが分かる。
けど、それで分かるほど俺の察しの悪さを舐めないでほしい。
「何を考えているのかが全くわからないので、説明お願いします」
『……ちょっと、探知を行ってほしいのだけれど……』
「こっからじゃ空座町が一切はいらない」
『本当にどこにいるんだい、君は』
「山」
というか、結構小さい山だと思ったけど、結構でかいな。
ちなみに、しっかりと人と会わないように、探知は最大限に行っている。
『……それじゃあ、早いところ空座町に戻ったほうが良い』
「何かあったの?」
『別に。
何もまだ起きていないんだけど、念のために』
「……一護には?」
最初から感じていた疑問を投げると、石田くんは少しの沈黙の後、
『だから、君に連絡をしているのさ』
俺はその言葉に電話を勢いよく切る。
それは俺でも分かった。
一護が危険な目に合う、ということか。
前の反省と言うわけではないけど、今度は、間に合う。
修行の成果は何一つ出ていないけど、それでも行く。
一護に言ったからこそ、一番先に間に合わなきゃならない。
☆☆☆☆☆
いきなり電話を切られてしまった。
恐らくは、僕の言っている意味が理解できたからこそ、急いで来る必要があるということだろう。
今探知できたのは、3つの死神の反応。
しかもそのどれもが洗練されている霊力。
かろうじて一人だけならなんとかなりそうなものだけど、あの二人を同時に相手にするのは骨が折れる。
なんとかなりそうな一人と、強いやつが一人だけならまだしも、三人となれば戦いになったときに難しい。
黒崎のやつに言ったとしても、同じ死神連中のことだから、何か起こるに違いない。
一番最悪なパターンは黒崎が相手側になること。
ないとは思うが、それが一番考えられる中で最悪なもの。
だからこそ、連絡したのは我妻君。
彼ならば、死神が相手だとしても、最悪なパターンになることはない。
なぜ電波の悪いところで、空座町から離れているのかはわからないが、それでも彼ならばなんとか辿り着くだろう。
彼はたまたま外を出歩いていても大丈夫だけど……。
自分の部屋を見渡す。
何か外に出る名義を考えておかないと。
その時、たまたま最近買った裁縫道具が目に入る。
「これなら大丈夫か」
そして僕が手にとったのは、裁縫ショップの袋。
これを持っていれば、僕らしい自然な理由で外に出る口実になる。
朽木さんの行動を追っている様に見えるから、先回りすれば朽木さんのみを逃がすことは可能だ。
後は口実だが……。
「たまたま裁縫道具を買いに来た……うん」
これで完璧だ。
怪我が完治をしていないが、戦うことに支障はない。
包帯でぐるぐる巻きの右腕を確認し、家を出る。
「もしかすれば、貸し一つ、か」
黒崎に貸しを作れれば、今後役に立つだろう。
我妻君には何もなかったら何かを奢ることにしよう。
もしうまくいけば、黒崎のおごりにしよう。
家の鍵を閉める。
「よし」
闇へと足を踏み出した。
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