【助けて】呼吸使えるけど、オサレが使えない【転生】   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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瀞霊廷逃走編
辛いことの後って何でもないことが幸せなことのように思う


「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁああぁ!!!」

 

 何回目なんだよ落下は?!?!

 

 そう叫ぶ俺は、他の連中より遥かに慣れた様子で天空から落下していくのであった。

 

 尸魂界の空を。

 

 

 俺と一護がジジイからのクソみたいな訓練を受けさせられてから5日程度。

 一護はひょっこりと始解という死神の強化を得ることができた。

 

 それに普通に死神として戦うのが非常にうまくなった。

 一護の土俵で戦えば、俺だって普通に負ける可能性があるくらいには強くなった。

 

 まぁ、一護の土俵に上がりさえすれば、って話だから決して俺が弱いわけではない。

 決して。

 

 そうして、いつの間にか戦えるようになっていたチャドと織姫さんを加えて、俺らは尸魂界に突入することになる。

 道中少し死にかけた(拘流に絡め取られた)が、チャドのお陰で助かった。

 

 でもまぁ、最後の最後で織姫さんが守ろうとした結果、こうして衝撃によって空中を飛んでいるのだが。

 

 ってか速度がやばい。

 みんな大丈夫かな。

 

「…………私……す…!」

 

 というところで微かに織姫さんがなにかしているのは見えた。

 なんとかはなりそうだ。

 

 俺は余裕を持って着地を決める。

 

 他のみんなは土煙を上げながら地面と接触した……様に見えた。

 実際には織姫さんが使用した三天結盾という能力によって、みんな無事だった。

 ……これなら俺着地する意味なくね?

 

「ぷぅ!

 みんな大丈夫?!」

 

 織姫さんが周囲を見渡すと、そこにいるのはバラエティの芸術的な姿勢で着地をしている一護の姿。

 

「黒崎くん芸術的着地姿勢!」

「プッ」

「うるせぇよ」

 

 俺も思わず笑ってしまう。

 一護はこういうときに結構持っている人間なので、外さない。

 

「源氏、マントの方は大丈夫か?」

「ん? あー破けてるわ」

 

 チャドは俺のことを見ながらマントの心配をしてくれた。

 先程の勾流という物体に触れたとき、絡め取られて破れたのだろう。

 というか、チャドが引っ張ってくれなかったら今ごろ俺は死んでいた。

 

「これ、浦原さん特製のやつなんだけど、俺が身につけてれば勝手に直るんだって」

「中々便利だな」

「だろ?」

「それより君たちは平然と着地している我妻くんに対して疑問を持つべきなのでは?」

 

 織姫さんとチャドは、石田くんの言葉に確かにとこちらを向いてくる。

 

「気にしなくても大丈夫大丈夫。

 そんなに変なことでもないでしょ?」

「まぁ、そうかも?」

「……そうか」

「いいのかそれで……」

 

 石田くん、気にしたら負けですよ。

 

 一護だけは俺がどんな高度から落ちても結構平気なことを知っているからか、何も言わない。

 

 ちなみに俺の服装は、以前もらった体を覆うことのできる黒いマントを身に着けている。

 その下は昔の軍隊服のようなものを身に着けている。

 

 ぶっちゃけ、マントは違くても下はめっちゃ鬼殺隊の服装で最初はビビった。

 

 いきなりジジイから渡されたもんだから最初は気づかなかったけど、着てみるとびっくりそのまんまで本当に驚いた。

 

「それにしてもみんな大丈夫で「大丈夫なわけ無いわたわけが!」痛いっ?!」

「三天結盾の盾本体に衝突したからいいものの、六花本体が触れておればただでは済まなかったのだぞ!」

 

 六花、というのは織姫さんが使役している式神的なものらしい(正確には違う)

 チャドは腕を何やら物騒にして戦うことができるらしく、なんか強そうだった(語彙力)

 

「いいじゃねぇかみんな助かったんだから」

「お主ら自分らの状況をわかっておるのか?!」

 

 黒猫の夜一さんは、織姫さんとチャドの訓練をしていたらしく、今日初めて遭遇した。

 俺としては浦原さんと同レベくらいの信じられなさの人だけど、この人には未だに敵うとは思えないのが不思議だ。

 黒猫なのに。

 

 本当は死神とかでは???(適当)

 

「土煙が晴れてきた」

 

 石田くんの言葉で、みんなは周囲を見渡す。

 

 おそらく石田くんが一番霊圧の感知に長けているため、彼が何も言わないということは敵が近づいてきているということはないと思う。

 俺の探知にも引っかかってないということからも、同様だろう。

 

 土煙が晴れ、見えてきたのは、古めかしい町並み。

 あばら家、少しの店。

 寂れているように見えるここが、尸魂界。

 

「ここが尸魂界?」

「そうじゃ。

 ここは俗に流魂街と呼ばれる地域で、尸魂界へと導かれた魂が最初に住まうところ。

 死神たちの住まう瀞霊廷との外苑に位置する。

 尸魂界の中で最も貧しく最も自由で、最も多くの魂魄が住まう地域じゃ」

「その割には人影が少なくないかな……」

 

 少し違うのか。

 ってか尸魂界の中でも貧困差とかあるのか、きびし。

 

 のんきにそんなことを考えながらも、警戒は怠らない。

 何が来ても大丈夫なように。

 

「なんだ? あっちの方は随分町並みが違うじゃねぇか」

「あぁ、あれが……」

「わかった! あっちが死神たちの住んでるナントカって街だろ?」

 

 一護が駆け出す。

 

 ……分かる。

 分かるよ一護。

 

 あのクソジジイのじごくから 抜け出せてはしゃいでるのは分かる。

 非常に分かるけど、

 

「まぁ待っとけって」

「……んだよ源氏ー」

 

 ぶーたれるではない高校生。

 夜一さんも見ろ、何か叱ろうとしていたのをホッとしているぞ。

 

「一護、流石に危ないだ……」

 

 ガンガンガンガンガンガンガンガン!!!!……

 

 瞬間、目の前が壁になった。

 

 先程まで目の前が町並みだったのに対して、一瞬にして壁が現れた。

 

 いや、今の感じを見るに降ってきたのか? 壁が?

 

 眼の前に現れた、身の丈を有に超える壁。

 俺と一護はそれを目の前にして、ホッとした。

 

「「っぶねぇ……」」

 

 後少し足を前に出していれば、死んでいた。

 尸魂界ついた瞬間死ぬとか笑えんから、マジで。

 

 俺と一護が後ろのみんなと合流しようとしたとき、

 

「久すぶりだなぁ」

 

 声が聞こえた。

 今の壁の出現に合わせてきたのか。

 びっくりして気づかなかった……いや、気づくまでなかったか。

 

 安心して目の前を見ると、何やら影が続いている。

 俺はその影を追って視線を上に上げて上げて……

 

「え、でかくね?」

「通邸証もなすにここを通ろうとするやつなんて、久すぶりだぁ」

 

 壁の落下によって生まれた土煙は晴れていき、目の前の存在の全貌が明らかになる。

 そこにいたのは、降ってきた壁とまでは行かないものの、俺らを優に超える巨人。

 

「久々のオラの客だぁ。

 もてなしてやるぞぉ」

 

 そんな巨人が、手を振り上げた。

 

 その手に持っているのは……斧?

 

 俺らの身長の二倍はあろう斧を振り上げた巨人は、もちろん、

 

 振り下ろした。

 

 場所は俺らの目の前。

 俺の生存本能が警鐘を鳴らさないということは当たらないということ。

 

 それでも、

 

「こわ」

「マジな」

 

 一護と軽口を言い合いながら、目の前に降ってきた斧を見届ける。

 

 かなりの衝撃はある。

 風が吹く。

 

 後ろでおそらく夜一さんが何かを俺らに言っている。

 

「多分だけど引こうとしてると思うんだけど」

「何言ってんだ源氏」

 

 あぁ、一護さん。

 

「これくらいなら押して通れるだろ」

 

 やっぱはしゃいでるねあんた。

 

 まぁ内容に関しては俺も同感だけど。

 

 兕丹坊はその巨体に比例して大きくなった声で話す。

 

「さぁ! どっからでもががっでごい!」

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