【助けて】呼吸使えるけど、オサレが使えない【転生】   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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こっから
弓使う→滅却”師”(クインシー)
源氏とか→滅却”士”
という表記に分けようと思います。
時間あったら過去のにも手を入れます。


意外なことで成長するよね、人間

「できた」

 

 ボロボロな姿でそう話す一護。

 

「ほう、先程まで成功のせの字も見せなかったお主が、できるようになったとな?」

「あぁ」

 

 凛々しい表情をする一護。

 隣に佇む空鶴はため息をついて、

 

「どれ、見てやろう。

 夜一、ついてきてくれ」

「良かろう」

 

 一護に連れられるまま、儂らは練習場所へと向かう。

 

 そこには、一護を除いた三人がそこに居た。

 

「お主ら……」

「黒崎くんが頭を下げて『俺に教えてくれ』っていうから……」

「俺もだ……」

「僕にまで頭を下げるとはね……」

 

 織姫、チャド、石田の三名は一護のことを珍しいものを見るような目で見る。

 意外だ。

 情に厚い、義理に従う、筋を通すとは思っておったが、その中身は男子高校生程度だと思っておったが……。

 

「岩鷲……」

「別に手伝ったわけじゃないんだよ姉ちゃん……。

 隣で練習してただけだ」

 

 視線を動かすと、そこに居たのは志波岩鷲。

 死神と何やらひと悶着あった様子で、一護にも突っかかっておったが……。

 

「で、できるようになったんだよな。

 見せてみろ」

「うす」

 

 今回の一護たちに課せられた課題は簡単。

 霊力を使用して起動する砲弾の弾の作成。

 

 それも、人間が中には入れるほどの弾。

 本来ならば何もなしに作るのは難しいんじゃが、志波空鶴作成の道具を使用することで可能にしている。

 

 正直、難しいことはない。

 霊術院に入れる程度の霊力操作ができれば完璧である。

 

 じゃが、黒崎一護は死神となってから時間は経っていない。

 おまけに、本人の保有する莫大な霊圧のせいで操作が困難。

 

 一護は最後の最後まで粘ると思っておったが……。

 

「ふぅ……」

 

 一護は砲弾作成のための弾を持ち、呼吸を整える。

 

 一護がとある人物と訓練をともにしてから、身についた集中のためのルーティン。

 

 次の瞬間、少し不安定ながらも一護の周りに霊力の層ができる。

 

「っし」

「……うん、合格だ」

「あざっす!」

「おや、集中も切らさないとは、立派なもんだ」

「……」

 

 一護はその言葉に一瞬目をそむける。

 その行動の意味を考えるのであれば、

 

「さっきそれをやって、織姫さんになんとかしてもらったんですよ」

「えへへ……」

 

 ふむ、大方三天結盾で防御してもらったと……。

 

「失敗をわかっているなら大丈夫だ。

 明日の朝、出るぞ」

「待ってくれ!」

 

 空鶴が一護の完成に一息つき、踵を返そうとすると、一護が呼び止める。

 空鶴は振り返ることなく、

 

「なんだい?」

「すぐにでも出発したい」

「なんでだい?」

「あの中に、一人仲間がすでに入っている」

「?!?!」

 

 一護の言葉に、空鶴は驚く。

 儂も後で言おうと思っておったのじゃが、この馬鹿め。

 

 この反応の感じだと、岩鷲の方は知っている、ということかの。

 

「もちろん、ルキアのことを連れ出そうと思っている。

 だけど、それと同時にあのバカを連れ戻して一発ぶん殴る」

「……そのために、こんなに早く?」

「そうだ。

 アイツなら確実に生きている。

 けど、それでも」

「友達のためにすぐにでも危険な敵地に飛び込みてぇってのか?」

「それ以外に理由がいるか?」

 

 一護の言葉に、空鶴は目を見ることなく、少し考えてから、

 

「こっちでも多少の準備はいる。

 二時間だ。

 二時間で終わらせる」

「押忍!!!」

 

 我妻源氏。

 

 儂からの評価は、少し戦える若者。

 

 滅却士の末裔であり、恐らく現存する最後の滅却士。

 死神を真似て刀を持った虚への抵抗をする人間。

 滅却師とともに粛清され……いや、特定の人物を除いて粛清された。

 

 それがここまで大きな存在となった。

 

 今でも強いとは言えない。

 

 生きることだけが取り柄の戦士。

 強くなる、というより小狡くなっていく戦士。

 

「一護」

 

 だから、少し聞いてみる。

 

「どうした? 夜一さん?」

「お主は、すでに我妻源氏が死んでいると考えたことはないのか?」

「…………?」

 

 一護はとぼけた表情をして、儂に何を言ってるんだと言う顔をしてくる。

 ムカつく。

 

「あぁ……確かに……そうかも知れないけど……」

 

 一護は、その後儂の言っていることを理解したのか、宙を見上げて少し考えてから、

 

「ないだろ、アイツに限って」

「そうか」

「……黒崎、なんでそんなに我妻くんが生きていると思っているのかい?」

 

 儂も概ね同意。

 現世で隊長格と競ったあの実力ならば尸魂界でも生きていられると踏んでいる。

 それこそ、あやつならば隊長格と遭遇しないように立ち回ることも可能。

 浦原特製のマントをもらっているからの。

 

 しかし、この言葉には何も根拠がない。

 それこそ、我妻源氏という人間を知らない限り、この言葉が出ない。

 

「人って、結構死なないんだよ」

「は?」

「いや、ちゃんと話繋がるから。

 俺も訓練してて思ったけど、どんだけ殺されかけても死なないのよ。

 それこそほんと、意外と死なない」

 

 一護の言葉に、少し要領を得ていない全員。

 

「で、俺は死神だし回復が早いんだけど、源氏は生身で俺の倍は怪我をして、ズタボロになりながらも戦ってた」

「……本当かい?」

「マジのマジ、大マジよ」

 

 儂は織姫とチャドの訓練に付き合っていたから知らないが、浦原に後で聞いたら『流石に引いたッス』と答えていた。

 それほどまでのことをしたのだろう。

 というか、どうやったら死なないのか知りたいの、儂も。

 

「だから、死なないのは確信してる。

 それに、アイツは一度戦えば相手の剣閃を理解できる」

「一度戦えば?」

「こっちも強くならないとアイツに二度目の戦いは通用しない。

 それこそ、浦原さんでも少し工夫しないとだめだった」

 

 ……これじゃ。

 これが我妻源氏の最大の理解不能ポイント。

 浦原が悔しそうにしていた。

 

 『一度戦うと本当に通用しなくなる』

 

 速さを求め、生きるという点を極めた結果が、絶対に生き残る才能。

 

 いや、才能なんてチープな言葉で片付けるのは侮辱にあたる。

 

「あいつは、『水』なんだよ。

 斬っても水、割っても水、叩いても水。

 そして写すのは、自分の姿」

 

 ”まぁ、源氏のじいさんの受け売りだけどな。”

 そう、一護は締めくくった。

 

 尸魂界突入まで、後2時間。

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