【助けて】呼吸使えるけど、オサレが使えない【転生】   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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そっすか

「回復したかの……って珍しいの、瞑想なんて」

「……」

「?……どうしたんじゃ?」

「……」

「……おーい!」

「ッ?!」

 

 いきなり声をかけられたことに驚いて、夜一さんを睨みつける。

 

「さっきから声をかけておったが、反応が無いとはどういうことじゃ?」

「え? さっきから声をかけてたんですか?」

「そうじゃよ。

 瞑想していて返事がないからこうやって大声を出したんじゃ」

「……マジか」

 

 地面におろしていた腰を上げる。

 乾いた土の感触を確かめながら、俺は伸びをする。

 

「怪我の方はどうじゃ?」

「大丈夫です」

「そうか。

 それで、なんで瞑想をしていたのじゃ?

 瞑想なんてする柄だったかの?」

「別に瞑想くらいしてもいいじゃないですか……」

 

 夜一さんは疑わしい目線で俺を見てくる。

 確かに瞑想なんてしている柄にも見えないだろうが、瞑想はしっかりと教えられた。

 

 色んな意味があるが、別に瞑想はしたところで強くなるものではない。

 だからこそ、瞑想に意味をもたせるのは良くも悪くも自分だ。

 そう教えられた。

 

「瞑想してたのは、俺自身のためです」

「お主自身?」

「少しだけ、自分のやっていたことを思い出しまして」

「なにか、変わったのかの?」

 

 夜一さんにじっと見られるが、別に俺に変化は無いだろう。

 

 今だって息抜きをしているし、怪我が治っただけで特に何かをしているということはない。

 

「まぁ、後で教えますよ」

「……そうかの。

 それならば後で期待をしておくが……それにしても、似合わないのぉ、服」

「用意したの夜一さんって……浦原さんのものでしょうが」

「まぁもとは喜助のものじゃから似合わないのは当然なんじゃが、なんか違和感というか……」

 

 今着ているのは、ダボッとした和服。

 浦原さんっぽいだるっとした感じだなぁ、と袖を振り回して思っている。

 

 鏡を見れていないので確認のしようもない。

 

「とりあえず、このまま町民に紛れながら朽木ルキアの救出に向かうぞ」

「あっ、ハイ」

 

 夜一さんは昨日から着ていた忍者風の服装を着替える。

 

 え、いま何時着替えた?

 早、え?

 

 着替えた後の夜一さんは、髪を下ろし、町民の服を来た普通の人間だった。

 なんか、夜一さんって立ち振舞が少し堂に入っていると言うか……気品があるよなぁ。

 

「瀞霊廷には本来死神しか居ないが、商売許可などを貰えれば普通の人間でも歩くことができる」

「あ、はい。

 そこら編の常識とか会話は情報収集済みです」

「……お主、変なところが冴え渡っているのぉ」

「少しでも知らないことは減らしたいですから」

 

 怖いやん、無知。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

「まぁ及第点じゃろう」

「現代っ子なんで許して」

 

 勉強部屋を出た後は、歩きながら所作や身分についてのすり合わせ。

 一応俺の身分は一番低く、死神には基本的に逆らえない力関係になっているらしい。

 

 というか、逆らおうにも勝てるわけがないから、逆らえないらしい。

 

「よし、それでは儂が先をゆくから、お主は後ろをしずしずと着いてくるのじゃぞ」

「え、しずしず、とは」

「影を薄く、じゃ」

 

 尸魂界の外れに現在位置していて、ここには基本的に人の出入りはない。

 それこそ、死神でも滅多には来ない。

 ここらへんには昔利用されていたいろいろな施設があったりする。

 それこそ、血みどろの穴とか、処刑小屋とかあった。

 

 何をしていたのかは知らないが、結構尸魂界闇深いな、と思った。

 

 そんなことを思いながら影を薄く……息抜きの出力を最大にして歩いていると、人がチラホラと見えてくる。

 それこそ死神だが、夜一さんが上手いこと死角に入りながら移動してくれているおかげで、全然見つからない。

 

「……お主」

「はい」

「何をそんなに気配を消しておるのじゃ?」

「え、言われたから」

「死にかけほどの霊圧にしろとは言っておらぬぞ?!」

 

 あぁ夜一さん、見つかっちゃうって。

 俺は両手をあたふたと目の前で動かしていると、

 

「ん? どうしたお前ら」

 

 あぁ言ったこっちゃない。

 死神が一人話しかけてきた。

 

 大柄な男で、持っている刀が少し小さく感じる。

 

 男は警戒なんてしている様子はなく、単純な質問から話しかけてきているようだった。

 

「あぁ、私達は少し中心の方まで用事があって……」

「現在尸魂界は封鎖している。

 どこから来た」

 

 え、あ、たしかに。

 壁在るやん。

 それで言い訳だと思っているの? 夜一さん。

 

「いえ、先日の朝からこちらの方で知り合いに宿を貸してもらっていて……」

「……そうか。

 ちなみに誰か聞いてもよかろうか?」

「護廷十三隊六番隊隊長、朽木白哉様です」

「?!?!」

 

 白夜。

 

 ルキアの兄。

 

 なんで今その名前?

 

 というかその名前聞いた途端相手の死神さん膝着いちゃったけど?

 もしかしてあの兄様、すごい人?

 

「こ、これは大変ご無礼いたしました!

 白夜様のお知り合いなどいざしらず、申し訳ありません!」

「いいえ、今回私達は誰にも知らせずに来ているので仕方ないのですが……何かあったのでしょうか?」

「えぇ、外を見て分かる通り、現在旅禍の侵入を許し、その追走と処分のために勤しんでおります」

「それは……私は付き人がいるから良いですが、皆様は頑張ってください」

 

 ……夜一さんってもしかして良いところの生まれとか?

 というか、死神? 人間? 猫?

 

 色々わからねぇな、この人。

 

「付き人……わっ?! い、居たのですか」

「えぇ、影にいるのが得意で……」

 

 あ、俺に気づいてなかったのね。

 

 ……あれ? なんかおかしくね?

 死神の人、夜一さんの方見てる?

 俺のことはしっかり見ているけど、なんか夜一さんは違うっていうか……

 

「それでは、失礼しました」

「えぇ、頑張ってください」

 

 オホホホホ、とでも言いたげな夜一さんの口ぶりに感心しながら、俺は後ろをついていく。

 

 しばらく歩き、死神さんの気配が遠のいた頃、

 

「はぁぁぁぁ。

 疲れた」

「お、お疲れさまです」

「まぁ、こんなことはあろうとブラフを用意しておいたのじゃ」

「ルキアのお兄さん、すごい人なんですね」

「あぁ……ん? お主、朽木白哉を知って知っておるのか?」

 

「まぁ、会いました」

「……逃げ切ったんじゃな、流石じゃ」

「殺されかけましたが」

「そうかの……そんなやつには思えないが」

 

 夜一さんは思案顔をするが、俺は先程の疑問をぶつけてみる。

 

「あの、さっきの死神と話してた時、なにかしてました?」

「気づいたかの」

 

 夜一さんは俺の質問に待っていましたと言わんばかりに、胸元から何かを取り出した。

 え、エロ(直球)

 

「これは顔の認識をできなくするという装置で、儂とあったものは顔の認識が難しくなり、覚えていることができなくなる」

「……はぁ」

「これで万が一のときにも、顔が割れることはない」

「で、なんで朽木白哉の名前を使ったんですか?」

 

 顔が割れることはない。

 つまりは返すと顔が割れると面倒。

 

 確かに、顔がバレると面倒なのはわかるが、それならば全員分それを作ってもたせればいい。

 持たせない理由としては、作れなかった、もしくは持たせなかった。

 

 持たせない理由はあったとしても俺が知る事はできないので除外。

 

 作れなかった、としたら作ることのできた一つを夜一さんに持たせる必要があった。

 それこそ、隠密に長けている夜一さんに持たせないといけない理由があった。

 

 ……黙ろう。

 

「相手はあのガタイで六番隊の通常隊員。

 肩の腕章で判別できるが、その隊の隊長は朽木白哉。

 ましてや貴族ともなれば理解できない事情は多い。

 それを理解できるということでふっかけてみたら、案の定じゃったな」

「結構考えてるんですねぇ」

「まぁ、儂じゃからの」

 

 ふふんと鼻を高くするが、ふわっとだけど察しはついた。

 というか、以前から思っていたことだが、

 

「なんで、浦原さんと夜一さんは俺らに手を貸すのですか?」

「もちろん、良心じゃ」

 

 ノータイムの返答。

 

「そっすか」

「そうじゃ」

 

 まだ、認められていないと、そういうことですか。

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