【助けて】呼吸使えるけど、オサレが使えない【転生】   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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隊長ってすごい(小並感)

「浮竹十四郎! いるか?!」

「ちょ?! 夜一さん?!」

 

 俺と夜一さんは十三番隊の隊舎を誰とも会うことなく歩いていく。

 正直ここまで人と出会わないと不気味なんだけど、それは無理もない。

 

 気配を探る限り、この隊舎に現在進行系でいる人間の数が少ないのだ。

 

 一護とチャドの方に人数を割いているのだろうが、ここまで来るということを考えていないのだろうか。

 

 そんな真面目なことを考えていたのだが、夜一さんの言葉で吹っ飛んでしまった。

 あたふたとしていると、目の前にある障子がガタリと開き、

 

「なんだなんだ、いきなりフルネームで名前を呼ぶなんて……」

 

 中から出てきたのは、白く光る長髪をこしらえたイケメンだった。

 てかこの人隊長なのね、白い羽織着てるやん。

 

 え、そんなイケメンがいるの? ここ? と現実と似たような絶望感を感じるが、気を引き締める。

 

 長髪イケメンさん……浮竹さんは障子の先にいる俺らの姿を見るなり、表情を固めた。

 

 そして少し考えた後、

 

「君たちは、何のようで来たのかな?」

「何、少しお話をしようと思ってな」

「うん、それなら立ち話もなんだし、中に入ってくれ。

 今日は調子がいいから茶を入れよう」

 

 朗らかに夜一さんの言葉に答える。

 え、ちょっとついていけないんだけど、大丈夫?

 

 夜一さんの顔を見ると、ニコリと笑っている。

 てか、顔が認識できないってことは使ってるな、認識阻害。

 

 俺にもかかるんかい。

 面倒くさいな。

 

「おや、早く入らないか。

 今は忙しいから俺としても早めに済ませてもらえると嬉しんだが……」

 

 いやいや、浮竹さん。

 あんたもよ。

 ワイら侵入者だし、隣の人顔認識できないし、俺に至っては気配しぬほど消してるし。

 

 疑うという何らかのあれはないわけ?(語彙力)

 

「それでは……」

 

 ってか止めなくていいの? これ?

 

 こんな時の出番でしょ?

 

 さっきからこっちを見張ってる人たち。

 

 ザッ

 

 一瞬。

 

 夜一さんが脚を踏み出したその瞬間、俺と夜一さんの首元に刀を向ける人物が二人。

 

 一人は男性。

 頭に鉢巻を巻いた男性。

 袖をまくった様子からも、生粋の漢、という感じの男性だ。

 

 もうひとりは女性。

 金髪で小柄な女性。

 華奢な印象を受けるが、足さばきを見る限り、その実力は高い。

 

 男性が俺に。

 女性が俺に。

 

 首元に刀を突きつけた……様に見えた。

 

「仙太郎! 清音!」

 

 俺と夜一さんは、二人が動いた瞬間に対応していた。

 

 夜一さんは例のクソ速い移動法で。

 俺の方は遠雷を使用した残像じみたことで。

 

 更にその二人の裏を取った。

 

「君たちにはかなわない相手だ。

 それに、二人共殺意がない。

 話を聞いて見る価値はあるんじゃないか?」

「隊長! そうは言っても!

 この状況で来る死神でもない女と気配の薄すぎるマントの人間ってやばいですて!」

「小椿に同調するわけじゃないっすけど私もそう思うっす!!!」

 

 そうそう、そういうことよ。

 普通は警戒するもんなのよ。

 こんなに警戒心零なんておかしいでしょ、ねぇ?

 

「……それなら、要件を聞いてみれば良いんじゃないか?」

 

 その時、浮竹さんがキョトンとした顔で二人の死神を見る。

 その言葉に、夜一さんはニヤリと笑い、

 

「無論、お主らの部下の救済のための話、じゃ」

「ほら」

「「うーん」」

 

 うーん。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

「まずは自己紹介と行こうか。

 俺の方は名前は知られているみたいだけど、一応。

 護廷十三隊、十三隊隊長、浮竹十四郎だ」

「儂はナナシじゃ」

「えっ、えっと、源氏、です」

「うん、ナナシさんと源氏さんか」

 

 いつの間にか部屋に入れてもらってお茶まで出してもらっている。

 俺半日前まで死にかけてたけどどういうこと?

 

 とりあえず、あっちから殺意とかは感じないので良いけど、浮竹さんの後ろに控えている二人がどう出るかは気になる。

 

 正直、後ろの二人もそこそこ強いが、隊長ほどではない。

 まぁ、ほんとにそこそこ。

 一護よりは弱い、と思う。

 

「それで、俺の部下の救済、ってのは朽木さんのことかな?」

「そうじゃ」

「やっぱり」

「ほう、流石に気づいておったか」

「あぁ。

 そりゃ、市丸隊長と朽木隊長の報告を聴けばわかるだろ?」

 

 流石にバレるか。

 

「まぁ、君たちかどうかは知らないけど、その後すぐさま目的錯乱のために要所を襲撃したのは少し惑わされたかな。

 あ、でも人的な被害が極端に少なかったのが君たちの目的特定に至った理由ではあるね」

 

 いや、殺すとかいけないやん。

 ほら、市丸は斬ってもいいし、殺されかけたから(適当)。

 

「それならば話が早い。

 お主らに一つ、頼みたいことがある」

「ははは。

 頼み事、ってのは下から来るけど、そのためにはその変な道具をやめてもらえると嬉しいな」

 

 浮竹さんの気軽な言葉に、空気が凍りつく。

 

 後ろの二人は、浮竹さんの言っている意味がわからないのか、俺ら二人を交互に見ている。

 

「仙太郎、清音。

 あの女性の顔をよく覚えようとしなさい。

 恐らくだけど、何らかの道具で俺らが顔を覚えられないようにしている」

「……あっ」

「え、なんで?」

 

 すごいな隊長。

 これ、言われないと意外と気づかないもんなのよ。

 

 例えて言うなら、適当に自分の中で顔を当てはめちゃう感じ。

 声だけ聞いて顔を想像してる、あの感じ。

 

 だから騙せるかなぁ、とか思っていたけど、そうはうまくいかないか。

 

 だまって夜一さんの方を見る。

 夜一さんは浮竹さんの方をじっと見つめて、

 

「ほれ」

「ほぉ、やっぱり夜一殿か」

 

 道具を解除した。

 

 結構すんなり解除するもんだな、と思っていたけど、浮竹さんのリアクションから隠していても仕方がないと言うものだったのだろう。

 

「先程の体捌き、もしやと思っていたけれど、夜一殿だったとは。

 お元気でしたか?」

「現世というものも悪くはない。

 お主らも、そこそこ百年で風変わりしておるようじゃの」

「若い世代がどんどん来ているので、ヒヤヒヤしていますよ」

「時に、副隊長殿は?」

「それは……」

 

 完全に二人の会話をしている。

 俺には理解できないが、二人は元々知り合いだったようだな。

 

 でも後ろの二人は口をパクパクさせて、

 

「お前は!」

「しほ……モゴモゴ!」

「おい! 迂闊にしゃべるな!

 ここにいるのが見つかったら俺らまでやばいんだぞ!」

 

 なんかやり取りしてる。

 教えてほしい。

 つか知りたい。

 

 声を出したいけど、情報を与えたくない。

 

「うむ、そうか。

 それは残念じゃったな」

「あぁ、それで朽木も沈んでいて、今となっては元気になって現世任務をしたというのに……」

「現在は上と掛け合っている、というところかの?」

「あぁ、暖簾に腕押しだけど、やらないでいるよりはマシだ」

「それは良かった」

 

 いつの間にか会話も進んでるし。

 何だこの空間。

 

「ちなみに、その隣の幽霊みたいな子はどうしたんだい?」

「あ? こいつか?」

「あぁ、先程からやけに静かだし、気配も殆どないし、少し怖いね」

「こやつが先程の市丸ギンと朽木白夜とやりあったやつじゃ」

「「「?!?!」」」

「えっ」

 

 思わず声を出してしまった。

 

 なんでバラす?

 無意味に警戒されるけど?

 は?

 

「それはそれは……。

 彼も死神の力を?」

「いいや、滅却士……我妻丈の系譜じゃよ」

「これは……またオールスターな名前だねぇ。

 丈さんもこちらに?」

「いいや。

 我妻丈はこちらには来ないな。

 曰く、こいつで大丈夫だ、といっていたようじゃ」

 

 え、そんなこと言ってたの?

 てかジジイここと絡みあるの?

 

「……フード越しで分かりづらいんだけど、彼も驚いている顔をしているような気がするんだけど」

「まぁ、我妻丈のことじゃからろくに話しておらぬのじゃろう」

「確かに、丈さんらしいけど……」

 

 えぇ、色々聞きたいんだけどこれ俺話していい感じ?

 声だそうと思ってるんだけど、大丈夫な感じ?

 

 

 いや、さっき声出ちゃったし、そんな気遣いいらないか。

 

 

 いいや、話しちゃ……

 

 

「それで、本題なのじゃが……」

 

 あ、タイミング……

 

「朽木ルキアの救済、ってのはどこまでのことを話しているんだい?」

「それこそ、処刑からの脱却、じゃ」

「その後は?」

「儂らで現世に匿おう」

「…………」

 

 浮竹さんが黙る。

 

 というか、この人はルキアさんにとってどのポジションの人間なんだろう。

 この人もルキアさんの救出をしようとしている、って話したし……。

 

 茶の湯気が消えかけたその瞬間、

 

「少し、待ってくれないか?」

「なにゆえじゃ?」

「まだ時間はある。

 それこそ、逃がすことだけならできるかもしれないけど、そうした場合の朽木の今後はどうなる」

「ふむ、最もじゃな」

 

 ……頭いいなこの人。

 さっきから思ってたけど、先の先まで考えてる。

 

 隊長ってみんなすごいんだな(小並感)

 

「だから、動くのは待っていてほしい。

 それこそ、お仲間の旅禍にも話してくれれば助かる」

「それに関しては無理そうじゃ」

「……連絡は取っていないのかい?」

「生憎、その手の頭が足りない奴らでの」

「そうか……」

 

 浮竹さんが腕を組み、少し考える。

 何を考えているんどあろうかは知らないが、恐らく俺の及ばないことを考えているのだろう。

 

「それじゃあ、旅禍は捕獲ということにしようか。

 全員の人数と人相をざっくりで良いから教えてくれないか?」

「人数は儂らを含めて6人。

 初期にこちらに飛び込んだのは源氏一人」

「……それは、本当かい?」

「あぁ、嘘偽りなく、じゃ」

「……そう、か」

 

 ありゃ、なんかやった?

 内心何が起こっているのかは理解できないが、何かが起きているということは理解できる。

 

 浮竹さんは、俺の方を向いて、

 

「君はこの中に入ってから、一人で行動していたのかい?」

「はい」

「その過程で、この隊舎の地域に入ったことは?」

「いいえ。

 懺罪宮には行きましたが、隊舎のある地域は避けました」

「そうか……」

 

 浮竹さんは俺の言葉に更に考え込んだ。

 なにか俺を殺すとかしないでほしいんだけど、大丈夫?

 

 思わず夜一さんを見るが、夜一さんも理解できていないのか、難しい表情をしている。

 

「わかった。

 それでは早急に旅禍は殺さず、捕獲することを優先しよう。

 命は保証するし、万が一でも死なないように各方面に当たる」

「わかった。

 儂らは引き続き、裏でコソコソしていよう」

「…なるべくこちらに被害を出さないようにしてくれると助かるが……」

「それはわからん」

「あはは……」

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