【助けて】呼吸使えるけど、オサレが使えない【転生】 作:ぬー(旧名:菊の花の様に)
と、いうことで3日経った。
……は? なんでいきなり3日経ってるのかって?
いや、そりゃ見どころも特筆すべきところもなかったからだよ。
状況を簡潔に伝えると、
・一護が戦った赤髪の人がなんか朽木さんの処刑が早まったことを伝えに来る。
・一護、卍解を習得。
・卍解が俺より速い。
はい。
サザエさん並みに、短くなったわ。
ちなみにこの前の夜一さんの黙って待機、というのは強くなってろ、という意味合いで俺は夜一さんから霊力の使い方を学ぶことになった。
死神で言う鬼道というものを習得する、という話になった。
その結果、
「はぁ」
「おいおい、まだ凹んでるのか?」
「凹んでない。
なんか世界が残酷なことに諦めているだけ」
「それは凹んでいるとは言わないのか……?」
凹んでると思ってないから凹んでないんだよ(暴論)
俺は一護のような主人公ムーブでもできるかと思っていた。
だって隊長とやりあって勝ったみたいだし?
無傷になったから治癒とかできるとか思ったり?
思いましたよ?
なにか悪いですか?(逆ギレ)
「心配するな。
其奴には外部に霊力を放出するすべがなかっただけじゃ」
「それが致命的なんだよなぁ」
「まぁまぁ、俺もできないし」
「一護はなんかよく分からん技撃てるやん」
「あれは結構疲れるんだよ。
日に何発も撃てる代物じゃないし」
それでそうか、って言うと思ったのか一護よ……
俺は一護のケツを蹴り飛ばしながら、思い返す。
結論から述べると、俺に鬼道というものは使えなかった。
体内に大量に溜め込んだ霊子を放出して、利用できるとは夜一さんの話だったが、俺は一切できなかった。
いや、ほんと一ミリも成長はないの。
他の訓練するくらいがマシでは? って思うくらいだけど、まぁ良い。
「俺がクソ雑魚な分一護に働いてもらおう」
「クソ雑魚なんて言うなっての。
少し敵わなかったくらいで拗ねんなって」
「俺のアイデンティティなのよ、それ。
ってかわかっていってんだろ質悪いなぁ……」
ため息を突きながら、一護の卍解について考え直す。
一護の卍解は、死覇装から変化していた。
なんかスタイリッシュというか、シュッとした衣装に変わって、バカデカ斬魄刀もシュッとしていた。
語彙力なくて申し訳ないんだが、見た目の変化はそんな感じ。
そこで、俺と試しに戦ってみたら、
「初めて一本取ったんだ、嬉しくなるだろ?」
「ムカついた」
「それは源氏の感想だろ。
俺の話だよ」
一本取られた。
俺の呼吸の隙に、おそらく俺より速い速度で俺の喉元に刀を突きつけていた。
最初は驚いた。
正直あそこから振り抜こうとしていれば躱せる自信はあるけど、俺らのルールでは負け。
俺は一護に初めて敗北したのだ。
「俺、結構訓練とかしてこの速さ身につけたのよ?
それを3日って……3日って……」
「ははは」
「笑うな殺すぞ」
「ストレートに罵倒するなぁ。
そんな敵意持つなって。
それこそ殺し合いになれば多分五分五分になるだろうしさ」
「殺し合いで勝てると思うなよ……」
俺は命かかってれば強い。
……大抵の人はそうか。
「お主ら、準備はできたかの。
それでは、行くぞ」
「おう」
「はぁ」
「また溜息ついてる」
「うるさい」
「えぇ……」
後普通に一護のテンションの高さがめんどい。
嬉しいのは分かるけど、ムカつくからやめてほしい。
今度絶対しばく。
「刑の開始と共に、一護はこれを使用して双極を止める。
それと同時に、儂らが突撃し、各個撃破」
「不意打ち任せて」
「信頼性が高いのぅ」
夜一さんからのお墨付きをもらいながら、俺は夜一さんからもらった地図を確認する。
正直、双極、というのがどの様な刑罰なのか知らないため、なんでこんな屋外でするのかは理解できない。
死神における極刑を意味するらしいのだけど、夜一さんも見たのは片手で数えられるくらいらしい。
というか朽木さんの刑罰ってそんな重い感じなの?
夜一さんから聞いた話だと、死神の力の譲渡が抵触した違反だって聞いたけど、別によくない? それくらい。
だって話に聞く限り、死にそうだったって言ってたし、一護。
「ちなみに誰やればいいとかありますか?」
「……隊長からやれ。
副隊長程度なら、儂らの相手ではない……のか?」
「まぁ、大丈夫そう」
「俺……副隊長とやったこと無いけど、大丈夫?」
副隊長とやったことあるのかと思って前に夜一さんに聞いてみたが、副隊長はそれこそ卍解のない隊長レベル、ということで結構強いらしく、それなら多分やりあってないだろう。
「隊長と同程度だ」
「それなら副隊長やったほうが早くない?」
「しかし、最後の最後で隊長は切り札を使う可能性がある」
「やっぱり隊長からにしよう」
「そんな発言フワッフワで大丈夫なのか?」
「は? 綿飴よりは重いわ」
「比較対象よ……」
一護のツッコミにレベルの上昇を感じながら、準備を終える。
その様子を見ている夜一さんが唐突に笑い出す。
「はっはっは! お主らはなんでそんなにいつも通りなんじゃ?」
「いつも通り?」
「あぁ、学校の登校のように冗談を言いながら、お主らが向かおうとしているのは死地じゃよ?」
俺と一護は互いの顔を見合わせる。
少し考えて、
「いや、別に死に行くわけじゃないし」
「まぁ、そうだよな」
「後冗談は源氏が話してるし」
「おい、俺のせいにするつもりか」
「こいつ、いつもこんな感じなんだよ」
なんか一護から俺のせいにされた。
なんでだ。
夜一さんはこちらを見て、
「お主は……何を考えて戦場に向かっておるのかの?
いや、別に真面目な質問じゃない。
適当に答えてもらっても構わないんじゃよ?」
「えぇ……。
別に、戦いだって戦ったことってそんなないからかなぁ……。
いつも唐突に死ぬかもしれないって思ってるから?」
適当に答えるも何も、この質問にボケれると思わないから、普通に答える。
別に戦おうと思って戦っているわけではない。
いつも真面目に、だから適当に。
適度に当然のように。
「……なぜか、今の言葉に我妻丈の姿を思い浮かべたわい」
「あ、夜一さんも? 俺も」
「そうじゃよな」
「え? どゆこと?」
「いや、どういうことも何も、思い浮かんだものだから、仕方がないというか……」
「丈さんの雰囲気と似てるって感じかなぁ……」
二人は俺の聞き返しに戸惑いながら言葉を連ねる。
まぁ、別に育てられたから……育てられたとは到底言えないけど、似てる部分はしょうが無いと思う。
「でも嫌だ!!!」
「あ、嫌なんじゃな」
「嫌なんだな」
仕方がないと思うのと認めるのは違う。
俺は断固として拒否していく方針を取ろう。
「さ、行きますよー」
「これ以上似ている話しされたくないからさっさと行くつもりっすよ、夜一さん」
「まぁ、照れ隠しと受け取っておこう」
「コソコソ話でしょ、その話は。
俺に聞こえてんのよ」
夜一さんと一護はめちゃめちゃ手を口に当てながら、クソデカボイスで話している。
それは俺へのなんのあてつけだよ。
ふふふ、と俺のツッコミに二人は笑いながら、準備したものを手に持つ。
ため息を吐く俺は、トボトボと勉強部屋を出ることにした。
去り際、はしごを登りながら、後ろを見返して、思った。
心病んでるとか思ってすいません。
普通に再現ですやん。
子供の頃の秘密基地作るタイプのちょっとうらやましいやつですやん。
心のなかで、ここにはいない人物に謝った。