【助けて】呼吸使えるけど、オサレが使えない【転生】 作:ぬー(旧名:菊の花の様に)
そろそろ死ぬ。
そう思って早どのくらい経過しただろう。
俺は奇跡的に五体満足で生きている……。
いや、五体はあるけど満足はしてない。
火傷だらけ、死にそう。
喉はすでにやられた。
喉やられるとね、呼吸が痛い。
ずっと熱い何かを吸ってるみたいな感じ。
ジリジリとかそういうレベルではない。
ジュージューです。
というか今呼吸できてる?
分からん、気合で生きてる
「そろそろ手札が尽きてきたけど……」
「僕もそろそろ策は尽きてきたかな……」
俺ら……浮竹さんと京楽さんは、とうとう攻め手というか、色々万策尽きてきた。
正直、あの爺さん強すぎ。
なんであんな強いの?
もうね、普通に死ねる。
それこそ本気できてないのは、すでに理解している。
それこそ浮竹さんも京楽さんも本気の本気ではない、というのは理解している。
お互いに奥の手を隠している、というか使いたくないという状況のようだ。
で、そんな中で源氏少年は何をしているのかというと、
「ならば、終いにしよう」
全力で囮をしていた。
最初の方は俺も混ざろうと呼吸を積極的に使っていたが、霹靂の累をした後から俺が執拗に狙われるようになった。
そのせいもあって、俺が上手いこと隊長二人を死角にしたり、その逆に俺が消えることで思考を惑わしたりなど、色々と策を巡らせていた。
多分、一人だったらここまで生きていない。
それこそ、二人の隊長のおかげで今この瞬間まで生きているのは事実。
浮竹さんは炎を対処してくれて、京楽さんは俺の代わりに攻撃を受けたり攻撃をして余裕を作らせてくれる。
「さぁ、次は正真正銘全方位の一撃だけど…」
「俺と京楽の結界で耐えれるかどうか…」
「に”げ”ま”す”」
「「それはだめ(むりだな)」」
しかし二人は俺の離脱を許してくれない。
まぁ、多分離脱しようとしてもお爺さんが阻害してくるんだろうけど。
すでに諦めの境地に達していて、生きた心地なんて最初からしていないけど、ここからどうするかに頭をフル回転させる。
「ふぅ……」
人は、呼吸をする。
これは必然であり、それをしない人は人という枠組みから外れているとも言える。
そんな呼吸は、様々な意味合いを持つ。
それこそ、心情を整えるための呼吸。
気合を入れるための呼吸。
そして、
『護廷十三隊各隊長及び副隊長、副隊長代理各位。
そして、旅禍の皆さん』
俺らは驚きで息を呑んだ。
警戒は怠らず、意識は声に向く。
お爺さんも滾る火を抑える。
「こ”れ”は”」
「天挺空羅。
縛道……死神における術の一つで、任意の人間に連絡を行うことのできる手段だよ」
二人にそっと尋ねると、京楽さんが答えてくれた。
こんなリアルで頭の中に声が……を経験するとは思わなかった。
というか、なんで俺らにまで話す必要あるんだ?
『こちらは四番隊副隊長、虎徹勇音です。
音声は届いていますか?』
届いているも何も、聞こえていなければわからないだろうに。
少しマジレスを心のなかで交えながらも、安堵する。
少しでも回復する時間が取れたのは幸いだ。
『緊急です。
これは四番隊隊長卯ノ花烈と私、虎徹勇音よりの緊急伝心です
どうかしばしの間、ご静聴願います』
このような状況では、息抜きのほうが効果的だったりするので、迷わず息抜き。
体が悲鳴をあげているが、それで回復しようと霊子を多く取り込む。
はよ回復してくれ、体。
後普通に苦痛に俺が耐えきれないんだけど。
『ーーーー。ーーーー、ーー。
ーーーーーーーーーーーー』
え、マジ?
死神の界隈に関しては、それこそ潜伏でかなりの知識を得たつもりだったけど、そのせいで話している内容が分かるのなんの。
まぁー番隊副隊長、とかー番隊隊長とか言われてもピンと来ないからあれなんだけど、普通に謀反やん。
謀反どころかやばいやつじゃない?
それこそ死神は尸魂界における決定力は少ない。
上の組織がいるからこそ、死神は統率されている組織だったはずだ。
それが、すでに潰れていたなんて……。
「藍染が……」
「だってさ山じい。
こんな事してる場合じゃないんじゃない僕ら」
京楽さんの停戦のセリフ。
助かる。
ほんと、助かる。
今すぐにでも喜びたい感情だが、そうは言ってられない状況だし、何よりまだ戦いそうな匂いもする。
俺は戦闘を避けたい。
ほんと、これ以上戦えば死ぬ。
「よかろう、行くぞ」
「あいさ」
「わかりました」
お爺さんの了承の言葉で、二人は早々に霊圧をしまう。
本当に助かった。
マジで、生きるってすばら。
そんなことを考えていると、いつの間にかお爺さんの近くに誰か来ていた。
びっくりした。
音もなく現れてない? この人。
西洋風イケオジの体現のようなその人は、お爺さんの隊長羽織を持ち、渡していた。
上半身を脱ぎ捨てて、その体を見せていたお爺さんは、服を来て、羽織を羽織る。
先程まで炎をふるいまくっていた極悪爺だとは到底思えない。
そんなことを考えて影を薄くしていると、
「ほれ、行くぞ、丈の弟子」
「へ”?」
「何を霊圧を収めておる。
この騒動に関わったのであれば来い」
思わず声が出ない。
というかそもそも喉やけどしてて声とか出ない。
待ってこの人本気で言ってる。
目が本気の目だもん。
え? ここから来ないとかマジで言ってる? 的な目だよ?
少しの沈黙が訪れる。
いや、ここは浮竹さんか京楽さんがこの子には荷が重いです的な発言を待っているのよ?
なのに二人共こっち見るやん。
何だったらイケオジもこっち見るし。
「は”い”」
「それでは追いつくのじゃぞ」
思わず頷いてしまうのが日本人の悪いところ。
マジで悪いところだから、ほんとに(半ギレ)
俺はため息を尽きながら、お爺さんのことをぼんやりと見ている。
そして俺は思い出す。
俺より遅いが距離は果てしなく長く移動できる瞬歩という技術のことを。
そして思い出す。
自分の新聞紙みたいにお爺さんに貼り付けにされていたことを。
「あ」
ビュン!!!
俺の一言と同時に俺の周囲の人達は消えた。
あ、やっべ、出遅れた。
呼吸しなきゃ追いつけないからワンテンポ遅れ……
「遅いですよ」
あ、いけおz……
「あばばばばばばばばばばばば」
ちょ! 襟元はだめだって!
首締まるから!