ありふれた覇気の使い手は世界最優   作:見た目は子供、素顔は厨二

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はい皆さん初めましてもしくはまた会ったね!
ありふれの二次創作しかしない男、厨二野郎です!
今作はありふれ×ONE PIECEの現代パロSSです。
何のこっちゃと思われるかもしれませんがよろしくお願いします。
なお、他にもいろんな奴の要素を取り入れてる感があります。
ご容赦を!

それではどうぞ!


0、二人の戦士

 この世界には「ONE PIECE」と呼ばれる超大作が存在する。

 

 主人公がであるモンキー・D・ルフィが海賊王を目指し、新世界にあるという秘宝『ワンピース』を仲間と共に探し求める冒険譚だ。

 

 心を湧かせる島々、人々を感動させて止まない描写、山程にもある設定の数々、迫力あるバトルシーン。全てが高水準に両立しており、今なお続く伝説と言われるに相応しい漫画。

 

 子供の頃、こんなワクワクさせられる様な世界で冒険したいと思わされた人も少なくはないだろう。かく思う少年、南雲ハジメもそんな一人だった。

 

 …しかし今の彼はそんな過去に万感の思いを込めた上でこう言うだろう。

 

 ーーその先は地獄だぞ、と。

 

 

 

 

「ぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

 彼、南雲ハジメはそんな事を迫る『パシフィスタ(PX)』を素手で内部から破壊しながら考えていた。

 

『フハハハハ!! どうだ【無能】!! いくら貴様と言えど、この数の兵器には勝てるまい! これこそが『旧世界(・・・)』にて生み出された兵器の力だァアア!!!』

「うるさぁああい!!! こんなGみたいにワンサカと…ちょっとこっち顔出せ、一発殴るから!!」

『馬鹿めぇ! 貴様の独壇場に誰が乗るかぁ!! 貴様はそこで大人しく潰れているがいい!!』

 

 ハジメにとって『パシフィスタ』の能力はそこまで脅威ではない。その体が鋼鉄で出来ていようと、ハジメならば片手で消し飛ばす事さえ可能だ。瞬間移動地味たことも出来れば、この船ごと破壊も出来る。

 

 しかしそれはここがガスが充満しておらず、かつ奥の部屋に人質がいない場合の話だ。

 

 一、二時間ならば呼吸を必要としないハジメではあるが、問題はガスが可燃性であること。あまりに速く動けばガスは着火する。また下手にパシフィスタや船の内装を壊せば電気が漏れ出し、誘爆となるだろう。

 

 先ほど言った様に高速移動が可能なハジメのみなら、その誘爆から逃れられる。しかし奥の人質はただの一般人だ。迫り来るであろう爆炎から逃れることも耐えることも出来ない。そしてハジメの性分上、人質を見逃すという選択肢は取り難い。

 

 つまりハジメが取れる手はただ一つ。船に負担が掛からないレベルで移動し、『パシフィスタ』を外部の損傷なく故障させて道を開き、人質を救い出すことのみ。人質まで手が届けば後は壁を破壊して即刻外に逃げればいい。

 

 これは下手に百人斬りするよりも疲れる。量だけある雑魚に手加減しながら、奥にいる人質達が毒により死ぬ前に助けねばならないのだ。ぶっちゃけ鍛えていない人間はかなり脆いので短時間での遂行が求められる。

 

「本当にっ! 面倒っ! くさいなぁあ!!」

 

 なおこの間にハジメは二体の『パシフィスタ』の胸に手を当て内部破壊、続いて流れる様に前方の『パシフィスタ』を踏んで内部破壊、そして極め付けに空中で独楽の様に舞い、七体の『パシフィスタ』を行動不能とした。これら全てにスパークすら発生することなく、ただただ『パシフィスタ』は沈黙するのみ。

 

 そう確かに難易度は高い。しかしハジメにとってはそれは本当に面倒くさいというだけなのだ。全力を使わせてもらえないというだけで、『パシフィスタ』はハジメがとうに乗り越えた壁だ。愛刀を使うことすらなく『パシフィスタ』の機能を停止させていく。

 

 それをカメラの先で見たのかマイクから悔しげな声が聞こえて来る。

 

『ぐぬぅ…やはり流石は名高き【組織】のエース。簡単にはやれんな。逃げる他、手はないか…」

 

 恐らくは元々倒せれば御の字といった所なのだろう。この状況もハジメを不利な状況にし、人質の救助を優先させる為だろう。本来のハジメならば壁を突き破り、秒で犯人を捕まえられる。そんな風に、先程のイキリ声が嘘の様に冷静に判断を下していた。

 

 しかし犯人の男は一つだけ失敗を犯していた。

 

『むっ何だ貴様…ゎあぁあああああ゛あ゛あ゛!!!』

 

 マイクの方が急に騒がしくなる。気づいたのだろう。己の背後にいる者に。その正体に。

 

 そもそもハジメの名を聞いた時点で気付かねばならなかったのだ。この業界では有名な語り草を。

 

 ーー【天蓋の跡目】の背後に【無能】あり。

 

 そう、気づかねばならなかったのだ。ハジメと常にタッグを組んでいるとされる八重樫家次期当主、【天蓋の跡目】八重樫雫がこの任務に参加していることに。

 

『終わりよ、Mr.クリッソス…』

 

 冷たく呟かれたその言葉をマイクが拾った次に聞こえてきたのは、雷鳴そして納刀の音。

 

 するとハジメを散々追いかけ回していた『パシフィスタ』もまた静止する。どうやら犯人の男の脳波等を受けて動いていたらしい。もう機能停止にする理由もなさそうだ。

 

 置物と化した『パシフィスタ』を他所にハジメは奥にいる子供達の方へと向かった。

 

 ◆◆◆◆◆

 

 見かけ上魔法も超常現象もない世界、地球。しかしそれはあくまでも一般人視点での話だ。

 

 知らないだけで地球のすぐそこには別の世界が存在する。それがかつてモンキー・D・ルフィ達が旅をした世界、通称『旧世界』である。『旧世界』は技術も戦力も確かに優れていた。しかしそれ以上に危険を孕んでいたのだ。

 

 海王類などの強大な怪物、地球のものなど容易く超える自然災害、そして年々凶暴さを増す荒くれ者達。ワンピースの年代から幾年もたった結果、世界は徐々に壊れていった。

 

 そこで『旧世界』の人々は荒くれ者達や怪物を他所に地球へと移った。この時の方法は明確には記録されていないが、年代は地球での15世紀半頃と言われており、ちょうど航海時代とされる頃だ。方法も何かしらの能力者による者だろうとされている。実際『旧世界』の多様な種族が現代地球において差別などもなく生活を送れているのはある悪魔の実を食べた能力者による物なのだから。

 

 しかし世界の穴は未だ繋がったままだ。ともすれば当然、荒くれ者達や怪物達は此方の世界へと訪れる時がある。

 

 それらが起こす被害から地球を守る為、【組織】は存在する。なお明確な名称は存在しない。理由は上位陣があまりにも我が強すぎるせいで決まらなかった、という下らないものである。

 

 ただこの【組織】は基本、人員が最初の構成員の血筋により固定されている。それは『覇気』や『悪魔の実』といった力を無闇矢鱈に一般へと漏らさない為である。

 

 また『悪魔の実』が何処に生えるか分からないというのは最早過去の時代。『悪魔の実』の八割程は【組織】により栽培(・・)されており、実質的に【組織】が掌握しているとも言えた。

 

 ただし人工的な栽培によるものか、現代には過去には無かった『悪魔の実』への適性という概念が生まれている。これは『悪魔の実』を取り込めるかどうかの値となっており、グレードの高い『悪魔の実』である程にその適性は類稀な物となる。

 

 ただ研究の末、この適性は過去に同種の『悪魔の実』を食べた者の血筋であった場合、どれだけグレードが高いものだろうとほぼ確実にその『悪魔の実』を摂取することが可能となることが分かった。この性質によりグレードの高い『悪魔の実』は実質的に一つの血筋が独占している。

 

 初期【組織】の構成員の血筋の一つである八重樫家もまたレアな『悪魔の実』をいくつか独占している。既に八重樫雫は次期当主確実であるということから既にかつて曽祖父が取り込んでいた『悪魔の実』、その摂取を終えた。

 

 そうして『悪魔の実』や『覇気』等の力を用いて、『旧世界』からの刺客と闘う。当然ながら殺し殺されが常套化しており、任務で死んだという者も少なくない仕事だ。少年少女にはあまりにも負担が重いものである。

 

 とはいえ、こんな話は元々一般人であった少年南雲ハジメには縁がない物であったのだが…。

 

「なーんで、僕はこうなってんのかねー」

 

 気付けばすっかりそっちの界隈にどっぷり浸かっていた。何ならハジメは強者と認められた証である二つ名を幾つか持っているし、階級も上から数えた方が早い。一般の出としては最年少での昇格であり、【組織】期待の新鋭とすらされている。

 

 愛刀である大業物、『蛟丸(みずちまる)』の感触はとうに手に馴染み、『覇気』も『覇王色』以外ならば十全に使える。その上、世界中の実力者からしょっちゅう強制任務を任せられる為、最早平穏とは程遠い場所にハジメはいた。

 

 任務からの帰り道。既に時計の短針は右斜め上となっており、翌日に突入している。明日は学校のためろくに睡眠の時間も取れないだろう。実に憂鬱であった。少し遠い目をしながらも、そう言うのは仕方のない話であろう。

 

「…もしかして辞めるの?」

 

 すると横からそんな声が掛けられる。相棒である八重樫雫だ。そんな彼女の顔からは心配そうな言葉とは裏腹に、「また言ってる…」みたいな呆れが見て取れた。実際これはここ数年よくハジメが呟いている言葉だ。相棒たる雫は既に耳にたんこぶが出来るほど聞いている。

 

 辞める、確かにそういう手段もあるのだろう。実際、無茶な注文をしてくる【組織】の上司に対し、よくその脅し文句を言ってはいる。が、

 

「いや、やめる勇気は無いかな。自意識過剰かもだけど僕一人が抜けたら、【組織】が助けられるはずだった命が助けられなくなるかもしれないし」

「過剰じゃないと思うわよ? 私も助けられた命の内の一人な訳だし。今までハジメがいたから勝てた闘いも山程あったわ」

「そう言ってくれてありがと、雫」

 

 南雲ハジメは臆病だ。故に「助けられたかもしれない」等と言った後悔を嫌う。【組織】を抜けて仕舞えば、きっと日頃からそんなことばかり考えることになってしまうだろう。それは御免だった。

 

 一方雫はハジメがそう答えるのを分かっていたのだろう。さも当然の様に言葉を返した。僅かにハジメの顔が明るくなった。

 

「…まあ、あと辞めたところで【組織(あそこ)】のトラブルメーカーの皆さんは僕の事を追いかけてくるだろうし、ね」

「ああ、デリドラ様とかザザさん…」

「だから日常を侵略されるよりかは今の方が、ね?」

「…そうね」

 

 ただ暴走機関車という例えすら不相応な程の【組織】を代表するトラブルメーカー達の事を思い出し、頭を痛めるハジメ。ハジメは彼等に物珍しさからかそれとも単純に面白いのか、理由こそは知らないがよく絡まれる。今の所、プライベートに侵略してくることこそ偶にだけだ。しかし【組織】をハジメが抜ければ、度々ハジメに構ってくるのは間違いない。

 

 それが目に浮かんでかハジメの顔がまた少し黄昏れる。雫もそれに関しては励ましの言葉を掛けられず、ただ暝目するしか無かった。

 

 兎も角、明日は学校だ。二人は同じ玄関を(・・・・・)くぐり、遅すぎる晩飯の準備を始める。

 

 

 

 ーーちなみに南雲家は現在、【組織】のご厚意により八重樫家に居候させて貰っている。即ち同じ屋根の下で暮らしている。




ちにみに同居の理由はハジメの家族の安全の為です。
ハジメがよく任務でどっか行くので、誰かハジメの両親を守る人員が欲しかった、というところですね。
八重樫家としてもハジメは是非とも「取り込みたい人員」なのでノリノリ。
ハジメと雫も最早家族みたいな感覚なので全く違和感がない。
なのでみんなWIN-WINな関係ですね!(いい笑顔)
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