ありふれた覇気の使い手は世界最優 作:見た目は子供、素顔は厨二
更新がめちゃくちゃ遅いですが、がんばってます。
私が分裂出来たなら…
とにかくどうぞ!
胃痛薬を腹に収めたことで何とか復帰を果たしたハジメは現在、クラスメイト達と共に煌びやかな部屋に案内されていた。その豪華さから晩餐会にでも使われる部屋なのだろうと推測される。
取り敢えず席に座るよう勧められた為、ハジメと雫は互いに机を挟むようにして座った。もし襲撃があった際にクラスメイトを守れるよう、バラけての配置、というわけだ。一応もう一人の【組織】のメンバーにも武器は準備しておくように視線を送る。彼は鬱陶しそうにしながらも頷いた。
全員が着席した丁度のタイミングであろうか。「失礼します」という声と共に現れたのは、まさかの生メイドである。しかも漏れなく美人さん。男子高校生達のテンションはブチ上がり。非常にデレデレしている。逆に女子達の視線はヒエヒエであったが。
一方、その程度のコスプレを見慣れているハジメはお茶を受け取ると給仕のメイドさんをガン無視。受け取ったお茶を手早く口に含んだ。所謂毒見だ。一般の人間と異なり、ガチで八重樫家に鍛えられたハジメにそこらの毒は通用しない。裏八重樫の門下生ならば毒見程度朝飯前である。
結果ただのお高めの紅茶であることが分かった。あと思ったより美味しかったので、後で茶葉を聞いてみようと思考する。
周囲を見ると光輝がサラッとメイドさんとフラグを立てていたのが見えた。流石リア充、と心の中で呟いた。なおこのセリフがブーメランであることをハジメは知らない。
そして最後に豪奢な服装の好々爺、イシュタルに目を向ける。どうやらこの世界においての立場は非常に高いらしい。この場に来るまですれ違った者全てが彼に敬意を見せていた。教皇と自称していたことから、この世界では宗教が人々の拠り所となっているのが分かる。
生メイド達が部屋から退出し、クラスメイト達が鎮まり始めた頃、イシュタルは話し始めた。
「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され」
彼の話を要約するとこうだ。
この世界の名はトータス。そして、トータスには大きく分けて三つの種族がある。人間族、魔人族、亜人族である。
人間族は北一帯、魔人族は南一帯を支配している。また亜人族は東の巨大な樹海の中でひっそりと生きているらしいが、今回の話にはそこまで関係ないらしい。
この内、人間族と魔人族が何百年も戦争を続けている。
人間族は個体数で、魔人族は個体ごとの強さによって、それぞれの持ち味を活かし戦っていた。結果戦いは乱戦を極め、未だなおその長い戦いに決着がつく事は無い。
しかし問題が発生した。それこそが魔人族による魔物の使役だ。
魔物とは、通常の野生動物が魔力を取り入れ変質した異形のことだ、と言われている。この世界の人々も正確な魔物の生体は分かっていないらしい。それぞれ強力な種族固有の魔法が使えるらしく強力で凶悪な害獣とのことだ。
今まで本能のままに活動する彼等を使役できる者はほとんど居なかった。使役できても、せいぜい一、二匹程度だという。その常識が覆されたのである。
これの意味するところは、人間族側の『数』というアドバンテージが崩れたということ。つまり、人間族は滅びの危機を迎えているのだ。
「あなた方を召喚したのは『エヒト様』です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力が授けられています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という『救い』を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、『エヒト様』の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」
(…嘘は、ないな)
イシュタルはどこか恍惚とした表情を浮かべ、己に告げられた信託の内容を述べる中、ハジメはイシュタルの
結果内容に嘘は無かったが、そもそもの内容がまあ酷い。
(要は僕達を戦力として頼りにしたいって話か。『上位の世界』って言うならいっそ【組織】の『色持ち』を狙えば良かったものを…いや、あの人達の逆鱗に触れれば死ねるな、うん。…あとクラスのみんなの気配が少し変わったとも思ったけど、これが授けられた力とやらか…まあ、詳しいことは
多少愚痴が混じりながらもハジメは脳裏で思考を回す。問題は“見聞色”がある要因により仕事を果たしていないことだが、そればかりは仕方がないと諦める。
すると机を叩く音と共に一人のちんまりとした女性が立ち上がる。先程まではイシュタル以外誰も言葉を発することが無かったため、その音に誰もが目を向けた。
愛子先生だ。
「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」
ぷりぷりと怒る愛子先生。彼女は今年二十五歳になる社会科の教師で非常に人気がある。百五十センチ程の低身長に童顔、ボブカットの髪を跳ねさせながら、生徒のためにとあくせく走り回る姿はなんとも微笑ましく、そのいつでも一生懸命な姿と大抵空回ってしまう残念さのギャップに庇護欲を掻き立てられる生徒は少なくない。
『愛ちゃん』と愛称で呼ばれ親しまれているのだが、本人はそう呼ばれると直ぐに怒る。なんでも威厳ある教師を目指しているのだとか。
今回も理不尽な召喚理由に怒り、ウガーと立ち上がったのだ。「ああ、また愛ちゃんが頑張ってる……」と、ほんわかした気持ちでイシュタルに食ってかかる愛子先生を眺めていた生徒達だったが、次のイシュタルの言葉に凍りついた。
「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」
場に静寂が満ちる。重く冷たい空気が全身に押しかかっているようだ。誰もが何を言われたのか分からないという表情で殆どの生徒がイシュタルに目を向けた。
愛子も慌てて言葉を返した。
「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!? 喚べたのなら帰せるでしょう!?」
「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」
「そ、そんな……」
愛子先生が脱力したようにストンと椅子に腰を落とす。急に非日常に追いやられれば誰でもそうなるものだ。周りの生徒達も口々に騒ぎ始めた。
「うそだろ? 帰れないってなんだよ!」
「いやよ! なんでもいいから帰してよ!」
「戦争なんて冗談じゃねぇ! ふざけんなよ!」
「なんで、なんで、なんで……」
パニックになる生徒達。
なおハジメはこう言う経験を何度もしているせいであまり慌てられない。旅行で飛行機に乗っていたら空を走る巨人に捕まったとか、師匠に森へ投下されてそのまま1ヶ月放置されたり、たまたまチケットを貰って行ったアイドルのライブがいきなりデスゲームに変わったり…これだけでも序の口だ。少なくともトラブルに巻き込まれる、といった事ではハジメは一流と言えるだろう。
ただそれでも一般人がこれほどあからさまに巻き込まれるのは初めてなだけにどう動くか迷っていると、光輝が立ち上がりテーブルをバンッと叩いた。その音にビクッとなり注目する生徒達。光輝は全員の注目が集まったのを確認するとおもむろに話し始めた。
「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
ギュッと握り拳を作りそう宣言する光輝。無駄に歯がキラリと光る。
同時に、彼のカリスマは遺憾なく効果を発揮した。絶望の表情だった生徒達が活気と冷静さを取り戻し始めたのだ。光輝を見る目はキラキラと輝いており、まさに希望を見つけたという表情だ。女子生徒の半数以上は熱っぽい視線を送っている。
「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」
「龍太郎……」
「ほかに方法がないなら…私はやるよ」
「香織……」
光輝に賛同する声が段々と増える。愛子先生はオロオロと「ダメですよ~」と涙目で訴えているが光輝の作った流れの前では無力。
ハジメと雫はアイコンタクトを取る。目は口ほど物を言うとは正にこの二人の為にある。意思疎通は簡単だった。
(どう思う?)
(まず光輝達は『戦う』ことを知らないわ。でもないとこんな気楽に決意出来るわけないもの。あと素質にもよるけどあまり戦えないなら純粋に足手纏いね。そう言う意味でも出来れば避けたい所だけれど…)
(でもまあ、無理だよね。多分この教皇さん、僕達全員戦うのを当然って思ってるだろうし…下手に逆らえばみんなに何をして来るか分からないんだよね)
ハジメはそれとなくイシュタルを観察した。彼は実に満足そうな笑みを浮かべている。
イシュタルが事情説明をする間、クラスメイト全員を観察していた。中心人物は誰か、言葉ごとへの反応やその深層心理を。
そうしてクラスの中心だと見抜いた光輝が正義感が強いと分かれば、己らが正義である事を主張し始めた。人間族の悲劇を語られた時の反応はハジメから見ても実に分かりやすかった。その後は、ことさら魔人族の冷酷非情さ、残酷さを強調するように話していた。そうして彼らを口車に乗せたのだ。
ただ彼等が団結するまで、顔には出さなかったがイシュタルには不満らしき様子が見られた。神の意思に従わないことが不満だったのだろう。それ程に信仰心が強いのだろう。
(まぁ、やり方があの
性格も戦略も実力もアッチの方がクソだろうな、と【組織】のNo.2を脳裏に浮かべながらハジメは取り敢えずこの流れに乗じることとしたのだった。
◆◆◆◆◆◆
その後王家の人間との対面を済ませたり、その際にこの世界でどれだけ『エヒト神』とやらが信仰されているか目の当たりにされたりとしたが、一日目はそれで終わった。そして翌日から早速訓練と座学が始まった。
まず、集まった生徒達に十二センチ×七センチ位の銀色のプレートが配られた。不思議そうに配られたプレートを見る生徒達に、騎士団長メルド・ロギンスが直々に説明を始めた。
彼は良くも悪くも豪放磊落だが、同時に『使徒』に親身に接してくれる数少ない人材だ。彼ほど気の良い異世界人はあとはリリアーナ姫ぐらいか。
「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」
戦闘力を目に見えるデータに出来る、ということにハジメは僅かに驚いた。そのような技術は割とハイテクノロジーな地球の裏でも無かった。『実質的なスカウターかぁ』とこの時ばかりは少しテンションを上げた。
なお隣に座る雫はハジメに少し冷たい目をしていた。メカに対する情熱ばかりは以心伝心と行かないらしい。
「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 〝ステータスオープン〟と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」
「アーティファクト?」
説明の途中、アーティファクトという聞き慣れない単語に光輝が質問をする。
「アーティファクトって言うのはな、現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことだ。まだ神やその眷属けんぞく達が地上にいた神代に創られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな、複製するアーティファクトと一緒に、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通は、アーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも流通している。身分証に便利だからな」
なるほど、と頷き生徒達は、顔を顰しかめながら指先に針をチョンと刺し、プクと浮き上がった血を魔法陣に擦りつけた。すると、魔法陣が一瞬淡く輝いた。ハジメも同じように血を擦りつけ表を見る。雫も同様だ。
結果──
「……?」
「へー、まるでゲームの表示みたいね…って何やってるのよ?」
「いや、壊れてるのかなって」
雫がアーティファクトに関心する一方、ハジメはステータスプレートをクルクル回したり、軽く斜め45°に叩いたり、ちょっと覇気を流したりしていた。
他の生徒達もマジマジと自分のステータスに注目している。
メルド団長からステータスの説明がなされた。
内容を纏めると以下のようになる。
・ステータスプレートにおける項目は『名前』『年齢』『性別』『レベル』『天職』『ステータス』『技能』の計七つ。
・レベルはステータスが上がる事により上昇する。高くなれば高くなる程己の潜在能力を引き出せているに等しい。100が限界値。
・ステータスの上げ方は様々。鍛錬、魔道具、強い外部からの刺激、重厚な経験により上昇する。なお魔力を持っている場合、その魔力が体に何らかの補助を与える為ステータスが上昇しやすい。
・天職は己の向き不向きを示し、同時に技能に影響を与える。戦闘系天職は千人に一人、もしくは万人に一人。一方で非戦闘職は百人に一人から十人に一人で別れる。
・ステータスは平均で10程度。人間族で強い物ならば300程度となる。
そうした説明が続けられるほどハジメはステータスプレートに与える刺激を強くしていった。雫もまたその作業に加わり始める。
そんな二人を訝しみながらメルド団長はクラスメイト達に呼び掛けた。早速、光輝がステータスの報告をしに前へ出た。そのステータスは……
============================
天之河光輝 17歳 男 レベル:1
天職:勇者
筋力:100
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:100
魔耐:100
技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解
==============================
なるほど、まさにチートの権化である。
「ほお~、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か……技能も普通は二つ三つなんだがな……規格外な奴め! 頼もしい限りだ!」
「いや~、あはは……」
団長の称賛に照れたように頭を掻く光輝。ちなみに団長のレベルは62。ステータス平均は300前後、この世界でもトップレベルの強さだ。しかし、光輝はレベル1で既に三分の一に迫っている。成長率次第では、あっさり追い抜きそうだ。
ちなみに、技能=才能である以上、先天的なものなので余程の例外でない限り、増えたりはしないらしい。唯一の例外が〝派生技能〟だ。
これは一つの技能を長年磨き続けた末に、いわゆる『壁を越える』に至った者が取得する後天的技能である。簡単に言えば今まで出来なかったことが、ある日突然、コツを掴んで猛烈な勢いで熟練度を増すということだ。
そして光輝に続けてと言わんばかりに他のクラスメイト達のステータスもかなりチートであった。そして残り三人となった頃、メルド団長がハジメと雫の元にやって来る。
二人はハジメのプレートを直さんとしていたためかその接近を許してしまった。気づいた時にはもう遅く、その手からステータスプレートが取られる。二人が「あっ」と声を上げた。
今まで、規格外のステータスばかり確認してきたメルド団長の表情はホクホクしている。多くの強力無比な戦友の誕生に喜んでいるのだろう。
そして今までと同様二人のプレートを覗き…固まった。
===============================
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:──-
天職:なし
称号:【無能】
付与筋力:0
付与体力:0
付与耐性:0
付与敏捷:0
付与魔力:0
付与魔耐:0
技能:武装色[+硬化][+一点集中][+黒刀][+流桜]・見聞色[+範囲拡大][+未来視]・言語理解
===============================
====================================
八重樫雫 17歳 女 レベル:1
天職:剣士・能力者
称号:【天蓋の跡目】
付与筋力:200
付与体力:200
付与耐性:200
付与敏捷:200
付与魔力:200
付与魔耐:200
技能:剣術・縮地・先読・隠業・武装色[+硬化][+流桜]・見聞色[+共鳴]・覇王色・言語理解
====================================
その団長の表情が「うん?」と笑顔のまま固まり、ついで「見間違いか?」というように先程までのハジメ達と同様、プレートをコツコツ叩いたり、光にかざしたりする。当然ながら直らない。団長は一言。
「いや、おかしいだろう」
ハジメと雫は「デスヨネー」と声を揃えた。続けて団長が独り言のようにボヤいた。
「まず二人の各ステータスに『付与』とついている事がおかしい。ステータスプレートは本人の現在の素質全てを明らかにする物だ。決して付与された値を示す物ではない。『称号』などという項目もありはしない。ハジメの方はレベル表示がない上、天職は無し。『付与』とはいえステータスの値が全てゼロ…。また雫も天職が二つある上に『付与』ステータスが200台…。それに…技能に見慣れん物があるな。何だこの“武装色”だとか“見聞色”だという技能は…」
そうして団長がイレギュラーだらけのステータスに困惑する中、ハジメを目の敵かたきにしている男子達が食いついた。
檜山大介が、ニヤニヤとしながら声を張り上げる。
「おいおい、南雲。ステータスがゼロで、天職が無しとか…赤子以下じゃねーか。称号?ってのにも【無能】って書かれてるし…しかも“武装色”と“見聞色”って…それ『ONE PIECE』だろ? 技能に書かれるとかどんだけオタクなんだよ」
檜山が実にウザイ感じでハジメと肩を組み、ハジメのステータスプレートを覗きながら嘲笑する。その笑い声は次第に周囲に電伝播すると思われたが…その声を驚愕の声が塗り潰した。
「な、何だこれはっ!?」
三度目の驚愕に団長はつい、その生徒──白崎香織──のステータスプレートを掌から落としてしまった。周囲の生徒がついその内容を見て、団長と同じように固まった。
その内容は以下の通り。
====================================
白崎香織 17歳 女 レベル:1
天職:治癒師・古代兵器
真名:『ポセイドン』
付与筋力:100
付与体力:100
付与耐性:100
付与敏捷:100
付与魔力:10000
付与魔耐:9000
技能:回復魔法・水属性魔法・光属性適性・高速魔力回復・水泳・海王類召喚[+魚類言語理解]・覇王色・言語理解
====================================
「ポ、『ポセイドン』?」
「古代兵器って…」
「いや魔力の数値も…」
そこにあったのはハジメや雫以上に摩訶不思議なステータス。そしてまたもや現れた『ONE PIECE』の用語に全員が目を剥く。なお香織もまた不思議そうな顔をして己のステータスプレートを見ている。
そしてこの状況において比較的平然としている二人,すなわちハジメや雫に自然と全員の目が向いた。そして団長が代表し、二人に問いかける。
「これは…どう言う事だ?」
どうやら色々説明する必要がありそうだ。二人は顔を見合わせながらも、溜息を吐くのだった。
一応ここで幾つか捕捉説明。
まずステータスに『付与』っていうのをわざわざ付けたのは、トータスに来てから加えられた力っていうことです。
なので今、八重樫さんには各ステータスが向こうにいる時より+200されてます。
で、ハジメくんはバフゼロ。言語分かるだけ。虚しいね。
今までの話の途中で出てきた『上位ライセンスメンバー』、『色持ち』とかは次回説明出来ると思います。
次回は主に【組織】の説明が入るので。
まあ、大体察しがつくんじゃないかなって思ってはいる。
あと読者諸君の中には「『ポセイドン』って人魚じゃん! 香織人魚じゃないじゃん!」とか思う人いると思うけどそれもちゃんと言い訳がある。
「『ポセイドン』の詳細出てないのに勝手に使うなよ!」って人はごめんなさい。
でも唯一概要が分かってるのが『ポセイドン』だし…。
『ウラヌス』は全く分からんし、『プルトン』は戦艦ってことぐらいしか…。
ちなみに香織の母さん父さんはnotプルトン、not人魚。
ただの隔世遺伝です。