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それでは、どうぞ~
中間テストが終わった休日の土曜日の朝。私は桔梗ちゃん達との待ち合わせのケヤキモールのカフェに来ていた。
カフェは、結構思ったより広く構造されており解放感があった。そして、おしゃれな作りになっており、沢山のお客さん…主にほとんど女の子が座って楽しんでいた。
これは確かに女の子に人気ありそうなお店だな~。
男の子があんまり居ないことを見るに、男子は行きずらそうなお店だけど。
あ、そうだ。えーと肝心の桔梗ちゃん達は…まだ来てないかぁ…。
まぁ、まだ待ち合わせ時間より時間あるしね。
それじゃ、席を取って折角だし何か買って待ってよう。
そう思い、私は4人がけの席を確保して荷物を置き、メニューが有るところへ行き、覗き込んだ。
色々あるな~…って、あ!
ベリーミックスパフェがある!
美味しそう…!これにしよっかな~。
私はレジへと並んで注文をし、パフェを買って席に着き、食べながら皆を待っていた。
宝石みたいにキラキラしているパフェを1口食べると口いっぱいに丁度いい甘さが広がり、とても幸せな気持ちになる。
ん~、美味しいな~~。
そう思いながら私はパフェを半分くらいまで食べたその時、
「あ、優美ちゃん!もう来てたんだ、待たせてごめんね…」
可愛らしい声が聞こえ、振り向くとそこには桔梗ちゃんと綾小路くんと堀北さんが居た。
「ううん、全然大丈夫だよ!私が早く来ちゃっただけだから」
私がそう言うと桔梗ちゃんは私の隣の席に座り、堀北さんは私の前に、そして斜めに綾小路くんが座った。
「優美ちゃんパフェ食べてたんだね!えーと、もしかして種類はベリーミックスかな?」
凄い、当たってる、!
「うん、そうだよ」
「やっぱり!そのパフェ美味しいよね~、私も食べたことあるんだけどすっごく美味しかったな~」
「おお~、桔梗ちゃんも食べたことあるんだ~」
「うん、そうなの!あ、じゃあ私も折角だし優美ちゃんが食べてるパフェ、買ってこようかな。…綾小路くんと堀北さんも折角だし何か買おうよ!」
「あら、私は花里さんに用があってきたのであって何かを食べるために来たのでは無いのよ」
「まぁまぁ、そう言わずに!ね、綾小路くん」
「あぁ。折角来たんだし、何か食べてもいいんじゃないのか?」
「…わかったわ」
そう言った後、立ち上がった。
「いってらっしゃい」
すると、桔梗ちゃんが手を振り返しながら行ってきます、と言ってくれた。
う~ん、可愛いな~。
そう思いながら少しパフェを食べながら皆を待っていると、少しして3人がトレイを持ちながら帰ってきた。
桔梗ちゃんのトレイの上には私と同じ、ベリーミックスパフェが置いてある。
そして、堀北さんのトレイの上にはクッキーとコーヒー。
綾小路くんはチーズケーキとコーヒーをトレイの上に置いて持ってきた。
それぞれ先程座っていた席に座ると、各自買ったものを食べながら軽い雑談をした。
そして全員が食べ終わった頃、堀北さんが私に話しかける。
「花里さん」
その堀北さんの声のトーンが真剣そのもので、自然とこの場に緊張感が漂う。
そしてそのまま堀北さんは話し始める。
「まず、花里さん。須藤くんを助けるヒントを電話で教えてくれたわよね。…一応、お礼を言って置くわ。…ありがとう」
そう、若干照れながら少し俯いて堀北さんはお礼を言ってきた。
すると、その言葉に堀北さんと同じクラスの桔梗ちゃんと綾小路くんは何故か驚いていた。
堀北さん…可愛い。いつもキリってしてるけどこんな可愛い一面もあったのか…!やっぱこの学校、可愛い女の子多すぎない?
そう思いながら私は口を開いた。
「…いえいえ、お礼を言われるようなことはしてないから大丈夫だよ。私はヒントっぽいことを言っただけだしね」
「それでも、優美ちゃんのお陰で須藤くんが退学になったのは代わりないよ!あの後ね、優美ちゃんの電話のヒントに堀北さんが気づいて茶柱先生に交渉してくれたんだ。」
桔梗ちゃんが嬉しそうな顔をして説明する。
へぇ、なるほどね。じゃあ、私のヒントに気づいたのは堀北さんだったんだ。…凄いな~。
「優美ちゃんっ、私からも改めてお礼を言わせて貰うね。…須藤くんを助けてくれて本当にありがとう!
須藤くんは今日、大事な予定が有るみたいで来られなかったんだけど、でも凄く感謝してたよ!優美ちゃんにありがとうって伝えてくれって言われたんだ!」
「そうなんだ、わざわざありがとう。…お礼を言って貰えるなんて嬉しいな」
須藤くんが無事でよかった。
そう思っていると、綾小路くんは何かを見計らっていたみたいに私に質問をしてきた。
「…なぁ、花里。少し聞きたいことがあるんだがいいか?」
「…何かな?綾小路くん」
「どうしてそのヒントを、わざわざ俺達に教えてくれたんだ?…その行為は、お前のクラスの裏切る行為だと俺は思うんだが」
…裏切る行為、か。…それ、翔にも言われたな。
やっぱりこの話を聞くと皆そういう風に思っちゃうのか。
「そうね、私もそれは気になっていたわ…何故かしら?花里さん。私達Dクラスに貸しを作るためかしら?それとも、何か別も目的でもあるのかしらね?」
堀北さんもそう言い、先程よりこの場の空気がピリピリしている。
私は、相手の目を交互に見ながら本心を言った。
「…貸しを作る、とかそういう見返りを求めるつもりはないよ。ただ、私は困っている人がいたから助けた。助けたいって思ったから助けた。
他クラスであろうと、私は困っている人がいたら助けたい。ただそれだけだよ?」
「そう…」
「…優美ちゃんは優しいねっ、…尊敬しちゃうな~」
「…ありがとう」
すると、
ピロンッ
端末から音がした。えーと、メール?誰からだろ。…あ、翔からか。
「メール?」
桔梗ちゃんが不思議そうな顔でそう言った。
「うん、ちょっとごめんね」
私は桔梗ちゃん達に断わってメールの内容を見た。
龍園 翔ーーー><ーーー花里 優美
龍園 翔 |優美、今すぐ俺が指定する場所に来い。あの時の約束果たしてもらうぞ。
あの時の約束…あぁ。打ち上げ前に翔と約束したことか。
桔梗ちゃんちゃん達と今いるんだけどなぁ。行かないと駄目、か。約束破ることになっちゃうし。…怒られないように急いでいかないと。
「ごめん、急用が入っちゃったから行くね。ホントにごめん!」
私は精一杯申し訳ない気持ちを伝えながら謝罪をした。
「全然大丈夫だよ~。またお話ししよ!バイバイ!」
そう、桔梗ちゃんが手を振ると綾小路くんも振ってくれた。
「ありがとう。またね、バイバイ」
そう言うと私はトレイを片付けて急いで翔が指定した場所に向かった。
◎◎◎
綾小路side
「優美ちゃん行っちゃったなぁ。…何か急用ができたって言ってたけど大丈夫かな?何か急いでたみたいだし…」
心配した口調で言う櫛田。
確かにそうだな。たぶん、断われない誰かにメールで呼び出されたんだと思うが。
すると、堀北が席を立った。
「そうね。だけれどまぁ、私には関係のないことよ。…私はこれで失礼するわ」
そう言って歩きだそうとする彼女。だが俺は、堀北に聞きたいことがあった。
「ちょっと待て堀北、聞きたいことがある」
すると堀北は不機嫌そうな顔をしながら再び座り、こちらを見た。
「何?」
「…お前は、花里の話を聞いて彼女の事、どう思った?…櫛田も教えてほしい」
「何故そんなことを聞くのか理解しかねるわ。…だけどまぁ、1つ言うならあの人は相当お人好しってぐらいね。信用はできないけれど」
信用が出来ない、か。
「何故信用出来ないと思うんだ?十分彼女は信頼できると思うぞ」
「はぁ、貴方何もわかってないのね。ああいう人程何かしらの裏を持っているものなのよ。例えばそう、真っ黒に染まった、誰にも言えない秘密があったりね」
すると、櫛田がピクリと反応した。
まぁ、櫛田が反応するのは無理もないだろうな。
堀北の言っていることは彼女に当てはまっているんだから。
…だが堀北本人は櫛田の本性を知らないだろうから、ただ素で言っただけなんだろうけど。
「…へぇ、堀北さんは優美ちゃんのことそう思うんだ~、私はいい人だと思うよ?今日の話を聞いてより一層そう思ったし。優しくて可愛い子だと思うな~」
すると堀北はそう、と興味を無さそうにしながらトレイを持って片付けてからカフェを立ち去った。
そして、堀北が居なくなったことを確認すると、俺は再び口を開いた。
「なぁ櫛田。もう一度聞くが、お前はどう思うんだ?花里のこと」
「ええー、私はさっき言った通りだよ。私は、彼女が裏表あるとは思えないよ」
ニコリと笑顔でそんな事を言う櫛田。
「…それがお前の本音なのか?できれば本音で話して欲しいんだけどな」
「…はぁ、わかったよ。だけどその代わり、カフェラテ奢って」
表情は先程と変わらず愛くるしい笑顔だが、口調と声のトーンが何時もの櫛田と思えないぐらいに変貌していた。
俺はその様子を見て、勉強会の終わった後の屋上での出来事を思い出していた。
あの時、俺は初めて櫛田の裏の顔を見た。櫛田は、本当は心の底から優しい天使なような少女ではなく、ただ演技をして優しい少女を演じていただけだった。そして、その時櫛田は堀北が嫌いだと言うことも知った。
「その口調、俺にも隠さなくていいのか?ここには人が沢山いるし、お前の本性が誰かにバレるかもしれないぞ?」
「別に問題ないよ。ここのカフェ、沢山人が居て騒がしいから逆に会話が聞かれる心配はない。まぁ、表情は見られる可能性があるから変えられないけど。
…綾小路くんには既にバレてるしね。今更隠してもなにも変わらないでしょ?こっちの方が私は楽だし。それに、本音で話せって言ったのは綾小路くんじゃん」
そう、櫛田は表情は楽しそうに笑いながら声はどうでも言い様に低く重い声で言う。
...ある意味凄いな櫛田。表情と声を使い分けてる。確かにこれは遠目で見てる奴には何か楽しそうに櫛田と俺が話している、としか見えていないだろう。
…まぁ、話の内容が聞こえてるこっちはある意味ホラーだが。
「そうだな」
「まぁそんなことより、話す変わりにカフェラテ奢ってくれる?」
…情報を得るためだし背に腹は帰られない、か。
「わかった」
「話が早くて助かるよ。えーと、優美ちゃんのことでしょ?あの子は正真正銘、善でできた子だよ。信じられないくらいに優しい。そこは私が保証するよ。
私、結構色んな人と繋がってるけど彼女の悪い噂なんて1度も聞いたことない。それどころか、クラスでも慕われてる。彼女を嫌っている人なんて居ないんじゃないかな?男子からも結構人気があるみたいだし。
…だけどまぁ、私はあの子の事は嫌いじゃないけど少し苦手なタイプかな」
「そう、か」
まぁ確かに、櫛田にとっては本当に優しい性格の持ち主には思うところがあるだろう。
「けどなんで優美ちゃんのこと聞くの?…もしかして気になってる?彼女のこと」
「否、ただどういう奴なんだろうって思っただけだ」
「ふぅん、…あんたに忠告するのは癪だけど、あの子の事、少し気をつけた方が良いよ」
「…どうしてだ?」
「あの子、完璧過ぎるから。性格も、勉強も、運動も。上手く立ち回ってるしね。…普通は完璧なんてあり得ない。人間である限り。まぁ、あんなに完璧にできるとしたら…私のように演技するしかないけど。」
…確かにそうだな。人は誰しも完璧じゃない。完璧と見えているその人にも実は何かが必ずあったりするものだ。それに例外はない。…例え俺であってもな。
だが、それだと疑問が残る。
「櫛田は花里がお前みたいな奴だっていうのか?…さっきと真逆の返答だぞ」
「いや、そうは言ってないよ。私と同じ人種だったら直ぐに私が気づくだろうし。優美ちゃんは何かしらの秘密を抱えてるかもしれないってこと。それにあの子―――」
そう言うと、櫛田は言葉をつまらせた。
「それに?」
「…何でもない。…私が言えるのはここまでだから。もっと彼女について詳しく知りたいんなら優美ちゃんの幼なじみだとか言うCクラスの龍園翔にでも聞けば良いんじゃない?…あんまりおすすめしないけど」
「そう、か。…教えてくれてありがとな」
櫛田が最後なんて言おうとしたのかは気になるところだが…まぁ、今はいいだろう。収穫は得られたしな。
龍園翔についても調べとくか。
「それより早くカフェラテ奢ってくれる?」
「あぁ。わかった」
俺は櫛田との約束を守るために席を立ち上がりレジへと向かった。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
※前の話を読み返してみて、前の話の文が違和感しかないのでこれから少し見やすいように修正していこうと思います。
次回もお楽しみに!