白兎が精霊に愛されているのは間違っているだろうか?   作:謎の人でなしZ

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プロローグ

「よし、これくらいかな」

 

 どうも皆さんこんにちは。僕の名前はベル・クラネルといいます。

 

 今は一緒に住んでいるお爺ちゃんに頼まれて、森に薪を拾いに来て十分に集まったので帰るところです。思っていたより時間がかかってしまったので急いで帰ろうと思います。心配をかけたくないしね。

 

 

 もと来た道を戻りながら今日の夕飯は何だろうか、と考えていると...

 

 

 

 

『だ・・・だれ・・・か・・・・・・たすけ・・て・・・・・・』

 

 

 

「!」

 

 

 そんな声が微かにだが聞こえた。ベルは背負った薪を投げ捨て声のするほうへ駆け出した。声のする場所に着くとそこには一人の少女が倒れていた。まるで初雪を連想させる肩口まで整った銀髪。着ているのは髪とは真逆のどこまでも黒い漆黒のドレス。どこか不思議な雰囲気をしていた。

 

 

「大丈夫!?」

 

 

 ベルはすぐに少女に近寄り抱き上げ声をかけた。少女はうっすらと目を開けた。まるで月のような美しい金の瞳が僕を写す。顔はとても赤く、息遣いも荒い。うなされているのか時折苦しげな声を出している。

 

 

「もう大丈夫!君は僕が助ける!だから、安心して」

 

 

 僕は少女の手を握りながらそう語りかける。僕の言葉に安堵したのか、少女の息遣いはだんだん穏やかになり僕の腕の中で眠りについている。

 

 

 それを確認した僕は、少女を背負い急いで家に向かった。今のところ落ち着いているようだがまだ安心はできない。早く安全な場所に連れて看病しないと。僕は少女に気をつかいながら駆け出した。

 

 

 

ーーー翌日

 

 

 少女は目を覚ました。そこには見たことのない風景が広がっていた。

 

 

「・・・こ、ここ・・は・・・?」

 

 

 そんな疑問をつぶやくと同時にドアが開く音がした。そちらに顔を向けると兎のような少年がいた。白髪に真っ赤な瞳、まだ幼さが残る顔。彼女を助けた少年ベル・クラネルだ。

 

 

「!目が覚めたんだね!よかった~。すごい熱でうなされていたから」

 

 

 少年は目を覚ました少女を見て安堵の息を吐きそんなことを言ってくる。少女はそんな少年を見つめて首をかしげながら少年を見つめる。その視線に気づいたのかベルは少女に語り掛ける。

 

 

「昨日森の中で倒れている君を見つけたんだ。とても苦しそうだったから僕の家で看病してたんだけど……大丈夫?苦しいところはない?」

 

 

 ベルはそう伝えるが、少女はまだ不思議なのか少年を見つめたままだ。どうしたんだろう?と思っているとまだ自己紹介もしていないことに気が付いた。

 

 

「あ、自己紹介がまだだったね。僕の名前はベル。この家にお爺ちゃんと住んでるんだ。君の名前は?」

 

「? ・・・なま、え?」

 

 

 少女はこてん、と首をかしげる

 

 

「え、名前分からないの?」

 

「・・・なま・・・え・・・な、い・・・・」

 

 

 少女はそう答える。僕は腕を組みながらうーんとうなる。

 

 

「んーそれは不便だなー」 

 

「・・・べ・・るが・・・つけ、て」

 

「え?僕が?」

 

 

 僕がうなっていると、少女がそんなことを言ってくる。突然のことに驚きながらも少女に聞き返す

 

 

「え、えーと・・・なんで僕?」

 

「べる・・・わた・・し・・たすけて、くれた。・・・べる・・につけ・・てもらい・・・たい」

 

 

 彼女はそう答える

 

 

「ぼ、僕で本当にいいの?」

 

「うん・・・べる・・・が・・・・いい」

 

「・・・・わかった。僕が考えるよ。少し待ってね」

 

 

 僕は少女の答えを聞き、了承した。そして名前を考える。候補はたくさん出てくるが中々しっくりこない。それに加えて少女がキラキラした目でベルを見ている。これは失敗できないとベルは必死に考える。その時、ふと少女の髪が目に入る。自分よりも白く穢れを知らないような髪。その髪をみて一つの名前が頭の中によぎる。

 

 

「・・・・ユキ」

 

「ユ・・・キ?」

 

 少女がいう。そんな少女にベルはうなずく。

 

 

「うん。君の髪がまるで真っ白な雪みたいだったから」

 

 

 そう答えるが内心安直だったかな?と不安に思っていた。しかし少女は

 

 

「ユ・・キ・・・ユ、キ・・ユキ・・・わたし・・の・・なまえ・・・」

 

 

 とつぶやいている。僕は不安が増し少女に尋ねた。

 

 

「え、えーと・・・ど、どう・・・かな?」

 

「うん・・・わたし、ユキ・・・・ベル、わたし・・・ユキ!」

 

 と笑顔で答えた。そんな少女に僕もつられて笑みを浮かべた。

 

「うん、よかったね。ユキ」

 

「うん!ベル!!」

 

 

 

 

 

 これが英雄に憧れる少年ベル・クラネルと精霊の少女ユキの出会いだった

 

 

この出会いをきっかけにベルは多くの精霊たちと出会い世界に大きな影響を与えることになる

 

 

しかし、それはもう少し先のお話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

 これからオラリオに向かわせるか、もっと他の精霊に合わせようかどうか
ユキとベルはいったん離してオラリオで再会させるか契約をさせてから向かわせるかとこの後の展開に悩んでいます。

できるだけ早めに更新したいと思っています。


精霊たち以外にヒロインは誰にするか?

  • アイズ・ヴァレンシュタイン
  • リヴェリア・リヨス・アールヴ
  • ティオナ・ヒリュテかリリルカ・アーデ
  • レフィーヤ・ウィリディス
  • リュー・リオンかシル・フローヴァ

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