白兎が精霊に愛されているのは間違っているだろうか? 作:謎の人でなしZ
見方がわからず調べて確認してみたら500越えてたので六度見くらいしました
これからも頑張っていきますので皆さん、これからもよろしくお願いします!!
今回はロキ・ファミリアのホームで宴会です
多分次回まで続くと思います
面白さを入れようと思ったら、とても長くなってしまったので
ではどうぞ!!!
―――そこは戦場だった
周りに転がっているのは、オラリオ最強と名高いロキ・ファミリアの面々。あの名高い【勇者】や【九魔姫】、【重傑】すらも地に倒れている。そんな死屍累々の中、立ち上がる人影が6人
精霊であるユキ、リディヤ、リンネ、ティナ、ルナとロキ・ファミリアの≪Lv5≫【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインだ
その6人は向かい合い口の端を上げる。既に全員息が上がっており、身体もフラフラである
「・・・・ヘ~、他の
「・・・ハァ、ハァ・・・・」
リディヤはアイズにそう話しかける。だが、アイズも限界に近いので言葉は出さない
「・・・そろそろ決着、付ける・・・・」
「ええ、そうですね・・・そろそろご退場願います」
「・・・絶対に負けないんだから~~~~!!」
「・・・私も!本気出す!!いっくよ~~~!!!」
「・・・あんたはよくやったわ・・・でもここまでよ!!」
精霊たちからそれぞれとてつもない魔力が発せられる。その魔力を前にし、身がすくむ。しかし、ここで負けるわけにはいかない。自分にも譲れないものがあるから
だから、アイズは残る全ての力を使い立ち向かう
「『
アイズの周りを暴風が包み込む。その暴風を愛用の武器であるデスペレートに纏わせ、突撃の体制をとる。精霊たちも準備ができたのか、それぞれ静かにその時を待つ
場を静寂が支配する。そしてついにその瞬間が訪れる。テーブルの上に乗っていたコップが床に落ち粉々に砕ける
それが合図だった
「「「「「「はあああああああああああぁぁぁぁ!!!!!!」」」」」」
全員が同時に突撃し、空間が眩い光に包まれる
―――どうしてこんなことになったのか、それを語るには数時間前まで話は遡る
~~~
――数時間前
「え~では、参加させてもらっている身ではありますが、僭越ながら乾杯の音頭をやらせていただきます・・・・では、乾杯!!」
『か~~~んぱ~~~~~~~い!!!!!!!!!』
場が大歓声に包まれる。ここはロキ・ファミリアのホーム【黄昏の館】。その食堂である。乾杯の音頭をおこなった少年ベル・クラネルは、ロキ・ファミリアの主神であるロキと団長であるフィンに誘われ、ヘスティアとリリと共に宴会に参加している。今はみんなの前での自己紹介も終わり、食事をするところだ
食堂のテーブルには様々な料理が並べられている。全てに共通しているのはどれもとても美味しそうだということだ。この宴会はバイキング形式になっており、既に神様とリリとは別れ、自由行動を取っている
僕がどれを食べるか悩んでいると、僕の身体から5つの光が出てきた。その光は眩い光を放ち、人の姿になる。光がおさまると、そこにいたのは精霊たちだ。心なしか目を輝かせ、そわそわしている
「・・・ね、ねえ?ベル・・・・」
「お兄ちゃん!どれもすごく美味しそう!!食べてもいい?いいよね!?」
「お兄さん!私も!!私も~~~!!!」
ユキとティナとルナがそう言ってくる。しかし視線は目の前の料理に釘付けだ。僕はそんな三人に苦笑しながらも、少しイタズラをしてやろうと話しかける
「うん、食べてもいいんだよ?けど・・・こんな人数だし早くしないと食べたいもの全部無くなっちゃうかもね?」
「「「!!?」」」
ベルの言葉に三人は衝撃をうける。そしてすぐに行動に移る
「・・・ティナ!ルナ!すぐに美味しそうなものを確保!!量は全て多め、必ず三人分確保すること!!」
「ラジャーー!!じゃあ私はこっち見てくる!!ついでにジュースも!!!」
「じゃあ私はこっち!デザートは任せて!!!」
そう言って三人が散っていく。そんな光景に少しばかり笑いを零しながら、僕たちも料理を取りに行く
料理を選び終えたら、近くのテーブルに座り食べ始める。席順としては右からリンネ、僕、リディヤの順番だ。リンネは牛肉のワイン煮込みを、リディヤは魚の香草焼き、僕はビーフシチューを選んだ。その他にもいろいろな料理を持ってきた
僕たちは、果実水の入った杯を手に持つ
「「「乾杯!」」」
杯を打ち合わせ、料理を食べ始める。僕はスプーンでビーフシチューをすくい、口に運ぶ。瞬間口の中が幸せでいっぱいになる
口の中に広がるは感じたこともないうまみ。何時間も丁寧に煮込んだであろう野菜の甘さがスープの味を引き立てる。肉は舌で砕けられる程にホロホロだ。全ての材料がそれぞれの味を引き立たせ、更なるうまみになっている
ベルはうっすらと目の端に涙が浮かぶ。リディヤとリンネも幸せそうな顔をしている。ベルはそのままビーフシチューにがっつく。時々ほかの料理を食べ、またその美味しさに驚きながら
僕たちが料理を食べているとフィンさんとリヴェリアさん、アイズさんが訪ねてきた
「やあ、ベル。楽しんでいるみたいだね」
「はい!どの料理もすごく美味しいです!!・・・でもどうしてここに?」
「ちょっと君に聞きたいことがあってね」
「聞きたいこと?」
「精霊たちのことさ」
「!」
僕が首を傾げているとフィンさんがリディヤたちの方をみて答える。そんなフィンさんの言葉に僕は警戒する。しかしフィンさんはそんな僕を見て苦笑いをする
「そんなに警戒しないでくれ。別にそんな踏み込んだことを聞こうなんてしてないんだ。それに、僕よりもこっちの二人の方が君に聞きたいことがありそうだからね?」
「え?アイズさんとリヴェリアさんが?」
それを聞き僕は警戒を解く。とりあえず座ってもらって話を聞く
「それで、話って?」
僕が問いかけるとリヴェリアさんとアイズさんが顔を見合わせ、頷く。そして僕の方に向き直り、リヴェリアさんが聞いてくる
「すまない、ベル。しかしどうしても聞いておきたくてな。君は精霊様たちとどうやって契約したんだ?」
「あ~・・・と、それはですね・・・・・」
僕は両隣の二人に顔を向ける。二人は僕の伝えたいことを理解したのか頷き返してくれた。僕はそれを確認すると、顔を前に戻す
「僕が彼女たちと契約したのは、皆に名前をつけたから・・・だそうです」
「名前を?」
「はい。僕はオラリオに来る前に暮らしていた村の近くで彼女たちに出会いました。そして僕は色々あって彼女たちと一緒に暮らすことになったんですが、皆には名前が無かったので僕が名前を考えたんです。そうしたら皆と僕に魂の繋がりのようなものができたらしくって、精霊の皆が・・・その、ぼ、僕と一緒に居たいと強く思っていてくれたらしくて・・・そうしたら契約が出来ていた・・・らしい、です」
まぁ、皆が精霊だって知ったのは契約した後だったんですけどね、と僕が話を終えると3人は唖然としている。その気持ちは分かる。僕も最初言われたときは信じられなかったんだから
いち早くショックから戻ったフィンさんが僕に聞いてくる
「な、なるほど・・・まだ受け止めきれない所があるが、一応理解した。ところでもう一つ質問なんだが君と契約している精霊たちはどんな精霊なんだい?」
「え?どんな精霊・・・というと・・・?」
「ベルここからは私たちが話すわ」
ベルがフィンの質問に困惑していると、隣からリディヤが代わりに話すと申し出てくれた。そして、リヴェリアさんとアイズさんもショックから回復し、リディヤの話に姿勢を正しくする
「じゃあ、フィンだっけ?アンタの質問に答えてもいいけど、これからいうことは他言無用よ。もしばらすことがあったらアンタたちには死んでもらうわ。それでも聞きたい?」
リディヤがそう言った。その目は真剣そのものだ。フィンはそんな彼女に気圧されたものの、深呼吸をしてリディヤに向き直る
「ああ。絶対に誰にも他言しない。僕の命を賭けよう」
「私もです。アールヴの名に誓い私の胸の内だけにとどめておきます」
「・・・絶対にバラさない」
そんな3人の覚悟を確認したのか、リディヤは頷き話し始める
「分かったわ。それでさっきの質問に答えだけど・・・」
リディヤはベルの方を向き、答える
「ベルと契約している私たちは全員大精霊よ」
「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」
「?大精霊??」
ロキ・ファミリアの三人は完全に固まってしまった。ベルはなんのことか分からず首を傾げている
「ねえリンネ、大精霊って?」
「そうですね・・・簡単にいうとその属性の精霊たちの頂点にいる存在、ですかね?
まぁ、すごいってことです」
「ヘ~~皆すごいんだね」
「・・・いや、ベル。普通は目の前の反応が普通よ?アンタは私たちが大精霊だって聞いてなんとも思わないの?」
「え?あ、いや驚いてるよ?でも僕にとってはそんなのどうでもいいっていうか・・・どんな存在でもリディヤはリディヤ、リンネはリンネでしょ?もちろん他の皆もね。それに、僕たち家族なんだからそんなこと関係ないよ」
ベルはリディヤの言葉にそう返す。リディヤはそんなベルを見て花が咲くような明るい笑顔を浮かべ、リンネはベルを涙目で見つめている
「・・・・やっぱり、ベルよね・・・・そんなベルだから、私は・・・」
「ベル様・・・・私はとても嬉しいです・・・・・!!」
「わあ!?い、いきなりどうしたの?リンネ」
ベルの言葉に嬉しくなりリンネはベルに抱き着く。そんなリンネに嫉妬したのかリンネが抱き着いた腕とは反対側にリディヤが抱き着いてくる。ベルが両手に花状態の時、3人がようやく意識を取り戻す
「・・・・すまない、ベル。これ以上のことはこちらの精神が持ちそうにない。勝手で本当に申し訳ないが後日またうががってもいいだろうか?」
「あ、はい・・・大丈夫です・・・」
フィンはベルの返答を聞くと近くの団員に声をかけ担架を用意させていた。理由はリヴェリアが座ったまま気絶しているからだ。ハイエルフであるリヴェリアがエルフの中で崇拝されている精霊の最上位の存在が目の前にいるということに精神が持たなかったのだろう
運ばれていくリヴェリアさんを見て僕は心の中で合掌した。どうか安らかに
すると残ったアイズさんが、僕の方に視線を向けていることに気づく。僕はアイズさんに顔を向けると何かを伝えたいのか口をもごもごさせていた
「?アイズさん、どうしたんですか?」
「!あ、いや、その・・・・」
ベルが尋ねるとアイズは顔を真っ赤にしうつむいてしまった。そんなアイズにベルが不思議に思っていると、覚悟を決めたのか真っ赤な顔のまま彼女は顔を上げた。そしてベルの目を真っ直ぐに見つめる
「・・・ベル」
「は、はい・・・・」
そんなアイズになにを言われるのかとベルは内心ドキドキしていた。そんなベルを他所にアイズは口を開く
「・・・お願いが・・・・あるの・・・」
「は、はい・・・」
お願い?何だろう?
「・・・あのね・・・」
「は、はい・・・」
「嫌なら・・・断ってくれてもいいから・・・・」
「は、はぁ・・・・」
中々お願いに内容を言わないアイズに、ベルは何をお願いされるんだろう?ととても不安になっていた
そして、アイズが深呼吸をして口を開く。さぁ一体ベルは何を要求されるのか――
「・・・・・・頭を撫でさせて欲しいの!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」
顔をトマトのように真っ赤に染めたアイズの口から出てきたのはそんなお願いだった。ベルはその要求にただ茫然と言葉を零すしかなかった
いかがでしたか?
次回なぜ冒頭のようなことになったのかが明らかになります!!
楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです
出来るだけ早めに更新したいと思います
ではさようなら
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