白兎が精霊に愛されているのは間違っているだろうか? 作:謎の人でなしZ
バトルの場面を描くのが難しくて・・・思ったよりも時間がかかってしまいました
ヘタクソだとは思いますが温かい目で見てくださるとありがたいです
では、どうぞ!
リンネの掛け声とともにベルは駆け出し、アイズたちもほぼ同時に駆け出した。四人の中でも敏捷が高いアイズとベートがベルにに突っ込んでいく。その後ろにティオネとティオナが追随している形だ
「フッ」
「ラァ!」
突っ込んできた二人はベルの左右に分かれ同時に剣と蹴りを突き出してくる。これで避けても目の前のティオナたちがベルを攻撃するだろう
おそらく普通のLv1の冒険者なら、いや同じLv5の冒険者であっても、ここで終わっていただろう。ましてやベルはLv1だ。これには、ロキ・ファミリアの団員たちも思ったことだろう。”これで終わりだろう”と
しかし彼ら彼女らは失念していた。それは相手が普通のLv1の冒険者の場合のみだ。誰もがつまらないという表情で試合を眺めていると、予想外のことが起こった
二人の攻撃をベルが上に飛び、二人の攻撃をかわしたのだ
「「ッ!」」
これには団員たちも含め、アイズとベートも驚きを顕わにする。しかし、そこは第一級冒険者。冷静に対処する
空中に逃れたベルをウルガと呼ばれる大剣をもったティオナとククリナイフのような双剣を持ったティオネが追撃する。空中では身動きが取れない。二人の武器がベルに直撃するかと思われたその時・・・
「フッ!」
「ウソ!?」
「冗談でしょ!?」
ベルは二人の武器をそれぞれ片手で捕まえていた。ティオナたちが驚き固まっていると、ベルは振り下ろされた力を逆に利用し、武器を持ったまま二人を地面にたたきつけた
「ラァッ!!」
「「グハッッ!!??」」
二人は予想外の反撃に受け身も取れず、そのまま叩きつけられた。ベルは地面に着地すると、二人からすぐに距離をとる
すると、数瞬前までベルがいた位置を斬撃が通過する。そこにいたのは、アイズだ。剣を振りぬいた形で固まっている
ベルによって叩きつけられた二人は無傷とはいかないが、それなりのダメージを食らっていた。だが、まだ戦闘不能になるほどではない。そして、四人は離れた場所に移動したベルを見て認識を改めた
――あの少年は自分たちと同等かそれ以上の実力者だ、と
正直に言って四人はベルの実力を理解しきれていなかった。なので少し手加減をしてしまったのだ。しかし、その結果がこのザマである
四人の頭の中には既に、全力で目の前の少年を倒す、ということしか考えていない
~~~
僕は内心ドキドキしていた。四人の攻撃が想像したよりも速く、連携が取れていたから。もしも油断していたら、ティオナさんたちの攻撃で終わっていただろう。まぁ、油断は最初からしていないし、まだついていけない速さじゃないからね
そんなことを思いながら僕は四人と対峙する。目の前の四人は、始める前よりも闘気が高まり、雰囲気も鋭いものになっている。どうやら本番はここからのようだ
でも、ティオナさんたち、結構強めに叩きつけたのに見た感じそれ程ダメージを受けている様子はない。頑丈すぎるでしょう・・・・
心の内でそう愚痴りながら、四人に話しかける
「皆さん!行きますよ!!これで終わらせます!!」
「「「「!!」」」」
僕の言葉にアイズさんたちは、武器を構える。そんなアイズさんたちに僕は右腕を前に突き出した。四人はおそらく僕が魔法を使うと思ったのか、四人は僕を止めようとしてくる。確かに魔法は詠唱が必要で、その間を狙うのが定石だ
しかし、そんなことは僕には関係ない
僕は突っ込んでくる四人に向かって魔法を放つ。その名は――
「
瞬間結界内が炎の柱に囲まれる。そして炎の柱は四人を襲い、最後に大きな火柱が四人を飲み込む
~~~
その光景にロキ・ファミリアの団員たちは茫然としていた。それはそうだろう。いまベルが使ったのはこのファミリアの副団長であるリヴェリアの最強の魔法といっても過言ではないのだがら。更に、である。ベルは詠唱のようなものをやっていただろうか?
そもそもこの魔法は、強大な威力を有しているが、代わりに詠唱が長い。つまり、発動するまでに数分かかってしまうのだ。だから、ロキ・ファミリアでは切り札として使われてきた
しかしベルはその魔法を無詠唱で発動させた
もう訳が分からない。ロキ・ファミリアの団員たちは頭を抱え、いまだに炎に包まれている結界を見つめた
~~~
僕は四人が飲み込まれた火柱を見つめる。今の魔法は、僕が使える魔法の中でも上位に入る威力を持つ魔法だ。リディヤと一緒に修業したときは詠唱が長すぎて噛みそうになったけど、スキルのおかげで詠唱なしで使えるようになった
僕がこの魔法を使おうと思ったのは広範囲で威力が高いからだ。これで多少なりとも、ダメージを与えることができたはずだ。ここからは気を引き締めないと!
僕が心の中でやる気を出したいると、いきなり暴風が吹き荒れ炎をかき消した。僕が目を向けると、そこには息遣いが荒くなり、所々焦げているアイズさんたちが
僕はそんなアイズさんたちを見て、感嘆の声を上げる
「さすがですね。さっきの魔法でかなりダメージを負わせたと思ったんですが・・・・そううまくはいきませんか」
しかしアイズさんたちは僕の言葉を聞いている様子はなく、むしろ戦慄しているような表情をして僕を見ている。はて?なにか変なことしたかな?
「・・・ベル・・・・今の・・魔法・・・は・・・」
「どうなってんだ!!なんであの野郎があの魔法を使えやがるんだよ!?」
「それに詠唱してなくない!?」
「まさか・・・あり得ないわよ!!無詠唱なんて!?」
――何やら話しているようだが離れているからうまく聞き取れない。まぁ、何はともあれ絶好の好機だ。ここからは素手じゃ厳しいだろうし
僕はそう考え、両手を前に突き出し、目を閉じる
そして、心を落ち着け、詠唱を始める
「【我願うは破滅と創造 来たれ全てを終焉へと導き救う者よ】」
すると、僕の周りを仄かな黒と白の光の粒が包み込む
僕はその光に応えるように、その名を呼ぶ
「【メディウム】」
そう僕がつぶやいた途端、僕の両手から眩い光が放たれる。アイズたちやロキ・ファミリアの団員たちは突然の光に目をつぶった。光はすぐに収まり、皆、目を開ける。そして、あるものを見て動きを止める
ベルの手に二振りの剣が握られていたのだ。左手には、全てを照らす光をそのまま形にしたような純白の剣。右手には、まるでこの世の全てを包み込む闇のような漆黒の剣。色も印象も真逆の二つに共通しているのは、剣の鍔の部分に黒には白、白には黒の宝石が埋めてあり、それぞれの刀身が闇と光のオーラを放っていることだ
両手に剣を持ち、ベルはアイズたちの方を向く
「これが僕の主武器の一つ『メディウム』です。久々でこの子もやる気十分みたいなので、ここからは、僕も本気で行かせてもらいます!!」
ベルの言葉に呼応するように、二つの剣は輝きを増す。そして僕は、アイズさんたちに突っ込む形で駆け出す。それに気づいたのか、ベートさんとティオナさんが僕を迎え撃とうとこちらに向かってくる
「させるかよ!合わせろ、馬鹿ゾネス!!」
「誰が馬鹿だ~~!!後でぶっ飛ばすからね!!!」
そう言って二人は僕に拳と蹴りの乱打を打ち込んでくる。僕はそれを両手の剣で受け止め、そして受け流した。すると、いつの間にか僕の背後に回り込んでいたアイズさんとティオネさんも僕に攻撃をしようとしていた
僕はそれを確認すると左手の純白の剣『クラウ』に魔力を注ぎ、告げる
「【
そう言葉を紡ぐと、アイズさんとティオネさんを囲むように、光の剣が何本も現れた
「いけ」
僕の言葉と同時に光の剣たちは二人に襲い掛かる
「くっ!!」
「ちょ!?なにこれ!!」
なんとか迎撃しているようだが、数が多い。少しずつだが傷が増えていく
「アイズ!?」
「ティオネ!?」
そんな二人に気をとられたのか猛攻が一瞬だが止まった。そして僕はその隙を見逃さなかった
闇魔法【影歩行】を使い、二人の背後に回り込む
「!あいつは!?」
「き、消えた!?」
いきなり消えた僕に気づいたのかベートさんとティオナさんは慌てて辺りを見渡す
僕はその隙に漆黒の剣『ネメシス』の能力を発動させる
「【
直後、ネメシスから剣と同じ漆黒の光があふれる。やがてその光は剣全体を包み込んだ
ベートさんたちは僕に気が付いたのか、光の剣の猛襲を防ぎ切ったアイズさんたちの四人でこちらに向かってくる。が、僕はその場から一歩も動かない
――必要ないからだ
僕に向かってきていたアイズさんたちは、突然足を止め、膝をついた
「……えっ?」
「んだよ!これ!?」
「ち、力が……!」
「抜けていく…!?」
アイズさんたちはいきなりのことに困惑している。だが、すぐにその答えは明らかになる
膝をつき、状況を理解できていない様子のアイズは、僕の方を向き目を見開く
正確には僕の右手を見つめながら
「なに…アレ?」
アイズさんが見つめる先には、ネメシスが光の粒を吸収していた。そして、その光はアイズさんたち四人から吸い取られていた
――これがネメシスの能力である。ネメシスは能力を開放すると、相手の力を奪い取る。奪いとれるのは体力や魔力、精神力などだ。そして、奪い取ったものを自分に加えることができるのだ。そして、クラウの能力は自分の魔力を代償にどんなものでも創りだすことができる。人間や動物などの生命体は不可能だが
つまり、だ。この二振りがあれば敵がいる限り、無限に戦うことができるのだ
しかし、この能力はクラウとネメシス。この二振りが揃っていないと発動しない。故にこれらは二つ揃って初めて、一つの剣となる
メディウムは二つで一つなのだ
そして僕は、アイズさんたちから奪った体力と魔力で自分の力を回復させる。おかげで僕は始まる前の状態に戻った。まぁ、対して体力も魔力も使ってないんだけどね
けど、少しでも勝率を上げるためにはこれが有効だと思ったのだ
回復が完了すると、アイズさんたちがふらつきながらも立ち上がりこちらを睨みつけてくる
「………今のは、一体……なに……?」
アイズさんはふらつきながらも、未だ闘志の消えていない目をして僕に問い詰めてくる。本当はあまりこちらの手の内をバラしたくないのだが‥‥僕は伝えることにした。Lv1の僕に真剣に戦ってくれている皆さんに敬意を表して
「この漆黒の剣ネメシスの能力です。この能力を使って皆さんの体力・魔力を奪い、僕の体力と魔力を回復させてもらいました」
『!?』
僕の説明にアイズさんたちだけではなく、観戦していた周りの団員たちも驚愕している
そんな周りに首を傾げながらも僕はアイズさんたちに向き直る
「……それでどうしますか?ネメシスの能力で皆さんの力のほとんどは僕が頂きました。もう立っているだけでもつらい筈です」
そう。アイズたちはもう既に満身創痍である。最早戦い続けられる状態ではなかった
だからこそ、ベルはこう告げた
「――降参、をお勧めしますが?」
ベルのその言葉にアイズたちは……
「「「「ふざけんな(ないで)!!!!!!!!」」」」
速攻で否定した。そしてベルを睨みつける
「……これくらいで私が諦めるって?そんなわけない!!」
「こんな状況何度だって潜り抜けてきてんだよ!!なめてんのか!?アアッ!?」
「白兎君、さすがに舐め過ぎだよ?私たちをさ~~」
「ふざけんじゃねえ。調子に乗り過ぎだぞ兎野郎!!」
そんな言葉を聞き、ベルは笑顔で頷いた
「そうですか。では、最後まで心ゆくまで闘りあいましょうか!!これで本当の最後です!!」
そして、ベルは今一度、白と黒の双剣メディウムを握りしめ、詠唱を始める
「【
ベルの周りに仄かな光が集まり、ベルを祝福する
「【
瞬間ベルは暴風に包み込まれ、黒雷と冷気を身に纏う。髪には翡翠と蒼の髪が混ざり、逆立っている。瞳は深紅から全てを照らすような金色へと変わり、吐く息は冷気によって白く染まる
嵐を身に纏ったベルをアイズたちはそれぞれ違う反応を見せながらも、恐れは見えない
そんな四人にベルはメディウムを向ける
「さあ、始めましょう。僕たちの
そして最終決戦の火蓋は切って落とされた
いかがでしたか?
今回出てきたベルの武器は『メディウム』という白と黒の双剣です
白い方を『クラウ』、黒い方を『ネメシス』と名付けてみました
それぞれの剣に名前をつけるか迷いましたが、区別をつけるために名前をつけました
この剣たちは二つが揃わないと本当の力を発揮しないので、二つで一つの剣となり、クロウとネメシスの二つで、双剣メディウムとなる、ということです
分かりにくくなってしまってすいません
次回決着とこのようなことになった真実が明らかになります!!
出来るだけ早めに更新したいと思います
では、おやすみなさい