白兎が精霊に愛されているのは間違っているだろうか? 作:謎の人でなしZ
グダグダです
どうぞお楽しみください
「・・・・あっ・・・」
金髪の女性ーアイズヴァレンシュタインは逃げ去る少年に手を伸ばしながらそんなつぶやきをこぼす
彼女は自分たちのファミリアが逃がしたモンスターであるミノタウロスを追いかけてきたのだ。彼女はこのオラリオで双璧をなす
そんなファミリアが遠征というギルドからの強制任務の帰りにミノタウロスの群れに遭遇。アイズ以外にも手練れぞろいのファミリアをまえにミノタウロスの群れは予想外の行動をとった
なんと逃げたのである
モンスターが逃げるなど長年冒険者をやってきたアイズたちにも初めての体験だった。それこそ数秒とはいえ唖然とするほどに。彼女たちは正気を取り戻すと逃げるミノタウロスの群れを追いかけ討伐していった
しかしその中の一匹が上層にまで逃げたのである。このままでは上層で死者が出てしまう。大手ファミリアが自分たちのミスで死者を出したとなれば大変なことになる。なので団員の中でも敏捷が高いアイズが先行してやってきたのだ
そして、アイズは魔法を使用して全速力で5階層に辿り着いた。五階層でミノタウロスを探していると、どこからか大きな魔力の波動が流れてきた。とても上層にいる冒険者が放てるものではない。アイズはその魔力が流れる場所に全速力で向かった。
魔力を感じた場所に着くとそこには逃がしたミノタウロスがいた。アイズは間に合った、と思い討伐しようとするがすぐに足を止める。ミノタウロスの目の前に白い髪の兎のような少年がいたのだ。少年は拳をため放とうとしていた
アイズは疑問に思った。上層にいるということはまだ駆け出しである。装備品から見ても駆け出しのものだ。ではなぜそんな少年がLv:2相当のミノタウロスを圧倒しているのか?
しかし更なる衝撃がアイズを襲う。少年は拳に魔力を纏わせたのだ。それも自分に匹敵するか、あるいはそれ以上の魔力を。だが、アイズが感じたのはそれだけではなかった
(・・・・この魔力・・・なんだか・・・懐かしい?・・・)
そう。伝わってくる魔力を懐かしいと感じたのだ。目の前の少年とは今初めて会ったはずだ。それは間違いない。では、なぜ懐かしいなどと思ったのだろうか?
そう考えているアイズを他所に少年は拳をミノタウロスに向けて放つ
瞬間視界が、いや空間全体が眩い光に包まれた。しばらくして光が収まり、目を開けるとそこにはひび割れた魔石とドロップアイテムであろうミノタウロスの角が落ちていた。しかしそんなものはアイズにとってどうでもよかった。アイズの目線の先には・・・・
大壊したダンジョンの壁があった
なぜこのようなことになったのか?答えは分かっている。目の前の少年がやったのだ。おそらくLv:1の駆け出しの少年が。自分がLv:1の時に同じことができただろうか?ミノタウロスを倒し、ダンジョンの壁を壊すことが?
ー否。断じて否である。確かに今の自分には出きるだろう。しかしそれはLv:5のステータスがあってこそだ。Lv:1の時にやれと言われてもできるはずがない。まあ昔の自分なら一つ返事で突っ込んでいっただろうが・・・
(・・・・知りたい・・・どうしてあんなに強いのか・・・どうすればあんなに強くなれるのか・・・・!)
アイズはそう思った。アイズにはある目的がある。その目的を成し遂げるために冒険者になったのだ。そして、その目的を成し遂げるには強くならないといけない。冒険者の中では数少ないLv:5だがアイズは満足していない
目的を成し遂げるにはまだまだ足りないからだ
そして目の前の少年である。この少年がどうやってここまで強くなったのか?それを知れば自分はもっと強くなれる。
そんな確信となぜ懐かしくなったのか、という疑問を持ちアイズは少年に話しかけた
・・・・のだが
「・・・・逃げられちゃった・・・」
アイズは少年が逃げ去った方を見つめる
チクッ
「・・・・・・?」
アイズは胸を押さえる
なぜだろう?少年から逃げられたとき心が少し痛んだ。感じたことのない感情に首をかしげていると、後ろから同じファミリアの団員である
「おい、アイズ!ちゃんとやったんだよな・・・・ってなんだアイツ?ひょろくせえガキだな・・・」
ベートは逃げ去る少年を見てそうぼやく。その後、周囲を見渡し目を見開く。それはそうだろう。なぜならダンジョンの壁が大壊しているのだから。そして何かに気づいたのかクツクツと笑い声を漏らす。そんなベートを見てアイズは首をかしげる
「クックック、そういうことかよ・・・。ったく助けてもらっといて失礼なもやし野郎だなあ!!」
「?」
アイズは訳が分からずベートを見る。するとベートはアイズの視線に気づいたのか笑いながら言う
「アイズ・・お前、ビビられたな!」
「!?」
ベートの言葉にアイズは衝撃を受ける。少年が逃げたのは自分が恐がらせたといわれたのだ。なぜだ?自分は何かしてしまったのか?もしかして顔が恐いのか?などとアイズは自己嫌悪に陥っている
まあ、実際はベートの勘違いである。ベートはミノタウロスに襲われていたもやし野郎ことベルをアイズが助け、力みすぎてダンジョンの壁を壊してしまいそれを見たベルが逃げだしたのだ、と思ったのだ。真実はすべてベルの仕業であり、ベルが逃げたのは自分が作った状況をアイズに見られ気が動転したからである
今ここに間違いを指摘できる者はいない。アイズは未だに自己嫌悪中でうつむいている。そんなアイズを見てベートは一嗤いして口を開く
「オラァ!アイズ!いつまでもウジウジしてんじゃねーよ!!とっとと行くぞ!!」
そう言ってベートは仲間のもとに歩き出す。アイズも自己嫌悪に陥りながらも後を追おうとするが視界の端にあるものが映る。顔を向けるとそこにあったのはあの少年が倒したミノタウロスの魔石と角だった。アイズはそれらを拾い上げ自分のポーチに入れる。いつか絶対に自分の手であの少年に謝ろうと。そして恐がらせたことを謝ろうと
実際にはアイズは何も悪くなく、ベルも気が動転しただけなのだが、ベートの言葉で自己嫌悪になっているアイズは自分が恐がらせてしまったと思い込んでいる。そしてアイズはもう一つ大事なことを思い出した
「・・・・あっ・・・・名前・・・・知らない・・・」
そうアイズはベルの名前を知らないのである。名前を聞く前に逃げられてしまったから。今度会うときは名前も聞いてちゃんと謝ろう。アイズは決心した
「・・・・また・・・会えると・・・いいな・・・」
そうつぶやき、アイズは仲間のもとに向かう
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いかがでしたか?
次回ざまぁ!・・・・までいけるといいな
出来るだけ早めに更新したいと思います
ではおやすみなさい
精霊たち以外にヒロインは誰にするか?
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アイズ・ヴァレンシュタイン
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リヴェリア・リヨス・アールヴ
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ティオナ・ヒリュテかリリルカ・アーデ
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レフィーヤ・ウィリディス
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リュー・リオンかシル・フローヴァ