といっても、竜騎が主人公なので竜騎が主体で進んでいきます。
あ、オリジナル要素でまーす
ピチョンと水滴が落ちる音がする。冷たい感触と、全身を包むズキズキとする痛みから、竜騎は目を覚ました。
「っ……ここは……」
まだ完全に起きておらずぼーっとする頭を左右に振りながら体を起こし立ち上がり、立ち上がった竜騎は辺りを見回す。
周りは薄暗いが緑光石のおかげで完全に暗闇というわけではない。竜騎の視線の先には壁に五メートルほどの穴が開いていて、そこから水が大量に流れて川ができていた。その穴の近くに竜騎は倒れていたようで、あの水流に流れていたところを投げ出されていたようだった。
「とりあえず、服乾かすか……」
すぐに共に落ちたハジメを探そうかと考えた竜騎だが、今の状態で行動するのは危険だと判断して、服を乾かすために動く。
といっても竜騎の場合は、服を脱いで滅竜魔法で火を灯すだけなのだが。
「ここはどこなんだ……?最下層に近いんだとは思うんだけど」
竜騎は服を乾かしながら呟く。
周りに魔物の気配はなく、少しだけ心を落ち着ける余裕が出てくると自分といないハジメや、この事態になった原因である檜山に対する怒りが湧き上がってきた。
『ハジメは無事なのか、早く探さないと』
『地上に戻れるのか』
『檜山は戻ったら再起不能にしてやる』
心の中で湧き上がる言葉を竜騎は頭をブンブンと横に振って誤魔化し、一旦今は「地上に戻る」ことと「ハジメを探す」ことを考えて炎を灯し続けた。
十五分ほど服を乾かし、あらかた乾いた服を着た竜騎は探索を開始する。
低階層の四角い通路ではなく、岩や壁があちこちから迫り出し通路自体も複雑にうねっている。竜騎の進んでいる進路はまさしく『洞窟』と表現するのが正しいだろう。二十階層の最後の部屋のようだ。
但し、大きさは比較にならない。複雑で障害物だらけでも通路の縦横の幅は優に二十メートルはある。狭い所でも十メートルはあるのだから相当な大きさだ。歩き難しくはあるが隠れるための障害物はたくさんあるので、竜騎は周囲を警戒しながら物陰から物陰へと移動しながら進んでいく。
どれくらい歩いたのだろうか。
そろそろ疲れてきたと竜騎が感じ始めた頃、ついに初めての分かれ道にたどり着いた。巨大な入り口が二つ…右は先程の道同様洞窟の道が続いていて、左は大理石のような白い石で整備された壁と綺麗な道が続いていた。
なんでこんな場所に道が、怪しさ満点の別れ道に普段の竜騎なら絶対左にはいかず、右の洞窟の道に行くのだが……今回は違った。
「左に行くか……」
無意識的にそう呟いた竜騎は、何かに引かれるようにゆらゆらと左の整備された道に歩き出した。
左の道は入り口から見た通り全体が大理石のような石で整備されており、基本的に景色は代わり映えはしない道だった。壁には等間隔で純度の高い大きめの緑光石が埋め込まれており、洞窟同様暗いが視界には困らなかった。
ふらふらと、その道を進む竜騎。
そして、その道を進んだ先には縦横十メートルの巨大な壁画があった。竜騎はうっすらとしか見えていなかった壁画の全体を見ようと右手に炎を灯し、明かりとする。竜騎は明るくなったことで見えた壁画に固まる。
「なんだ、この壁画……」
トータスに召喚された時に見たエヒトの壁画とは違う。あのような美術品のような美しさを持った壁画とは違い、その壁画には地球のエジプトの壁画のような特徴を持った絵が描かれており、その壁画に写っているのは燃える街、そしてたくさんの人、その人の大半が鎧を着込んで槍を持ち空にいるナニカに槍を向けている。
空と思われる上のあたりには複数の羽を持つトカゲのような鱗を持つナニカ……『竜』が描かれていた。
そして特徴的なものはもう一つ。鎧を着込んで武器を持つ人とは違い、鎧を着込まずに軽装だが同様に竜の方へ体を向き、風のような模様が腕の周囲に集まっているもの、腕を剣の形に描かれているもの、そして炎の模様が周りに描かれ、竜のような翼を持ち飛んでいる人間が描かれていた。その人間達は竜騎が王宮の図書館で読んだ滅竜魔法の特徴を持っている。
「滅竜魔導士だ……」
竜騎は壁画に左手をつけ、描かれている人を見てそう言葉を口からこぼす。
するとどこからか声が聞こえてきた。
ーーイルーー
「!?」
壁画から手を離して、あたりを見回す竜騎。だが、周りには人間どころか生き物の気配もしない。
声は続けて聞こえてくる。それと共に一瞬にして周囲の環境がグニャリとねじれたように歪み切り替わった。
ーーイシヲウケツギシモノ……ーー
その言葉が耳に入ってくると同時に竜騎の視界に入ってきたのは、先程の整備された大理石のような道や壁画はない、暗闇に支配された空間だった。
「なんなんだよ、一体……」
地面は無いはずなのに立っている。
光などは一切ない暗闇なのに自分の姿はしっかりと視認できる。
そんな不思議な状態に竜騎は警戒心を高めながら周りを見ていると、竜騎の前に一個の太陽のような輝きを持つ光の球が現れた。
その光の球は、少し光が変化するような動きを見せた。すると先ほどから聞こえてきた声が聞こえてくる。
ーーリュウノマヲヤドシモノ…ワレラノイシヲツグモノヨ……ーー
「お前は……」
ーーソナタハイズレイタル……ハルカイニシエノヤクソクニシタガイ、ソナタニタクソウ……ーー
そこまで言った光の球は、姿を人に変化させた。そして、竜騎はその光の球が変化した姿に目を見開く。
変化した姿は自分と同じ桜髪、自分と似た顔立ち、壁画に描かれていた炎を纏った人間と同じ服装、右腕には竜の刺青のようなものが刻まれており、そして何より……自分が地球にいた頃肌身離さず持ち歩いて、身につけていた鱗柄の白いマフラーをしていた。
まるで自分が数年成長したような姿に変化した光の球に理解が追いつかなくなっていた竜騎の脳内処理は限界を超えた。
桜髪の人物は固まっている竜騎本人に右手を向けると、その右手から光の球だった時と同じ色の光を発し、その光は竜騎の体に吸い込まれた。
「え?!ちょ、何したんだよって、あれ……?」
固まっていた竜騎はいきなり自分の体に光が入った所で復活して、自分に似た人物に文句を言おうとするが、急にきた眠気に意識がだんだん薄れていく。頑張って眠気に抗うが、体に力が入らなくなっていく。
「く、そ……」
そうこぼしながら竜騎はうつ伏せになるように倒れながら、意識を失った。
ーーミライノマドウシヨ、ソナタノコレカラニサチガアランコトヲーー
桜髪の人物は、倒れ始めた竜騎を受け止めるとふわりと笑いながら、竜騎の頭を撫でる。
そしてその男の口から発せられた声は、小さかったが今までのどこか違和感のあった機械感のあるカタコトの言葉ではなく、人間らしさがある流暢な言葉だった。
「……く、なったな……」
♢♢♢
「…い、……きろ!…きろ竜騎!!」
「あ?」
どこか聞いたことのある声を聞いて、竜騎は目を覚ます。
倦怠感のある頭を覚醒させながら体を起こすと周りはあの暗闇の空間や、壁画のあった場所ではなく、最初の頃に探索した洞窟のような通路だった。
そして、目の前にはどこか自分の友人に似た顔立ちをしている目つきの悪い白髪の男が立っていた。
「もしかして……ハジメか?」
竜騎は男に向かってそう言った。共に落ちたハジメと似たような声、そして顔立ち……竜騎の滅竜魔導士としての恩恵である五感が敏感になるところからわかる、ハジメとほぼ同じの匂い。竜騎から出た言葉はほぼ確認だった。
「それで、竜騎はその自分に似たやつに何か体に入れられてからずっと意識がなかったのか?」
「そうだと思うけど……食事もなしにそれができるとは俺も思ってねえよ」
竜騎は「なんということでしょう!!」と言わんばかりの変化を遂げたハジメと情報交換をしていた。
「俺が探索を開始しても体感で二週間以上時間が経っているはずなんだが…今飲んでるポーション以外は何も口にしてないんだろ?」
「ああ…それにしてもすごいな、これ」
「そりゃあ伝説になってるくらいだからな」
二人は周囲に警戒しながら、お互いのあった事を報告しあっていた。
ハジメは奈落に落ちてから爪熊に腕を喰われたことから自分が神結晶を見つけたあと、魔物の肉を喰って生活していたこと、そして魔物を喰ったことで自分の容姿やステータスが変わったことを話して。
竜騎は自分が奈落に落ちて、探索をしている途中に謎の整備された通路があったこと、その先に竜と滅竜魔導士の戦いの壁画があったこと、そして自分の姿にそっくりに変化した光の球のことを話した
「それにしても、まさか魔物の肉を食っても再生するのか……俺も試してみようか?」
「一度喰ってしまえば『胃酸強化』の技能が増えるからそれ以降は平気だと思うぜ?でも、最初から魔力操作がある竜騎なら平気だとも思うけどな」
竜騎は自分が飲み干したポーションもとい神水の効果を聞いて魔物の肉を食べようか考えを口にするとハジメからの考察が返ってくる。
魔物の肉は猛毒だ。魔石という特殊な体内器官を持ち、魔力を直接体に巡らせて脅威的な身体能力を発揮する。体内をめぐり変質した魔力は肉や骨にも浸透して頑丈にする。
この変質した魔力が詠唱も魔法陣も通さないで発動する”固有魔法”を生み出しているとも考えられているが詳しくは分かっていない。とにかく、この変質した魔力が人間にとって致命的なのだ。人間の体内を侵食し、内側から細胞を破壊していくのだ。
実際、過去に魔物の肉を食べた人間は例外なく体がボロボロに砕けて死亡したとのことだ。だが、神水の効果はボロボロになって壊れた端から修復できてしまう。その結果、ハジメは超回復と同じような効果によって凄まじい速度で体が強靭になっていった。
だが、胃酸強化が技能にはないが、魔力操作を元々技能として持っている竜騎ならハジメは平気なのではと考えたのだ。
「確かに俺は魔力操作の技能を持っているけど……ハジメや魔物みたいに魔力の線ないぞ?」
「それは魔物の特性を得てる俺が例外的なのだと思うけどな……試しに喰ってみればいい。今とってくる」
そう言ってハジメは魔物を狩りに行こうと移動を始めようとする。
その動きに合わせて竜騎も硬くなっていた体をほぐしながら立ち上がった。
「流石に取りに行かせにいくのは悪い、俺も行く。なんか魔力が倍ぐらいになってるし肩慣らしがしたい」
ボオォ!!
そう言って竜騎は全快した魔力の総量が倍以上になっているのを確認し、軽く魔力を練り上げて右手に炎を灯す。
灯された炎は今までの炎より質が良く、大きかった。
「なんかレベルも上がってるし」
そう言って竜騎は、左手でステータスプレートを確認した。
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炎王竜騎 十七歳 レベル:10
天職:火竜・魔導士
筋力:500
体力:500
耐性:300
敏捷:180
魔力:3000
魔耐:3000
技能:滅竜魔法(火)[+火属性魔法超耐性][+火属性吸収][+滅竜奥義『紅蓮爆炎刃』][+吸収魔法魔力変換、魔法強化][+竜の子葉(封印)][+炎性質変化『焔』]・魔力操作[+第二魔力炉《セカンドオリジン》][+高速循環][+効率上昇][+循環強化]・威圧・言語理解
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「「……」」
改めて、内容を確認して二人は絶句する。
竜騎は自分のステータスのぶっ壊れ方に。ハジメは、自分以上の化け物を見たからだ。
「なんだよお前これ……」
「わっかんね……なんだよ魔力3000って…もしかしてこの『セカンドオリジン』ってやつかな?未解放じゃなくなってるし……」
「とりあえず、ここで戦えるのはわかったよ……なんなら俺より強いし」
少しだけ、本当に少しだけこの階層で強くなったことで自分に自信があったハジメは自分より強いのステータスの竜騎に凹んだ。
凹んだハジメの雰囲気を察して竜騎は慰めようとするが、何しろハジメは凹んでいるのは自分のステータスが原因なので、動けなかった。
ちなみに、凹んだハジメが復活したのは十分ほど立った後だったと言う。
オリ主の強化、第一弾「ステータス底上げ」
ちなみにしばらく成長は5とか10の緩やかになるよ、なぜなら強くなりすぎるから
あと、投稿遅れてすいません_:(´ཀ`」 ∠):
七日前にできていたのですが、色々忙しく投稿することができませんでした。
竜騎・ハジメ側かクラスメイト側の話、どっちが先がいい?
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竜騎・ハジメ側
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クラスメイト