ありふれない魔法で炎竜王   作:目指せ焼豚

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久々にバイトの休みがあったので仕上げられた……契約では週3なのに週5近く入れてくるWさんとTさん許すまじ

( ^ω^ )ピキピキ


月との出会い

 ハジメと竜騎の迷宮探索は続く。

 

 現在の階層は五十階層、あの奈落に落ちた日から今はどれほど時間が経ったのかわからないがかなり驚異的なペースで進んできたはずだ。

 その間にも理不尽としか言いようのない強力な魔物と何度も死闘を演じてきた。

 

 例えば、迷宮全体が薄い毒霧で覆われた階層では強力な毒の痰を吐く虹色の蛙や、見た目が完全にモ●ラの毒の鱗粉を撒き散らす蛾などに襲われた。神水がなければ二人とも死んでいた可能性が高いだろう。

 

 そんな二人のステータスはこんな感じだ。

 

 

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 南雲ハジメ 17歳 男 レベル:49

 

 天職:錬成師

 筋力:880

 体力:970 

 耐性:860 

 敏捷:1040 

 魔力:760 

 魔耐:760 

 技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合]・[+高速化][+複製錬成]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配探知・魔力探知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・言語理解

 

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 炎王竜騎 17歳 男 レベル35

 

 天職:火竜・魔導士

 筋力:750

 体力:890

 耐性:450

 敏捷:325

 魔力:3075

 魔耐:3075

 技能:滅竜魔法(火)[+火属性魔法超耐性][+火属性吸収][+滅竜奥義『紅蓮爆炎刃』][+吸収魔法魔力変換、魔法強化][+竜の子葉(封印)][+炎性質変化『焔』][+五感強化]・魔力操作[+第二魔力炉《セカンドオリジン》][+高速循環][+効率上昇][+循環強化][+魔力感知]・威圧・言語理解 

 

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 ハジメのステータスは言わずもがな、竜騎のステータスも化け物じみてきた。

 そして二つの派生技能が追加された。ただ、ハジメのように技能はやっぱり増えはしなかった。

 何度神水のお世話になったかわからないが、不思議と技能にはないのに一回状態異常を受けて治療するとある程度耐性のようなものがついていたので竜騎は技能増えないことを気にしていないようだ。

 

 二人は五十階層で作った拠点でそれぞれの鍛錬をしながら足踏みをしていた。というのも階下への階段はすでに見つけているのだが、この五十階層に異質な場所があったのだ。

 それはなんとも不気味な空間がなかったのだ。

 

 脇道の突き当たりにあるひらけた場所には高さ三メートルの装飾された荘厳な両開きの扉があり、その扉の脇には一対の一つ目の巨人彫刻が半分壁に埋め込まれるように鎮座していたのだ。

 二人はその空間に足を踏み入れた瞬間全身に悪寒が走るのを感じこれはヤバイと一旦引いたのである。もちろん装備を整えるためで避けるつもりは毛頭ない。ようやく現れた変化に二人は調べないわけにはいかない。

 

 ハジメは期待と嫌な予感を両方同時に感じていた。あの扉を開ければ確実になんらかの厄災と相対することになる。だが、しかし、同時に終わりの見えない迷宮攻略に新たな風が吹くような気もしていた。

 

 竜騎はハジメと同様に嫌な予感を感じていたが、期待ではなくここ最近の心配事を解決してくれる何かと出会えるような気がしてならなかった。ここ最近の心配事…ハジメのことである。迷宮の最奥に落ちてから再会するまでに、劇的に性格を変化させたハジメ。その性格がここ最近、長い迷宮攻略のせいでまたらさらに変化しようとしているのを察知していた。今の状態ならまだいい、ただ、これ以上変化して過激になると日本に戻った場合暮らしに支障が出てくる可能性が竜騎は否定できなかった。

 

 だが、件の扉を発見したときにそれを解決してくれるような発見があると感じたのだ。だから、竜騎は今回の足踏みで何かあってもいいように現在のポテンシャルを完璧に引き出せるように調整をしていた。

 ハジメも今持てる武技と武器、そして技能。それらを一つ一つ確認し、コンディションを万全に整えていく。

 

 そして拠点を出る前にハジメはゆっくりとドンナーをホルスターから抜いて額に押し当てて、自分の心の中で決意を確認し、自分の覚悟を宣言した。 

 

 「俺は、生き延びて故郷に帰る。日本に、家に……帰る。邪魔するものは敵。敵は……殺す!」

 

 そう言ってハジメは拠点を出て行った。

 竜騎は、そのハジメを見ながら少し心配事が加速したが、すぐにその心配がなくなると感じれるのですぐにいつもの調子に戻り、ハジメの後を追った。

 

 

 

 

 扉の前に来た二人は油断なく歩みを進める。特に何事もなく扉の前にやってきた。近くで見れば益々、見事な装飾が施されているとわかる。そして、中央に二つの窪みのある魔法陣を二人発見した。

 

 「なんだ?これ、今の魔法陣の式ではねえな。ハジメわかるか?」

 

 「わかんねぇな。結構勉強したつもりだが、こんな式は白の図書館にはなかったぞ?」

 

 二人はその魔法陣を観察しながらそう言い合う。

 座学にも二人は力を入れていたから、かなりの知識はあるつもりだった。だが、そんな二人でも全く読み取れない魔法陣の式……二人は同じ答えに行き着いた。

 

 「「記録よりも昔の古い式」」

 

 二人はそんなものがあるこの扉に益々警戒度を高めながらも、それを解読しようと試行錯誤したが、現在の二人の知識ではどうにもできないかった。

 

 「仕方ない……いつも通り錬成で行くか」

 

 「了解、じゃあ、周囲の警戒は任せろ」

 

 一応、押したり引いたりして開くか検証したが全く動く気配はなかったため、錬成で強制的に開けようとしたハジメ。

 しかし、ハジメが錬成を開始した途端、

 

 バチィィ!

 

 「うわっ!?」

 

 扉から赤い放電が走り、ハジメの手を弾き飛ばした。初めの手からは煙が吹き上がっている。悪態をつきながら神水を飲み回復するハジメ。直後に異変が起きた。

 

 

 オオオォオォォォォォ!!

 

 突然、野太い雄叫びが部屋全体に響き渡ったのだ。

 ハジメはバックステップで扉から距離を取り、腰を落として手をホルスターのすぐ横に触れさせていつでも抜き撃ちできるようにスタンバイする。

 雄叫びが響く中、ついに声の正体が動き出した。

 

 「まあ、ベタと言えばベタだな」

 

 苦笑いしながら呟くハジメの前で、扉の両側に掘られていた二体の一つ目巨人が周囲の壁をバラバラと砕きつつ現れた。いつの間にか壁と同化していた灰色の暗緑色に変色している。

 まるっきり容貌はファンタジー常連のサイクロプスだ。手にはどこから出したのか四メートルはありそうな大剣を持っている。未だ埋まっている阪神を強引に抜き出し無粋な侵入者を排除しようとハジメの方に視線を向けた。

 

 その瞬間、右のサイクロプスの死角から大きな炎の塊が現れ、サイクロプスの頭を跡形もなく吹き飛ばした。

 

 「『火竜の鉄拳』!」

 

 竜騎である。

 左のサイクロプスはその光景をキョトンとした様子で隣のサイクロプスを見る。頭を消しとばされたサイクロプスの体は衝撃で壁にぶつかりビクンビクンと痙攣した後、そのまま動かなくなった。

 

 「言っておくけど、俺とハジメはそんなお約束守る奴らじゃないぜ?」

 

 左のサイクロプスにそう投げ掛ける。その瞬間に凄まじい発砲音と共に左のサイクロプスの頭を吹き飛ばされた、今度はハジメである。

 

 もう色々ひどい攻撃だった。

 本来ならこの扉を守護するガーディアン的な役割を担っていたであろう二体のサイクロプスを一瞬である。固有魔法すら使わせなかった。

 二人はそれぞれ倒したサイクロプスから魔石をせっせと取り出すとちょうど収まりそうだったのでためし魔法陣の窪みに入れてみた。

 

 直後魔石から赤黒い魔力光が迸り魔法陣に魔力が注ぎ込まれていく。そして、パキャンという音が周囲に鳴り響き、光が収まった。同時に部屋全体に魔力が行き渡っているのか周囲の壁が発光し、久しく見ていなかったほどの光量が二人の目を襲った。

 

 二人はその光に警戒をしながら、そっとドアを開いた。

 扉の奥は光一つなく真っ暗闇で、大きな空間が広がっているようだった。ハジメは技能の”夜目”や手前の部屋の明かりで、竜騎は自分の炎であたりてらし周囲の全容を確認した。

 

 中は聖教教会の大聖堂で見た大理石のような石でできており、幾本もの太い柱が規則正しく奥へ向かって二列に進んでいた。

 竜騎は少し前に見たことがあると感じ、すぐにその答えが口から出た。

 

 「これ……俺が前に見た壁画のところの材質と似てる」

 

 「何?」

 

 竜騎の言葉にハジメは反応する。そしてさらに警戒しながら中を注視する。

 部屋の中央付近に巨大な立方体の石が置かれており、部屋に差し込んだ光に反射して、つるりとした光沢を放っている。その立方体に目を向けていたハジメは、何か光るものがm立方体の前面の中央あたりから生えているのに気がついた。

 

 そのことを龍騎に教えて、近くで確認しようと二人で扉を大きく開けて固定しようとする。いざというときに、ホラー映画のように、入った途端バタンと閉められたら困るからだ。

 

 しかし、二人が扉を開けっ放しで固定する前に、それは動いた。

 

 「……だれ?」

 

 二人の耳に届いたのは掠れた弱々しい女の子の声だ。びっくりして二人は部屋の中央を凝視する。すると、先程の”生えている何か”がユラユラと動き出した。差し込んだ光がその正体を暴く。

 

 「人……なのか……?」

 

 「人だな……」

 

 ”生えていた何か”は人だったのだ。

 首あたりから下と両手を立方体の中に埋めながら顔だけでており、長い金髪が某ホラー映画の女幽霊ばりに垂れ下がっている。そしてその金髪の隙間から低高度の月を思わせる紅の瞳が覗いている。年齢は十二、三歳ごろだろうか?ずいぶんやつれているし垂れ下がった髪でわかりずらいが、それでも美しい容姿だということはわかる。

 

 予想外だった二人は硬直し、紅の瞳の女の子は呆然とした面持ちで二人を見つめていた。やがて、二人はお互いの顔を見合わせて、大きく深呼吸をしたのち、決然とした表情で告げた。

 

 

 

 

「「すみません。間違えました」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竜騎・ハジメ側かクラスメイト側の話、どっちが先がいい?

  • 竜騎・ハジメ側
  • クラスメイト
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