ありふれない魔法で炎竜王   作:目指せ焼豚

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オリジナルを混ぜたので短いっす。
少しオリ主過激かな〜?


試射と悪意と怒りの焔

 「ねえ……竜騎」

 

 「ん?なんだ??」

 

 場所は変わって王宮内の食堂。基本的に召喚されたクラスメイト全員が食事を取る場所で、ハジメは向かいの席にいる全員から注目を浴びている竜騎に話しかけた。

 

 「その……美味しいの?()って?」

 

 ハジメが見ている光景は、皿の上に載っている大量の松明の炎を食べている竜騎の姿だった。竜騎は技能の一つにある『火属性吸収』の実験として現在は3食のうちの一食を変えて炎を食べているのだ。

 

 「ん……表現しにくいな。美味いのはわかるんだけど表現するのが難しい。美味しい炎としか言えん」

 

 「そうなんだ……まずい炎とかあるの?」

 

 「少なくとも悪意の滲み出た炎はまずい」

 

 『悪意の滲み出た炎?』とクラスメイトとハジメの頭の中が珍しく一致する。

 そもそも悪意の滲み出た炎を見たことがないのでわからないが竜騎が好んでないことはわかった。

 

 それからハジメの銃のことや、現在の竜騎の魔法の進捗などを話していると、近づいてくる女子が一人。香織である。ハジメは香織を見て少し困ったような表情をしてから香織に話しかける。竜騎は炎に夢中で気にしていない。

 

 「おはよう、白崎さん。何かよう?」

 

 「あ、おはよう南雲くん。今日は訓練に参加するの?」

 

 それは香織がハジメに確認することなのか?

 そうハジメは内心思ったが、そのことを内にとどめて会話を続ける。

 

 「うん、今日は今朝できたものを試したいからね」

 

 「できたものって?」

 

 香織がさらに聞いてくるが、流石に『銃を作りました』と素直に言うのは憚れる。なぜなら、銃なんて物騒なものを作ったとしたら愛子先生や光輝が騒ぐ可能性があるからだ。だから竜騎に言われていたように、適当に誤魔化す。

 

 「悪いんだけど、まだ試作品だから。危険があるかもしれないから教えられないよ」

 

 そこまで言うと香織は残念そうな顔をして自分のグループが座る場所に帰っていった。

 なんとか帰ってくれたと思ってため息を吐き、いつの間にか食べ終わっていた竜騎に助けてくれなかったことに恨めしそうな視線を送る。するとその視線の意図に気がついた竜騎がハジメを見ながら反論する。

 

 「そんな目で見るなよ。いい加減こっちからすれば気づけよこの朴念仁」

 

 「その言葉、そっくりそのまま返すよこの桜頭」

 

 ハジメは知っているのだ、竜騎がだいぶモテることを。元々面倒見の良い性格が起因してか、竜騎は年下からの受けがいい。光輝の人気には負けるかもしれないが、竜騎の人気も相当なものだったのをハジメは記憶している。アイドルの追っかけのような光輝に好意を寄せる人とは違い、竜騎に好意を寄せている人たちは独自のチャットグループを作り、その中でルールを設けたりして竜騎の迷惑にならないように活動しているのであまり表立って目立たなかったが、よく一緒にいるハジメにはそのグループの代表者からそのグループのことを知らされていたこともあり、どれだけ周りが本気で竜騎に好意を寄せているかを1番知っていると言っても過言でもない。ただ、あまり周りの評価を気にしない性分で、なおかつ自分に対して鈍い部分がある竜騎は気が付いていなかったが。

 

 だが、逆に竜騎もハジメがどれだけ香織に好意を寄せられているかを理解しているのだ。実際一年の頃から竜騎はハジメに近い人物として香織からいろんなことを聞かれており、何度かどうしたらハジメと仲良くなれるかを相談されたこともある。流石に、中学の制服からハジメの出身校を割り出したことがあると話された時は引いたが。だが、そもそも学校生活を重要視していないハジメは学校に自分に好意を寄せてくれる存在がいるとは思っていないので気が付かなかったが。

 

 そんなお互いの鈍い部分を言い合いながら二人は食べ終わった食器を片付けるために移動を始める。

 二人を見るクラスメイトの中に、数箇所から黒い感情を含んだ視線があったのだが、その視線に二人は気がつかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 ドオォォォン! ドオォォォン! ドオォォォン! 

 

 訓練場に大砲のような巨大な音がなる。

 その音の発生源はハジメが手に持っている銃だ。

 

 ハジメは尻餅をつきながら、自分の手の中にある銃から発生した音に驚いた。

 

 「燃焼石の量間違えたな。これは…」

 

 竜騎はそう言いながらすでに熱で曲がり始めている銃のバレルを見る。先程の三回の銃撃でバレルは曲がってしまっていた。

 ハジメはその銃を見ながら尻についた砂を銃を持つ手の逆の手ではたき落とす。

 

 「うーん、やっぱりそうだよね。他の解決方法を考えるとなると、さらに頑丈な鉱物を使うか、今のバレルをさらに強化するしかないんだよね……燃焼石を少なくして飛距離を短くするのが妥当かな」

 

 ハジメは錬成陣を刻まれた手袋をはめてバレルを修正するとまだ打っていない弾丸を取り出して燃焼石の量を減らし始める。

 竜騎はそのハジメの動きを見て、自分も訓練の前にトイレとハジメに一言を入れて、一旦その場所を離れた。

 

 ハジメは竜騎の姿を一瞥すると、そのまま錬成でバレルを治しながら改良点を考えながらブツブツと独り言を始める。

 だがその姿を、朝の食堂で黒い感情を含んだ視線を向けていた男子生徒達がハジメをじっと見ていて、その男子の一人がハジメの肩を掴んで話しかけた。

 

 「何してんの?な・ぐ・も君?」

 

 

 

 ♢♢♢

 

 

 竜騎が戻ってきた時に訓練場から瞳に映ったのは、ハジメが檜山、中野、斉藤、近藤にリンチされている光景だった。

 

 「ほら、避けないと南雲君〜」

 

 「グア?!」

 

 檜山がいつもの人とハジメを囲み、背中を鞘で殴りつけて痛めつける。悲鳴をあげて地面に倒れ込むハジメにさらに追撃を加わる。

 

 「ほら、何寝てんだよ?焦げるぞ〜。ここに衝撃を生む、”火球”」

 

 中野が火属性魔法”火球”を放つ。倒れた直後であることと背中の痛みですぐに起き上がることができないハジメは、ごろごろと必死に転がり何とか避ける。だがそれを見計らったように、今度は斎藤が魔法を放った。

 

 「ここに風撃を生む、”風球”」

 

 風の塊が、立ち上がりかけたハジメの腹部に直撃し、ハジメは体をくの字に曲げて吹き飛ばされた。そして胃液を吐きながら蹲る。

 魔法自体は一節の下級魔法だ。それでもプロボクサーに殴られるくらいは威力はある。それは、彼らの適性の高さと魔法陣が刻まれた媒体が国から支給されたアーティファクトであることが原因だ。

 

 それからも、檜山達はハジメをリンチし続ける。ハジメは痛みに耐えながらそのリンチが終わるのを待っていた。

 本来なら持っているはずの銃や、反撃をしてもいいはずなのにハジメは反撃をしない。日本の価値観で銃を人に言うったらいけないと考えたりしているものあるが、小さい頃から、人と争う、誰かに敵意や悪意を持つ、と言うことが苦手なハジメは、誰かと争い事になる時はいつも自分が折れていた。自分が我慢すれば話はそこで終わり、喧嘩するよりもずっといいと考えてしまうからだ。

 

 だからハジメは反撃しない。

 訓練場の隅とはいえ、他のクラスメイトがいる場所でこの行為は行われている。香織にいつも気にかけてもらっているハジメは後方支援に回った人にはもう悪感情を向けられることはないが、戦争に参加するときめた人にはまだ悪感情を向けられているのだ。だから誰も助けない。中には助けた方がいいと行動しようとする人がいるが、檜山のリンチの標的がその人に回ることがないように周りの人間が止めている。

 

 だが、一人の人間は違う。ハジメを友と呼び、召喚されたものの中で1番気にかけている少年…竜騎だ。

 竜騎は戻ってきて瞳の中に入ってきた光景に体が固まった。頭の中がなぜか急速に回転し、自分の中で感情が昂り、内の炎が燃え上がるのを感じる。

 

 (なんでハジメがあんな目に遭っている?何で周りのやつは助けない?何でハジメがこんな目に遭わなければならない?……何でだ、何で……自分がやられるのを怖がるくせにハジメになるとみんな放置する?)

 

 「…同じ人だろうが」

 

 竜騎はそう呟いて、檜山達の方に歩き出す。

 歩いている竜騎の周りの温度が少しずつ上がって身体のあちこちから焔が激しく噴き出し、体が不思議と軽くなる感覚を感じながらハジメをリンチしていて気が付いてない檜山の肩を後ろから掴んだ。

 

 

 

 

「俺のダチに何してんだ?クソ野郎」

 

 

 

 

竜騎・ハジメ側かクラスメイト側の話、どっちが先がいい?

  • 竜騎・ハジメ側
  • クラスメイト
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