ありふれない魔法で炎竜王   作:目指せ焼豚

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今回は短めです。


怒りの焔と竜の子葉

「俺のダチに何してんだ?クソ野郎」

 

 檜山の肩を掴んでそういった竜騎の声は仲の良いハジメでさえ聞いたことのない低い声で、それでいて心の底に響くような恐ろしい声だった。

 

 

 「え…炎王……」

 

 肩を掴まれた檜山とその仲間達は、バレてはいけないやつにバレてしまったと言う顔をしていて、顔を青どころか白くしながら同じ方向に後退りながら必死に今の状況を説明しようとする。だが……

 

 「いや、これは訓練、そう、くんれn「言い訳はいい」ヒ……」

 

 体から炎を噴き出しながら、言い訳をしようとする檜山の口を黙らせて、グイッと顔を檜山の顔に近づけながら言った。

 

 「とりあえず……てめえらは許さん」

 

 そう言って竜騎は肩を持っていた手の逆の手で顔を離すと同時に檜山の顔を掴み、魔法を発動させる。

 

 「『火竜の握撃』」

 

 ドカン!!

 

 普段の訓練でやる大きさではない爆発が檜山の顔に襲われ、吹き飛ばされた。

 

 「ガッ?!」

 

 その爆発をゼロ距離から受けた檜山の顔は、爆発の衝撃の威力を強めにしていたのか髪などは燃えておらず、火傷もひどくなかった。だが、ゼロ距離で爆発を受けたことで気絶していた。

 

 とりあえず、意識がないものを襲うつもりはないのか竜騎は次の標的を他の三人に変える。

 

 「ちょ、ちょっと落ち着けよ。な?」

 

 斉藤が竜騎を説得しようとするが、関係ないとばかりにその話を無視し、斉藤の腹に焔を纏わせた一撃を喰らわした。

 

 「『火竜の鉄拳』」

 

 「うっ!?」

 

 『く』の字どころか『つ』のように折り曲がった斉藤は勢いよく胃液を飛ばしながら吹き飛んでいき訓練場の壁に激突した。激突した斉藤はそのまま壁に蜘蛛の巣状のヒビを作りながらめり込み、意識を失った。残り二人。

 

 竜騎は残った中野と近藤を見ながら息を吸い込んで、魔法の発動態勢に入る。

 口の中に溜め込んだ魔力をさらに練り上げて、高温にしながら息を吐く。

 

 「『火竜の咆哮』」

 

 『あっちい!!』

 

 焔の塊をまともに受けた二人はその焔から逃げるように後方に避難する。だが、二人は気がついていなかった…後退した場所には気絶した檜山と斎藤のめり込んだ壁があることに。

 だが、それを狙っていたかのように竜騎は次の魔法の発動態勢になっていた。両手に巨大な焔を纏わせてから両手を合わせて、巨大な火球を作り二人にぶん投げた。

 

 「右手と左手の焔を合わせて……『火竜の煌炎』!!」

 

 ドオオオオオンン!!

 

 先ほどハジメが使っていた銃よりも巨大な炎の爆発は、吹き飛ばされて気絶していた檜山、壁にめり込んでいた斉藤も巻き込んで中野と近藤を中心に大爆発した。

 

 

 「何の騒ぎだ!!」

 

 先ほどからなる音に急いできたのか、光輝や香織などの人気組が走って訓練場にやってきた。

 そしてハジメを後ろにしながら、檜山達四人組をたった今下した竜騎の姿を目にする。雫は檜山達がハジメをいじめ、その光景を見た竜騎が激昂したとすぐに気が付いた。香織はハジメしか目に入っていないのか、怪我をしている姿をみて顔を青くしながら慌てて駆け寄り治療を開始する。龍太郎は無傷で四人を下すことができた竜騎の実力に唖然としていた。だが、光輝には竜騎が悪に見えたらしく竜騎に詰め寄った。

 

 「竜騎!何でこんなことをした!!」

 「あ?ダチがやられていたから助けただけだよ」

 

 至極当然のようにいう竜騎。その言葉と真面目な顔つきで一瞬固まった光輝だがすぐにまた竜騎に突っかかる。

 

 「だからと言ってここまですることはなかったはずだ!」

 「ならどうやってハジメのリンチを終わらせる?まさか話し合いで終わらせるなんて言わないだろうな?」

 「っ……」

 

 図星だった光輝。その光輝を見てため息を吐いて今度は視線を訓練場にいた他のクラスメイトに目を向ける。

 

 「言っとくがお前らにも文句はあるからな?後方支援のハジメがリンチされているのに助けようともしない…おそらくハジメが気に食わない感じだろうが……人を救うとか言っていた奴らが人を差別するなんて、話にもならないな」

 

 竜騎のその言葉に数人目を逸らす。

 

 「確かに人には相性があったり、合わない人間がいたりするのは自然だ。だけどな……今まで大して関わったことのない奴らが、ハジメを下にみて物理的にも、言葉的にも暴力を振るわれるのは…友としちゃ我慢ならないんだよ。嫉妬とかだろうが、何だろうが、自分から努力しない奴らが努力している人間を馬鹿になんかしちゃあいけねえ……自分たちの憧れを勝手に押し付けるのもだ」

 

 もう一度、光輝に視線を戻す。

 竜騎の瞳はまたドラゴンのように変化し、桜色の髪は逆立ち、目の下のあたりがパキパキと鱗のように変化する。

 

 「自分の友達や知り合いが暴力を受けていて、それを無視したり、受けたやつの気持ちを無視して話し合いで解決し傷をなかったことにするのが賢い選択なのなら……俺は一生馬鹿でいい。馬鹿に生きて、俺の正しいと思うことを貫いてやる。文句があるのなら……かかってこいよ、クソヤローが!!

 

 竜の咆哮、まさにそう感じるほどの威圧感を放ちながら竜騎は言い放つ。

 その言葉は、なぜか暖かく感じる者もいれば、首元に竜が牙を突き立てているような感覚に感じた者もいたと、後に語られた。真正面から受けた光輝は威圧感で動けないのか、固まったまま動かない。

 

 長い時間にも感じられた威圧感は、竜騎の変化が無くなったと同時に消え去り、どっと疲れがクラスメイト達を襲う。そしてその様子を見ながら竜騎はハジメの方へ向かい、治療をしてくれている香織に話しかける。

 

 「治療はもう終わったのか?白崎」

 「う、うん……だけど、安心したのか気絶しちゃったみたいで…」

 

 そう香織に説明された竜騎は、ハジメの容体を確認する。傷もダメージも回復しているのか呼吸は安定しているし風魔法で吹き飛ばされたことで予想していた骨にダメージもない。竜騎は器用にハジメの体を動かし背中に背負うと香織の方を向く。

 

 「ハジメを自室に戻してくる、メルド団長にも伝えておいてくれ。治療をしてくれて助かったよ」

 「大丈夫だよ。自分のしたいことをしただけなんだし…ハジメくんにもよろしく言っておいて」

 

 

 香織の言葉に竜騎はうなずいて、ハジメの割り当てられた自室に歩き出す。

 それから訓練場にいたクラスメイトはどこか考えるような感じで訓練に身が入っていない物が多数いた。そして、その訓練の最後にメルド団長から聞かされた迷宮での実戦訓練で、物語は急速に進んでいくこととなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♢♢♢

 

 ステータス更新

 

 

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炎王竜騎 十七歳 レベル:3

天職:火竜

筋力:210

体力:210

耐性:90

敏捷:70

魔力:550

魔耐:580

技能:滅竜魔法(火)[+火属性魔法高耐性][+火属性吸収][+吸収魔法魔力変換、魔法強化][+竜の子葉]・魔力操作[+第二魔力炉セカンドオリジン(未解放)][+効率上昇][+循環強化(未解放)]・威圧・言語理解

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今回はオリ主である竜騎に『ドラゴンフォース』の予兆を出させてもらいました。

元ネタのマルド・ギールとの戦いでナツが感情の昂りで発動させた描写があったので、それを参考に。
初期のナツは「強力な魔力」を食べてからドラゴンフォースを発動させるの描写があるのでそっちを使いたかったけど、それはまた後に使おうと思います。まだ予兆ですしね(笑)

あと、前に滅竜奥義は何を最初に使わせましょうか?アンケート機能を使ってみたいのでもしかしたら使うかも。


あとは技能にある『竜の種』が芽吹きました。これが作品の鍵にもなります。


竜騎・ハジメ側かクラスメイト側の話、どっちが先がいい?

  • 竜騎・ハジメ側
  • クラスメイト
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